ここでは漁法の説明と漁法ごとに獲れる主な魚について紹介します。
この漁業は網を入れる船が2隻、魚群を探す船、獲った魚を運ぶ船など5隻程度の船団を組んで操業し、大阪湾では最も規模の大きい漁業です。魚群を発見すると、網船は現場に急行します。そして、魚群を長さ1000mの巨大な網で囲みます。その後、網のすそを絞り込んで魚の退路を遮断します。最後に、網をたぐり寄せ、獲った魚をフィッシュポンプで運搬船に移し、港へ運び水揚げします。
イワシ類、アジ・サバ類、コノシロなどを6月から10月に漁獲します。
大阪では、バッチ網漁業とも呼ばれています。網の形が、パッチ(ももひきの長くて足首まであるもの)に似ているからです。2隻の網船が魚群を抱え込むように投網し、平行に並んで網をひきます進行方向右側の船が緑の旗を、左側の船が赤い旗をあげています。網の先は、目の細かい袋状になっていてここに魚がたまります。しばらく網をひいた後、袋網にたまった魚を、運搬船がとりあげ、港へ運びます。
2月から3月頃はイカナゴシラスを、5月から11月頃はイワシシラスを漁獲します。
2本のロープに結び付けられた開口板(かいこうばん)が特徴です。網の口を大きく開かせる役割をしています。網の口の下部に沈子(ちんし=おもり)が取り付けられています。この網で海底をひいて操業します。
主に、スズキ、アナゴ、マアジなどを4月から11月頃に漁獲します。
漁具は鉄の爪のついた鉄枠に袋状の網を取り付けています。鉄枠(けたと言います)の両端には、おもりとして大きな石を付けているので、石げた網の名前がついています。この石げた3丁から5丁をワイヤーロープで漁船から張り出した棒にかけ、海底をひっぱります。このとき、爪が海底の砂泥をひっかき、おどろいて出てきた魚介類を袋網の中に取り込んで漁獲します。
主にエビ、カニ、シャコ、ウシノシタ類を漁獲の対象としています。漁期は、一年中です。
魚が泳ぐところをさえぎるように、網を海底に張ります。魚を網の目にからませて獲ります。獲る魚の種類によって、網の目の大きさや網を張る深さが異なります。呼び名もいろいろあり、一枚建網(たてあみ)、三枚建網、かに建網、した建網などと呼ばれる網が使用されます。
カサゴ、メバル、カレイ類、カニ類などを漁獲しています。漁期は、一年中です。
網を錨(いかり)などで固定しないで、潮流、風によって表・中層を流します。網を水中に吊るすために、浮子や浮標を多く使用します。獲る魚の種類によって、網目の大きさや網を流す水深がちがいます。網は長いもので3kmにもなり、夜は灯火をつけて網の位置を示します。
主にサワラ、ツバス(ブリの子)などの回遊魚を5月から11月頃に漁獲します。
刺網の一種で、魚群の周りを囲むように網を入れます。次に、水面を竹竿などでたたいたり、水中で鉄輪を鳴らし、魚をおどろかせて、網にからませて漁獲します。
5月から11月にかけて、スズキなどを漁獲します。
漁船から竹竿を張り出し、これに釣糸をつけ、エサの小魚の形に似た擬餌針(ぎじばり)をひきまわして、これに食いつく魚を漁獲します。
大阪湾では、タチウオ、サワラを8月から翌年2月頃に漁獲します。
魚介類は、餌を探したり、産卵のため、群れで行動する種類が多く、定置網はこの習性を利用して、効率よく漁獲する漁具の一つです。府内の沿岸では、規模の小さい桝網(ますあみ)などが使われています。これらを小型定置網と呼んでいます。
この漁法では、スズキ、マアジ、メバル、クロダイ、コウイカなど多くの種類の魚介類を漁獲します。主な漁期は4月から12月です。
ネズミ捕りの籠(かご)を大きくしたような網の籠を使います。イワシなどのエサを入れた籠をロープに結び付けて海底に沈めます。夕方から夜間に漁を行います。
漁期は、ほぼ一年中です。この漁法で獲れるのは名前のとおりアナゴです。
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環境農林水産部 水産課 企画・豊かな海づくり推進グループ
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