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更新日:2021年7月2日

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令和3年6月委員会会議会議録

大阪府教育委員会会議会議録

※印刷用は令和3年6月教育委員会会議録(PDF:248KB)をご参照ください。

1 会議開催の日時

令和3年6月28日(月曜日)午後2時00分 開会
午後2時40分 閉会

2 会議の場所

委員会議室(府庁別館6階)

3 会議に出席した者

  • 教育長 橋本 正司
  • 委員 竹若 洋三
  • 委員 井上 貴弘
  • 委員 岡部 美香
  • 委員 中井 孝典
  • 委員 森口 久子
  • 教育監 柴 浩司
  • 教育次長 後藤 克己
  • 教育センター所長 坂本 俊哉
  • 教育総務企画課長 仲谷 元伸
  • 教育振興室副理事兼高等学校課長 白木原 亘
  • 支援教育課長 平田 誠和
  • 保健体育課長 西田 修
  • 小中学校課長 片山 繁一

4 会議に付した案件等

  • 議題1 令和2年度検定合格高等学校用教科用図書の調査研究結果について
  • 報告事項1 「令和4年度使用 教科用図書選定資料 中学社会(歴史的分野)」について
  • 報告事項2 新型コロナウイルス感染症に係る対応について

5 議事等の要旨

  • (1)会議録署名委員の指定
    竹若委員を指定した。
  • (2)5月11日の会議録について
    全員異議なく承認した。
  • (3)議題の審議等

議題1 令和2年度検定合格高等学校用教科用図書の調査研究結果について

【議題の趣旨説明(高等学校課長)】
標記につき定める件である。なお、最終的な教科書の採択は、校長・准校長の選定をもとに、8月の教育委員会会議において決定する。

【質疑応答】
(井上委員)この教科書の話が出てくる時に毎回同じ話をして恐縮だが、今回も5箇所の指摘事項があった。やはり、民間の事業者が出している参考書や本屋で並んでいる参考書ではありえないミスだと思う。大阪だけではなく全国の都道府県で教育委員会事務局の人がこのように研究調査していると思うが、そこで間違いを指摘してくれる前提でしかチェックしていないのではないかというミスだと思う。前回の時もお話したが、ちゃんとやってくださいということを教科書会社に申し入れはできないのか。

(高等学校課長)今回の調査を受け、指摘する予定である。今後教科書出版会社に意向を伺う際に、どういう形でこの後対応していくのか確認していきたい。

(井上委員)意向を伺うというのではなく、明らかに4番などは、スペルを間違えている。また、文章の中に何か無駄なスペースが入っている等の記載ミスもある。お金を出して買う教科書として、普通あり得ない話だと思う。
今回は私の印象では少ないと思うが、やはり、今まで何度も申し上げてきたように、教科書会社でもう少ししっかりチェックしてから、文科省に、また都道府県の教育委員会に出してもらわないといけない。毎回毎回、教育委員会事務局で、間違い前提でチェックしていかないといけないというのは違うのではないか。全然間違ってないと思われるものを一応確認するということではなく、間違いがある前提で、毎回ちゃんとチェックしないといけないとなると、こちら側にも余計な人件費もかかってくる。意向を伺うというのではなくて、お金を出して買っているものなので、「ちゃんとやってください」ということを言うべきだと思う。

(高等学校課長)教科書会社等にもこちらからも話をしてまいりたい。

(井上委員)あまり皆さん方は普段から指摘はしないのか。他の都道府県等はどうなのか。

(高等学校課長)他の都道府県の動きまでは調査していないため、把握していない。

(井上委員)お金を出して買う書籍として普通に考えて絶対ありえないミスが満載だと思う。前回、前々回にも指摘したことだが、商業の教科書か何かで、会社の予算の立案について記載されたところがあったが、民間企業では絶対使わない用語が出てきた。私だけ今までの経験で使っていないのかと思って、10社ぐらい上場企業の経営計画に携わっている人間にも聞いたが、こんな用語は使ったことがないというような用語が出てきている。そういったものはもう教科書会社のミスではなくて、世の中の実態を知らずに教科書を作っているということ。そうなると、それを使って学んだ生徒たちがいざ社会に出ると、そんな知識は使えないということになってしまう。
問題点は二つあって、一つは、今回はなかったが、世の中の実態に合わせた記載を行うということ。もう一つ、それよりももっと悪いのは、何か変なスペースがあるとか、明らかに文法ミスがあるなどのミスに対しては、もう少ししっかり申し入れないと駄目なのではないか。むしろこれは、我々だけの問題ではなく、全国の高校生、保護者が怒っていいことなのではないかと思う。こんな書籍が民間で本屋に並んでいたら、取次から突き返されるような間違いかなと思う。明らかに4番の記載などは文法的に間違っている。毎回同じことを言って恐縮だが、強く申し入れていただきたい。

(竹若委員)井上委員はこの教科書の問題だといつもいろいろおっしゃられているが、至極もっともなことだと思う。ただそのときに思うのが、文部科学省の検定を合格したという、この意味合いがいかがなものなのかなということが一番問われるのではないか。教科書会社にすれば、執筆者として制作して、一応検定を通った段階で問題として終わってしまっている。ただ、教育委員としてどう考えないといけないかというと、これだけ大阪府教育庁の指導主事の皆さん方に大変ご苦労をかけて、それぞれの教科書について精査いただいて、問題点を指摘いただいた。そうすると、この指摘があった部分を踏まえ、採択をどうするかということに重点を置くべきではないかと思う。私も指摘事項を見せていただく中で、一つは同和問題の内容であったが、記載の内容を考えれば、同和問題の根幹の認識に関わる問題だということを指摘した。だからそういったものが改められなければ、採択するときに採択しないという論点で学校もおそらく選んでいくだろうと思う。横道にそれたが、大阪府教育委員会とすれば、この指摘事項とそれぞれの学校が採択することと、きちっと精査いただいてどう対応していくかいうことを考えていく必要があるのではないか。井上委員がおっしゃるように、私も、若い頃、教科書の執筆に関わったことがあるが、他の執筆箇所を見ているとやっぱり杜撰な表現もたくさんあった。それを指摘すると、業者はコロッと変わる。やっぱり採択に関わって自分たちが利益を得ないといけないわけなので。そういう意味では、井上委員がおっしゃったように、府教育庁として文部科学省並びに執筆業者に対して、厳しい指摘をしていくべきだろうと思う。

(教育長)文科省の検定を合格しているとはいえ、毎年いろいろ指摘している事案である。
今後もこういう作業は引き続きやっていく必要があるかと思うが、明らかな間違いに対しては、教育委員会としてもきっちり指摘しなければならないし、厳しい意見を教科書会社に伝えていく必要があると考えている。

(井上委員)例えば4番の外国語の間違いというのは文科省の検定では問題ないとされたのか、見ていないのか。教科書検定で何を見ているのかということを、もう1回教えてほしい。竹若委員がおっしゃった、明らかにその「扱い方」、「書き方」がまずいということをチェックするのは当然だと思っているが、検定では誤字脱字や明らかな文法的の間違いは見ない前提になっているのか。

(高等学校課長)検定でどういうところまで見ているかという点については確認を行う。併せて今回の指摘についても、文科省に上げて見解を求め、8月の教育委員会会議で説明させていただきたい。

(井上委員)高校の教科書だと、生徒の保護者がお金を出して買うわけである。保護者の立場からすると、文科省の検定で何をチェックしているのかという話になるのではないかと思う。こういう明らかに間違っているとか、誤字があるとなると、文科省の検定ではどんな観点で教科書を見ているのか教えてもらいたいと思う。なんでこのような抜けが出るのか。しかも、今年だけではなくて、過去7年か8年ぐらいずっと同じ話を毎回毎回している。保護者の立場からすると、文科省の検定を通っているにもかかわらず、これだけ間違いがあることは大きな疑問である。たまたま大阪府教育委員会の皆さんがしっかりチェックしたから出てくるものだと思うが、仮にそこから漏れてしまったら、間違ったもので生徒たちが学ぶということになるし、保護者としては間違った文献を買わされているということになる。検定で何を見ているかについては、文科省に聞いてもらいたいと思う。

(教育長)今回の指摘事項については、国の方に伝えているか。

(高等学校課長)国の方にはこれから伝えていく。

(井上委員)教科書が間違っているということも問題なのだが、文科省が教科書検定でどこをチェックしているかという点も問題である。そもそも誤字脱字等は都道府県の教育委員会の皆さんがチェックするから文科省としてはやらないというスタンスなのか、それとも漏れているのかということについて確認すべきである。チェックをやっていないのであれば、やってくださいと言うべきだと思う。

(岡部委員)実際に文科省のほうではどうなっているかはわからないが、基本的に文科省が見ているのは、学習指導要領に則しているかということが第一であって、おそらく誤字脱字は自分たちの責任ではないと考えている可能性もあるとは思う。なぜならばそれは出版社の仕事であるはずだと考えてもおかしくないからである。
従って、どの組織がどの部分を所掌事務として、どこまでを責任範囲とするというチェック表みたいなのがおそらくなく、それぞれが相手に半分委ねているというか、こちらの仕事でもあり相手方の仕事でもありという形になっている結果がこの誤字脱字だと思われる。従って、どこがどこを所掌するのかをはっきりさせると、次からそこを間違えたら大変なことになるという責任主体がわかるようになる。今は、「どこがちゃんとチェックするのか」「どこかでやってくれるだろう」と責任が拡散している状態であり、このままでは結局同じことが繰り返される。「どこが責任をもって見るのか」という点についてお互いに話し合ってはっきりさせるという方法はあると思うので、それを提案されてはどうか。
教育委員会が行うべきチェックは、基本的に、こういう誤字等ではなく、それぞれの都道府県の教育の方針に合っているかどうか、それに反しないかどうかということを見るということに主眼が置かれているはず。ここに上がっていることが調査結果として出てくること自体がおかしいと私は思う。竹若先生がおっしゃったように、同和問題に関して「大阪はこの記載内容は受け入れられない」とか、そういうことを判断するのがこの結果に出てくるべき内容であって、誤字脱字がこれだけ出てきましたというのを調査結果として出てくるのがおかしいことだと思うので、そういったことを文科省や出版社、教科書会社と話し合っていただき、どこが責任を持つかということを少し整理されてみてはいかがか。

(井上委員)おっしゃる通りだと思うが、その時も指導要領に合っているかどうかの前に、間違ったことを教えているかどうかのチェックは文科省がやるべきなのではないか。学習指導要領以前の問題だと思う。あともう一つ、先ほど申し上げたように、教科書会社も本当に教科書出版を自分の会社でビジョンを持って、営利活動として行っているのだから、「誤字脱字等のチェックができていない」という現状を踏まえしっかりやり直すべきだと思うし、岡部委員がおっしゃっている、いわゆる「テキサスヒット」のような漏れが発生することについての解決策を、教科書を採択する側の大阪府教育委員会が言い出さないといけないのか疑問である。今まで誰も言い出さなかったのかもしれないが、そういったことの解決策を示すのはやはり文科省ではないのかと思うので、先ほど岡部委員がおっしゃったような枠組みも含めて強く文科省に求めるべきなのではないかと思う。民間事業に例えると、一番のクライアントは高校生である。高校生の親が一生懸命働いたお金で教科書買っているわけですから、文科省は「私の仕事じゃない」教科書会社は「ちょっと漏れていました」と言われても、学ぶのは高校生で、貴重なお金を出すのはその親なので、そういった間違いを防ぐ仕組み作りもしっかりやってくださいと文科省に言わないと永遠に解決しない。繰り返しになるが、大阪府教育庁の皆さんが一生懸命チェックしてくれているが、これにも人件費、貴重な府民の税金が使われているわけなので、検定の中で文科省がしっかりチェックして、民間の教科書会社もミスがなければ、府の人件費もその分浮くし、違う仕事に従事できれば府にとってもプラスになる。この件については強く申し入れるべきだと思う。

(高等学校課長)貴重なご意見をいただいた。文科省、教科書会社には強く指摘していく。

【採決の結果】賛成多数により、原案どおり決定した。
(賛成者 橋本教育長、竹若委員、井上委員、岡部委員、中井委員、森口委員)

報告事項1 「令和4年度使用 教科用図書選定資料 中学社会(歴史的分野)」について

【報告事項の趣旨説明(小中学校課長)】
標記につき、昨年度教科書検定に合格した自由社の教科書を新たに選定資料に追加したことを報告する件である。

【質疑応答】
(岡部委員)教科書の採択自体に疑問があるわけではないが、今回の学習指導要領の改変、それに合わせた教科書の改変によって、そもそも社会科の全ての教科がそうなのだが、特に社会科の歴史の領域に関しては、今まで暗記科目であったものを、対話的な深い学びをするようにとなっており、今までの先生方が経験したことのないような授業を展開するようにということが言われている。教科書もそれに即して、問いを立てたりするような新たな工夫が見られるものが多い印象があるが、結局は、それを使う側の先生方が授業でどれだけ対話、議論あるいは調べ学習をしっかり入れていけるかということにかかっているかと思う。
特に大学で、高校生から上がってきた学生の最初の調べ学習を見ると、インターネットで目についたものを、うまくまとめてくるような力は身に付いている。ただ、インターネットに流れているものが本当に信じられるものなのか、例え行政が出しているものであっても、そこに何か歪みや工夫があるのではないかというように、批判的に見ていく力が備わるということが、おそらく中学校高校の社会科では求められているはずなのだが、そういった力がちょっと弱いという気がしている。そこでお伺いしたいのとお願いしたいのは、実際その先生方がそういったリテラシー、データをきちんと扱うとか、話し合った上で、どう社会に知識を還元していくかという、そういう、ただ受動的に学習するだけではなく、リテラシーとして社会科を教えていくという授業を可能にするために、府や市町村教育委員会は先生がたをどのようにサポートされているのかという点を伺いたい。おわかりのところは今お聞きできればと思うし、今後それをぜひ強化していただきたいと思うが、いかがか。

(小中学校課長)昨年度から小学校の方で新学習指導要領が実施されて、今年から中学校ということで、今おっしゃっていただいたとおり、情報の活用や自分から周りに発信していくというような力が必要になってきている。日々の授業が、子どもたちが先生から一方的に教えてもらうだけではなくて、自分で課題、疑問を見つけて、そこに引っかかって、それをどう調べていくか、調べていく際にも与えられる資料ではなくて、例えばインターネットで調べたり、図書室で調べたりして、調べた内容を比較検討して、何が正しくて何が最適なのかというような学びをしていかなければならない。このことについては、各市町村教育委員会を通じて、各学校に対してはこの新指導要領の実施に当たって、こちらから教育課程の集まり等で伝えていっている。また、支援策としても、先ほどおっしゃっていただいたように、情報活用能力というのは一つの教科だけでカバーできるものではないので、カリキュラムマネジメントという考え方で、教科を横断したような形で、どのように学習内容指導をしていくかというのが非常に重要なポイントになっている。今年度は小中学校課の方でも、昨年度に引き続いて、このカリキュラムマネジメントをどうしていくか、国の事業を活用しながら研究をしているので、そういうようなことを、フォーラム等を通じて広く発信して支援してまいりたい。

(岡部委員)ぜひそういう支援をお願いできればと思う。小学校に外国語を導入するときでもそうだったが、「とにかくそういう方向でしてください」と伝えられるだけで、実際それをするのに先生方が必要とする技術や知識を、先生方が無理をして頑張るのではなく、通常の職務の中で学ぶことができるように支援を行っていかないといけない。ドラスティックな変化というのはなかなか難しいにも関わらず、十分に変化に対応するための支援ができていないっていうのが見受けられると思っているので、個人的には、社会科に関しても他の教科に関しても、できるだけ先生方への支援を強化していただきたい。

報告事項2 新型コロナウイルス感染症に係る対応について

【報告事項の趣旨説明(教育総務企画課長)】
標記について、5月11日(前回報告日)以降の府立学校の臨時休業の状況及び、府立学校の今後の教育活動等について報告する件である。

【質疑応答】なし

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