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更新日:2024年5月23日

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中部の「農」と「緑」のすがお

地域のすがお

中部地域は大阪府の中央部に位置し、北は淀川、南は大和川にはさまれた区域で、西は大阪湾、東は生駒山系に接しており、大阪市、守口市、枚方市、八尾市、寝屋川市、大東市、柏原市、門真市、東大阪市、四條畷市、交野市の11の市で構成されています。

生駒山系の北部から中部にかけての緩傾斜地には耕地が開け、南部には樹園地が多く分布しています。森林は市街地に近接していますが、森林面積の約67%が金剛生駒紀泉国定公園の特別地域に指定されています。

農地のほぼ半分は市街化区域内に、残りは市街化調整区域内にあります。平坦部の農地の大部分は市街化区域内にありますが、半分以上の農地が生産緑地の指定を受けています。

農のすがお

中部地域は府内でも最も都市化が著しく、耕地の減少、兼業化も進んでいますが、平坦部においては、ビニルハウス等を利用して、こまつな、しゅんぎく等の軟弱野菜や花壇苗を年に数回栽培し、農地を効率的に使っています。また、山手では、山の斜面を利用して、きく等の切り花やぶどう等の施設栽培が行われています。軟弱野菜や切り花は傷みやすいことから、昔から都市近郊で栽培されており、伝統のある産地があります。
また、中部地域は、都市部であることから、朝市等の直売が盛んなところであり、他の地域に比べ、小さな朝市が多数散在していることが特徴です。特にぶどうは多くの直売所があり、贈答用等として地元の方に人気があります。

ねぎ畑の風景

中部地域における農と緑のデータ
区分 総面積(ha) 人口
(千人)
耕地面積(ha) うち田(ha) うち畑(ha) 農家戸数
(戸)
農業産出額
(億円)
大阪府 190,514 8,851 13,200 9,420 3,800 23,983 336.0
大阪市 22,521 2,686 93 44 49 376 8.1
守口市 1,271 144 16 8 8 79 1.1
枚方市 6,512 405 507 450 57 1,224 9.0
八尾市 4,172 269 413 237 176 975 12.5
寝屋川市 2,470 235 147 101 46

450

2.5
大東市 1,827 124 67 37 30 176 0.9
柏原市 2,533 73 214 38 176 256 10.4
門真市 1,230 126 53 38 15 162 2.6
東大阪市 6,178 504 199 114 85 556 7.0
四條畷市 1,869 56 117 94 23 192 4.1
交野市 2,555 76 241 193 48 449 3.0
中部地域合計 53,138 4,702 2,067 1,354 719 4,895 61.2
(中部地域の大阪府に占める割合) 28% 53% 16% 14% 19% 20% 18%
出典・期日 平成27年10月1日現在 国土地理院調べ 平成26年10月1日現在 平成27年農林水産省調べ 平成27年世界農林業センサス 平成18年生産農業所得統計
中部地域における農と緑のデータ
区分 林野面積(ha) 地域森林計画対象民有林面積(ha) 保安林面積(ha) 金剛生駒紀泉国定公園(ha) 近郊緑地保全区域面積(ha)
大阪府 57,617 54,810 17,153 15,535 33,580
大阪市 0 0 0 - -
守口市 - - - - -
枚方市 715 447 37 - 260
八尾市 482 482 18 550 539
寝屋川市 80 9 0 - -
大東市 282 282 39 321 251
柏原市 730 717 - 166 90
門真市 - - - - -
東大阪市 1,008 1,008 267 841 1,045
四條畷市 743 744 150 722 599
交野市 961 961 290 797 1,455
中部地域合計 5,001 4,649 801 3,397 4,239
(中部地域の大阪府に占める割合) 9% 8% 5% 22% 13%
期日 みどりのデータファイル(平成27年9月)調べ

緑のすがお

交野山の春の風景

中部地域の10%を占める森林は、大部分が生駒山系に存在し、その面積は5,001haで市街地に近接しているため、常に都市的な土地利用の圧力を強く受けています。しかし、これらの森林は生活環境を保全したり、身近な保健休養の場を提供するなど、府民生活に大きく貢献しています。

これらの森林と自然景観を守り、秩序ある土地利用を図るため、自然公園法に基づき昭和33年に金剛生駒国定公園(平成8年に金剛生駒紀泉国定公園に改称)、また、昭和43年に近郊緑地保全地域の指定を受けており、森林法に基づく保安林とともに林地開発に対して一定の制限を加え、森林の保全管理に努めています。

市街地のみどりの現況は、早くから市街化の進んだ地域が多いことから、市街化区域内の緑被率では、7.9%と低い数字となっていますが、鎮守の森などの身近な緑地も数多く残されています。なかでも、江戸時代の屋敷林の自然と歴史的環境が残されている東大阪市の今米緑地は、都市緑地法に基づく特別緑地保全地区に指定されています。

今米緑地市街地の中に浮かぶ緑の島・今米特別緑地保全地区

大阪みどりの百選
平成元年4月に、府民投票によって選ばれた、地域の人々に愛され、守り育てられてきた大阪を代表するみどりのシンボルです。

豆知識

河内平野の歴史

河内平野は、今から6千年ほど前に間氷期の影響で海水面が上昇し、海岸線が内陸部まで入ってきたため内海となりましたが、2千年ほど前には大和川の氾濫や生駒山地からの堆積土砂等により再び陸地化し、内海だったところに淡水湖と湿地帯が形成されたといわれています。河内平野は、その昔、生駒山系の麓まで海だったのです。
古地図

その河内平野には、大和川が流れています。昔の大和川は奈良県の緒流を集め、現在の柏原市亀の瀬から河内平野に入り、石川と合流して北へと流れ、玉串川や楠根川、長瀬川に分かれ、淡水湖の名残である深野池や新開池(鴻池)などに注いでいました。
大和川は、洪水が頻繁におきたため、江戸時代に付け替えという大改修が行われ、現在のように大阪湾に注がれるようになりました。この工事を中心となって進めたのが、河内郡(現在の東大阪市)今米の庄屋に生まれた中甚兵衛で、1704年に付け替え工事が完成しました。
大和川の付け替えにより、新しい川の用地として多くの土地を失いましたが、そのかわりに旧大和川や池沼が埋めたてられ、多くの新田が誕生しました。付け替え工事は、洪水から住民や田畑を守るとともに、新しい耕地を作ることにより食料生産にも大いなる貢献をしたのでした。
その新田の中でも最大級のものが鴻池新田で、新田開発前から池沼床には六郷井路(いじ)や五箇井路など多くの水路が存在していました。両水路は、現在も六郷水路、五箇水路として残っています。
[参考文献] 「鴻池新田と会所」東大阪市教育委員会発行

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