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帯状疱疹について
帯状疱疹について
帯状疱疹は水ぼうそうと同じウイルスで起こる皮膚の病気であり、日本成人の90%以上は帯状疱疹の原因となるウイルスが体内に潜伏し、過労やストレスなどで免疫力が低下するとウイルスが活性化して帯状疱疹を発症します。
通常、赤い斑点と水ぶくれが多数集まって帯状に生じるといった皮膚症状が現れるとピリピリと刺すような痛みとなり、夜も眠れないほど激しい場合もあります。多くの場合、皮膚症状が治ると痛みも消えますが、神経の損傷によってその後の痛みが続くことがあり、3か月以上痛みが続くものが「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼ばれ、最も頻度の高い合併症となっています。
■ 50歳以上で帯状疱疹を発症した人の内、約2割がPHNになっています。
■ 50歳以上で帯状疱疹を発症した人の内、約2割がPHNになっています。
■ その他合併症として顔面神経麻痺や難聴等があります。
【帯状疱疹の発生状況】
※国立感染症研究所HP「帯状疱疹の兵庫県内における30年間の動向把握から見えてきたもの」より抜粋
ワクチンについて
帯状疱疹予防のため、下記のワクチン接種が可能となっていますが、現在は任意接種となっています。
■乾燥弱毒性水痘ワクチン「ビケン」(生ワクチン)1回皮下に注射
■乾燥組み換え帯状疱疹ワクチン「シングリックス筋注用」(不活化ワクチン)2回筋肉内に注射
予防効果について
帯状疱疹のワクチンには2種類あり、現在小児への定期接種となっている生ワクチンとリコンビナントワクチンがあります。
一般の60歳以上における生ワクチンの効果は61%、70歳以上では55%、帯状疱疹後の神経痛への効果は67%と報告されています。一方、リコンビナントワクチンは50歳以上で97%、70歳以上でも91%、帯状疱疹後神経痛は88%と非常に高い効果を示しています。
また、リコンビナントワクチンは血液がん患者さんを対象とした研究でも87%と非常に高い効果を示しています。このため、米国疾病予防管理センター(CDC)は50歳以上への帯状疱疹ワクチンとして生ワクチンよりもリコンビナントワクチンを推奨しています。抗がん剤治療中やステロイドホルモン剤による治療中のような高度な免疫低下がある場合には生ワクチンの接種ができない点にも注意が必要です。
国立がん研究センター東病院「帯状疱疹について」より抜粋
国の審議状況
対象年齢や用いるワクチン関して予防接種基本方針部会で審議されています。
令和6年7月18日 第61回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会(外部サイトへリンク)