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更新日:2010年6月14日

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生物多様性に迫る4つの危機

(1)開発や乱獲による種の減少・絶滅、生息・生育地の減少

  • 森林の伐採や河川の改修、埋め立てといった開発や、汚濁排水による生態系の破壊などが心配されています。
  • 大阪府レッドデータブックで、絶滅のおそれのある種となっている「キツネ」や「ヒヌマイトトンボ」、「トキソウ」や「ミクリ」などは、この典型的な例です。彼らのすみかそのものが無くなりつつあります。
  • 乱獲による個体数の減少も危ぶまれており、「オオクワガタ」や「タガメ」、「サギソウ」やランの仲間などが、この典型的な例です。

(2)里地里山などの手入れ不足による自然の質の変化

  • 里地里山の雑木林や草原は、薪炭材や田畑の肥料、家畜飼料、屋根葺きの材料などを採る場所として、多くの利用価値をもっていました。
    しかし、石油や化学肥料、新建材などの登場によって、このような利用の必要がなくなりました。
    誰も雑木林や草原の手入れをしなくなり、木や草はのび放題という状況です。
  • 昔から、人手が入ることで生物多様性のバランスが保たれていた里地里山は、人間が利用しないことによって、かえって危機をむかえているのです。
  • 大阪府レッドデータブックで絶滅のおそれのある種となっている、「セッカ」や「ギフチョウ」、「キキョウ」や「フクジュソウ」などは、この典型的な例です。

(3)外来種などの持ち込み、化学物質の出現による生態系のかく乱

  • 人間によって外国や他の地域から持ち込まれた生きもの(外来種)が、もともとすんでいた生きものや生態系にとって大きな脅威となっているケースが増えています。
    その影響も捕食や近縁種との交雑、植生破壊などとさまざまです。
  • 大阪でも、「アライグマ」(農作物被害、在来種の捕食)や「ブラックバス」(淡水魚や甲殻類、昆虫類の捕食)、「タイリクバラタナゴ」(ニッポンバラタナゴとの交雑)などの外来種による影響が心配されています。
  • 化学物質の中には、PCB(家電製品などに使われていた)、DDT(農薬として使われていた)、ダイオキシン類(低温で物を燃やすと発生)のように、動植物に対して毒性をもつほか、環境中に広く存在するため生態系や生体内のホルモン作用への影響が心配されるものもあります。

(4)地球温暖化

  • 地球温暖化の進行により、生態系のかく乱や種の絶滅などの深刻な影響が生じることが危惧されています。
    開花や結実の時期や分布域に変化が生じるだけでなく、昆虫による送受粉、鳥による種子散布などの生物間の相互関係に狂いが生じる可能性も高くなり、多くの種で絶滅のリスクが高まると予測されています。
  • 身近なところでも、「ソメイヨシノ」の開花日や「クマゼミ」の初鳴日の早まり、熱帯から亜熱帯に生息する「セアカゴケグモ」の定着や分布域拡大など、温暖化の影響が感じられるようになっています。

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