障害者の自立と完全参加を目指す大阪連絡会議 議事要旨2日目(3)

更新日:2023年4月10日

第1日目(1) 第1日目(2) ※2ページに分割して掲載しています。

第2日目(1) 第2日目(2) 第2日目(3) ※3ページに分割して掲載しています。

回答骨子

【教育・保育に関する要求項目】

(要望項目)
1.就学における本人・保護者の意向尊重、および就学指導について
 障害児の就学にあたっては、地域で「ともに学び・ともに育つ」という原則に立ち、本人ならびに保護者の意向を最大限尊重した就学相談を実施するよう、また支援学級に在籍する場合「支援学級で学ぶ時間数を決める」等の条件付けを行わないよう府内各市町村教育委員会に徹底すること。これらについて府政だよりへの掲載など、府民全体に対して示すようすること。また引き続き就学通知を対象年齢児全員に対し年内に発出するよう、市町村教委に働きかけること。
(回答)
 府教育庁としましては、障がいのある児童生徒の社会参加・自立に向けた主体的な取組みを支援する観点から、すべての児童生徒が地域で「ともに学び、ともに育つ」ことを原則に、障がいのある児童生徒一人ひとりの状況に応じた教育が行われるようにすることが重要であると考えています。
 特に、就学にあたっては、市町村教育委員会に対して、合理的配慮の観点を踏まえ幼児・児童・生徒の教育的ニーズの把握に努めるとともに、保護者からの意見を聴取し、就学に関する適切な説明及び情報提供を行うなど、本人及び保護者の意向を最大限尊重した取組みの充実を図るよう指導しています。
 障がいの程度に関わらず、地域の小・中学校への就学を前提とした就学相談をスタートし、地域の小・中学校で受け入れるという意識を持って、より丁寧な就学相談・支援を進めるよう、大阪府が作成した「市町村教育委員会のための就学相談・支援ハンドブック」や、「自立活動ハンドブック」等を活用しながら、指導主事会等あらゆる機会を通じて市町村教育委員会に対し周知徹底を図るとともに、管理職に対しては府が行う研修等において、直接伝えています。
 なお、就学通知など就学に関する事務手続きについては、関係法令に基づき、設置者である市町村教育委員会の定めるところにより行われるものと認識しています。
 府教育庁としましては、児童生徒の一人ひとりの障がいの状況等は異なるため、個々の障がいの状況や心身の発達等に応じた指導が適切に実施され、すべての子どもの学びが保障されることが大切であると考えています。引き続き、市町村教育委員会と関係部局、関係機関等が連携し、保護者が早い段階から就学相談に関する情報を知ることができるよう、早期からの相談支援の充実について働きかけるとともに、市町村における就学相談ならびに就学事務手続きが本人・保護者の意向を最大限に尊重するという基本姿勢に立ち、適切に行われるよう、あらゆる機会を通じて市町村教育委員会に対して働きかけてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 支援教育課

(要望項目)
2.義務教育段階の支援等について(小中学校)
 (1) 大阪府独自の市町村教委に対する通学支援補助について、全自治体で活用するよう働きかけるとともに予算増に努めること。また通学支援については乗り物等だけでなく、ヘルパー等人的支援による制度が実現するよう、障害福祉とも連携して検討するよう働きかけること。
(回答)
 地域の小・中学校等に在籍する障がいのある児童生徒の通学支援に関しましては、市町村による福祉事業等の活用や、教育委員会による通学支援事業等が実施されているところです。
 府教育庁としましては、府立学校における医療的ケア通学支援事業の状況も踏まえながら、地域の小・中学校で「ともに学び、ともに育つ」教育がより一層充実するよう、府独自の事業である「市町村医療的ケア等実施体制サポート事業」を実施しています。
 本事業では、市町村立の小・中学校等に通う医療的ケア等の障がいのある児童生徒のために、市町村教育委員会が行う通学支援に係る経費の一部について補助を行っています。具体的には、通学のための車両に係る経費や通学時のガイドヘルパー等の活用に係る経費に対し補助を行っており、今年度は、府内15市町から申請がありました。
 引き続き、本事業の積極的な活用について、指導主事会等で働きかけを行ってまいります。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 支援教育課

(要望項目)
4.インクルーシブ教育を実体化するための、合理的配慮・環境整備について
 昨年4月医療的ケアが必要な生徒の合理的配慮について、全府立高校へ文書で通知された。知的に障害のある生徒など、他の障害についても府内のすべての公立学校で、校外学習・宿泊を伴う修学旅行等、すべての教育活動において「共に学ぶ教育」が受けられるよう、合理的配慮の好事例を集約し、広く府民に示すこと。
(回答)
 府教育庁は、各学校で適切な合理的配慮が提供されるよう、また不当な差別的取扱いが行われないよう、府立学校教職員向けに作成した研修用資料を活用し、全府立学校で研修を実施するように指示するとともに、様々な機会を通じて「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」の趣旨を伝えてまいりました。
 府立高校に医療的ケアが必要な生徒が入学した際、高校生活が充実したものとなるよう、基本的な考え方や具体的な配慮事項等まとめた資料を、令和3年4月に全府立高校へ通知し、各校において、この配慮事項等を活用して「ともに学び、ともに育つ」教育の推進に努めるよう指示しています。 
 また、自立支援推進校・共生推進校がこれまで培った教科指導などのノウハウを相談のあった府内高等学校で共有し、活用する取組みを進めるとともに、教育学、心理学等の学識経験者からなる「専門家チーム」を設置し、教育庁から学校に専門家を派遣し、教育支援体制等について専門的見地からの助言を行っています。
 加えて、各校における実践等の好事例については、支援教育推進フォーラム等において発信し、共有しているところです。
 今後とも、好事例の収集を含め、各校の支援に積極的に取り組み、「ともに学び、ともに育つ」教育の推進のため、府立学校に具体的な留意事項の提示を行うことで、合理的配慮の提供が適切に行われるとともに、不当な差別的取扱いが行われることがないよう努めてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 人権教育企画課
教育庁 教育振興室 高校教育改革課
教育庁 市町村教育室 小中学校課

(要望項目)
5.肥大化が続く特別支援学校に関する課題について
 (1) 学校の狭隘化等を理由に、知的障がい支援学校の新設や教室等の増築に一切歯止めがかからず進む一方であることは、「ともに学ぶ教育」と逆行している。この傾向が続く原因を示し、それに対する見解・対応策を明らかにすること。その上で「知的障がい支援学校の新設」の撤回・見直しを行うこと。
(回答)
 大阪府においては、かねてより「ともに学び、ともに育つ」の考え方を原則に、障がいのある児童生徒一人ひとりの状況に応じた教育が行われるよう取組みを進めてきました。
 こうした中、特別支援教育に対する理解が深まったことなどを背景として、在籍者数の増加により全国的に慢性的な教室不足が続いている特別支援学校の教育環境を改善する観点から、令和3年9月、文部科学省において「特別支援学校設置基準」として、学校を設置するために必要な最低限の基準が新たに定められました。
 既存の支援学校については、当分の間の経過措置が講じられているものの、基準を満たさない状況については、できるだけ早期に在籍する児童生徒等の教育環境を改善していく必要があると考えており、基準への適合に必要となる方策等の調査検討を進めているところです。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 支援教育課

(要望項目)
5.肥大化が続く特別支援学校に関する課題について
 (2) 地域の小中学校在籍者を増やすため、通学支援に続く具体的な手立てを示すこと。
(回答)
 大阪府では、これまでから「ともに学び、ともに育つ」教育を大切にしており、障がいのある子どももない子どもも、居住地に基づいて指定された学校に就学することを前提に、各市町村教育委員会において就学相談を実施してまいりました。
 また、個々の障がいの状況や心身の発達等に応じた指導が適切に実施され、すべての子どもの学びが保障されるとともに、支援の必要な子どもを含むすべての子どもが安心して学校生活を送ることができる集団づくりを実現することが重要であると認識しています。
 府教育庁としましては、障がいのある子どもたちが安心して地域の学校で学べるよう、「市町村医療的ケア等実施体制サポート事業」において、引き続き医療的ケア児等障がいのある児童生徒の通学支援や医療的ケアを必要とする児童生徒の転入学に伴う施設整備、外部人材の活用による校内指導体制の充実に取りくむ市町村に対する補助を行うとともに、学校看護師の定着支援や「学校看護師」という職の普及を図ってまいります。
 また、府内の小中学校等において、障がいのある児童生徒への支援ニーズが複雑化・多様化していることから、通級指導担当教員等で構成されている「市町村リーディングチーム」のチーム力向上や構成メンバーの専門性の向上を図り、域内の小中学校等からの支援要請に対応できる体制づくりを進めるため、今年度から「市町村リーディングチーム充実支援事業」を実施しています。
 今後とも、支援を必要とするすべての児童生徒が安心して地域の小・中・義務教育学校へ就学し、安全安心な学校生活を送るための体制づくりを促進するとともに、今後とも、障がいのある児童生徒へのきめ細やかな対応がより一層推進されるよう取り組んでまいります。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 支援教育課

(要望項目)
5.肥大化が続く特別支援学校に関する課題について
 (3) 高校入学について、定員内不合格を出さない等を守りつつ、多くの障害をもつ生徒が、高校で学ぶことができる制度やシステムを検討し、高校で学ぶ障害生徒の拡大の方策を示すこと。
(回答)
 令和4年度入学者選抜の公私立高校の募集人員については、令和3年11月1日の大阪府公私立高等学校連絡協議会において、公私トータルで府内進学予定者数の受入れが可能であることを確認したところであり、令和5年度につきましても、これまでの方針を踏まえて検討してまいります。
 令和5年度選抜については、今年4月に選抜方針を定め、6月に市町村教育委員会及び中学校の校長を対象に説明を行いました。また、10月には実施要項を定め、市町村教育委員会や中学校進路指導担当者などを対象に説明してまいります。
 今後も、市町村教育委員会、中学校、高等学校等の各方面から御意見をいただきながら、中長期的に安定した制度となるよう努めてまいります。
 高等学校への入学許可については、中学校長が作成する調査書や学力検査等の成績を資料とした入学者選抜に基づいて高等学校長が行うこととしていますが、受験者が募集人員を超えない場合は、原則として不合格者を出さないよう、今後とも、さまざまな機会を捉え高校への指導を続けてまいります。
 知的障がいのある生徒が高校でともに学ぶ取組みである自立支援推進校、共生推進校につきましては、「大阪府教育振興基本計画」等により順次拡充し、令和2年度より府立東住吉高校と府立今宮高校に新たに共生推進教室を設置しました。
 令和4年度は大阪市立高校の府への移管に伴い、引き続き府立桜宮高校と府立東淀工業高校に知的障がい生徒自立支援コースを設置し、自立支援推進校11校、共生推進校10校で取組みをすすめています。
 また、これまでの成果をふまえ、自立支援コース入学者選抜においては、平成30年度に3校、令和4年度に1校の募集人員を1人ずつ増員しました。
 今後とも、高等学校における「ともに学び、ともに育つ」教育の推進のため、取組みの充実に向け、引き続き検討してまいります。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 教育振興室 高校教育改革課

(要望項目)
6.障害のある生徒の高校問題(入試・入学後)について
 (1) 合理的配慮の不提供は障害者差別であるという認識の下、障害のある生徒の受検に不利益が生じないよう最大限の配慮を行うこと。特に機器利用は積極的に認めるようにすること。
(回答)
 令和5年度選抜における配慮事項については、今年8月に、市町村教育委員会を通じて、中学校等に周知するとともに、市町村教育委員会の担当者を対象に説明を行いました。
 府教育委員会といたしましては、配慮の必要な生徒に対して、公平性を確保しつつ、受験者が普段の実力を十分に発揮できるよう、適切な配慮を行っているところです。
 今後も承認された配慮事項がそれぞれの受験者に対して遺漏なく適切になされるよう、引き続き万全の体制を整えてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 高等学校課

(要望項目)
6.障害のある生徒の高校問題(入試・入学後)について
 (2) 府立高校入学後、看護師、学習支援員等が必要に応じて配置されるよう予算を拡充すること。特に学習支援員・介助員については、単価や登録について見直しをはかるよう検討すること。また在学する生徒に対して、福祉制度の活用による支援、卒業後の進路選択の可能性を拡げる情報提供などを行うため、地域の障害福祉事業所等との連携を図るよう高校に働きかけること。
(回答)
 大阪府においては、すべての幼児児童生徒が「ともに学び、ともに育つ」教育を基本として、一人ひとりの障がいの状況に応じた教育を推進してまいりました。
 平成23年度より「障がいのある生徒の高校生活支援事業」を実施し、エキスパート支援員として、すべての府立高校にスクールカウンセラーを配置しています。さらに、配慮の必要な生徒が在籍する学校に、看護師や介助員、学習支援員を措置するなど、障がいのある生徒に対する支援の充実を図っているところです。
 学習支援員・介助員については、大阪府学校支援人材バンクに関する設置要綱の規定に基づき、「大阪府学校支援人材バンク」の管理運用に関し必要な事項を定めております。登録については、登録希望者が登録希望者自身に係る人材情報を大阪府教育庁に申請することとしております。
 また、府立高校に対してスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、福祉医療関係人材及び関係機関との連携を進めるよう指示してまいります。
 今後とも、障がいのある生徒が入学した学校で安心して学校生活が送れるよう、一人ひとりの障がいの状況を踏まえ、必要な配慮を行う中で適切な支援ができるよう努めてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 高校教育改革課
教育庁 教育振興室 高等学校課

(要望項目)
6.障害のある生徒の高校問題(入試・入学後)について
 (3) 医療的ケアだけでなく、府立高校通学に支援が必要な生徒への制度創設を検討すること。
(回答)
 大阪府では、すべての幼児児童生徒が「ともに学び、ともに育つ」教育を基本として、一人ひとりの障がいの状況に応じた教育を推進してまいりました。
 府立高校においては、自主的な通学が困難な場合、介護タクシー等の送迎について敷地内への乗り入れの配慮等を行っているところです。
 今後とも、国の動向等を注視しながら、障がいのある生徒が入学した学校で安心して学校生活が送れるよう努めてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 高校教育改革課

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室広報広聴課 広聴グループ

ここまで本文です。


ホーム > 令和4年度の団体広聴一覧 > 障害者の自立と完全参加を目指す大阪連絡会議 議事要旨2日目(3)