障害者の自立と完全参加を目指す大阪連絡会議 議事要旨1日目(2)

更新日:2023年4月10日

第1日目(1) 第1日目(2) ※2ページに分割して掲載しています。

第2日目(1) 第2日目(2) 第2日目(3) ※3ページに分割して掲載しています。

回答骨子

【地域移行・地域生活に関する要求項目】

(要望項目)
2.大阪府での地域移行取り組みの推進に向けて
 (1) 何十年もの長期入所、一生施設の状態の解消に向け、「第5次障がい者計画」で示している通り、「長期入所状態に至る前に地域移行できる循環型の仕組み」「今後の入所施設のあり方」を検討するために「基盤整備促進ワーキング」を再開し、具体方策の検討を進めること。
(回答)
 入所施設や精神科病院の入所者や入院患者が地域生活を希望される場合には、必要な支援を受け地域生活への移行を進めていくべきものと考えています。
 大阪府では、社会福祉施設等施設整備補助金や公営住宅を活用したグループホームの整備促進とともに、地域精神医療体制広域コーディネーターによる退院促進や強度行動障がいを有する方など、重度の知的障がい者の支援について、専門性の高い人材の育成に取り組んでおります。
 また、「地域生活支援拠点等の整備」や「精神障がい者にも対応した地域包括ケアシステムの構築」に向けて、意見交換会の開催や協議の場に参加し、関係者間の課題共有や好事例の情報発信を行うなど、市町村と連携し、障がい者の地域移行・地域生活の支援体制の整備を行っております。
 今後、施設入所者や入所待機者等の現状を踏まえ、長期入所等の解消や緊急時の受入れなど地域との連携・循環のもと、障がい者の地域生活を支える入所施設の機能や役割について、検討してまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 生活基盤推進課
福祉部 障がい福祉室 障がい福祉企画課

(要望項目)
2.大阪府での地域移行取り組みの推進に向けて
 (2) 地域移行の推進に向けて、基盤整備ワーキングで以下の方策を具体的に検討し実現すること。
 ・コロナ禍においても地域移行取り組みを止めないために、リモートを利用した施設と地域の定期交流や、感染防止に配慮した体験外出・体験宿泊を具体的に提案し実施を働きかけること。
 ・地域移行コーディネーターを各市町村の基幹相談支援センターや委託相談支援センターに配置するよう働きかけるとともに、府としてもその補助制度を検討すること。
 ・地域移行支援契約前の「前段階支援」の取り組みとして、今年大阪市で実施される体験外出事業を参考に、各市町村に同様の事業の実施、もしくは移動支援の活用を積極的に働きかけること。
 ・府の「重度知的障がい者地域生活支援体制整備事業」では地域移行は広がらないと考えられるため、これとは別に各市町村で地域移行希望者と地域をつなぐマッチングの仕組みや、受け皿に対するスーパーバイザーの派遣、重度障害・行動障害の受け入れ研修の実施を展開すること。
(回答)
 市町村や基幹相談支援センター職員と入所施設との意見交換や精神科病院での院内研修、手紙やビデオレターによるピアサポーターと入院患者との交流など、オンライン等を活用した事例を参考に、コロナ禍においても継続した地域移行の取組みが実施できるよう、市町村や精神科病院に対して、感染防止に配慮した取組みの紹介や提案を行ってまいります。
 障がい者の地域移行を推進するためには、基幹相談支援センター等に配置される地域体制整備コーディネーターの役割が重要であり、入所・入院中の障がい者への働きかけ等を行う人員配置が可能となるよう、国に対して必要な財政措置を要望しております。
 また長期に入所・入院している障がい者が、地域生活へ移行するためには、退所・退院意欲の喚起など、地域移行支援サービス利用前の働きかけが重要と考えております。
 引き続き、支給決定前の「地域生活の体験」や「外出体験」などの取組みについて、国に対して報酬上の改善を求めてまいります。
 重度知的障がい者地域生活支援体制整備事業については、府内でグループホームを運営する法人に対して、訪問コンサルテーションや実地研修を通じて、重度知的障がい者支援に係る人材を育成し、入所施設からの地域移行の推進と地域の支援体制の整備を図ることを目的としております。
 現在、6法人が事業に参加し、グループホームや日中支援事業所、入所施設など各事業所の管理者等に対し、障がい特性に合わせた環境調整やチーム支援などの研修を実施するとともに、今年3月に開催した実践報告会では、オンラインで府内の障がい福祉サービス事業所に参加いただき、重度知的障がい者の支援ノウハウ等の周知を行ったところです。
 今後とも、参加法人の支援力の強化と地域の支援体制の整備に向けて、事業実績と効果を検証し、重度知的障がい者の地域移行の推進により効果的な事業となるよう検討してまいります。
 移動支援事業につきましては、毎年度末に府から市町村に通知している「障がい者総合支援制度等の円滑な実施のための留意事項について」の内容に、平成28年度より移動支援事業に関する項目を加え、制度について、事業の目的に沿った利用者主体のよりよい制度となるよう見直されている事例などを参考に、必要に応じて検討するよう、またその運用にあたっては、事業の利用を希望する方の心身の状況や、利用についての意向等を十分に把握した上で支給の決定を行うよう通知しています。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 生活基盤推進課
福祉部 障がい福祉室 地域生活支援課(太字部について回答)

(要望項目)
2.大阪府での地域移行取り組みの推進に向けて
 (4) 兵庫県・神出病院に引き続き今年、東大阪市・阪本病院でも意思表明が難しい人への複数職員による卑劣な虐待事件が相次いでいる。府はこの状況を重く受け止め、精神科医療機関療養環境協議会を一層充実し権利擁護システムを確立するとともに、国に対して精神科病院に虐待の通報義務並びに通報者の保護を早急に課すよう、関連法の改正を強く働きかけること。
(回答)
 大阪府では、精神科病床のある医療機関に入院中の精神障がい者の人権尊重を基本とした、より良好な療養環境の提供、維持・発展に寄与するため、大阪市、堺市と共同で大阪府精神科医療機関療養環境検討協議会を設置しています。
 協議会では、委員や臨時委員である療養環境サポーターが年間6ヶ所から12ヶ所のペースで医療機関を訪問し、療養環境の改善が求められる事項を協議会からの提言等として医療機関に示すとともに、改善点等の報告を受けることとしています。
 大阪府こころの健康総合センターや保健所が行う精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第38条の6の規定に基づく実地指導においても、必要に応じて協議会からの提言等を確認しています。
 さらに、協議会における新たな取組みとして、府内の全精神科病院を対象とした療養環境に関するアンケート調査の実施と、取りまとめ結果のフィードバックを検討しています。これらの活動を通じて、入院患者の方々の権利擁護の向上に取り組んでまいります。
 また、精神科病院における虐待が疑われる事案について、府では国通知を基に、虐待が強く疑われる緊急性の高い場合等については予告期間なしに実地指導を行うなど指導監督の強化に努めています。
 指導監督にあたっては、事案の速やかな把握が重要であることから、迅速かつ適切に事案を把握し、精神保健福祉法に基づく実地指導ができるよう、行政への通報義務について必要な法整備を行うなど、精神科病院における虐待防止に資する制度の整備を行うことについて、国に対して要望しているところです。
 一方、国では、虐待防止に関する取組みについて、通報義務・通報者保護などの仕組みを障害者虐待防止法または精神保健福祉法を改正して設ける考え方が議論されたと聞いています。このような国の動向にも注視しつつ、引き続き精神科病院における入院患者の方々への虐待防止のための取組みを進めてまいります。
(回答部局課名)
健康医療部 保健医療室 地域保健課

(要望項目)
3.相談支援事業について
 ・どの市町村も相談支援事業所がなかなか増えない一方、事業廃止が1年間で72件に急増している問題について、府として非常事態であるとの強い危機感をもって、事業廃止に至った要因を調査し、事業廃止の連鎖から相談支援基盤の崩壊までを食い止める対策を急ぎ講じること。
 ・廃止の要因としては、相談員1人事業所が多く、採算をとるために多くの件数を抱えてバーンアウトするという悪循環に陥っていることが考えられるため、高槻市で実施している初任者研修費の補助や新規開設補助について、府市で連携して実施するよう検討すること。
  ・併せて、府の相談支援専門員研修の受講枠を更に拡大するとともに、事業所・人員の増に向け、研修修了者が必ず相談支援業務に従事するよう、市町村とも連携して法人に働きかけること。
 ・国に対して、相談員を複数配置できる報酬への増額、障害ケース会議の法定化により行政各担当と連携できる仕組みの強化等、相談支援事業所を支えるために必要な対策を全て求めること。
(回答)
 本府におきましては、相談支援事業の実態及び課題等を把握するため、例年国が実施する障がい者相談支援事業の実施状況等調査に、府独自の項目として計画相談支援及び障がい児相談支援にかかる基本報酬や各種加算状況等の項目を追加して、実施状況調査を実施しました。
 事業所に対する補助金を大阪府が創設することは困難ですが、市町村が独自に実施する補助制度等の立上げ支援や、ケースを一人で抱え込んでバーンアウトすることのないよう、相談支援専門員の活動を支える取組みの先行事例を紹介するなど、相談支援体制整備が図られるよう、市町村に働きかけてまいります。
 今後とも引き続き、相談支援事業実施状況等調査の結果を踏まえ、計画相談支援に至る前の基本相談支援の部分を適切に評価し、指定特定相談支援事業所の経営基盤を強化して事業所の確保を図るとともに、適切な計画作成ができる相談支援専門員を安定的に確保するため、基本報酬額の必要な改善を図るよう、国に対して強く働きかけを行ってまいります。
 適切なサービス等利用計画を作成するために必要な相談支援専門員の初任者研修の定員については、市町村における相談支援体制の整備が図られるよう、申込状況や市町村の体制整備状況を踏まえ、適切な定員設定に努めているところです。
 申込みにあたっては、市町村において事業所の立ち上げ支援や人材の確保が図られるよう、市町村推薦枠を設け、地域の支援体制の整備を支援しているところであり、研修修了者が確実に相談支援業務に従事するよう、今後とも市町村との連携を強化してまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 地域生活支援課

(要望項目)
6.防災対策について近年の猛烈な台風・豪雨災害に備え、要支援者が直ちに上階に垂直避難できるよう、学校校舎、ホテル、府市有施設、物販店等の避難場所を市町村・業界団体とも連携して十分確保し、実際に利用できるよう現地検証を進め、必要な設備や備品の設置も働きかけること。
 昨年の法改正により個別避難計画の作成が努力義務化されたこと等を受け、要支援者名簿の中軽度者への対象拡大と併せ、福祉事業所と連携した個別避難計画の作成を府全域で推進すること。
(回答)
 市町村は、災害対策基本法に基づき、災害が発生し又は発生するおそれがある場合における円滑かつ迅速な避難のため、洪水など災害の種類に応じた指定緊急避難場所の指定や、想定される災害の状況や人口の状況等を勘案し、災害が発生した場合に被災住民等を一時的に滞在させるための指定避難所の指定をしなければならないと定められており、避難所の開設及び運営についても市町村の責務とされています。
 本府としては、市町村と連携して、避難所の課題解決に向け、避難所のバリアフリー化や運営体制の確立など、質の向上に取り組んでまいります。
 また、コロナ禍において、災害発生時には、可能な限り多くの避難所等を確保する必要があることから、府内に所在するホテル等の宿泊施設と「災害時等における宿泊施設の提供等に関する基本協定」を、また、大型商業施設の立体駐車場を車で避難する場合の避難先として活用できるよう、一般社団法人日本ショッピングセンター協会と「避難対策等における連携と協力に関する包括協定書」を事前に設備等確認のうえそれぞれ締結いたしました。
 さらに、引き続き市町村に対し、国・府有施設の活用を働きかけるなど、府内市町村の十分な避難所確保の支援に引き続き努めてまいります。
 個別避難計画の作成については、昨年5月の法改正により、市町村の努力義務とされ、優先度の高い避難行動要支援者について、概ね5年程度で計画を作成することになっています。具体的には「浸水想定区域や土砂災害特別警戒区域にお住まいの方」「重度要介護の高齢者、身体障がい者、重度の知的障がい者等で、自ら避難することが困難な方」「独居等避難支援者がそばにいない方」が、国の指針において優先的に計画を作成すべき対象とされています。本府では、昨年度、市町村職員等を対象に、個別避難計画の対象者の絞り込みや計画作成の手順、避難支援の実務等に係る研修を実施したところであり、引き続き、福祉部とも連携し、福祉事業者に対する個別避難計画に関する理解の促進や、府内全市町村における計画作成に係る取り組みが加速されるよう支援してまいります。
(回答部局課名)
危機管理室 防災企画課
危機管理室 災害対策課
福祉部 福祉総務課
福祉部 障がい福祉室 障がい福祉企画課

(要望項目)
7.就労支援B型の平均工賃月額体系による減算問題から国は昨年度、一律評価報酬体系を導入したものの、実際には殆どの事業所が利用できず全く問題解決にはなっていないことと併せて、国はますます成果主義に偏り「日中の居場所」としての存続が危ぶまれることから、府として問題点を集約し引き続き国に対して、障害特性等による少日数・短時間利用者を平均工賃月額体系での算定カウントから除外することや、一律評価報酬体系の抜本的な見直しを働きかけること。
(回答)
 大阪府からに対しては、「令和5年度 国の施策並びに予算に関する提案・要望(福祉関連)」で、福祉的就労の充実・強化として、地域において障がい者が自立した生活を営むためには、一般就労移行はもとより、福祉的就労の充実・強化を図ることが重要であることから、引き続き工賃向上に資する取組みの推進に十分な財政措置を講じることや地域特性や工賃実績を踏まえた取組みの重点化などを図ることなどを提案、要望しています。
 また、就労継続支援B型サービス費(1)(2)において、障がい特性に起因するやむをえない場合については、当該事情を考慮した必要な措置を検討するよう国に要望してまいります。
 併せて、令和3年度報酬改定により新設された、平均工賃月額を基準としない就労継続支援B型サービス費(3)(4)については、障がい特性により少日数・短時間の利用とならざるを得ない利用者の支援を行う場合においても算定が可能なものとなっているか、継続して検証を行うことを求めています。
 今後、大阪府としましても、実態や課題の把握に努めるとともに、それを踏まえた提案や要望を、引き続き国に対して行ってまいります。
(回答部局課名)
福祉部 障がい福祉室 自立支援課
福祉部 障がい福祉室 生活基盤推進課(太字部について回答)

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室広報広聴課 広聴グループ

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