中学生の「税についての作文」

更新日:2023年12月12日

中学生の「税についての作文」

中学生の「税についての作文」は国税局及び全国納税貯蓄組合連合会が主催するものです。
以下、大阪府知事賞受賞作品をお読みいただけます。
内閣総理大臣賞など、その他の受賞作品についても、こちら(外部サイト)からお読みいただけます。

令和5年度中学生の「税についての作文」大阪府知事賞受賞作品

【題名】改めて考える税金
【学校名・学年】羽衣学園中学校・3年
【氏名】川合 彩月

 私の家の近くに市のコミュニティバスの停留所がある。先日帰宅途中に、バスを待っているお婆さんから話しかけられたことがあった。文字が見えにくいので、次に来るバスの時刻を時刻表で見てほしいと頼まれた。決して多い本数ではなかったが、日中は1時間に数本あり、市内をくまなくまわっている。運賃は一律160円。コミュニティバスどうしの乗り継ぎもできる。民間のバス会社の初乗り運賃よりも安い。このバスがあることでとても助かっているのだとそのお婆さんはありがたそうに言っていた。このバスは私たちの納めた税金で運営されていると知った。私が住む市だけではなく、他の市でも似たようなコミュニティバスが走っているのを見たことがある。調べてみると、市税の都市計画税という税金だそうだ。私は、今まで税金というものを深く考えることがなかった。確かに物を買うときは10%や8%の消費税を支払う。図書館などの公共施設を利用する。そういったことでしか、自分と税金との関わりを感じとることができていなかったのだ。だが、税のありがたみを改めて実感するできごとがあった。

 先月、祖母が引っ越しをした。祖母の家の前の道路が拡張されることになり、そのため土地を市に買い取ってもらい、何メートルか下がって家を建て直すことになった。今、前の家を取り壊し中で新しい家ができるまでの一年ほどは、別の賃貸物件に居住する。その立ち退き費用や、新しい家の建築費用、賃貸物件の賃料などの諸費用を賄えるほどのお金が支給された。びっくりするほどの大きな金額で、これらは全て税金で払われていると知った。それはもちろん祖母の家だけではなく、祖母の家の近所一帯が立ち退きの対象になっているので、査定額にバラつきはあるものの、決して安い金額ではないお金がどの家にも支払われていることになる。より良いまちづくりのために、道路を拡張することで人や車の流れが変われば、新しい商店などもでき、まちの発展に繋がるだろう。また、災害時に緊急車両が通りやすくなり、より安心で安全に暮らせるようになる。これこそそのまちに住む人々のためになる税金の使われ方だと思った。

 日々のニュースで取り上げられるのは、コロナ禍での布マスクの余剰在庫など、税金の無駄遣いについての事柄が多い。私たちが納める税金は、私たちのために適正に使われてほしいものだ。税金の使われ方は国民の代表である議員が決める。そのためには、私たち一人一人が政治に関心をもち、日々その動向をチェックしていかなければならない。まずは私が18歳になったら、選挙の際には必ず投票に行こうと思う。そして、自分で稼いだお金を納税するようになったら、一層社会との関わりを他人事だとは思わずに自分事として考えていきたい。

令和4年度中学生の「税についての作文」大阪府知事賞受賞作品

【題名】未来が輝く制度
【学校名・学年】大阪市立 新巽中学校・3年
【氏名】高島 杜輪

 税金と言えば、消費税が私たち学生にとって一番身近な税金だと思います。しかし、私はそれを普段あまり深く考えずに納めているので、具体的な使い道は知りませんでした。
 私の家庭は母と姉、私の母子家庭です。母は私たちのために一生懸命働いてくれましたが、癌を患って働きづらくなってしまいました。もちろん生活は苦しく、当時幼かった私もそれを感じていました。そんな環境の中、姉は高校に入学することができました。ですが高校にはたくさん費用がかかり、我が家にはそんな余裕はありません。そんな時、授業料支援補助金によって我が家は助けられていると母から教えてもらいました。私はそれについて気になり、調べてみました。
 すると、私の家庭のような生活の苦しい家庭を対象とした、高校の授業料を国が支援する制度だと分かりました。各家庭の収入によって補助金額は異なります。さらにこの制度に加えて大阪府では、私立高校の授業料無償化の制度もあって、子どもたちが進路選択段階で家庭の経済状況関係なく、自らの希望や能力に応じて自由に学校選択できるようになっています。また、二年前から大学でも授業料の支援が始まりました。大学ではほとんどの学生が多額の借金に悩まされ、問題となっていました。ですが今は、大学卒業後には学びを活かしてそれぞれの道で活躍し、社会に貢献できるようになっています。
 これらの補助金は税金で賄われています。私は今まで、税金が何に使われているかなど考えもしませんでした。こんなに身近で、希望と夢を与えてくれる素敵なものなのです。税金は私の夢を支えてくれます。感謝と頑張ろうという気持ちが湧いてきました。
 今年受験生となった私は、これからの進路選択で自分の行きたい学校を目指せます。大学に進学する三年後も、たくさんの選択肢から自分の道を選ぶことができます。家庭の経済状況は関係ありません。諦めなくて良いのです。それは全て税金のおかげです。世の中にはまだ、家庭の事情で大学、高校にさえ進学できない若者がいます。私はこの授業料支援補助金の制度を大阪府だけでなく、全国で適用されることを願います。どのような経済状況であっても未来に進める、そんな温かい税金に込められた思いを、たくさんの人に知ってもらいたいです。


令和3年度中学生の「税についての作文」大阪府知事賞受賞作品

【題名】アイスクリームと信号機
【学校名・学年】箕面市立 止々呂美中学校・3年
【氏名】新井 結菜

 私は小学校の頃新しくできたこの町に引っ越してきました。何もなかったこの町にコンビニができたときはとてもうれしく、まっ先にアイスクリームを買いに行きました。コンビニについて、早速アイスクリームを買おうと思いました。しかし、百円だと思っていたアイスクリームは消費税により百八円、私はなんだか損した気分になりました。そして、消費税なんていらないやと思っていました。アイスクリームが溶けないように、はやく帰ろうと思いました。しかし、帰るために通る交差点には車がたくさん通っていました。信号機がないので、停まってくれる車を待たなければなりません。やっと帰ってきたときにはアイスクリームはドロドロで、残念な気持ちになってしまいました。
 そんなある日、この交差点に信号機がつくことが決まりました。地域の安全を見守ってくれる人の声や学校からの要望で町びらきから数年かかっての設置だったそうです。最初は、横断歩道をすぐわたることができるようになってラッキーくらいに思っていました。しかし、ふと、こんな疑問が頭をよぎりました。「この設置費用は誰が出してくれたんだろう」と。調べてみると、各都道府県警察本部に割り合てられた予算から使われていることがわかりました。また、この予算に税金がともなっていることもわかりました。そのとき、「自分の身近なところで税金が使われている」ということを実感しました。一人ひとりの税金があったからできた、一人では絶対にできなかった、「信号機の設置」、その出来事にすごく感動しました。
 さらに調べてみると、直接税と間接税というものがあることを知りました。直接税は、税を納めるべき人と負担する人が同じで、間接税は、税を納めるべき人と負担する人が異なるそうです。直接税には、取得税や法人税、間接税には、消費税や酒税があります。これらの税金は、社会保障や公共事業に使われていることがわかりました。間接税の消費税についてよりくわしく調べてみると、「社会保障四経費」を支えていることがわかりました。社会保障四経費とは、子ども・子育て支援、年金、介護、医療の四つです。私が支払った消費税が直接信号機の設置につながったわけではないけれど、どこかで誰かの役に立っていると思うと、とてもうれしくなりました。また、誰かが支払ってくれた税金が信号機の設置といった私の安全につながっていると思うと、本当にありがたいなと思いました。
 あの日、溶けたアイスクリームを口にしながら損した気分になった消費税がどこかで私の安全や誰かの安全を支えていることを今更ながら気がつきました。これからは、私や誰かを支える税金の大切さについてもっと関心をもっていこうと思いました。
 

このページの作成所属
財務部 税務局税政課 税務企画グループ

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