平成25年5月委員会会議会議録

更新日:平成25年6月24日

大阪府教育委員会会議会議録

1 会議開催の日時

平成25年5月17日(金) 午前9時30分  開会
                午前11時58分 閉会

 2 会議の場所

  大阪府公館

3 会議に出席した者

委員長隂山 英男
委員長職務代理者小河 勝
委員中尾 直史
委員立川 さおり
委員木村 知明
教育長中原 徹
教育監津田 仁
教育次長藤井 睦子
教育総務企画課長見浪 陽一
教育振興室長和田 良彦
高等学校課長丸岡 俊之
市町村教育室長吉美 学
小中学校課長浦嶋 敏之
教職員室長山本 讓
教職員人事課長中野 伸一

 

4 会議に付した案件等

第1号議案 平成26年度使用府立学校教科用図書採択要領及び平成26年度使用高等学校用教科用図書選定の手引きについて

報告事項1 英語教育改革プロジェクトチームの発足について

報告事項2 平成25年度入学者選抜の結果と分析について

報告事項3 平成26年度大阪府公立小学校の任期付校長募集概要及び大阪府立学校校長公募概要について

報告事項4 大阪市教育委員会からの依頼について

 

5 議事等の要旨

(1) 会議録署名委員の指定

小河委員を指定した。

(2) 前回の会議録について

全員異議なく承認した。

(3) 議案の審議等

◎ 第1号議案 平成26年度使用府立学校教科用図書採択要領及び平成26年度使用高等学校用教科用図書選定の手引きについて

【議案の趣旨説明(高等学校課長)】

府立学校の教科用図書を適正かつ公正に採択する基本方針として、毎年度当初に定める件である。

【委員の質問及び意見】

(中原教育長) 別添1、2のチャート図だが、誰が何をしなければならないのかという義務の部分と、誰が何をしてもいいのかという権利裁量の部分の区別が不明確となっていたため、役割分担が明確になるように整理した。実はこのチャート図の「学校(校長)」の下には同じような矢印があり、教科用図書選定調査委員会となっており、さらにその下に各教科等と記載されていたが、これらは法律上要求されるものではなく、学校長の裁量の範囲であるため、ここでは、義務の範囲のみ記載することとした。つまり、大阪府教育委員会に対して教科書選定の報告をするのが学校の義務となる。下の四角の(1)から(4)には、法律や通知などによる必要最低限の遵守事項を記載している。どのような教科書を採用し、教科とどのように連携を取るのかというのは、全て学校長に任せる形を作った。教育委員会が行う採択とは、教科書の中身の話ではなく、ルールが守られているかをチェックする最小限の仕事とした。これは、守備範囲の線引きを明確にしたことの一つの表れ。

(小河委員長職務代理者) 図で言えば、どのように変わっているのか。

(中原教育長) 別添1を例にすると、現状では1の送付、周知と2の報告だけであるが、旧案では1から更に下向きの矢印があり、2教科用図書選定調査委員会があり、さらにその下に3各教科等があり、そこから、4、5と逆向きの矢印で戻ってきて、6でやっと教科選定の報告となっていた。学校長が責任を持って各学校の教科の先生と連携してカリキュラムや教科書を作ればよいのであり、具体的な手続きを事務局が決めてしまうと、現場の校長や先生の思考を阻害してしまうのではないかということで、そこは裁量や権限で任せるとした。

(小河委員長職務代理者) 危惧するのは、学校長が現場の各教科の先生と協議するとしているが、学校長の権限で無視していくこともできることとなる。

(中原教育長) 学校協議会を通じた保護者との議論や生徒からの要望などを無視して、校長が強引に教科書の内容を決めていくような学校は衰退していく。むしろ、調査委員会が何も分からずに進めるのでなく、現場に任せたいという趣旨。

(小河委員長職務代理者) シンプルに学校長が学校運営の責任を負うことは分かるが、学校教育法には教育は教諭がつかさどると記載されており、また教科の専門性も重要な部分である。義務規定として書くと実務的な煩雑さはあるとしても、構造的には重要な部分である。

(中原教育長) 法解釈上、カリキュラムや教科書を最終的に決定し、学校を運営していく権限は学校長にある。授業の中身をどのような順番で進め、教えていくかは先生の裁量であり権利である。例えば数学教諭出身や民間から来た校長が化学の教科書を決めれるはずがない。また、教科だけでなく、進路部や生活指導部と話がしたいということもある。校長はもっと権限と責任を持っていただきたい。

(小河委員長職務代理者) そのような解釈なら良い。シラバスや授業内容は教諭の裁量という面があるが、この議論が記録として踏まえられた上で、このようにシンプルに組み立てられたのであればよいと思う。

(中原教育長) もちろんこれは議事録に残していただきたいし、逆にそれが分かっていない学校長はいないと認識している。仮に暴走するような校長がいたら、事務局からの指導が入るので、そこは安心していただきたい。

(木村委員) 自分で自分の教える教科の教材を選べるということか。

(中原教育長) 同じ授業で異なる教科書は無理なので、最低限、教科の先生達で相談して決めるということ。例えば、教科で上がってきたものに対して進路部が全体の戦略の中で更に踏み込んでほしいとなると話し合ってもらい、最後は学校長が決めるということになる。トータルでどのようにマネジメントするかということ。

(木村委員) これまではどのように決めていたのか。

(中原教育長) これまで記載されていた調査委員会について、事務局でもメンバーや人数構成、票が割れた場合の対応等を誰も考えていなかった。そのような名前だけのものは、思考を停止してしまうのでやめましょうとなった。

(小河委員長職務代理者) 大切なことは、教える側が決め、採択の権限は教科が持たなければならない。

(木村委員) これによって、事務量が削減されることになるのか。

(中原教育長) 調査委員会の所でそこまで軽減されることはないと思う。採択は確認作業に近く、学校で責任を持ってやっていただくこととなる。

(小河委員長職務代理者) 最終チェックの責任は校長となるが、基軸は各教科の編成会議となることを明確にしておくべきだと思う。

(丸岡高等学校課長) 1−9項の6の各教科の使用教科書の選定に、学校としての選定方法を明確にし、教科担当者全員による協議の上で選定することと記載している。

(隂山委員長) 僕は少し意見を異にする。校長に教科書選定能力がなければ駄目だと思う。小中学校の教科書と高等学校の教科書は決定的に異なる。高校の教科書にはレベル差が相当あり、業者はどの教科書を使っているかで、その学校の偏差値が分かる。使いやすいかどうかだけでなく、どの教科書を選定するかにより生徒たちをどの方向に持っていきたいのかという意思や意図が表れてくる。学校の個性やアイデンティティーが重視される時代にあって、どの教科書を選定するかは学校の個性を表す重要な意味合いがある。小中学校の場合は指導要領の縛りが厳しくどれを採用してもレベル差は出ないが、高校の場合はレベル差が大きくなる。そのことを前提にするなら、校長がしっかり責任をもって決めていくべきであり、現場の先生でないと分からないというのでは困る。校長が決め方自体も含めてマネジメントしていくべき。なお、学校外の意見について、しかるべきルールでしかるべき常識のもとに外部意見を取り入れていることから、原案でよいと思う。

(中尾委員) 私もこの案でよいと思う。責任と権限を明確にすることが大切。校長は、どのような生徒を育てたいのか明確な方針を出し、色々な人の意見を集約して、マネジメントしていかなければならない。

(小河委員長職務代理者) 現場の教員の実情を把握して、ビジョンと現場の認識を統一する流れを作るマネジメントが校長には必要となってくる。そのような理解であるなら私もこの形でよいと思う。

(中原教育長) 校長が教科主任を信頼しており、教科主任がきちんと教科をまとめているのであれば、教科主任と話す校長がいても良いし、全員と細かく話したいという校長がいても良い。仮に学校が暴走しておかしくなった場合には、すぐに指導はできると考えている。

(隂山委員長) 責任と権限という言葉に、もう一つ能力という言葉を付け加えてほしい。校長はこの教科書がいいという判断能力が必要となる。最終チェックでは校長が教科書に目を通さなければならない。現場に関する掌握と、実体に対するビジョンがピタッと一致している例が意外と少ないので、校長にはきちんと選択できる目を持ってほしい。

(和田教育振興室長) 採択の説明会で、本日頂いた意見をしっかり説明させてもらう。

(立川委員) 私が関わった学校では、おそらく、生徒の実情に合っていない教科書が選定されており、進級の時、卒業の時には真新しい教科書がごみ置き場に捨てられている現状があるので、校長が責任を持って選定するというシンプル化については良いと思う。また、お願いであるが、今回の資料では変更された点が分かりにくかったので、できれば変更前、変更後という資料を示してほしかった。

(隂山委員長) 1−9項の5に人権尊重の観点とあるが、ここだけ浮いている感じがする。ありとあらゆる観点でみられるべきであって、殊更、人権尊重の観点だけが入ってくると、人権については、色々な思いを持った人がいるので、恣意的な意見が出てくるのではと心配する。

(丸岡高等学校課長) 教科書の中に人権上適切でないものが入る可能性があるのでこのように記載している。

(津田教育監) 検定図書以外の一般図書からも教科書として選択できるものがあり、このことからその点をカバーするという観点で記載している。

(隂山委員長) それなら、もう少し観点を広げておいた方が良い。人権尊重は当たり前の話なので、当たり前のことを書くのであれば、振興計画に合わせて当たり前のことを書き連ねるべきである。人権尊重は重要なことであるが、人権尊重のために教科書があるわけではない。他の部分と比べると異質な感じがするので、別添でこのように選びましょうと並べるのか削除するのかどちらかにしてもらった方が良いと思う。

(中原教育長) 表題が観点となるとそこを目指さなければならなくなる。人権や差別の意識を助長する表現や写真があるとダメだということ。

(隂山委員長) ニュートラルにこういう流れで注意してくださいと並べる方がよい。振興計画の場合は議会を通ってオーサライズされているので、その観点に従って持ってくると、バランスが良いものになるが、人権尊重の観点を特別に持ってくると、色々なことを言いたくなる人が出てくるのかと心配になる。反対ではない。

(和田教育振興室長) この点については、外すのか、一般論としての人権の尊重とするのか事務局で検討する。

(中原教育長) 今、ざっと見ていると、個別の国語や数学などの留意事項にも入っており、教育振興基本計画や学校経営計画などにも含まれているので、ここは取ってしまっても良いと思う。

(立川委員) 採択要領の中に入れてしまうのもよいのではないか。

(小河委員長職務代理者) 事務局で検討の上、教育長がチェックする事でよいと思う。

(中原教育長) 事務局に一任していただくということにさせていただきます。

(隂山委員長) 老婆心ながら、教科書の採択については全国的にも混乱が起こっている事実もあり、全体を混乱させないということを旨として、多少の慎重さを持っておきたい。その点では、ニュートラルに誰が見てもそうだなときちんと説明できるような状態にしておきたい。

 

【採決の結果】

「教科書選定に当たっての基本的留意事項」について、本日の議論を踏まえ修正することを教育長に一任して、決定した。

 

 

◎ 報告事項1 英語教育改革プロジェクトチームの発足について

【報告の趣旨説明(教育総務企画課長)】

5月20日から外部人材の登用を含め、英語教育改革プロジェクトチームが発足することについて、報告する件である。

 

【委員の質問及び意見】

(中原教育長) 武田さんは外部の新しい人で、クックさんは元々大東市の中学校で教えていた。昨年は夕陽丘高校で教えており、且つ、事務局にも兼務していたので、実質的には内部昇格的な形になるが、今回は新規採用という形で任用している。他の方は高校、小中の英語教育のスペシャリストであり、皆さん英語を話す方の集まりのため、このメンバーでの会議は全て英語でしてもらいます。

(木村委員) 大東市の中学校の生徒さんによると、マシュークック先生は非常に人気があったと聞いている。このプロジェクトチームは、DVD教材や指導マニュアルなどをパッケージで作っていく感じになるのか。

(中原教育長) 大阪市とも協力して小中学校の英語教育を考えて、最終的には高校卒業時に、TOEFLで国際競争に打ち勝てるようなレベルの道筋をこの7人、7人の侍に任せたいという思い。

(立川委員) 大阪市の方はどれぐらいの人数になるのか。

(中原教育長) 大阪市の事を私が代弁することはできないが、私の理解では、本当に中心となるメンバーは5人と認識しているが、不正確な数字である。

(中尾委員) 南部さんと小野さんの勤務地はどこになるのか。

(見浪教育総務企画課長) 基本的には教育センターとなり、必要に応じてこちらに来てもらうこととなる。

(藤井教育次長) 5名の方は元々他の仕事があるので兼ねてプロジェクトに参加してもらう形となる。

(中原教育長) 相当程度、実際に小中の現場にも行ってもらうことが増えると思う。高校での英語指導方法の改善や、グローバルリーダーあるいは国際関係の学科のカリキュラム作成支援もこの7人のメンバーがしていく。情報が先走って中学校に混乱してほしくないが、高校入試の英語のあり方も、変えることを前提とするのではなく、検討を開始する。

(隂山委員長) 自分がこれまで英語教育に関わってきた関係からすると、日本の教育課題の中で最も困難な課題となるが、ニーズはあるがやろうとしてこなかった。慎重にやってほしいということと、しなければならないという面もあるため期待もしている。一つ注文を付けるとすると、具体的な成功がイメージされていない。方法論重視の考え方。目標に対して新たな手段をとることは一番いいやり方だが、方法論から入ってどこまでいけるのかが心配である。一つ検討しておいてほしいことだが、インターナショナルバカロレアを1校成り立たせることで、他の小中高が進めていく上でのハードルを具体的に見せる方法がある。IBの高校を作ることは相当困難であることは僕もよく知っているが、正々堂々と真正面から取り組んでいくことはいいのではないか。大阪中の子どもが英語をペラペラ話すということはありえないことで、必要性もないが、一方、海外で働く一定数の人達を担保しなければならない。留学生が少なくなっているのは、留学生が根本的に減っているのではなく、アメリカへの留学生が激減しているのであり、その理由を丁寧に見ていくと英語に行きつく。それらの事をひっくるめて突破口を大阪府の教育委員会でやっていくことはありだと思う。もう一点、僕の妄想になるが、関空周辺に特区を作って、留学生を集め、その力を小中の英語教育に活用する方法がある。英語で一番難しいことは話すこと。話すことを保証するために、1校に1人のネイティブを入れても、300人を相手にしゃべりつくすことなどありえない。学校教育で一日3時間程度しているだけでは駄目なことに、もうそろそろ気づくべき。韓国は元々英語力低かったが、ここ10年間で伸びている。全小学校教員に英語のトレーニングをしたり、中学校からアメリカへ留学する人たちが多く出てきたことで、今の英語力ができてきている。

(中原教育長) おっしゃる通り、日本の教育だけですぐに海外へ飛び出していくことは無理であるため、飛び出せる下地を作っていかねばならない。全員が英語をすることについては、国の体制として中学では毎日英語をすることを義務化されているので、個人的な見解は別にして、全員に受けてもらうこととなる。英語のバカロレアとなると、TOEFLを教えられない現状では当然無理である。各現場の校長も危機感は持っているが今の体制ではすぐにそのレベルには到達できないので、それらを含めてこの7人に考えていただきたいと思っている。

(隂山委員長) 学校教育で英語が話せるようになることは根本的に無理であることを前提に、システムごと変えなければ英語教育は成功しない。

(中原教育長) 全てをインターナショナルスクールのようにすることは現実的に不可能であるため、高校卒業後社会に出た時に少しでも役立つレベル、トップ層で言うとTOEFLで80点から100点というレベルまで持っていけるのではないかと考えている。それで、アメリカの高校生と同じ議論ができるかというと無理であるが、どのレベルまでいけるかは、今後のリソースとアイデア次第である。

(隂山委員長) 大学まで英語を勉強しても話せないとなっているが、問題なのは、そのことによって、英語の読み書きの能力が落ちているということ。文語英語から口語英語にシフトすることは良いが、読み書きの能力が落ちていることが国民的なコンセンサスになっていない。改革をすればするほど悪い方向に走っていないのか気になる。

(中原教育長) 読み書きができないと仕事がもらえないので、その点は理解している。

(隂山委員長) 英語で身を立てることについて一番知っているのは教育長であるので、その経験を生かして、目標設定をどのように持っていくのかを言ってほしい。

(中原教育長) 予算の制限等はあるが、他のみなさんの納得が得られる範囲で、インターナショナルバカロレアの構想についても進められる範囲で進めていきたい。

(中尾委員) 産業界との連携も考えていかねばならない。韓国のサムソンでは、30年前に、日本語の読み書きができなければ課長になれないと言われていた。英語ができなければ入れないということにすると努力する。経済同友会とも、連携というよりは、支援してもらうことを考えていくべき。

 

◎ 報告事項2 平成25年度入学者選抜の結果と分析について

【報告の趣旨説明(高等学校課長)】

平成25年度の公立高校入学者選抜において実施した普通科等の前期・後期の分割募集の結果と分析について、報告する件である。

 

【委員の質問及び意見】

(中尾委員) 総合的な分析になっておらず、分析が甘いのではないか。例えば私学との関係で過去のトレンドからどのようになっているのかや、今の中学校との関係からはどうなっているのかというところ。私立は中高一貫が多く、他府県からの流入流出があり、また、中学校から私学に通っている層もあるが、それらはこの資料には入ってきていない。私学も含めた大阪全体の事を考えてほしい。兵庫の人に話を聞くと、大阪の私学に6,000人抜かれているとのこと。逆に言えば、大阪から兵庫や奈良に行く例もあり、都道府県の枠を越えた動きがある。トータルで分析してもらった方が良い。普通科を中心に分析しているが、総合学科や専門学科は多くのお金を投入しているので、そこの魅力づくりが必要である。また、試験が早まれば、試験後勉強しなくなるという問題も出てくる。もう少し分析を深め、課題に対してどう手を打つのかを示す必要がある。私学では既に広報活動を始めているが、公立ではまだ説明会の日程さえ決まっておらず、最終的に私学に生徒を持っていかれている点も懸念している。

(中原教育長) これで100%のデータとは考えていない。第一段階であり、また、私学の方から表に出さないでほしいと言われているデータは削除している。今、入試で大きな論点となっているのは、絶対評価と統一テスト、前期後期のバランスがどうかというところ。生徒や保護者にとれば、コロコロ制度が替わることは困るという話がある。絶対評価を調査書にどう反映させるかを、平成28年度入試でやっていく予定であり、前期後期や試験の中身などは、できれば一回で確定させ、10年程度は永続するぐらいの安定性のある制度にしないと混乱してしまうと考えている。そのためには公平な制度であり、生徒や保護者の負担や不利益が無いようにしなければならない。絶対評価については、今年の7月には市町村に案を示す予定をしており、その前には委員のみなさんにお示しする予定である。その中で、中学校の聞き取りや私学との摺合せ等は当然進めていく。その意味では、今後みなさんから、大いにご意見を頂き、自信を持って中学生や保護者に提示できるものを作っていかなければならないと考えている。

(隂山委員長) 今回の入試の最大の問題点は、前期試験での不合格者が多く、その後3日で後期試験の方針を決定する必要があった点である。学区の撤廃となると、これらは緩和される方向にはないということ。それは議会において選択し、決断されたことなので、私たちとしては民意を受けて粛々と進めていくしかない。

(中原教育長) やはり修正すべきことがあるのであれば、平成28年度入試の調査書の改定に合わせてやる方が良いのではないかと考えている。

(隂山委員長) 議会の方に我々から提案することがあるかもしれないということか。

(中原教育長) そうですね。調査書以外の試験日程や科目など、やるなら平成28年の調査書と同時にしなければ、学校、保護者、生徒が対応しきれない。

(藤井教育次長) 隂山先生がおっしゃっているのは、学区撤廃の話しだと思いますが、学区については既に条例で定められているので、混乱を避けるために教育委員会で軟着陸させていくということ。前期後期の日程の話や調査書の話は平成28年に向けて考え方を整理していきたい。

(隂山委員長) 僕が言いたいのは、万能な完全な入試などありえないのだから、どの痛みを受けとめるかを府民のみなさんに考えていただかないと、府の教育委員会がこのようにしますということではない。公平さと15の春は泣くことがあるかもしれないという方向にシフトしたので、その点は教育委員会だけではなく、全保護者を含めて受け止めていただき、そのうえで改めることがあるのならば、平成28年かそれ以降のしかるべき段階でしかないということ。

(中原教育長) 安定性という意味では良くないのかもしれないが、全体のバランスを考えた時に機能しないのであれば、勇気を持って、前期後期の制度をいじることの可能性をゼロではないということにしておかないと、一回決めたことに意固地になると府民に迷惑となるのでその窓口は開いておきたい。

(隂山委員長) 哲学そのものを変えるということで劇薬をやったが、決まったものは我々としては粛々と進めていかねばならない。いずれにしても、後期選抜を受験した理由の上位の中で、どうしても入りたい学校だったからという項目が2番に来ているということでよいのではないか。あと、落ちるということに関して、大阪全体の子育ての考え方との乖離も押さえておいてほしい。今回もう一点気になったのは、普通科に寄ってしまったのはあまり良くないということ。大阪の地域性を考えると手に職を付けてその道のトッププロを産み出したいとしていたが、その流れが起きていない。工科高校に相当投資しているが、そこを忌避されると税金の無駄遣いとなる。工科高校の問題については、もう一度考えていただきたい。工科高校卒業後に例えば府立大学への進学枠であるとか、有名国公立大学への推薦入学などの道筋などは結構広い。一般の人達は、東大京大を目指す価値観があり、早くから難しい問題を解かないと自分の人生が開けないと錯覚している。工科高校あたりが頑張って、府教委も後押しをして、人生の選択肢を広くとらえる方が子ども達も豊かな人生が開けてくることを伝えてほしい。トップの工科高校を作ったり、先ほどのIBも含め、憧れる学校を3校程度用意して、良くなる方法はこちらですというモデルを用意してほしい。

(木村委員) グローバルリーダーズハイスクールのディスカッションでの校長先生の意見でも入試は一回にしてほしいという話が結構あり、私も賛成であった。複数回受験機会があると、とりあえず受けようかとなってしまう。また、前期試験は3科目となるため、理社の軽視があり、理社の得点率が下がっているように感じる。良かった面としては、男女比率が撤廃されたことで、頑張った生徒が報われる制度になったことがある。また、大阪府の入試の倍率が高くなることで危機感を持つ親や子どもが増えており、学力低下が改善される可能性もある。更に、2−5項にある受験理由として、前期も後期もどうしても入りたい学校であるからという理由が一番に来ることを目標としなければならない。まとめの所では、多数の不合格者の精神的ケアは非常に苦労し学校の先生も悩んでいた。出願までに3日しかないためしっかり進路指導ができなかったことから、来年は12月ごろに前期と後期をセットにして進路指導するような形をとっていただき、不合格時にどのように対応すれば良いのかを先生が示してあげれるようにしてほしい。将来の入試制度の事であるが、受験科目についてはやはり5科目として、理社を軽視しないようにしていただきたい。

(中原教育長) これからの具体的な話し合いの中でご意見を頂いて、平成28年度入試に向けて真剣に考えていきたい。

(隂山委員長) 部分的な修正をいくらしても答えは出ないので、どのような人材を育てるかという哲学を、いろいろな意見を聞きつつ、しっかりと考えていただきたい。

 

◎ 報告事項3 平成26年度大阪府公立小学校の任期付校長募集概要及び大阪府立学校校長公募概要について

【報告の趣旨説明(教職員人事課長)】

平成26年度公立小中学校任期付校長の公募選考に係る選考予定校種及び採用予定人数並びに今後のスケジュールについて、及び平成26年度大阪府立学校校長の公募選考に係る募集人数及び今後のスケジュールについて、報告する件である。

 

【委員の質問及び意見】

(中原教育長) 学校長に求められる大きな2本柱としてマネージャーとしての力とエデュケーターとしての力がある。昨年の1次選考ではマネージャーとしての力はあまり評価せず、エデュケーターとしての力を評価していたが、今年からマネージャーとしての力を評価する比率を上げて1次選考をすることとした。

 

 

◎ 報告事項4 大阪市教育委員会からの依頼について

【報告の趣旨説明(教育総務企画課長)】

大阪市教育委員会から依頼のあった「『府市教育改革会議(仮称)』の開催について」の内容について、報告する件である。

 

【委員の質問及び意見】

(中原教育長) 大阪市としての関心事項が3つあるが、意味合いがそれぞれ異なる。高校入試改革については、最終的には大阪府が決めることで、市町村、私学などから意見を聞く中での一つとして位置付けられる。英語教育については、府市の中で市から学び支援していくという双方のギブアンドテイクの関係を作ったので、そこを中心とした情報交換になるが、ただ具体的にチームは動いているので、上層部同士の話し合い、意見交換という意味合いになるのかと思う。教育委員会及び同事務局の体制については、教育委員会制度そのものの話であり、国会議員の仕事となるため、国への要望や提言をしていく時の話し合いになると思う。府からは、これらにプラスして、桜宮高校のその後についての事情聴取や、市立高校と府立高校の教諭の人事、都構想が実現した場合の体制整備を議論していくことになるかと思う。府市統合本部はすでにあるので、何かを決めるというより、意見交換、情報交換を定期的にしていこうという意味合いだと私は理解している。

(木村委員) 大阪市に限らずいろんな市と連携していくべきだと思う。皆の知恵を結集して教育力を向上させることが目的だと思うので、子ども達のために何ができるかという視点に立ち、前向きな発想ができるのであれば有意義だと思う。

(小河委員長職務代理者) 大阪市の要望としては分かるが、府下の各自治体を全部飛び越えていく側面があり、どうしていくかは非常に難しい問題がある。

(中原教育長) ただ意見を聞いて情報交換し、府に権限があるものについては、府として意見を聞いていく。高校入試がまさにそう。

(藤井教育次長) 府として決めることについては、大阪市だけではなく他の市町村の意見を同じように聞く必要があり、府市だけで議論して決めることではない。その点は松井知事も同様のお考え。

(中原教育長) 高校入試改革、英語教育、教育委員会制度については府市で合意してもあまり意味はないので、それらは議決事項ではないと思う。色々な項目が出てくるので、項目ごとに誰に決定権限があって、誰の意見を聞かなければいけないかを知事と府教委とで整理していく。

(隂山委員長) 結論を言えば反対。意見交換会だとしても、このメンバーで高校入試改革について議論する場がテレビの画面から広まるだけでも、非常に多くの疑義を生じさせる危険性がある。単なる意見交換としても、市長が主張を明確に言われ、その場でこちらがそれは違うと言うとしても、その場自体がどうなのかという話となる。市長は一政党の代表であるわけで、その話は国会にも影響することから、この場は慎重であるべき。桜宮の件は、緊急事態であり、予算措置の必要性もあり、テーマが限定されていて効果・影響も府市の枠組みの中だけで吸収できるものであった。全ての市町村の教育長会に大阪市や堺市も入れて、ご意見どうですか、ということは絶対やらねばならないことだが、府市教育改革会議をやると、逆にやりにくくなると思う。

(小河委員長職務代理者) 去年の府市統合本部での設定の仕方がまさにこれである。バーンとやって、社会的インパクトだけが残り、事実だけが先行していく。こういう話こそもっと下から積み上げていく形をとらないと混乱が生じる。隂山委員長の言ったような危惧をもっている。やり方は実務的にもっとあると思う。大阪市が関心を持っている事項が3つあるといっても、これだけではわからない。

(中原教育長) 市町村の教育長が私を訪ねて来ることは日常にある。全体会議以外では話を聞いてはいけないということか。どういう方法で下から積み上げるのか。指導主事レベルですり合わせて決めていくことであれば下からの積み上げとしてわかるが、入試についてメインとなる流れは、府の事務局が案を作り、府の委員会で議論し、各市町村の教育委員、教育長さんの意見を聞いていく。その中で、うちの市では個別に問題があるので聞いてほしいということであれば、話を聞くが、大阪市は影響が大きいため、指導主事レベルからでないと話をしませんというのはおかしいと思う。ただ、デメリットとしては分かる。バーンとアドバルーンが上がったときに、もう決まった話しとなりかねない。

(隂山委員長) 府教委と市町村教委の関係は、決して盤石なものではない。関係の再構築に努力してきて、今それが機能してきていると思う。教委同士の関係はかなり良くなっており、統一テストにしても、あれだけ反対だった方々が、共通の土俵で共通の課題で考えようという風土が出てきている。今が一番大事。橋下市長の考えを優先的に扱うつもりがなくても、絵としてそう見えてしまうという影響は大きい。テーマごとに、高校入試改革であれば全市町村、大阪市、堺市全てで会議を定期的にやるべきである。府立高校と市立高校の統合再編は他の市町村は関係ないので、府市でやりましょう、あるいは、教育委員会制度については、自由参加でやりましょうというのもOKだと思う。要するに、個別の課題によって会議体を変えていきましょうということ。ただ、今回のような教育改革について、市長、知事がこういう形で話し合うことは、色々な疑念を生む。非常に発言力があり、常設でこういう場を設定することが決まること自体、その影響は大きい。

(中原教育長) 松井知事も、直接話はしてないが、できるだけ皆の意見を同じような機会で拾ったらどうかと言っていたと聞いている。例えば、桜宮の人事の問題や、中之島図書館について定期的に会合をやるのはいいと思う。一番大きな影響力があるのは高校入試改革だと思うが、全部の市町村が参加した会議でやることもあれば、あの場では言いきれなかったからちょっと一席設けてくれという話しが絶対あると思うので、その延長線上で考えて、タイミングをずらすのか、それとも高校入試については話をせず府市に専属的にかかわる事項だけ話し合うのか、それともこの話を完全にお断りするのか、いずれかになると思う。

(藤井教育次長) 会議を常設するという点では、これというテーマの設定が難しい。テーマに応じて大阪市の意見を聞く場はいろいろあると思うので、そういう形で随時ご相談させていただくというのはどうか。

(隂山委員長) そういう場は構わないと思う。高校入試、中学校の教育課程の問題は最大の課題であり「すみません、ちょっと言い過ぎました」では済まないので、慎重にも慎重を重ねていきたい。むしろ僕は全市町村が集まる機会を早期に設定して、絶対評価の問題などについて基盤を作ってもらいたい。その上で、府市の問題を話し合ってくださいという空気になればいいが、順番を一つ間違えるととんでもないことになる。

(小河委員長職務代理者) 指導主事の方々が現場を訪問し、あるいは現場から研修会を聞きに来られた事例が全部で4,000回ある。日本全国で、こんなに全体の指導体制の底上げを積み上げてきた実績はない。積み上げてきたことで信頼関係が築かれてきた現段階で、うまく表現できないが、ボーンと出すのは非常にリスキーであり、あるものを壊しかねないという側面を伝えていただいたらと思う。

(中尾委員) 色々な意見があるが、課題を共有するとか、意見交換するなどはやっていけば良いと思う。ただ、本件はテーマがあまりにも次元が違うものが入りすぎている。大阪市とやっていくべき問題については、意見交換をしていけば良いと思う。教育委員会の組織改革は、我々教委の中にいる人間が大阪市と話し合うのはどうかと思う。また、改革会議という名前。会議というのは、会して議して決すことであり、名称から先行してしまうイメージがある。

(隂山委員長) 市教委のお気持ちは我々も理解しているつもりである。知事は予算をつけてくれており、私たち自身も政治と教育の関わりについてもある程度理解している。一方で、選挙になれば対立する人たちがいて、議会が構成され、各市町村によって違うタイプの首長さんがいて、教育長や教育委員を任命している。その中で、府市統合で一つの方向に持って行くことは、いらぬ疑念を生じさせる危険がある。大阪市のお気持ちはわかるし、意見交換会ならやればいいと思う。しかし、改革するんだ、会議を作ってそれを常設するんだとなると、集まるだけで駄目だと見られる可能性がある。

(中原教育長) 隂山委員長がおっしゃるように、府と市にその意図がなくても何かを決断しているように見える効果がある。しかし、意見交換というのを、例えば桜宮みたいなことがあれば臨時招集となると予定の合わない教育委員がいたら参加できないが、もし定期的にしておけば、皆が来ることができる。

(隂山委員長) 府市だけで常設の場をもつ必然性、合理的理由があるかという話。

(中原教育長) 臨時招集で来られる人が仮に半分くらいしかいなくても仕方がないということであれば、それでいいと思う。

(隂山委員長) 各市町村の声なき声まで配慮すべき。例えば2万人の入試に落ちた中学生の不満は各市町村が吸収している。今この程度で済んでいるのは市町村との間に信頼関係があるからだが、吹き溜まっている不満のエネルギーはある。全体の合意をどのように落とし込むのか、中原教育長には、そのことに専念してもらい、全ての市町村を集めた会議を早くしてほしい。

(中原教育長) 全体の会議は、6月に予定している。

(立川委員) 大阪市教育委員の方との意見交換は賛成で、すべきだと思う。今回は、委員長がおっしゃった通りだと思う。大阪市が関心を持っている事項に再編整備が入っていないことに違和感がある。テーマとして、高校の再編整備は非常に重要だと思うので、早く方針を出さないといけないと思う。統一テストの話は、昨年の夏、大阪府内と大阪市内の実態の報告時にでてきた。絶対評価の方針を出した後、あまり、議論もしておらず、経過報告も聞いていないが。

(藤井教育次長) 各教育委員さんとの議論を6月上旬に予定しています。

(中原教育長) 到達度テストは、やるやらないは中学校の自由であり、ただそれを調査書の中で評価すると決めた時点で実質的に義務となる。そういう意味で隂山委員長がおっしゃったように大きな話であり、それを最後に決めるのは府であるが、私学や市町村の意見も聞くべきである。先に府市だけでやると、何かが決まったように見えてしまい、入試について話し合わなくても、定期的に集まるというだけで影響があるというのが隂山委員長の意見。ケースバイケースで集まり、場合によっては首長も入り、それが公開か非公開かも含めてケースバイケースでということ。僕としては、ある時は首長が入り、ある時は委員だけでやるなど、バラバラになるなら、定期的に公開でやり、それ以外は首長とは話していませんという方がいいのかと思った。しかし、皆さんの意見として定期的というのがよくないということであれば、6人の判断でやればいいと思う。ただ、デメリットとしては、裏で首長と話しているのではないかと勘繰られることがあるが、こうして話していること自体が信用に繋がればいいとは思う。

(立川委員) 市長と知事が入ると大きな話になるので、教育委員同士の会議、意見交換会であればいいのでは。

(中原教育長) 枠を決めないので、お互いの教育委員会と首長がケースバイケースでメンバーをどうするか決めていくしかない。

(隂山委員長) ルーティンな会議で必要なものは既にやっている。特別にやるには、特別なテーマが必要。特別なテーマとは例えば府市の高校の再編整備などで、それに応じたメンバーを考える。改革会議はこのメンバーと決めてしまうと、それだけで別の論理が働くので現段階では難しいということ。

 

このページの作成所属
教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ

ここまで本文です。


ホーム > 教育・学校・青少年 > 教育政策 > 大阪府教育委員会会議 > 平成25年5月委員会会議会議録