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更新日:2012年5月9日

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平成25年4月委員会会議会議録

大阪府教育委員会会議会議録

1 会議開催の日時

平成25年4月19日(金曜日)午前9時30分開会

午前12時08分閉会

2 会議の場所

大阪府庁別館6階共用会議室2

3 会議に出席した者

  • 委員長
    隂山 英男
  • 委員長職務代理者
    小河 勝
  • 委員
    中尾 直史
  • 委員
    立川 さおり
  • 委員
    木村 知明
  • 教育長
    中原 徹
  • 教育監
    津田 仁
  • 教育次長
    藤井 睦子
  • 教育総務企画課長
    見浪 陽一
  • 教育振興室長
    和田 良彦
  • 高等学校課長
    丸岡 俊之
  • 市町村教育室長
    吉美 学
  • 教職員室長
    山本 讓
  • 教職員人事課長
    中野 伸一

4 会議に付した案件等

  • 第1号議案 平成25年度大阪府教育委員会の運営方針について
  • 報告事項1 工科高校における人材育成の重点化について
  • 報告事項2 平成25年1月17日以降における教職員の懲戒処分の状況について
  • 報告事項3 教育委員の日額報酬支給に関する基準の一部見直しについて

5 議事等の要旨

  • (1)会議録署名委員の指定
    木村委員を指定した。
  • (2)前回までの会議録について
    全員異議なく承認した。
  • (3)議案の審議等

第1号議案 平成25年度大阪府教育委員会の運営方針について

議案の趣旨説明(教育総務企画課長)

教育委員会の運営を組織的、戦略的に行うために、当該年度の基本的な方針を年度当初に定める件である。

委員の質問及び意見

  • (中尾委員)平成25年度の計画となり、実際にやっていることの確認ということでよいのか。これまでの取り組みを落とし込んだ内容と新たな問題との関係はどのようになっているのか。
  • (見浪教育総務企画課長)8月の点検評価を踏まえ25年度事業として予算化し振興基本計画に記載されているものや、それ以降の新たな課題についても盛り込んでいる。
  • (中尾委員)高等学校などの学校経営計画は、3月の初めに校長からの内示を受けてある程度期間をとって作成することとなるが、新しく先生が替わった学校の計画は確認できているのか。大切なことはPDCAのPであるが、学校の状況を見ていると、初めのPの部分を具体的にやり取りできているのか分からない。一番気になるのは、生徒の進路実現についてあまり書かれていないこと。本当に大切なことは生徒の将来であり、入ってきた生徒の将来がどうなるのかを学校経営計画に記載しておかなければならない。
  • (中原教育長)中尾委員と同じ問題意識をもっている。おそらく、学校長のみなさんに明確な認識がないのは、事務局にないからだと思う。進路実現をかなえるというような耳触りのいい言葉がいつも出てくるが、普通科での就職などはかなりの幅がある。現場の先生は中退防止等に尽力しているが、例えば二次関数を学ぶことにメリットを感じていなくても教えなければならない中で、進路の実現に対して具体的にどうするのかという戦略が事務局でも薄いと実感している。先日もエンパワメントということで就職に直結する中身を考えたが、生徒、保護者は何をしたいのか、また、大阪の中小企業がどのような人材を求めているのかの分析がない。どのようなニーズがあり、その根拠が何かということのデータ分析が甘い。社会情勢を踏まえた進路についてのビジョンが不明確だと認識している。
  • (隂山委員長)ビジョンをもう一度明確に作り直すということですか。
  • (中原教育長)現場は多忙なため、とにかく大学に入れてしまえば責任が終わったという空気があるが、学校長にもビジョンを持っていただかなければならない。産学連携なども、いつも抽象論で終わってしまい、具体的にカリキュラムをどのように変えていくのかという議論がない。普通科の生徒がちゃんと就職できるように、我々が自信を持てるプログラムを作っておかなければならない。
  • (藤井教育次長)エンパワメントのカリキュラムについては具体的なニーズ把握をしていく。
  • (隂山委員長)これまでも言ってきたが、ミッション、カリキュラムを明確にし、確実に実行していくシステム作りを行ってもらう。
  • (木村委員)もう少し色々なデータを分析すべき。高校の選抜に関しては、内申点と得点との相関関係や、何点で合格し、何点で不合格となったのか、ボーダーゾーンの状況などを突っ込んでいくべき。前期入試で80名の枠に対して多くの生徒が不合格となっている現状で、不合格となった生徒が自信を無くしている。本当は後期試験でそこを受ければ合格している生徒でも1ランク2ランク落としてという話を聞く。全部がデメリットではないと考えているが、前期試験を不合格になった生徒が後期試験に何点で合格しているのか等、色々なデータを集めて検証することをお願いしたい。
  • (隂山委員長)大きなポイントで今後の入試にかかわる根源的な問題がある。学区撤廃による競争原理と自由を打ち出すことが議会や知事から出された条例で確認されているが、入試に失敗する生徒が増えることを必然としてとらえるべきか、あってはならないこととしてとらえるべきか、私たち自身が決めていることではないので迷いがある。気持ちとしては子ども達を落としたくない。教育長はどの辺に落ち着けるべきと考えているか。
  • (中原教育長)私学を落ちることはショックではないのか。一つでも落ちるとショックを受けてしまうということか。
  • (木村委員)私学を落ちる割合は少ない。
  • (中原教育長)大学入試や就職試験でも同じようなものではないか。中学生では耐えられないという議論か。
  • (隂山委員長)我々子ども達に近いところにいる人間は、義務教育終了の段階ではスムーズにいかせてやりたいという思いが働いてしまう。韓国の入試で問題とされていることであまり認識されていないものに、中学・高校入試がほとんどなく、大学入試一発で決まるということがある。我々から見るとあの過熱した入試状況がどうなのかということもあるが、今の韓国の産業競争力が出ていると認識されるのであれば、そういう要素があってもいいのではという考えが出てくるのかもしれない。その辺について、一長一短あるが府民的にこんなものだという着地点がほしい。自由という観念と平等という観念は両立しない。また安定と改革、安定と停滞も紙一重、改革と不安定も紙一重。わが子の入試に関わってきた関係からいうと、おかしな制度でも安定している方が良いと思うほど不安定というものは厄介。今回はそれほど年数置かずに改革が行われているが、どこまで改革するのか先の見えない思いがある。公立学校の倍率が上がったということでいい評価が出るかと思っていたが、予想以上に不評の部分が大きかったのは意外であった。この辺のところの落としどころを教育長のところで聞いていただきたい。もう一つ気になるのはデータを取るのは高校なのか中学なのか。
  • (藤井教育次長)入試の合否分析については高校サイド。今回の入試については保護者サイドや中学校サイドからも聴取して検証する。
  • (木村委員)中学校側での安易な進路指導がなくなるように、具体的な目安となる指針を示してほしい。学校の先生は、実力テストと定期テストの点数だけで進路指導をしているケースが多い。学区が狭い時はそれで良いが、学区が広くなると的確な進路指導ができない。ある程度のボーダーラインだけでも中学校の先生に開示した方が進路指導がしやすくなるのではないか。
  • (中尾委員)私の考えは少し異なる。9学区が4学区となり学区が廃止され変革が起きている中で私学助成もあり、全体的にこれまで私学を受験しなかった生徒が受験している。むしろ選択の幅が広がったと言える。中学校では年々3年生の学年責任者が進路指導することになっているため、生徒は中学校の進路指導よりも塾での進路指導を優先して受験するということになっている。中学校に進路のベテランがいればよいが、転勤等で毎年進路指導体制が変わるというマネジメントの問題もある。今の状況を極端に変えるのでなく、落ち着くのを待った方が良いのではないか。
  • (隂山委員長)各学校のマンパワーが足りない。教育改革が色々出てきて、入試状況がシビアになっているが、教師の立場ではどちらに向いて走れば良いか分からない状況になっている。
  • (中原教育長)和泉高校でも、1,2名のスペシャリストがいたが、他の先生は関関同立程度の情報しかないような中でやっている。他府県の大学となると、生徒と一緒にホームページを見て、電話していた。韓国と同じスタイルが良いとはみんな思っていない。受験に縛られないことのメリットもあるとの希望を持っている。
  • (隂山委員長)30年間の教師経験から言うと、いくつかの現象が繰り返されている。学区撤廃で入試情報が重要となり、大規模な塾や予備校が伸びていく。今の受験は情報戦であり、学力戦ではない。そこを突き詰めていくと、入試を受ける前からどこに合格してどこで不合格になるか分かってしまい、偏差値が力を発揮することとなる。進路指導をする人にはありがたいが偏差値教育という批判となってくる。何をどのように持っていき、どの辺に落とし所を持っていくのか教育長は持っておいてほしい。
  • (小河委員長職務代理者)現実問題と実体をつかんでおく必要がある。関西では公立を目指す傾向がある。公立へ行きたいという市民的価値観がある。
  • (中原教育長)その結果7対3と決め打ちし、私立が3しか募集できないとなると、公立がそこに胡坐をかいて、発展が阻害されたという見方が出てくる。
  • (小河委員長職務代理者)現実的にはそういう傾向が強い。本人が公立を希望している場合の私立の位置付けは、失敗した時の滑り止めとなる。その中で、公立でどんでん返しが起きた時の混乱が大きいというのは良くわかる。来年から始まる学区撤廃によりどのような事態が起こるのかを見つめた上で、現場サイドの混乱を予想し、状況に則した手を打たねばならない。
  • (隂山委員長)ボーダーゾーンを示すデメリットというのはあるのか。
  • (藤井教育次長)学校のランク付けとなる。
  • (津田教育監)ボーダーゾーンは必ずしも点数だけで決まっているものではないので、その数字が独り歩きすることの問題や序列化という問題がある。
  • (隂山委員長)結局一長一短が出てくる。教育長に言いたいのは、ビデオテープのように同じことが繰り返されている過去の事例を見ていただき、計画作りを実体に則したものとしていただきたいということ。
  • (中原教育長)相当データを収集しなければならない。
  • (隂山委員長)データを過度に集めると学校現場の手間暇が膨大になってくる。
  • (中原教育長)無駄な書類作業を増やすのでなく、多方面から話を聞かねばならない。
  • (隂山委員長)偏差値教育は、元々関東で問題となった。高校入試で全県学力テストを業者に委託したが、一業者がやるテストを公立学校の枠組みの中で行い、テストで全体を輪切りすることが教育なのかと問題になり、当時の文科大臣が偏差値教育はなってないと発言し、全国の中学校から統一テストをなくせとなったことで進路指導できなくなった。総合選抜制になったのは、いい高校に行きたいがために浪人する生徒が急増したことがあり、これはどうなんだということで考えられるようになった。私学が伸びてきた要因としては、指導要領の改訂の中で、中学と高校の中でカリキュラムの入れ替えが可能となる特別な規則がある。関西の某私学が6年分のカリキュラムを5年分に圧縮し、残り一年間は入試対策をすることで爆発的に合格者が増えた。公立は特例が認められないが実績を問われることから科目の未履修問題が起こった。一番言いたいことは、世の中の制度の矛盾が学校現場に押し寄せた時に、目の前の生徒をどのように進学させるかということで思い余って起きた問題であるが、ありとあらゆる制度が批判され、お手上げ状態であり、学校現場で虚無感が漂っているということ。これ以上の改革の連続では学校現場は燃え尽きてしまう。
  • (中原教育長)次に正式に入試の形を決めたならしばらくは存続すべきとの声はよく聞き、そうだと思っている。制度がすぐに変わる不安定感はマイナス効果が大きいと理解している。
  • (隂山委員長)国の方が改革を重視しているので、その辺を見ておかないと、落とし所は本当に難しい。
  • (小河委員長職務代理者)来年の学区撤廃の波が、現場の進路指導の教師には見えない状況がある。学校が200前後あり、コース等を考えると選択肢はさらに増える。個別に希望があれば検討できるが、どこが良いか分からない生徒が出てきて教師がガイドすることが現実的には本当に難しい。
  • (中原教育長)それでは、小河先生は元の9学区に戻し、7対3の公私の配分にし、私学への助成をやめて10年ほど前の入試に戻すことが良いと言うのでしょうか。
  • (小河委員長職務代理者)9学区の方が良い。指導することを考えると、熟知した状態であることが良いと思う。現実問題として、我々は学区撤廃の中で進まなければならないが、先を見て予想を立てた対応が構築されていない。教育長はどのように考えているのか。
  • (中原教育長)6人での話しであり、私一人は1票しかない。9学区に戻し、7対3比率を復活し、私学助成を止めるという案を、事務局職員を使いつつ、小河先生を中心に小委員会を立ち上げて提案していただいてもよい。
  • (小河委員長職務代理者)現実に進んでいる学区撤廃の中でしなければならないが、本当に良いのか悪いのかの対応策の検討が重要になってくると思っている。
  • (中原教育長)私は学区撤廃には賛成でその中で動いている。その中でバランスを考えて永続的にやっていく案を主流案として考えていくが、もしかしたら小河先生が考えている案が正しいのかもしれない。私が2つの案を考えるのは不可能なので、小河先生が中心となり考えていただき、やはり9学区が良いのではないかとなるのであれば、そのような提案を出すことになる可能性はある。
  • (中尾委員)入学者の選抜制度の話になっているが、冷静に考えるとどのような生徒を育てるのかということが大事である。色々なタイプの学校を作ってきたがそれがニーズに合っているのかをもう一度きちっと作り、生徒に来てもらうということが筋である。
  • (中原教育長)理想的な一つの形でいえば、入試の絶対評価の改革、学力考査、面接、小論文といった要素をどのように配分するかを学校長が決めるということも一つのアイデアだが、そうすると、輪をかけて指導が大変になるという声もあり、入試改革とセットとなる議論である。
  • (中尾委員)色々なタイプの学校があるが、その整理をすることが大切ではないか。同じようなタイプの学校に2時間かけていくかというとそうはならない。
  • (立川委員)大阪の保護者世代が偏差値で学校を選んできた世代であり、学校内で業者テストをしていた世代。保護者に関して言うならば、判断材料が非常に重要であり、今まで塾に行かせなかった親が中1になると行かせている。判断材料というデータを色々言われているが、府民が分かりやすい交通整理が必要だと思う。それと、高校が全入となっており、ほぼみなさん高校に入るが、実態として高校入試が選択肢としてあり、中学校から就職するという選択肢がほぼない状態。タイプ別もよいが、全入という前提をするなら選択肢が高校しかないということをどうしていくのかということが非常に大事だと思う。就職を専門とする高校があっても良く、もう一つの選択肢として福祉と商工労働の壁を取り払った職業訓練に特化したプログラムを有する中学卒で入れる職業訓練校があっても良いと考えている。
  • (藤井教育次長)それについては、専修学校、各種学校という私立のパーツで就職を見据えた高校課程の勉強ができる学校はある。
  • (立川委員)進路指導の先生も情報が多すぎて案内できる状態ではない。
  • (中原教育長)告知を徹底するということと、公立でも新設すべきということでしょうか。エンパワメントの中で、これからやろうとしていること。教育委員はどんどん旗を振り、事務局を使って、小部会を作って検討していってほしい。エンパワメントを作る中で、カリキュラムや指導方法の立案に立川委員が入ることができるのか。
  • (藤井教育次長)一つ一つ部会を作ることは困難だが、立川委員に入っていただくことは可能である。
  • (隂山委員長)学校の個性化について今までも実施してきていることを確認しておきたい。学区選択で話題になったが、6割の高校は全府下で通学可能となっており、似たような個性の学校にはできるだけ近くに行ってもらうということで4学区に収斂された。実質的に大学入試のセンター試験で何点取るかに収斂してくるので、偏差値的な教育観ということが強く入ってくる。今後、中学校から塾にいって、自分の学力を偏差値などで知ろうとする考え方が強くなってくるが、塾に行けない子がはじき出されてしまい、いずれ全公立での学力テストが視野に入り、中学校の授業が点取りに効果的な指導にシフトされてしまう。大学入試ではいいが、就職試験ではテストの学力は全く役に立たない。学力は向上したが、子ども達の進路や大阪社会の発展には役に立たなかったとなる恐れがある。
  • (中原教育長)高校入試の中身を思考を問う問題に変えるということもあるし、学力検査と調査書、面接、小論文のブレンドもある。
  • (隂山委員長)保護者からするとテストで高得点とっているのになぜ他の子より下なのかという声が出てくる。完全に公平な入試など不可能。大阪府の風土を考えながら、公立志向の特殊性を見定め、どのように入試をかませていくのかというかなりテクニカルな問題となる。
  • (中原教育長)府民の代表者である議会でも議論してほしい。
  • (隂山委員長)まさしく府市統合本部で一気に決めたので、我々の責任は感じるが、教育委員会が悪いと言われないようにお願いする。
  • (中原教育長)議会、関係者のみなさんの話を聴き、最終的にはこの6人で10年後の中学生にも責任を取れるようなベストな案を出せる議論をしたい。
  • (中尾委員)高校として大事なことはいかに生徒の進路を保障するかである。特に、基本的な挨拶やマナー遵守などの生活習慣ができていなければ就職しても続かずに、企業としてはしんどい。
  • (中原教育長)挨拶等の要素を噛みくだいたガイドライン的なものをこの1年で作ろうと考えている。雇う側がどのような人が欲しいのかを掘り下げていくので、中尾委員も入っていただきたい。
  • (隂山委員長)小中のところで、今年の全国学力テストの中学校の点は上がるのか。予測があって指導が適正であったかどうか評価できるので、感覚としてその辺を聞きたい。
  • (吉美市町村教育室長)最終的な結果でなく、伸び率でいえば非常に大きく、このままの状況で続いてくれることを願っている。各県も努力されているので、それが相対的な結果としてどこまで出るかは分からないが、大阪は高い伸び率を保っている。
  • (中原教育長)市町村に掛け声をかける府の仕事と具体的にアシストするという2つの仕事がある。アシストの部分でいえば、小中の84校へ指導員を重点的に送っている。今まで集中投下してきた学校では成績がかなり上がっており、その上昇率は他のところより良いので、その84校は貢献すると思う。昨年は150校でここもデータを見ると上がっている。府が集中投下して直接アシストした学校は上がっている。
  • (小河委員長職務代理者)全体的にも伸び率は上がっている。全国的に見れば上昇率が目覚ましいとは言えないかもしれないが、言い方は確かにもったいない。
  • (隂山委員長)達成できなければ担当者として悔しいし、悔しいと思えば受け止め方も違ってくるので、やはりここでは、絶対上がると言ってもらった方がよい。もう一つ、研修制度の課題でもあるが、最低限これだけはできるようになってもらいたいということをアンケートなどで調べてほしい。例えば小テストを月に何回して、テストの予告をしているかというようなアンケート。このようなアンケートは自分の振り返りにもなり、各市町村教育委員会ではどこの学校で出来ているかが簡単に分かる。また、テストや宿題のマルつけを丸投げしていないかや使える漢字はきちんと使わせましょうというようなこと。更に、前にもお願いしたが、授業改善の前に指導改善という概念を現場に与えてほしい。45分間をどう使うかでなく、宿題や授業で使う教材は先生で独自に作っているかなど。それらをスクリーニングにかけて比べればすぐに出てくる。これさえしておけばかなり効いてくるし、その過程で、各市町村の指導状況や府域の学力向上は大体見えてくる。
  • (中尾委員)3点お願いしたいことがある。1つ目として、大切なのは人材の確保と育成である。人材育成の方法はOJT・自己啓発・OFFJTと3つある。この中で一番大切なのはOJTであり、研修を受けて学校に帰ってくるだけでなく、受講した研修の内容をどのように学校で活用するのかが大切。2つ目はICTの活用。ホームページの学校間レベルに差がある。また、学校の先生は多忙なので、生徒と接する時間を増やしてあげることが大切であり、それ以外の雑務は徹底的に簡素化すべきである。3つ目は年間サイクルについて。平成25年の6月までに教育委員会として大まかな方向性を出してあげ、学校側で夏休みを使って平成26年度の計画策定に着手できるようにすべき。いつも年度末になると色々としなければならず、新しいことができていない。最後に、データを単年度ではなく経年で示してほしい。
  • (藤井教育次長)予算との関係があるため、具体的な方針を6月に出すのは難しいが、26年度以降の府教委の大まかな方向性はなるべく早く示すように気を付ける。
  • (中原教育長)一つのきっかけとして各グループ分けをした学校長と意見交換させていただいている。現場の要望や思いなど生の声を聴いて、何が足りなく何がうまくいっているのか掴もうとしている。スピード感が遅いのは実感しているので、スピード感を持ってやっていきたい。
  • (隂山委員長)もう一点、危機管理の問題がある。東日本大震災で大きな被害を免れた学校の最大の理由はきちんとしたリーダーがいたかどうかであった。危機管理士のような職員を特別に2,3年の時間をかけて育成をし、絶えず2,3名いるような状況にしていただきたい。
  • (木村委員)大阪教志セミナーに関連する話だが、私は5年前から中学校の授業に学習塾として行っている。目的は塾の先生が授業をすることだけでなく、教員とのミーティングなどを通じ教師の卵を育てることが一番大きい。例えば2年以上学校現場で頑張った学生に対して大阪教志セミナー等で何かポイント制のようなものができればみなさん頑張る。先生の方も学生を見て頑張らねばという雰囲気が出てくる。何となく試験を受けて学校現場の適性に向いていない人が入ってくる可能性があるので、それを防ぐため、学生時代に学校現場を見て、先生方の苦労を見て、生徒の今の現状を感じて、それで先生になりたいと確認した上で採用試験を受ける流れにしていただければと感じている。
  • (中原教育長)どのように申し込んで誰が管理するのかという課題はあるが、大学のインターンを拡充するようなイメージか。
  • (藤井教育次長)エントリーシートに学校以外も含めたボランティア経験を書いてもらうような改善を考えている。
  • (中野教職員人事課長)それを書いていただければ必ず見るようにしている。教志セミナーには採用試験の優遇措置があり、参加には面接で厳選し、十数回の講座を受けてもらい、実地実習をしてもらい修了している。同じようにはできないが、委員がおっしゃったような人材であれば採用したい。
  • (中原教育長)何らかの資格を与えるのではなく、学校長の判断で、夏休み等を使って、大学生に学校に来てもらい、生徒と接してもらえばよい。
  • (木村委員)うまくいっている学校ではいいが、人事で学校長や教頭が替われば温度差が出てくる。
  • (立川委員)進路保障ということで進路実現では就職内定率の向上となっているが、進路未定率を減らすというのが一番適切な指標であると思うのでもう一度検討していただきたい。

採決の結果

原案どおり決定した。

報告事項 工科高校における人材育成の重点化について

報告の趣旨説明(高等学校課長)

工科高校における人材育成の重点化について、報告する件である。

委員の質問及び意見

  • (木村委員)進学率等の目標を高めに設定し、あえて花火を打ち上げてもらい、企業ニーズの調査等を重点的にしていただきたい。3つの部分はこれまで取り組んできた得意分野を勘案して分けたということか。
  • (丸岡高等学校課長)工科高校として平成17年に改編してから、その間のそれぞれの学校の取り組み状況、地域産業の隣接状況、進学状況などの希望実績を踏まえている。
  • (中原教育長)事務局としての目標設定はいつ具体的に委員へ示せるのか。
  • (和田教育振興室長)10月の中間報告にはお示しさせていただけると思う。
  • (中尾委員)進路がどうなっているのかという部分がない。工科高校は日本一の工業高校を目指すと言ってきたが、今の状態はその理念とギャップがある。あるべき姿に何年後に持っていくのかを決めて、そこから降りてくるようにしなければならない。例えば進学が320人中40名では少ない。大半が大学を目指すようにしなければ同じことの繰り返しになる。もう一つ、クリエイションコア東大阪には大阪の特徴的な企業が集まっているが、これらの企業と連携ができていない。グローバルな仕事もあるが、研磨剤の歯ブラシを作っている企業もある。昔と異なり、軽薄短小に変わってきている。また、今の工科高校で導入している機械などでの実習は、実際のものづくりからかけ離れている。
  • (丸岡高等学校課長)企業連携は240社程度とインターンシップを含めて行っている。単に生徒を受け入れてもらうだけでなく、学校側でもあいさつや服装など事前指導した上で企業に受け入れてもらい、連携しながら生徒を育て、その中で技術面と社会で持つべき力の両面を学んでおり、今後も強化していきたい。
  • (中尾委員)企業現場では5Sがあるが学校現場では分からない。整理・整頓・清掃・清潔・躾であるが、これがなければものづくりはできない。そういうことを基本として教えなければならない。
  • (小河委員長職務代理者)お題目で終わらせない、実態・社会ニーズに合った形の組織を作っていかねばならない。資料の2番3番の学校はすごく重要だと思う。有効に活かしていこうとするなら相当踏み込んだ検討を組織的にすべき。
  • (中原教育長)正直言って具体的イメージが全くない。工科高校に対する社会のニーズが抽象的にしか把握できておらず、抽象的なお題目を立てて現場に投げているのが実態。これから細かくやっていく。
  • (隂山委員長)学校協議会の委員に工科高校なら工業系の人に入ってもらい実際に見てもらう方法がある。中学校の所から進路指導をもう少し考えてあげるべきで、中学校との連携や商業との問題もある。ここで勉強した人は結構稼いでいるのに、世の中では大学に行った方が良いとなる。大学に何人送り込んだという議論よりも良い企業に就職させることが重要。大阪の産業界は冷ややかなので産業界と強いパイプを作らないと難しい。
  • (中原教育長)先日、関西生産性本部で話をしてきたが、工業は別として、商業は全く高卒採用がない。どのような人なら入れてもらえるのか、これからは食い下がって、事務局が校長と一緒に子ども達の出口を用意する必要がある。

報告事項 平成25年1月17日以降における教職員の懲戒処分の状況について

報告の趣旨説明(教職員人事課長)

平成25年1月17日以降における教職員の懲戒処分の状況について、報告する件である。

委員の質問及び意見

  • (中尾委員)入学式は不起立ゼロだがよく調べてほしい。問題ある人を式場に入れないとしているが、反対するような人が担任を持つということがどうなのかとなる。ゼロで問題なしではなく、その学校がどうなのかをしっかり指導してほしい。
  • (木村委員)処分が軽いのではないか。飲酒運転のようにもう少し重たい処分があるということを認識してもらえればこのような事案も出てこなくなるのではないか。
  • (中野教職員人事課長)過去の処分事案との均衡などがある。今後の研修ではより具体的に示していきたい。
  • (隂山委員長)重たくしすぎると裁判で懲戒権の乱用となる。市町村立で処分者がいない状態の中で、直下の府立でこれだけ処分しなければならないのは格好がつかない。法律条例に基づいているものなので、仕事として理解してもらわないといけない。
  • (中原教育長)過去の例とぴったり一致する必要はないが裁判リスクを考えなければならない。

報告事項 教育委員の日額報酬支給に関する基準の一部見直しについて

報告の趣旨説明(教育総務企画課長)

教育委員の日額報酬支給にあたっての活動内容確認者の変更について、報告する件である。

委員の質問及び意見

  • (中原教育長)原則は事後に報告してもらうものだが、事前に確認してもらった後で事後報告を出してもらう。

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