平成25年3月委員会会議会議録

更新日:2013年4月23日

大阪府教育委員会会議会議録

1 会議開催の日時

平成25年3月28日(木) 午前9時30分 開会

                午前11時50分  閉会

 

2 会議の場所

  大阪府教育委員会委員会議室

3 会議に出席した者

    

委員長隂山 英男
委員長職務代理者小河 勝
委員中尾 直史
委員立川 さおり
委員木村 知明
教育長中西 正人
教育監川村 幸治
教育次長藤井 睦子
教育総務企画課長見浪 陽一
教育振興室長津田 仁
高等学校課長和田 良彦
市町村教育室長箸尾谷 知也
教職員室長山本 讓
教職員企画課長秦 光広
教職員人事課長中野 伸一

4 会議に付した案件等

第1号議案 議会からの意見聴取に対する回答の承認について
第2号議案 知事からの意見聴取に対する回答の承認について
第3号議案 「大阪府教育振興基本計画」の事業計画について
第4号議案 府立高等学校再編整備方針について
報告事項1 平成26年度大阪府及び豊能地区公立学校教員採用選考テストについて
報告事項2 教職員数管理目標について
第5号議案 教育長の任命について

5 議事等の要旨

(1) 会議録署名委員の指定

中尾委員を指定した。

(2) 前回までの会議録について

全員異議なく承認した。

(3) 議案の審議等

 

◎ 第1号議案 議会からの意見聴取に対する回答の承認について

【議案の趣旨説明(教育総務企画課長)】

地方教育行政の組織及び運営に関する法律第55条第4項の規定により議会から意見を求められた平成252月定例府議会への次の提出議案について、その趣旨、内容とも適当であると認められる旨を回答したことを承認する件である。

○条例案

    府費負担教職員の人事行政事務に係る事務処理の特例に関する条例一部改正の件

◎  第2号議案 知事からの意見聴取に対する回答の承認について

【議案の趣旨説明(教育総務企画課長)】

 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第29条の規定により知事から意見を求められた平成25年2月定例府議会提出に係る次の議案について、異議がない旨を回答したことを承認する件である。

○予算案

平成24年度大阪府一般会計補正予算(第6号)の件

 

【委員の質問及び意見】

 (隂山委員長) 1号議案は前回審議したので、議論の余地はない。2号議案については、退職者が大幅に増えた理由は何か。

 (中西教育長) おそらくは来年度に退職手当制度が変わるためと思われる。

 (隂山委員長) 若年層の退職が急増しているということはないか。

 (中野教職員人事課長) 今回の退職は58歳、59歳が中心。退職手当制度が変わることが影響していると思われる。

 (中尾委員) 教員全体の人件費として、今回の退職者の増加は平成25年度予算には反映されているのか。

 (藤井次長) トータルとして平成25年度の補正予算で反映する。

 (木村委員) 途中退職はないのか。

 (藤井次長) 今回の件に関しては、年度末退職。

 (隂山委員長) 最近問題になっているような若年層の退職が増えているなど、退職者の動向で気になる傾向はないか。

 (中野教職員人事課長) 他府県では年度途中に退職手当制度を変更したので、年度途中の退職者が急増したが、大阪府では年度途中での変更はしていないので、そのような事態にはならなかった。

 (立川委員) 今年度末に退職する場合と、来年度末に退職する場合では、退職金の差額はどれくらいなのか。

 (中野教職員人事課長) 試算では、給料月額43万円のモデルケースで考えると、来年度末退職の場合の退職金は、約2,270万円。一方、今年度末退職の場合の退職金は、約2,610万円。差額としては約340万円となる。

 (隂山委員長) 非常に大きな差がある。その中で60歳まで勤めようという方も多いというのは、ありがたいことだと思う。

 

◎  第3号議案 「大阪府教育振興基本計画」の事業計画について

【議案の趣旨説明(教育総務企画課長)】

「教育振興基本計画」の計画期間(平成25 年度〜34 年度)のうち、前半5年間(平成25年度〜29 年度)で実施すべき具体的な取組みについて、事業計画を定める件である。

 

【委員の質問及び意見】

 (立川委員) 基本方針1−3の校内研修回数の修正について、修正前は校内研修7回以上だったが、今回の修正後は5回以上にしている理由は何か。

 (見浪教育総務企画課長) 研修回数3回、5回、7回の場合で、校内研修の回数と学力との連動性を分析すると、研修回数5回の場合に学力との連動が大きい。そこで今回は、まずは校内研修回数5回以上100%を目指すことを考えた。

 (立川委員) 小学校では校内研修5回以上の実施率はすでに94%と高いのでは。

 (見浪教育総務企画課長) 今回は課題の多い中学校に焦点を当ててやっていきたいという考えもあり、100%を目標としている。

 (隂山委員長) パーセントの問題というよりは、やらねばならないという気概をもつことが大事。大阪府は他府県に比べて突出して校内研修の回数が少なかった。そこが改善されるのはいいことだ。

 (木村委員) 遠隔授業サポートシステムについて、どうしても授業を受けることができない生徒を支援できるので、非常にいいと思う。カメラの前で授業をすることは、先生方の授業の見える化にもつながり、緊張感が出ていいと思う。

 (隂山委員長) ICTについては、今回マイクロソフトと提携できてよかった。今後も世界最先端の企業との連携は続けていきたい。ICT教育は今後10年で世界中の教育環境を大きく変える。質問だが、企業との連携を担当する部署、チームはあるのか。

 (和田高等学校課長) マイクロソフトとの連携の件は高等学校課のICTグループで担当した。次年度についてもまた検討していきたいと考えている。

 (川村教育監) 教育センターにおいても、eラーニングなど教育にICTをどのように 取り入れるか研究している。

 ((隂山委員長) しっかり連携をしながら、進めてもらいたい。

 (中尾委員) 教育振興基本計画に基づく169の具体的取組みや、いじめ、体罰、学力向上に対する支援策には、基本的には学校総がかりで取組むことが大事。学校における体力づくりについて気になったのは、「運動すると疲れる」など無気力なところが見られること。これは学力テストでいえば白紙を出すという態度と全部つながっていると思う。食育の問題も含めた基本的な生活習慣など、全部含めて取組んでいかないといけない。体力がないから運動させますというだけの問題ではないので、それぞれの学校でいろいろな施策を組み合わせて、学校を経営してもらうことが非常に大事だと思う。

 (隂山委員長) 体育の面でいうと、体力測定を文科省が5月に行なっているが、体力測定の結果の学校別データは出ているのか。体育も学校ごとの指導によって成果が大きく変わるので、学校ごとのデータを見ると、その学校の体育指導の状況がわかる。学校ごとの指導状況は把握されているのか。

 (藤井次長) 文科省の体力測定は悉皆ではなく、手を挙げた学校が参加する形なので、体力測定の結果から学校の取組みまで分析するのは難しい。

 (隂山委員長) 悉皆でないと意味はないが、すべてを悉皆でやると、特にシャトルランなど膨大な時間がかかり学校現場に負担をかけてしまう。例えば50メートル走とか立ち幅跳びとか走り幅跳びとか、時間をかけることなく基礎体力のわかるテストを大阪独自に悉皆で実施して、学校ごとの体育の指導状況がわかるようにしたい。

 (木村委員) 肌感覚では、体力と学力は比例していると思う。中尾委員のおっしゃるように気力・体力・知力は連動していると思うので、学力がしっかりしている学校は、クラブの成績もよく、顧問の先生の努力や連携もしっかりしているという比例関係があると思う。

 (隂山委員長) その通りだと思う。先生方にいきなりあれもこれもということだと負担がかかるので、まずは学力に力を入れてきたが、そろそろ体力にも力を入れていきたい。  

そうすれば学力面にもいい形で跳ね返ってくると思う。

 (中尾委員) 年度ごとの経過を見ることが大切。学力、体力、朝の挨拶はどうなっているかなど、経過を見て取組むと、成果がわかり、先生方のやる気も出て、やらされる感覚ではなくなる。

 (小河委員長職務代理者) 中尾委員のおっしゃったとおりだと思う。教育とは人間の総合的な発達。学力だけでなく、体力も含めた総合的なトータルとしての教育理念を、保護者も含めて高めていかないといけない。学力向上にしても、勉強時間だけではなく、睡眠や食事も非常に重要。トータルとして社会的な常識を高めていきたい。

 (隂山委員長) 我々は子どもたちが成長していくための習慣づくりをしている。学力についてはPDCAサイクルに乗ったと思うので、今後はトータルな面での子どもたちの成長を目標として、体力をフォーカスしたい。目標は伸び行く子どもたちの習慣づくり。

 (立川委員) 体力テストは毎年学校でやっているのでは。

 (藤井次長) 全国調査としての体力テストは、例えば学校によっては50メートルのラインがきっちり取れない学校もあるので、全く同じ種目での全国データはない。

 (隂山委員長) 地域、学校ごとの数値の経年変化を見ていかないといけないが、文科省の調査を前提とするとそれができない。今年度の文科省の調査結果をにらみながら、大阪独自でやっていけて、無理のない体力調査を考えたい。3種目程度でいいと思う。技術的なものではなく基礎体力がわかるようなものを大阪府独自に作るといいと思う。文科省の体力調査だとシャトルランなど本当に大変で、現場が悲鳴をあげてしまうので、無理のない形でなおかつ効果のあるものを担当者で考えてもらいたい。今年の文科省の調査結果を見て、来年提起できるくらいのスケジュール感でお願いしたい。

 (立川委員) 治安の問題もあり、最近では大気汚染の影響もあって、外で遊びにくくなっている。室内遊びも重要で、室内での体力向上の取組みが何かできないか。例えば体育館の開放など、学校資源の活用も考えていきたい。

 (隂山委員長) トップアスリートとの交流について、担当部署はどこか。

 (和田高等学校課長) 保健体育課です。

 (隂山委員長) トップアスリートとの交流は、今後広げていく必要があると思うので、しっかり取組んでほしい。また、発達障がいについては、学術的な研究が必要であり、知事部局と連携して考えないといけない。府教委だけではなく、連携して取組んでほしい。

 (中西教育長) 発達障がいについては、全庁的な重要課題として位置付けられており、福祉部を中心に連携して取組む体制はできている。

 (小河委員長職務代理者) 最近の子どもたちは、五感を発達させる機会が減っている。これは大阪だけではなく国レベルの問題でもある。専門的な研究体制を充実させることが大事。

 

◎  第4号議案 府立高等学校再編整備方針について

【議案の趣旨説明(高等学校課長)】

府立高校の再編整備に係る平成25年度から平成34年度までの方針を定める件である。

 

  【委員の質問及び意見】

 (木村委員) 志願状況について、3校だけが定員割れという結果だったが、進路指導においては、今までのデータで合格できていた子が不合格だったりとか、難しい面もあった。今後よりよい制度にしていくために検討していきたい。

 (隂山委員長) 入試制度については、毎年毎年変えないことが一番いいことだと思っているが、府議会や行政当局からの声も反映し、制度の検討を行なってきている。総合的に見れば、府立高校の改革は保護者の望む方向にいっているのではないか。

 (木村委員) 通学距離や経済的な理由で私立より公立という人気は高まっていると思う。その分、公立は期待に応える学校運営をしていかなくてはならない。

 (中尾委員) 私の意見は少し違う。公立私立ではなく、生徒が集まる特定の学校とそれ以外とに二極化している。府立高校の再編整備において、いろいろと特色のある学校を作ってきたが、もっと各学校が特色を出すことが大切。入試制度については、変えれば影響は出てくる。しかし、1年やってダメだからといってすぐまた変えるのはよくないと思う。

 (藤井次長) 入試制度を変えた効果の検証については、志願状況も含めてしっかりとやる。しかし、中尾委員がおっしゃったように、制度の大きなところを毎年変えるのは難しい。中学校サイドの意見も含めて、検証はきちんとしていく。

 (中尾委員) 子どもたちがかわいそうという意見に流されがちだが、私たちはしっかりとした教育方針を示さないといけない。

 (隂山委員長) 今の状況で公立の希望者が減っているというデータはないので、制度改革が悪い方向へいっているということではないと思う。この状況でドラスティックに変える必要性があるかどうか。入試制度というのは、これがベストという方法はない。だから日本中でいろいろ試みている。ないものをあると思って制度をコロコロと変えてはだめだ。変えることに慎重であるべき。

 (小河委員長職務代理者) 来年からは学区がなくなる。これから現場で起こる問題にしっかり注目して、現場とのコンタクトを強めて、対応方法を明らかにしていきたい。

 (中西教育長) 混乱が出ないように最善の努力をしたい。一昨年、去年、今年の成果を見ると、公立高校が努力してきた成果は出てきていると思う。学校間の差はあるが、総じて成果は出ている。

 (中尾委員) 中学校、高校ともに努力し続けないといけない。学校紹介フェアやホームページなど、いいものを作っていかないといけない。

 (隂山委員長) 東大で推薦が始まる。今後この影響も大きいと思う。世界や日本全体の動きを見て、対応していかないといけない。

 (立川委員) セーフティネットとしての高校について、エンパワメントスクールではなく、東京都の成功事例として、エンカレッジスクールという名称の方が全国的にも交流もでき通用するのでいいと思う。

 (和田高等学校課長) 仮称なので今後も検討するが、担当課としては、内面の力を引き出すという意味でエンパワメントスクールという名称にしたいと考えている。

 (立川委員) しかし、高等学校将来像検討委員会の議事録にもエンパワメントという名称は一切でてこない。基本的な方向は、エンカレッジスクールと一緒なのでは。

 (藤井次長) 中身も含めて、名称についても今後検討していく。

 

◎  報告事項1 平成26年度大阪府及び豊能地区公立学校教員採用選考テストについて

【報告の趣旨説明(教職員人事課長)】

平成26年度の大阪府及び豊能地区公立学校教員採用選考テストについて、

採用予定数や選考方法などを報告する件である。

 【委員の質問及び意見】

  (隂山委員長) 大量採用の時代にあって、いい人材を確保するため、いろいろとチャンネルを増やして取組んでいきたい。子どもの扱いに慣れた教員のサポートとして理科支援員のような専門性のある人を配置すると、教育効果が非常に高い。今後どのような配置にするのかということも意識して選考、採用してほしい。

  (中尾委員) 学校の再編整備や学校改革の成果も踏まえて人を配置してもらいたい。

 

◎  報告事項2 教職員数管理目標について

【報告の趣旨説明(教職員人事課長)】

平成25年度から平成29年度までの5年間の教職員数管理目標を定めたことについて報告する件である。

 【委員の質問及び意見】

  (木村委員) 学校別のランニングコストを精査する必要があると思う。採用数にしても、数字ありきではなく、やる気のある方を人格重視で選考、採用してほしい。

  (藤井次長) 府立高校については、学校ごとのコストをオープンにしている。それ以外の学校のコストについては、すべては難しいと思うが、いくつかお示しする。

  (中西教育長) 本件は、職員基本条例に基づく管理目標を定める件。各学校のコスト等については、別の機会に協議したい。

 

◎  第5号議案 教育長の任命について

【議案の趣旨説明(教育総務企画課長)】

現教育長の教育委員としての任期満了に伴い、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第16条第2項の規定により、後任の教育長を任命する件である。

○次の者を平成25年4月1日付けで教育長に任命する。

       中原 徹〔なかはら とおる〕

【委員の質問及び意見】

委員長から本件については、個人の情報等を含むものであることから非公開としてはとの動議があり、採決の結果、全会一致で非公開とすることを決定した。

(傍聴人及び報道関係者、関係者以外の者 退席)

    原案どおり決定された。

このページの作成所属
教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ

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