平成22年6月24日(木曜日)
午前11時00分 開会
午後12時10分 閉会
大阪府教育委員会委員会議室
委員長 | 生野 照子 |
委員長職務代理者 | 小河 勝 |
委員 | 隂山 英男 |
委員 | 中尾 直史 |
教育長 | 中西 正人 |
教育監 | 田中 保和 |
教育次長 | 向井 正博 |
教育総務企画課長 | 藤井 睦子 |
教育振興室長 | 楠野 宣孝 |
高等学校課長 | 津田 仁 |
市町村教育室長 | 藤村 裕爾 |
小中学校課長 | 角野 茂樹 |
教職員室長 | 大西 弘之 |
教職員企画課長 | 秦 光弘 |
教職員人事課長 | 橋本 正司 |
第1号議案 | 大阪府学力・学習状況調査の実施に係る実施要領の策定について |
報告事項1 | 平成23年度大阪府公立高等学校入学者選抜方針に係る全日制の課程体育科の選抜方法について |
報告事項2 | 教職員人事権の移譲について |
(1) | 会議録署名委員の指定 | |||
中尾委員を指定した。 | ||||
(2) | 前回の会議録について | |||
全員異議なく承認した。 | ||||
(3) | 議案の審議等 | |||
◎ | 第1号議案 大阪府学力・学習状況調査の実施に係る実施要領の策定について | |||
【議案の趣旨説明(小中学校課長)】 | ||||
府教育委員会、市町村教育委員会及び学校が、その教育及び教育施策の成果と課題を検証し、府内全体の児童生徒の学力及び学習状況の改善を図ること等を目的として、大阪府内の公立小中学校の児童生徒の学力及び学習状況を調査する件である。 ただし、平成23年度において、文部科学省が実施する「全国学力・学習状況調査」が悉皆調査で行われる場合は、この調査は実施しないものとする。 | ||||
【委員の質問及び意見】 | ||||
中西教育長 | 世論としては、学力テストに対し悉皆を求める声がある。国の調査が悉皆になれば、この調査と重複することになる。国の調査がどうなるかは8月中ごろまでにはっきりするが、国の調査が悉皆になれば中止することも含めて判断する。 | |||
生野委員長 | 学力テストで扱う情報は膨大であり、民間企業も関わってくるので、情報管理については抜かりのないようお願いする。 | |||
隂山委員 | 子どもたちはいい点数を取りたいものだから、学力テストがあるといい動機付けにもなる。国の調査と重複する場合は、大阪府の学力のスタンダードを示すようなテストを学年ごとに実施するということも今後考えていただきたい。例えば、漢字や計算など普通に学習していれば、80点くらいは取れるようなもので、子どもたちの理解度が分かり、あとでフォローできるようなものである。 | |||
生野委員長 | つまずきチェックのようなものか。 | |||
隂山委員 | そうである。つまずきチェックを全学年でするようなイメージである。学習は積み重ねが大事なので、高学年になって授業に追いつけないとコンプレックスにつながる。問題を改善せずに手当てを講じると、余計分からなくなる。ぜひ検討していただきたい。 | |||
中尾委員 | 成果の上がった学校をモデルとして示し、成功例を周知するようなことは考えているか。 | |||
中西教育長 | 別件ではあるが、今年の1月6日に市町村支援プロジェクト事業の全体研修会を行い、寝屋川市立和光小学校や茨木市立太田中学校、貝塚市立第四中学校などの取組を紹介した。また、優秀教職員等表彰なども実施し、功績の周知を行っている。 | |||
隂山委員 | 現場は長くやっていると、テスト対策に特化してしまう。その時々の状況に応じて指導する必要があり、これはあくまでも現在の状況に対する指導であるという位置づけの方がよい。 | |||
【採決の結果】 | ||||
原案どおり決定した。 | ||||
◎ | 報告事項1 平成23年度大阪府公立高等学校入学者選抜方針に係る全日制の課程体育科の選抜方法について | |||
【報告の趣旨説明(高等学校課長)】 | ||||
平成22年5月14日の教育委員会会議に提出した平成23年度大阪府公立高等学校入学者選抜方針の資料2のうち、さらに検討することとなった全日制の課程体育科の入学者選抜における配点について、報告する件である。 | ||||
【委員の質問及び意見】 | ||||
津田高等学校課長 | 前回の教育委員会会議におけるご指摘を踏まえ、調査書よりも実技検査の配点を高めるほうがご指摘の趣旨に合致していると考え、運動技能の配点を120点にすることとする。 | |||
生野委員長 | この数値は、かなり分析されていると思われる。 | |||
隂山委員 | ずいぶんと良くなっている。 | |||
◎ | 報告事項2 教職員人事権の移譲について | |||
【報告の趣旨説明(教職員人事課長)】 | ||||
市町村立小中学校等の教職員の人事権の移譲について、制度の現状、課題等を報告する件である。 | ||||
【委員の質問及び意見】 | ||||
中西教育長 | さきほど知事との懇談会でも議論していただいたところであるが、今後、市町村から人事権移譲の要望が正式に出てきたときにどう対応するか、府教委としての考え方を議論していきたい。 | |||
小河委員長職務代理者 | 人事権の移譲については、現在、知事部局で主体的に進められていて、教育委員会が関与できていない。教育委員会と知事とが調整してと言いながら、実質的には国とも話が進められ、計画が打ち出されている。さきほどの知事との懇談会でも我々委員はみな反対の立場だったが、知事がこのまま話を進めていくなら、府教委としては責任を負えない。知事は「一度やってみて、ダメなら元に戻せばいい」と言っていたが、教育現場で起こることを想定したときに危惧する。 | |||
中西教育長 | 知事が先行していたことは事実だが、方向性については承知していただいていたものと理解している。人事権移譲についての正式な協議は今後になるが、それまでは情報共有していきたい。 | |||
隂山委員 | 知事の最大の関心事は、アジアにおける競争力をつけた人材の育成だろうし、そこは理解できる。しかし、それと人事権の移譲とはつながってこない。アジアはグローバリズムへの対応のため、中央集権的な動きを強めている。イギリスも教育水準局をつくって教育のあり方を議論する中央集権的な手法である。権限移譲と言うが、市町村が一緒になって最終的に誰が人事権を持っているのか不明確になり、権限が分散するだけでハッキリしない。新たな権限者を増やすだけの話であり、今でも分かりにくいものをますます分かりにくくする。 | |||
小河委員長職務代理者 | 知事の思いは分からなくもないが、現場の実態とは乖離している。この問題は国においても長年議論されてきたものだと思うが、うまく行かないから進んでこなかったのではないか。大阪府では今の制度で現にいい流れができつつあるのに、このような話はいかがなものかと思う。 | |||
中西教育長 | 知事とは引き続き調整が必要だが、市町村からの要望に応えていくということも配慮しなければならない。 | |||
小河委員長職務代理者 | それもどうかは分からない。市町村も、知事が言うから手を挙げておこうかとなっているだけかもしれない。現場で起こり得る問題点を十分議論した上でやっているのか。かなり温度差があるのではないか。 | |||
中西教育長 | もちろん、市町村がきっちりとやっていくという意思と連携を固めた上でなければならない。府教委としてもそこは慎重に見極めて対応していくべき。 | |||
中尾委員 | 市町村では、首長と教育委員会とが十分議論しているのか。その上での申し出であればともかく、そうではないのではないか。 | |||
隂山委員 | 府は高校教育に重点化すればいいというのも一つの考え方だが、学力テストの結果について、国は都道府県単位で公表し続ける。市町村単位では公表しない。万一、今後、大阪の子どもたちの学力が低下に転じた場合、誰の責任なのかとなる。 | |||
生野委員長 | 政治と行政の問題をどう区分けするかということだろう。 | |||
隂山委員 | 本来、この問題は国の問題である。法律で解決すべきことを条例で解決しようとするのは無理がある。それに、問題が起こったとき、政治家は「選挙に出ない」と言って逃げられるが、我々は逃げられない。 | |||
生野委員長 | 我々委員は非常勤だからこそ、フリーな立場で意見が言えるという大事なところを忘れないで問題にあたりたい。 | |||
小河委員長職務代理者 | 市町村長や市町村教委の真意を確かめてみたい。 | |||
隂山委員 | この問題は、制度と運用の問題である。首長は、教育委員会の人事権にどこまで関われるのか。人事に関してあれこれ言えるのか。そんなことは絶対に許されない。 | |||
中尾委員 | 責任と権限の関係だけはしっかりと確認しておきたい。市町村長と市町村教委との意思疎通の状況等確認した上で進めていかないと、後からでは調整がつかない。 | |||
小河委員長職務代理者 | 知事の言う「ダメな場合、元に戻せばいい」というのもいかがなものか。行政としてそんな無責任なことはできない。施策を裏付ける成熟したプランがあるのかどうか。当然それがある上での話でなければならない。それと、「ダメなら選挙で変えればいい」というのも、そんなものではないだろう。 | |||
隂山委員 | 教育は、政策の中ではone of themである。教育のことだけで選挙してくれればまだ良いが、教育委員の公選が日本では根付かなかったように、教育はそういう風土になじまない。そういう状態の中で、教育行政が郵政民営化みたいになってきたら、とんでもないことになる。 | |||
生野委員長 | 関連事務も含めて人事権を移譲するとなると、市町村ではどれくらいの規模の負担になるのか。 | |||
橋本教職員人事課長 | 教職員数は、首長部局の職員数と同じくらいである。そのため、首長部局の人事課と同規模程度の人員が必要になるくらいのボリュームである。 | |||
隂山委員 | 教職員給与の問題も絡んでくる。県費負担教職員という枠組みが外れない限りは、府には責任が残るということである。権限がないまま、仕事が残るということにもなる。 | |||
中西教育長 | 知事との再度の懇談会を設けるので、そこでまた議論をお願いしたい。 | |||
中尾委員 | 各市町村の状況を把握する必要がある。 | |||
小河委員長職務代理者 | 市町村長と市町村教委との意見交換の状況や市町村教委の意見について確認したい。 | |||
生野委員長 | まだまだ慎重に検討する必要がある。 |
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教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ
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