平成22年4月教育委員会会議会議録

更新日:2010年5月18日

大阪府教育委員会会議会議録

1 会議開催の日時

平成22年4月16日(金曜日)
   午後1時30分 開会
   午後3時15分 閉会

2 会議の場所

大阪府教育委員会委員会議室

3 会議に出席した者

委員長生野 照子
委員長職務代理者小河 勝
委員隂山 英男
委員中尾 直史
教育長中西 正人
教育監田中 保和
教育次長向井 正博
教育総務企画課長藤井 睦子
教育振興室副理事田中 滿公子
高等学校課長津田 仁
副理事兼保健体育課長北川 憲一郎
市町村教育室長藤村 裕爾
児童生徒支援課長梶谷 尚義
教職員室長大西 弘之
教職員人事課長橋本 正司

4 会議に付した案件

第1号議案 平成22年度大阪府教育委員会の運営方針について
報告事項1 府立学校に係る「池田市“まちづくり”構想」について
報告事項2 平成21年度の教員等の懲戒処分の状況について
急施報告全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果に係る情報公開請求について

5 議事等の要旨

(1)会議録署名委員の指定
隂山委員を指定した。
(2)前回の会議録について
全員異議なく承認した。
(3)議案の審議等
 ◎第1号議案 平成22年度大阪府教育委員会の運営方針について
【議案の趣旨説明(教育総務企画課長)】
 教育委員会の運営を組織的、戦略的に行うために、平成22年度の基本的な運営方針を策定する件である。
【委員の質問及び意見】
中尾委員  かなり前進したと思う。基本はPDCAで、まずは中期のプランを詰めるというやり方をすればうまく回っていくだろう。事務局が考える方針について、学校や教職員個人個人が一気通貫でないといけない。また、目標設定は大事だが、目標だけでなく、確認、評価もしっかりしないとAがうまくいかない。各学校の経営計画は、教育委員会事務局でしっかりとチェックするように。
生野委員長 しっかりまとめられたと思うが、まだ、調整を要するところなどは残っているのか。
藤井教育総務企画課長 年度途中でも課題は発生するので、そのつど整理していきたい。
中尾委員  財源について、少し気になる。新しいことをする場合、財源が必要となるが、それほど潤沢でもない。つまり、「改善」ではなく、どこをスクラップするかという「改革」の意識が大事である。民間企業の場合、「この仕事はやめられないか」という視点から検討を始める。今あるものをまとめるなどして、その結果で組織を見直すとかすればコスト削減が可能となり、新しい財源を振り向けることができるようになる。
小河委員長職務代理者  制度設計を超えた問題が現場では起こっている。生徒の荒れに対する対応など、現場は疲労困ぱい状態である。文科省の調査によると、校内暴力も増加傾向にあるとのことだが、これらについても原因を研究し実態を明らかにしていく必要がある。
藤井教育総務企画課長 教育委員会として、調査や議論をすべき問題については、スケジュールに関係なく、報告させていただく。
生野委員長  私たちも常に提起させていただくこととする。
中尾委員  「がんばっている学校」というのはいかなるものをいうのか。また、どうやって見つけるのか。教育委員会事務局に申し出があったところだけを評価するというのではダメであるし、結果をどのように評価するのかも大事である。
津田高等学校課長 評価方法や観点については、今後、しっかりと議論し、検討していく。
隂山委員  「業務の着実な遂行」ということに関してだが、効率的な業務遂行という視点も心がけていただきたい。教員も家に帰れば、ただの個人である。ヘトヘトにならないよう、適正な業務量の配分をお願いする。例えば、文書量についても、2分の1にする等の数値目標を教育委員会事務局から示すなどして、効率化を図っていってほしい。管理職研修等で内容を伝えるなどすればよい。
中西教育長  ICT機器の活用や授業料無償化のメリットとともに、併せて検討する。
隂山委員  改革に関する文言がこんなにも並ぶと、どうしても力を入れて仕事せざるを得ないというふうに伝わってしまう。しかし、そうではなく、一番やってほしいのは発想の転換である。教員は子どもたちに努力させるのが仕事であるため、ついつい自分たちも不必要に努力してしまうところがある。しかし、努力して成果を上げるということでも、どうすれば短時間で効率的に仕事をして実績を上げられるかということを工夫してほしい。
生野委員長  緻密な計画が現場の余裕を生むと思う。
【採決の結果】
原案どおり決定した。
 ◎報告事項1 府立学校に係る「池田市“まちづくり”構想」について
【報告の趣旨説明(高等学校課長)】
 池田市より提出のあった府立学校に係る「池田市“まちづくり”構想」について、報告する件である。
【委員の質問及び意見】
中西教育長 先日、池田市長とも会談したが、地域主権の観点からも責任をもってしっかりやっていきたいとの思いをお持ちであり、市の姿勢は非常に素晴らしいと思う。ただ、府教育委員会事務局としては、2つの高校の教育条件が低下することはあってはならないことと考えている。市教委においては、これまで高校教育の経験がないため、どういう体制、マンパワーで臨むのか、また、学校の統廃合や小中高の一貫教育、それにキャンパスを細河地区に新たに確保するという複合的な課題もある。今後、府教育委員会事務局としては、市教委も含め市としてどれだけ強いお気持ちがあるのか、そこを探っていきたい。その上で、最終的に府として協議の場に入っていくかどうか決定していきたい。
中尾委員 「“まちづくり”構想」とあるが、まちづくりが優先なのか、学校教育が優先なのかが分からない。府教委としては、どのような学校でどのように子どもを育成していくかという視点が大事である。また、高校運営にかかる財政的、人的支援を府に求められているようだが、それでは府立学校にしておくのと市立学校にするのとでどう違うのかという話になってくる。十分に詰めてもらいたい。
小河委員長職務代理者 高校の土地を売却するとしたらどの程度になるかといった予算的な効果や計画の整合等については、どうなのか。
中西教育長 正式な協議に入っていく場合には、精査していくことになる。
生野委員長 池田市民の意見や動向等はどうなのか。
中西教育長 いろいろな声はあると思うが、どこまで市民的なコンセンサスが得られているかは不明である。市教委には、先ほど申し上げたような複合的な課題について、どのように解決していくのかをまず示してもらいたいと考えている。
小河委員長職務代理者 府の財政的、人的なバックアップ体制もどの程度の規模になるかも問題になってくる。
中西教育長 熟度が増せば、改めて相談させていただく。
報告事項2 平成21年度の教員等の懲戒処分の状況について
【報告の趣旨説明(教職員人事課長)】
 平成21年度の教員等の懲戒処分の状況について、報告する件である。
【委員の質問及び意見】
小河委員長職務代理者 大麻取締法違反事件を起こした教頭は、学校経営にたいへん熱心だったと聞いている。そのような教員がこのような事件を起こすのは非常に残念だが、教員の多忙化は大阪の教育を健全化する上で課題だと思う。個々の事案について単に処分を行うだけでなく、何か対策を講じて、制度化に生かしていくべきである。
中尾委員 一番大事なことは予防であり、その次は小さい芽生えの段階でつぶしていくことである。学校の経営計画の中にそういう予防のための組織づくりを位置づけるべきであろう。例えば、体罰等はいきなり発生するものではなく、日常にその芽が潜んでいることがある。それを把握できる仕組があるか、なければつくるべきである。夏休みでも、体罰やセクハラ、大麻に関すること等毎年職員研修を行い、徹底していくことが大切である。民間企業においては、安全委員会が対策を講じるような仕組になっている。
生野委員長 教育センターの研修プログラムの改善も必要であろうし、予防の観点も含めて検討していただきたい。
小河委員長職務代理者 学校現場では、土日でも休みなしで勤務している教員が結構たくさんいる。プライベートもあるのに、そういう実態はおかしいと誰かが言わないと変わらない。異常さが累積している。
向井教育次長 健康管理の観点から、今年度、勤務実態の調査を行う。
中尾委員 民間企業では、セールスマンが仕事にどれだけの時間をかけているかという調査をよく行う。セールスマンの場合、一番大事なのは商談の時間で、その時間が長ければ長いほど売上げは伸びる。ところが実際にはどういうところに時間を費やしているかというと、提案書の作成や移動に時間をかけていることが多い。それではダメであり、学校の教員も生徒と接している時間がどれだけなのかというところが大事である。そういうところに時間をかけないと、教育の質は上がっていかないと思う。
生野委員長 勤務実態の調査においても、長時間勤務がそのままストレスになるとも限らない。ストレスはもっと多因子なので、総合的な判断も必要となってくる。
急施報告 全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果に係る情報公開請求について
【報告の趣旨説明(保健体育課長)】
 平成22年4月15日に出された全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果に係る情報公開審査会答申について、報告する件である。
【委員の質問及び意見】
生野委員長 体力に関する問題のほか、女子の児童生徒についてはダイエット等による痩せすぎの問題がある。
小河委員長職務代理者 今の子どもはダイエットの怖さについて知らないし、行き過ぎたダイエットをすると取り返しのつかないことになってしまう。
生野委員長 学会でも、生活態度の改善や健康教育が十分でないことの要因の一つは、学校教育において保健が軽んじられているからだとの指摘がある。
小河委員長職務代理者 近年、児童虐待が問題になっているが、「成長」ということがあまり認識されていない。胎児への影響や子育ての仕方についても、十分な知識がない者が多い。保健については、総合的な教育や社会全体での健全な教育が必要である。関係各方面で情報交換を行うなど、もっと本気になって体制を構築していくべきである。
中尾委員 高校でおかしくなってくる子どもの原因は、生活習慣にある。良い生活習慣が身に付いているかどうかではっきりと分かれてくる。そうなってくると、幼稚園の時から親も含めての教育が必要となってくる。教育は、親と子がともに育ち、ともに学ぶという「共育・共学」ということでないといけないと思う。

このページの作成所属
教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ

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