令和5年(2023年)2月15日 知事記者会見内容

更新日:2023年4月10日

記者会見項目

  • 令和5年度当初予算案

 職員

 ただいまから知事記者会見を始めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 初めに、知事より令和5年度当初予算案についてご説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします、知事。

会見項目「令和5年度当初予算案」について  ※この項目で使用した資料についてはこちら

知事

 私から令和5年度の当初予算案について説明をさせていただきます。
 まず、一言で令和5年度当初予算、大きく申し上げますとこの二つです。減債基金の復元が完了する予算であるということが一つ。そしてもう一つは、万博をインパクトにした新たな価値の創造・未来への投資、ここに大きく力を入れるという予算であります。詳細についてこの後説明させていただきます。
 まず、「府政運営の基本方針」と当初予算の概要、そして政策創造の方向性(重点分野)について説明をさせていただきます。トータルで6兆円を超える予算ですので、当然この二つの言葉で語り尽くせるものではありませんけれども、大きな方向性、特徴ということで、この二つをあげさせてもらいました。
 まず、「府政運営の基本方針」についてですけれども、大きな方向性としまして、これまでの取組、財政再建をしっかりやってきた、またこれも当然これからもやらなきゃいけない分野でありますが、財政再建はしっかり行い、減債基金からの借入れ復元完了をしたということと、府市連携です。様々な成長分野についてこの間、推進をしてきました。そして新型コロナの対策を実行してきたということです。
 そして、成長に向けた土台をつくった上で、2025年大阪関西万博、統合型リゾートのIR、カーボンニュートラル2050年の実現、国際金融都市の実現、副首都・大阪の実現、万博をインパクトにしてさらなる成長の飛躍をめざしていこうと、そしてまず2025年度をターゲットにして成長軌道に乗せていこうという考え方であります。
 当初予算の概要についてですけれども、令和5年度当初予算、一般会計が3兆6,000億円、そして特別会計が3兆824億円、6兆円を超える予算となります。前年度比でいくと1,377億円減額になっていますけども、これはコロナ対策が大きく変更してきている、とりわけ営業時間短縮の時短の協力金、これが全国的になくなりましたので、その分の減が大きいということになります。
 それから一般歳出の内訳ですけれども、ここにあるとおり、歳出総額は2兆9,573億円になります。
 府税収入の動向ですけれども、府税収については景気の緩やかな持ち直しの中で増加しております。府税収入について、過去と税の仕組み、構造が変わっていますので単純に比較するのは難しいですが、ただ府税収入、経年で見ますと、バブルの頃に次ぐ2番目に多い府税収入になっています。1兆4,569億円が府税収入です。法人2税についても増加しています。
 そして地方交付税、臨財債の状況ですけれども、地方交付税、臨財債ともに概ねコロナ前と同水準です。令和3年にごぼっと上がっているところがありますが、これにつきましては全国的にこういった傾向になっています。コロナ対策ということで、地方交付税と臨財債の枠が大きく交付されたのがこの時期になります。令和5年当初は例年どおり近くなってきているという状況です。
 歳入の内訳ですけれども、実質税収が増加をいたしました。実質税収の増加の影響で、一般財源については増加しております。今年度については減収補塡債、ゼロで予算を組んでいます。
 歳出の内訳です。やはり義務的経費、高齢化が進んでいますので人件費、それから社会保障関係費、公債費、これが歳出の5割を占めるという状況であります。歳出としては、社会保障関連経費の増に加えまして、この一般施策経費も感染症対策等の影響で引き続き高い水準になっているという状況です。
 府債の動向についてです。府債残高は前年度と比べ減少しております。また、臨財債を除く府債残高につきましては、平成19年度以降減少しています。この濃いブルーで囲ったところが、これは平成22年から載っていますけれども、臨財債を除く府債残高になります。平成22年当時は3兆8,000億円あった府債残高が今は2兆6,000億円ということで、1兆円以上減となっています。
 臨財債については増えております。臨財債自身は、皆様ご承知のとおり地方交付税の代替でありまして、本来国が現金で渡すべきものをそれができないということで、一時的に借金という形で、借金の枠で渡すと。そして、返済金についても国が支払うという仕組みのものであります。臨時の財政対策債ですが、恒常的になってきているので、この制度自体がどうかという問題意識はありますが、一般の府債について、これは大阪府としては、当然府の財源の中でしっかり返してくる必要があるわけですけども、これについては1兆円以上減少しているという傾向です。
 そして、大きなところですけども、減債基金については復元を完了いたします。借金を返すための基金に大きな穴が空いておりました。そこを使って様々な予算を組んでいたわけですけれども、いわゆる禁じ手を大阪府はやっていました。それを橋下府政になってからこれはもう駄目だ、正そうということでこの穴埋めを開始いたしました。平成20年に借入れをストップして、平成21年から埋め戻しを、橋下府政、松井府政、そして僕のこの今回の4年間の府政でも行ってまいりました。残り159億円となりましたので、これについては新年度の穴埋めをすることによって、減債基金については完全に復元を完了するということになります。当時、橋下知事が破産会社やんかというところからのスタートでしたけども、ようやくこの禁じ手については通常の状態に戻すことができた、ここまで来たということであります。
 そして財調基金ですけども、財調基金残高については確実に積み上げてきています。減債基金の復元だけではなくて、予算を組むときに必要ということで、いざというときのお金ということで、財調基金を積み上げていますけれども、ずっと積み上がってきまして、直近決算ベースでは2,171億円です。この薄いブルーというのは決算ベースで、予算を組むときにそれを使った予算を組みますから、横に並べるのは適切ではないと思いますが、ここに書いているとおり、令和5年当初の予算を組んだときに、財調基金から取り崩して予算を組むというのをずっとやってきているわけですけども、ただ決算をうつと取崩し額が非常に少なくなったり、逆に増えてくるという、予算決算としてはそういう関係になっています。令和5年当初予算としても552億円を取り崩している。それでも残高が1,600億円残るという状況であります。
 中長期の粗い試算です。これは非常に幅を持って見る必要があると思いますが、長期の収支がどうなるのかということです。足元では税収の見込みの増加がありますものの、やはり依然として収支不足が生じていますので、しっかりと財政規律をしながらこの予算運営をしていく必要があるというふうに思っています。
 政策創造の方向性(重点分野)についてですけれど、大きく5点になります。一つ目は感染症への対応、そしてくらしを支えるセーフティネットの充実です。この3本の柱ですけどれも、コロナで落ち込んだ経済の回復、万博成功に向けた取組、そして万博をインパクトにした新たな価値の創造、これがメインの柱になります。
 まず、感染症への対応ということでコロナ対策です。これにつきましては、国が5類にするという発表をいたしましたが、現時点ではまだ2類相当であります。そして、5類にしたときに今行っている事業のどれを見直すかということの国の大きな方向性、これがまだ示されておりません。恐らく3月中に示される予定だというふうにも聞いていますので、それによっては、予算は組んだけれども執行しないという場面も大きく出てくるかと思います。ただ、今、そういった対策内容は示されていませんので、予算は組むということにしております。
 中身ですけども、相談・検査体制、入院・療養体制の確保、オール医療で感染に備えるということと、重症化リスクの高い高齢者をお守りするということです。高齢者施設における感染対策です。今後、国から示される見直し方針を踏まえて精査をしていきます。ただ、コロナはなくなりませんので、コロナが存在するという前提で、このコロナと共存するために何が必要かと、しっかりと取るべき感染対策を取っていく必要があろうかと思います。とりわけ医療機関や高齢者施設、リスクの高い方がいらっしゃるところでの感染対策、それに対する支援が必要だというふうに思っております。ここは国の方向性が示されますので、それによって大きく変わってきます。
 次に、セーフティネットについてです。くらしの部分といたしまして、物価高騰対策、生活困窮対策、そして社会課題への対策、ギャンブル依存症の対策、これが柱になります。成長と学びを支える、子どもたちの成長と学びの分野では、教育環境の充実です。それと健やかな成長を支援するというのが柱になります。この後、それぞれ説明させていただきます。
 そして、やはり災害対応力の強化です。津波や地震、高潮対策、土砂対策、こういったことについてはこれからも引き続き力を入れてまいります。
 そして三つ目、経済の回復ということで、コロナで経済が、分野においては非常に伸びているところもありますけども、落ち込んでいるところも多くあります。海外のお客さんについては非常に激減をしています。そこの回復の分野、そして文化芸術活動について活性化をしていく。商店街を活性化していくということになります。
 また、雇用につきましても、長期求職者の皆さんの雇用の安定を図っていく、職場定着の支援を図っていきます。そういう予算組みをしていきます。
 万博です。いよいよ500日前が2023年11月に到来をいたします。約2年となりました。会場への交通アクセスの整備、それから機運醸成・参加促進等の事業に力を入れてまいります。万博をインパクトにした新たな価値の創造・未来への投資という分野においては、万博を契機としまして成長を実現させていく。都市機能の創出・充実、人材育成、そして新たな成長の柱をしっかりとつくっていくということになります。
 まず、感染症への対応、先ほどが大きな五つの柱の流れですけども、その中身についてざっと概要だけ説明をさせていただきます。詳細については、ホームページ等にも掲載をいたします。また、記者の方も事前ブリーフィングは受けているということですから、概要だけ説明をさせていただきます。
 感染症への対応ということで、相談・検査体制の整備、入院・療養体制の確保、そして福祉施設における感染対策の推進、ここに力を入れていきます。これまでやっているところを引き続きやるということになります。
 そして、感染症の特徴を踏まえて3月末で廃止をするものもございます。例えば、無料検査等についてはもう3月末で廃止をいたします。ただ、この段階ではネットでの抗原検査キットの配布、これは大阪府でもまだ続けていますので、そこは3月末では終了しないですし、そういったものもあるし、また薬局等でも買えますので、こういったものについては終了していきます。
 ただ、5月8日に5類になったときにどうするかというときについては、また改めての判断が必要になると思っていますので、5月8日以降どうするかということについては、先ほど申し上げたとおり、一旦予算は組みます。組んだ上で、国の方向性が示された上で大阪府としても内容を精査していきます。
 セーフティネットの充実です。物価高騰・生活困窮対策についてですけれども、電気料金が高くなっているということで、中小事業者に対してLEDを導入する場合に積極的に支援をしていきます。これは脱炭素化にもつながると思っています。
 また、低燃費タイヤの導入です。燃料費が上がっていますので、低燃費タイヤの導入について支援をしていきます。
 そして子ども食堂です。やはり非常に厳しい状態の家庭にある方、子ども食堂を利用される方がいらっしゃいます。その子ども食堂自身を支えていこうというものになります。子ども食堂に様々な食品等を配付することで、物価も高騰している中で、活用できるものを支援していきます。
 孤独・孤立対策。孤独・孤立についても、民間団体とも協力しながら対策を強化していきます。そして自殺対策の強化、女性のための相談・支援、こういったものをさらに強化をしてまいります。
 インターネット上の人権侵害事象への対応についてです。これは新規になります。昨年、インターネット上の人権侵害に関する条例が大阪府でも可決されました。これに基づいた行動になります。この間、専門家の第三者の委員会の皆さんで議論をしていただきまして、その案もまとまりました。これに基づきまして、新たな対策を設置、実行していきます。専門相談窓口の設置であったり、ターゲティング広告による啓発であったり、研修であったり、差別的な言動があった場合の対応等について強化をしていきます。
 とりわけ、差別に対するネット上の被害というのはこれまでの対応もあったんですが、第三者の委員会でも議論になりましたけども、誹謗中傷にどこまで対応できるのかということがやはり論点になるというふうに聞き及んでいます。やはりそういった部分においても積極的に対応できるようにしていきたいということで、さらにここについては、詳細についてはブラッシュアップをしていきたいというふうに思います。
 そして、ギャンブル依存症対策の強化についてです。普及啓発、相談体制の充実、そして治療体制の強化、切れ目のない回復支援、こういったものをより強力に推進をしていきます。
 教育環境の整備です。支援学校の新校整備です。支援学校に在籍する生徒も増えている、また校舎の面積基準、学校の学級の編制基準に不適校があります。それを解消するために、新校の設置等をこれからより積極的に行っていきます。
 また、多様な教育実践校ということで、岬高校や西成高校を指定いたしまして、様々な課題があるという子どもたちの個性をどんどん伸ばしていこうじゃないか、自分らしく意欲的に社会で自立できる力を身につけてもらおうということで、公立が全て一緒ではなくて、特徴を持った公立高校をめざしていくということになります。スクールカウンセラーをこの学校においてはもう常駐化させます。また、地域とより連携して、専任やコーディネーターを配置して校外との連携、社会で自立する力をここで身につけていきます。また、体験型学習なんかを実施して、様々な実践的なスキルを身につけてもらうというものになります。これからの時代、公立高校も特色のある学校づくりをめざしていくべきだと思います。
 次です、部活動です。少子化が進んでいますから、これは大阪だけじゃなくて全国的な課題ですけれども、部活動が少人数化して、そもそも成り立たない。部活動ができない、あるいはもうチーム競技についてもチームが編成できない、そういったところが多くあり、また一方で、部活動そのものが、教員の働き方改革において逆行しているのではないか、非常に大きな負担にもなっている。この問題をどうにか解決できないかということで、これまで教育委員会、総合教育会議で議論をしてきました。その一つの方向性としまして、学校ごとに部活を完全に完結させるのではなくて、自転車で行けるぐらいの近い距離にある学校についてはペアリング制度を導入して、両校の生徒が一緒に活動するということで、より充実したクラブ活動、部活動、そして教員の負担も減らすということを実行していこうというモデルを今進めています。急激に進めるとやはり大きな問題が生じる可能性がありますので、段階的に進めています。
 まずステージ1、2、3に分けていまして、今はステージ1の段階です。ステージ1は何かというと、ペアリング校同士で、平日はそれぞれ別々にやるとしても、休日と夏休み、長期休業中についてペアリングで練習を実行していこう、大会についてはそれぞれ学校単位でやりましょうというものになります。教員の負担も休日の負担が大きいというのも、土日の部活の負担が大きいというのも意見として出ていますし、非常に近い、自転車で10分、15分で行ける距離の学校であれば、一つでやった方がより充実した部活動ができるのではないか。平日は少し置いておいて、まず休日から始めようということです。ステージ2については、課題があれば改善もしながら実行することで、ここがうまく稼動し始めると、次は平日も練習を一緒にしようと。ただ、大会はそれぞれ学校単位でやりましょうというのがステージ2です。ステージ3に至れば、練習も大会も全てペアリング校でやっていこうということをめざしています。
 ステージ3をめざす上に当たっては、今の全国大会、近畿大会、様々な競技が学校単位で基本的にはなっているところ、ペアリング校でも全国大会をめざすことができる、出場権があるというような枠組みに変えていく。これは全国的に変えていく必要がありますので、国に対する要望もしながらこういった対策を進めていきたいというふうに思っています。
 そのために、部活動指導員の配置を強化してまいります。ここの肝のもう一つは、やはり指導経験がなくて、ある意味指導したくないというか、そういった先生が顧問をしている。指導経験もない、でも顧問は絶対必要だという部活も多くある。その中で、やはり指導経験が少なくとも、ペアリングした場合、指導経験のある部活動指導員を配置できるようにということで、部活動指導員については増設をしていきます。なので、これは教員の働き方改革だけではなくて、加えて子どもたちの部活における教育的意義の充実、そこをめざすモデルであります。チャレンジングなモデルではあると思いますけれども、今のまま行けば、もうじり貧になることは目に見えていますので、そしてじり貧になりつつありますから、そういったことを改善していきたいというふうに思っています。今を放置するほうが問題だという問題意識です。
 中学校、これは今、国を挙げて対策をしています。中学校は基本的に市町村が対応するということになりますけれども、それについての環境整備です。
 そして、いじめを含む不安や悩みを持つ子どもたちに対する支援ということで、不登校対策であったり、SNSによる子どもの相談体制の充実、これを図っていきます。
 それから、ヤングケアラーの支援、児童虐待対応への支援、新たな一時保護所を設置していきます。
 また、医療的ケア児の支援センターを新たに設置します。これは私自身が知事になったときに、医療的ケア児が、通常の学校に通いたいけど通えない子どももいるということで、いや、それはよくないだろうということで、医療的ケア児が全員学校に通えるような事業を実行いたしました。さらに一歩進んで、やはりそれでもなかなか医療的ケア児の相談先であったり、様々な情報提供・共有というのが必要だということも明らかになっていますので、医療的ケア児の支援センターを設置してまいります。
 次に、安全対策です。津波・地震・高潮対策になります。地震や津波、いつ起きるか分かりません。
 まずトルコ・シリアの大地震でお亡くなりなられた方、被災された方のお見舞いを申し上げます。つい先日発表いたしましたけども、これに対しての義援金の応募を大阪府において開始しております。現在、353件の口座への義援金を頂いております。合計で482万4,761円の義援金を頂いております。この義援金に協力いただいている皆様に感謝を申し上げます。一日も早い回復をお祈り申し上げます。
 地震・津波、いつ起きるか分からないということで、まずこの液状化対策を含めて、直近の想定の見直しに着手をしていきます。そして、液状化対策です。これは大阪府、大阪市が十年間共同で実施してきた事業です。大阪府と大阪市、それぞれ管理する河川、防潮堤がばらばらですから、それまではばらばらでやっていなかったわけですけれども、やはり大阪府、大阪市が今、同じ方向を向いて災害対策も実行できますので、府市一体でこの防潮堤も、いつ来るか分からない大地震に備えて強化しようということを10年前からやってまいりました。非常に巨額の、合計で1,500億円の事業になります。
 これについて、まず非常にリスクの高いところから最初の3年で実行し、そして、次にリスクの高いところを5年、そして最後のところを残りの5年でやると。リスクの高さに応じて、この間、整備をしてきました。大阪府市の、何かテリトリーじゃなくて、リスクの高いところから実行するということをやってきまして、いよいよ最終年度になりまして、大阪府の部分については終了するということになります。50キロの部分のほぼ全てが完了いたしますけれども、一つだけ、どうしても国直轄のところが、2キロ部分がまだ残っているということでありますが、もうあらかた完了するということになります。
 三大水門の更新についてですけれども、これにつきましても、非常に重要です。三大水門によって大きな被害を免れているというのが事実であります。それぞれ、まず今、木津川水門の工事については推進をしておりまして、2031年に更新時期が来ますから、まずそこから。そして安治川、尻無川という形で、三大水門について強化をしてまいります。
 そして、密集市街地対策です。これも進めていきます。そして、土砂災害ですね。盛土規制の区域指定に向けた取組を進めていきます。
 先ほどの期間ですけども、私、申し上げたとおり3年で間違いありません。リスクの高いところからまず3年以内にやる。そして、その次にリスクの高いところは5年。3年、5年、10年と区切ってやってきて、新年度で最終の10年になるというところです。
 次に、このコロナ禍で落ち込んだ部分についての回復についてです。とりわけインバウンドが非常に落ち込みをいたしましたので、インバウンドの回復をめざした国内外への魅力発信をしていきます。様々な場面を通じて大阪の魅力を発信していきます。また、文化芸術活動の回復に向けた支援をしていきます。そして、商店街の魅力向上ということで、様々な情報発信能力も含めて、新たな取組を支援していきます。
 そして、長期で求職されている方が多くいらっしゃいますので、その就職であったり、職場の定着の支援を行ってまいります。これは「にであう」というものをコロナ禍において実行いたしましたけれども、非常に多くの雇用を創出することができた、マッチングを創出することができたという実績があります。あわせて、まだコロナは当然あるわけですけど、企業の雇用の回復に向けて、より力を入れていきたいというふうに思います。職場の定着を強化していきたいと思います。
 そして、万博です。会場整備等々を進めてまいります。これは日々、様々報道されているとおりです。そして、機運醸成としまして、この万博推進局以外のイベントについても、やはり万博間近だということになってきますので、万博と関連したイベントとして発信をしてまいりたいと思います。
 ボランティアの受入れです。会場内のボランティアは博覧会協会で募集をいたしますが、会場外のボランティアも募集をいたします。これは府市で募集いたします。会場外で万博情報の案内であったり、あるいは交通案内であったり、観光案内であったり、約3,000万人の方がこの6か月で大阪を訪れられます、国内外含めてですね。そういった意味で、ボランティアセンターを設置して、円滑に万博に案内できるように、また、大阪の魅力を案内できるようにしてまいりたいと思います。そして、中小企業の万博の参入促進と、あるいは万博会場内における催事の参加に向けた企画を行っていきます。
 そして、G7大阪・堺貿易大臣会合です。これも大きな万博の弾みになると思っています。もちろんこれ自体が大きな国際会議でありますけれども、万博の取組を世界に発信する機会にもなるというふうに思っています。今年の10月28日、29日、G7の貿易大臣が大阪・堺に結集をされます。そこで大阪・堺、南大阪の魅力を発信してまいりたいというふうに思っています。
 これは堺市と協力して実行してまいります。それから、国際会議の誘致・促進についてですけれども、国際会議もこれからさらに増やしていきたいと思っています。
 広域周遊観光の促進です。大阪、様々な魅力がありますので、大阪中心部だけじゃなくて。そこから広域で周遊観光してもらいたい。また、スポーツツーリズムについても強化をしてまいります。
 水辺です。大阪は水の都と言われております。この水辺を生かしたまちづくり、景観の創出、それから舟運の活性化、非常に重要だと思っています。中之島GATEターミナルを設置いたしますので、新たな船着場を設置いたします。これは海と川の結節点になってきます。そして、新たな舟運ルートということで、淀川大堰閘門を設置することによりまして、淀川からそのまま北上することができるというようなものを万博前には完了するということになります。舟運を強化していきます。
 それから、脱炭素のモビリティーの普及をめざします。EVバス、FCバス、そしてEVトラック。EVトラックは新規になりますが、そこについての補助をしていきます。また、UDタクシーについても普及を促進してまいります。
 次に、新たな価値の創造ですけれども、やはり医療・健康産業、非常に大阪、関西には強みがあります。健都もそうですし、ライフサイエンスの拠点、そして再生医療の情報発信、その分野のスタートアップ、様々な強みがありますので、そういった部分を強化していきます。また、府内3拠点、彩都と健都と中之島に未来医療国際拠点ができますので、そことの連携を強化していきます。
 スタートアップ・エコシステムの構築です。スタートアップをより輩出していくと。そして、さらに展開していくためには、エコシステムが重要になってきます。プレシード・シード期からアーリー期、そしてそれ以降、けん引するスタートアップを輩出するために、それぞれの期に応じた支援策を講じていきます。
 空飛ぶクルマの実用化についてです。万博においては、2025年の万博で空飛ぶクルマを商業運航させるということを大きな目標として進めています。日本において、空飛ぶクルマを万博時において実現させるというのが大きな一つの目標です。それにつきまして、離着陸場の拠点の整備の促進を進めていきます。そして、実証実験の支援と社会的受容性の向上、これについて、今年度進めてまいります。
 カーボンニュートラルです。2025年の万博、そして2050年のカーボンニュートラルをめざしまして、様々な、いろいろな企業が今トライアルを、チャレンジをしてくれています。それについての技術開発、実証、ここも非常にすばらしい技術がある企業が今チャレンジをしています。そこについての補助をしています。また、この補助は寄附をいただいておりますので、寄附をいただいている企業さんに感謝を申し上げます。
 クレジットを活用した事業者による脱炭素経営支援であったり、サプライチェーン全体のCO2排出量の見える化も、行動変容という意味で進めてまいりたいと思います。
 消費者の行動促進、脱炭素化に向けた促進、そして、脱炭素ポイントであったり、大阪産(もん)を活用した脱炭素の推進、民間施設における木材の利用です。
 そして、ブルー・オーシャン・ビジョンを進めていくということで、バイオプラスチックビジネスの推進、そして、大阪公立大学でイノベーション・アカデミー構想を進めてまいります。
 IRです。ここについてはモニタリングの支援事業、そして事業評価委員会、IRが円滑に適切に進んでいくために、こういったモニタリングや事業評価委員会について、しっかりと整えてまいります。また、府民の理解促進、ギャンブル依存症対策の推進を進めていきます。
 国際金融都市です。世界中から脱炭素、カーボンニュートラルと様々な、新たな分野の産業が生まれるに当たりまして、その血液とも言える金融部分の強化もしてまいりたいというふうに思っています。ここについては総合マネジメント業務ということで、専門性の高い外部人材を配置することとして、またワンストップ窓口、あるいは誘致支援等を行うことで、これは2050年をめざしており、一朝一夕になるものではないけれども、着実に金融機能も強化をしてまいりたいと思っています。
 副首都・大阪の実現です。東京・首都一極ではなくて、東西二極の一極をめざす副首都・大阪をめざしていきます。
 デジタルの分野です。これからはやはり住民サービスの向上にデジタルというのは欠かせないものになってくるというふうに思っています。ですので、スマートシティ戦略部も大阪府には設置をいたしました。設置をして4年になります。様々な取組を今進めているところであります。
 そして今年度は、療育手帳につきましては申請システム自体をオンラインでできるようにしていきます。これは府が交付する手帳ですが、これによって交付期間が非常に短縮もされますし、非常に便利になるということになります。また、府立学校に入学する入学の出願についても、オンラインでできるようにいたします。また、合否の発表もオンラインで確認できるようにいたします。
 そして、先生方の負担が大きい入試の採点であったり、あるいは定期テストの採点についても、負担を軽減するためにデジタルを導入していきます。手作業での採点作業は非常に負担が大きくなりますから、自動集計も含めて、テストにおいてデジタル化、テストの採点評価、集計作業をデジタルで進めてまいります。これで教員の皆さんの負担を減らしていきたいと思います。
 あとは防災アプリです。災害発生時に避難情報等をプッシュ型で配信していきます。スマートフォンのGPS機能を基に、適切な、その人に合った避難情報等を発信してまいります。
 大阪Myポータルについてです。これは非常にチャレンジングですけれども、画期的な取組であり、そして重要な取組だと思っています。これは、府民それぞれ一人一人にいわゆるIDを持ってもらって、個人個人に合わせた行政サービス、行政案内をプッシュ型で配信をし、そして、その人が電子で申請をすることができる、さらには予約もすることができる。そして、様々な郵便で受けている行政からの通知等も電子、デジタルで受けることができる、デジタルポストと言っていますけども、AIで様々な相談をすることができる。やっぱり子育て世代の人と高齢者は求める行政サービスが違いますので、でも今は全部一律的に紙で配ったりだとか、見えにくくなっていますので、その人に合った行政サービスを適切に届けるという意味で大阪Myポータルを構築いたします。
 恐らくこれは、未来社会において必ずそうなると思います。スマホで全ての役所のサービス、手続ができる時代が来ると思いますし、その人ごとに合ったサービスを受けるという時代になると僕は確信をしています。ただ、じゃあそれを誰がどう実現するのかということはあるのかもしれませんけども、必ずそういった社会になると思っていますので、スマシ部としてもここをめざしていくということであります。
 まず当初は、非常にこれについて積極的な取組の意欲を示されています堺市であったり、デジタルの分野で非常に取組が進んでいる市なんかとも協力をしながら、最初は進めていくということになろうかと思います。
 そして、広域データ連携基盤(ORDEN)の運用です。これはもう構築をいたしました。いわゆる共通の基礎基盤です。結局、大阪Myポータルもそうですけど、共通の基礎基盤が必要になります。それを構築いたしましたので、まずここで、一つのIDで、別の大阪府のIDがあったり、市町村のIDがあったり、民間のIDがあったりでばらばらにする必要はなくて、一つのIDで全て処理できるということをめざすものであります。そのために当然、広域のデータ連携基盤が必要ですから、それを既に構築いたしました。これに基づいて、大阪スーパーシティ構想で、夢洲コンストラクションなんかもこれで既に始めていますけれども、今回、大阪Myポータルを構築するということになります。
 それから、市町村のデジタル化の支援についてです。これは大阪においては、大阪市や豊中市のように、非常にデジタルが進んでいるところもあれば、デジタルがほとんど進んでない市町村もあります。その格差が激しいというのが今、大阪の現状です。他の都道府県等を見ましても、やはりすごくできているところとそうでないところの差がありますので、標準的なデジタルサービスを新たに導入する市町村に対しまして支援をしていきます。例えば共同調達を実施するということになります。
 その市町村、町や村、あるいは市等で、単独ではなかなか難しいねというものであっても、共同で調達すると非常にコストも下がりますし、便利なものが出来上がりますので、そういった共同調達の実施等をしていきます。子育てであったり、ごみ収集であったり、住民の皆さんに身近なサービスについては共通する部分も多いですから、共通で割り勘をしていこうというような形になっていくと思います。単独ではできないけれども、集まればできるということを府が支援していこうということになります。
 グランドデザインです。大阪のまちづくりの推進についてです。大阪全体のグランドデザインを今、設計をしています。また、都市部についてはもちろん今後も進めていきます。
 万博記念公園ですけれども、その駅前の周辺、駅前の活性化、これは大規模なアリーナを今、誘致をしている最中でありますけれども、それについての環境整備を進めていきます。
 鉄道・道路ネットワークについても、大阪府市ばらばらで進みませんでしたけれども、今は府市一体で着実に今後も進めていきます。また、モノレールについては大阪府が進めていますけれども、こういったものについても着実に進めていきたいというふうに思っています。
 そして英語です。非常にこれから重要になってくるのが英語だと思っています。生きた英語、特に話す力というのが非常に重要になります。そういった意味で、英語教育を強化すると。もちろん教育の中身は教育委員会、学校が決めるわけですけども、その支援をしていきたいと思っています。
 英語学習アプリのパッケージ開発ということで、府内の公立の小・中学校で、対象は小・中・高になるんですけれども、英語学習のアプリ、話すことを自動採点するAIであったり、そういったものを中心としたパッケージ案をつくっていきます。そこで効果検証を行って、生きた英語を学べるようなアプリを開発して、英語レベルの底上げを図っていきたいと思います。
 それから、全ての府立高校にネイティブの講師を派遣、常設をいたします。これまではそうではありませんでしたが、全日制の全ての府立高校に外国語をネイティブとする方を週5日配置いたします。そうすることによって、少なくとも、その学校において週1回はネイティブの講師による授業を受けることも可能になります。定時制についてはネイティプ講師は週1回、週1日ということになりますけれども、全ての全日制の府立高校に週5日、ネイティプの先生を常設するという取組を新たに実施いたします。
 それから、英語研修ということで、国内の英語研修、海外の英語研修、英語の教員研修等、実施をしていきます。これから英語というのが非常に、これからの子どもたちには、より重要になってくるというふうに思います。
 成長人材の育成ということで、国際金融関係の民間企業に派遣をして、大阪府自身の能力を高めていく。大学講座等の修学の支援、そして外国人材の受入れ等を促進していきます。
 また、兵庫・大阪連携会議をしておりますので、兵庫と大阪、それぞれで予算を組みながら連携して、とりわけ産業と観光とカーボンニュートラルについて、できるところから共に進めてまいりたいというふうに思っています。
 あと万博について、既に説明済みですけれども、それぞれの、健康・医療とか、環境とか、それぞれの分野に応じて、切り口を変えると、こういったことを実行するということになります。これはあくまで参考資料として見ていただけたらというふうに思います。
 私からは以上です。

質疑応答

 職員

 それでは、ただいまの発表していただきました令和5年度の当初予算案について、質疑をお願いいたします。質問される方は挙手の上、お名前と社名をよろしくお願いいたします。
 まず、そうしましたら、幹事社のMBSさん。

記者

 MBS、富永と申します。お願いいたします。
 先ほど知事からの会見にもありましたけども、減債基金の復元完了についての、改めて知事の受止めと、この間、切り崩してきたものを復元できた、その要因について、知事はどういうふうに考えていますか。

知事

 15年かかりました。当時、太田知事時代に、ずっと赤字だっただけではなくて、借金を返すための貯金に大穴を空けるという禁じ手を行ってこられました。そこを橋下知事になってから、これはやめるという大きな方向性が示されました。
 そして、その後、本当に破産会社状態になっていた大阪府を立て直すということで、維新府政も始まりました。万博等、府市一体の成長戦略も実行しながら、同時にこういった財政の再建というのも行ってきたところであります。それがようやく、15年かけて復元が完了したということは、本当に維新府政も賛否ありますけれども、少なくとも大阪の財政を立て直して、まともな自治体として様々なことが実施できるようになってきたという、そこについて、ここまで来たという思いがあります。
 もちろん、そうは言っても、まだまだ厳しい財政状況ですから、今後も財政規律というのはしっかりと正していくということが重要だと思っています。政治家自身が身を切る改革をするのは当然だと思っています。財政規律をしっかりと保ちながら、そして、未来への投資をしていくという新たなステージに入ったと思います。ここまで15年かけて、ようやく減債基金の復元も完了できたということです。

 職員

 次にご質問は。読売新聞さん。

記者

 読売新聞の山本です。大きく2点ほど質問をします。
 まず1点目に、先ほどの質問にもありました減債基金の復元についてなんですけれども、基金を復元していくに当たって、財政的にどれほど復元していることが影響あったものなのか、例えばこういった事業をやりたいと思っていたけれども、できないというものがあったのか、その点の部分を教えていただきたいのと、また、今まで大体200億円から300億円程度、毎年度積み立てて、全体で積み立ててきた部分、あると思うんですけれども、改めてこの減債基金の復元が終わったことによって生まれるお金といいますか、その点は、どのように使っていこうと考えられているのか、その点について教えていただけますでしょうか。

知事

 まず、減債基金の復元のルールとしまして、決算で剰余が出たら、その半分については復元すると。もともと当初予算で復元の金額を設定するとともに、決算剰余金が出れば、そこの半分については復元するという予算を組んできました。私の時代になって、ここにあるとおり、この濃いブルーのところは決算剰余金で埋めてきたと、ある程度スピード感を持ってやることができたというふうに思っています。
 そして、当初、こうやって橋下知事、松井知事時代から、何とか減債基金を埋め戻してきたということです。やはり、これがあると、減債基金の穴が空いている状態だと、これはまともな財政ではありませんので、そこを正してきたと。当然、正すべきものを正してきたということです。これによって、何かすべきことをやめたというところについて、何か個別なものを言うことはなかなか難しいですけれども、政策の方向性として、橋下知事時代でも私学の無償化ということは、実際に大阪府が率先して行ったりもしています。とりわけ、団体や業界への補助金、ここはなくなっているところは多くあります。団体、業界の補助金ではなくて、実際の消費者であったり、府民であったり、そちらのほうへの支援、選択する側の支援を充実させてきたということがまず一つと、そして、府市一体での成長戦略を含めて実行してきたところがあるというふうに思っています。
 ですので、この復元もしながらも、やるべき政策については実行してきたと。そして、今日ここに立っているというふうに思っています。やらなきゃいけない事業の一つに、この減債基金の復元があったということだと思います。見てもらったら分かるとおり、私の予算編成においても400億円、300億円、これ、決算剰余金除いたら260億円、200億円強ぐらい埋め戻してきておりますけれども、ここについては、僕自身が今、知事に立候補している立場ですから、ここであまり言う話ではないかというふうに思いますけれども、未来への投資、次世代への投資に活用したいというふうに思っています。

記者

 分かりました。もう1点なんですけれども、将来的に言えば厳しい財政状況というふうにおっしゃっていたと思います。中長期の試算、粗い試算でも、収支不足というのは今後も続いていくのかなという見通しが示されています。この収支不足が続いて、依然として厳しい予算編成というか、やっていく、このことについては、知事、どのようにお考えになっていますでしょうか。

知事

 これは当然、厳しい財政についてはまだ続くということになります。とにかくこれを見たら、ここに凸凹がちょっと大きく出ているのは何かというと、バブル期が終わった後の借金の返済が、ここに来るというところになります。ちょっと専門的な話になるんですけれども、借金というのは30年で借り換えながら動いていくというところもありますから、これはその30年前のやつがちょうどここで来る。これ以降はある意味減っていくわけですけれども、30年前の借金の部分、ここも一生懸命減らしてきたわけですけれども、まだその残像が残っているというのが実態です。ですので、まだここのレベルでは、収支としては厳しい状況は続きますけども、ただ、今の財調基金であったり、やりくりをきっちり、財政規律を保ちながらやれば、十分住民サービスは充実させながら、予算の執行はできるというふうに思っています。

記者

 ありがとうございます。

 職員

 次にご質問。時事通信さん。

記者

 時事通信の今泉です。
 知事、4月に選挙を控えてますけれど、特に法律上の決まりはないそうですが、骨格編成ではなくて、通常の本格予算の編成をした理由についてお伺いしたいです。

知事

 これは通常の編成とまでは言えないのかなというふうに思っています。万博にとって必要な費用、必要な措置、そういったものについて、府として、セーフティネットも含めて、必要な部分について予算化をしたという認識です。そして、僕自身も選挙を控えていますから、ここではもうあまり言いませんけど、選挙の公約で掲げていること、これは非常に財源も必要となりますし、教育の無償化という意味での大きな方向性をめざすという政治的な判断も必要になってきます。そういった予算は、今回はのせていません。やはりこれから選挙がありますので、審判を仰ごうというふうに思っています。今の必要な、万博等を含めて、継続的に必要なことは当然あるわけですから、そういったことを基本的に予算化しているという理解です。

 職員

 ほかにご質問は。朝日新聞さん。

記者

 朝日新聞の菅原と申します。
 今のところに関連してなんですけれども、ちょっと仮定の話になって恐縮ですが、4月の選挙で再選された場合は、そうした公約に掲げているような目玉政策というものは、補正で追加していくというふうなお考えでしょうか。

知事

 いきなり補正ということにはならないかもしれませんけれども、制度設計が必要になってきます。とりわけキャップ制についてもそうですし、様々な制度設計が必要になってきますから、まだ役所に僕は号令もかけていないという状態でもあります。ですので、もし再選されたとするならば、公約で掲げたことを実行するために、まず、大きな方向性として、それを実行するための号令をかけて進めていくということになります。恐らく、すぐに補正とかそういうものではないというふうに思います。例えば教育の無償化、所得制限のない、公立も私学も含めて、授業料の完全無償化をするとなると、今、800万円までのところにキャップがかかっているわけですけど、それを超えるところも当然かけるという話をしなければなりませんし、それから、入試を控える生徒さんもいらっしゃいますから、それが判断基準にもなりますので、そういった意味では、入試は少し先に設定もしていかなきゃいけない、様々な制度設計をしなきゃいけないと思っていますので、すぐに補正ということにならないと思いますが、制度設計はすぐに入ります。

 職員

 ほかにご質問は。どうぞ。

記者

 日本農業新聞の島津と申します。よろしくお願いします。
 カーボンニュートラルに向けて、大阪産(もん)の消費拡大を推進されるということだったんですけれども、ちょっと改めて狙いと、大阪府の農業に期待することというのを教えてください。

知事

 大阪府の農業はもうすばらしい産品があります。ただ、あまり知られていません。ですので、これを皆さんにぜひ知ってもらいたいと思っています。そして、地産地消、身近なすばらしいこの産品を消費するということは、カーボンニュートラルにも資するんだということを府民の皆さんにお伝えしたいと思います。非常に遠くから運ばれてきて、CO2をたくさん使って運ばれてくる野菜と、今、新鮮な目の前の大阪で作られた野菜と、やはりカーボンニュートラルという観点では、非常に大きな違いがあります。今までそういったものは見える化されていませんでした。今後、そういったものを見える化していきたいと思っています。ですので、そういったもので具体的にカーボンフットプリントの算定手法を活用して、いかにCO2が削減されているのか、同じ、例えば野菜を選んでも、この大阪産(もん)のほうが、ある意味CO2削減、地球環境にも貢献することになるんですということをきちんと明示をしたいと思っています。その上で、当然、買うかどうかは消費者の皆さんの判断ですから、値段を見たり、あるいは、値段は少々こちらが高かったとしても、新鮮だし、カーボンニュートラルに資するんだったらこれを買ってみようかという消費者の方も僕は出てくると思います。そういった判断の材料になるようにしたいと思っています。なので、脱カーボンニュートラル、カーボンフットプリントを、算定を活用した、これだけCO2削減に協力することになるんですということをしっかりと大阪産(もん)にセットで示していけたらなというふうに思っています。
 また、脱炭素ポイントとして、環境負荷が低い商品を買うことによって、民間のポイント制度が付与されることができないかということについても、民間とも協力しながら実際にやっていきたいと思います。その商品を買うことによってポイントが付与されると。何でポイントが付与されるかというと、カーボンニュートラルに資する行動なんですという、グリーンポイントのようなものをすることによって、そちらのほうを選ぶ消費者の方も出てくるだろうというふうに思っています。
 なので、大阪産(もん)、大阪のすばらしい農産品をより多くの方に知ってもらいたいし、また、実はそれがカーボンニュートラル、脱炭素、環境にも資することになるんです。それを見える化して、普及をしていきたいというふうに思っています。

記者

 ありがとうございます。
 もう1点お伺いしたいんですけれども、物価高を受けて、子ども食堂に支援をするということでしたけれども、これも大阪産(もん)を調達すると想定されているんでしょうか。

知事

 これは、大阪産(もん)というよりは、大阪産(もん)に限ったものではなくて、やっぱり保存が利くものが中心になるんだろうというふうに思っています。3億円近い規模の予算でありますから、非常に大きな予算になります、この部類においては。やはり物価が高騰していますので、子ども食堂に対して、お米だとか、缶詰だとか、レトルト食品だとか、いわゆる日持ちするものをセットで配布を、子ども食堂に配布をしていきます。子ども食堂も、やはり運営していく上で、物価が上がってきて、食料品を調達するのがどうしても負担が生じるということを何とか少しでも回避をしていきたいと。そして、大阪府として子ども食堂に食料の支援をすることで、その子ども食堂を利用する児童・家庭の皆さんの支援をこの物価高で守っていきたいというふうに思っています。なので、ちょっとここは大阪産(もん)の取組というよりは、子ども食堂に対する食の支援ということなので、大阪産(もん)には直結するものはないです。

記者

 ありがとうございました。

 職員

 ほかにご質問。大阪日日新聞さん。

記者

 大阪日日新聞の木下です。
 2点伺います。教育と、それから地震・津波・高潮対策です。
 教育のほうで、教育環境の充実ということで、スクールカウンセラーとかネイティブの先生ですとか、いろいろ充実させていかれると思うんですけど、市長時代も子どものところを充実させようとされておられたと思うんですけど、一方で、人件費のほうで小・中学校の先生が減っているんですけども、ここは何か理由というか、人件費の部分の減り方と、それから教育の充実に力を入れておられるところの考え方というのを教えていただけますでしょうか。

知事

 まず、公立教員の定数というのは法律で定められていますので、少子化になれば当然教員の数が減るということになります。ただ、その中でも、私自身はやっぱりスクールカウンセラーであったり、課題のある生徒が集まる、課題のある生徒がその個性をより伸ばすことができるような学校をつくっていく、これも僕は非常に公立高校の役割だと思っています。公立高校が全て一色になるのはもう僕は違う、そういう時代には僕はならないと思っていますので、公立高校自身もある意味努力をして、特色ある公立高校をめざすべきだと思っています。
 その中で大阪府もこれまでそういうこともやってきて、いわゆるグローバルリーダーズハイスクールのような学校もあれば、今回の多様な教育ということで新たに設置をするというような高校もあると。そういった高校には、全ての高校には難しいかもしれないけども、そういった高校には全てスクールカウンセラーを常駐したり、あるいは地域と強く連携したりというような特色のある学校づくりをめざしていくということであります。
 また、とりわけ、教育の中でも英語が僕は非常に重要だと思っています。今、日本の国家において英語が、コミュニケーションが取れないというのは極めて大きなリスクだし、損失が生じていると思っています。これから今後さらに少子化ですから、僕らの時代までは1億2,000万人いますから、働き手も多いですし、まだ逃げ切れるかもしれませんけども、僕らの子どもや孫の世代になってくると、いわゆる言語としての英語、これでコミュニケーションをとれないというのは死活的に問題なってくる可能性が高いと思っていますので、今のうちにこの英語、特に話す力ということを大阪府としては力を入れてやっていきたいと。これは僕は市長時代もそういう思いでやってきましたけども、大阪府知事になっても、基本的に高校が対応になるんですけども、ですので、全ての府立高校にネイティブの先生を週5日常設するという予算を今回新たに設置いたしました。ここは知事復活予算で復活させたものでもあります。
 もちろん学校によっていろんな英語力のレベルというのはあると思いますけども、レベルにとらわれず、ネイティブの先生が常にいると。そして、本当に単純な会話でもいいですし、何か話しかけたり、コミュニケーションを取ると。英語力ってやっぱりすごい差があるとしても、ネイティブの外国人に話しかけたり、コミュニケーションをとるということは普通のことなんだということも経験をしてもらいたいという思いもありますので、全ての府立高校が対象になります。また、もちろん非常に高いレベルの英語を勉強するところでは、よりレベルの高い授業をするということになりますが、そうじゃない学校において英語が不要かというと、僕は不要だとは思っていないという思いです。
 ですので、全ての府立高校でやるというのと、やはり底上げがどうしても必要なので、英語学習アプリというのを作って実証実験をしていきます。ここでよりよいものを作れば、今、ICTが発達していますので、特に英語なんていうのは、ICTをうまく活用すれば、そこまで税を投入しなくても学ぶチャンスとか学ぶ方法ってたくさんあると思いますから、ICTをうまく活用した英語教育というのを併せて進めていきたいと。そういった特色あるところに力を入れているということです。全体の人件費については人口減少に伴うものだというふうに思っています。
 それで大丈夫ですかね、財務部。財政の、人件費のところですが、それで大丈夫ですか。

 職員

 同じ認識です。

知事

 そういう認識です。

記者

 あともう1点、地震・津波・高潮の対策のところで、三大水門の更新ですけども、木津川が2031年で、安治川が2034年、尻無川が2041年ということで、南海トラフはもちろんですけども、2018年の台風でもここがなかったら大変なことになっていたということだったと思うんですが、この期限、結構長いんですけど、これは予算の問題なのか、それとも工事をしていく上での推進のための問題なのか、その辺はどうなんでしょうか。

知事

 既に三大水門はありますので、ただ、老朽化してきていますから、それに対して機能が失われてはいけないということで、そういった知見から見たら、それぞれの水門にこの期間が設定される、その期間に合わせて更新をしていこうということです。予算がないから先延ばしにしましょうというものではありません。

記者

 つまり、現時点でも水門として機能しているけれども、更新時期がここだからそこに合わせて工事していくと、そういう理解でいいですか。

知事

 そういうことです。

記者

 ありがとうございます。

 職員

 ほかにご質問は。じゃ、最後にフランス10さん。

記者

 フランス10の及川です。
 1点、土壌改良のことでありましたので伺いたいと思います。夢洲のある大阪湾周辺は、軟弱地盤だけでなく、いわゆる洪積層が沈下していく地盤ですけども、こちらの大きな建物を建てたら沈んでいく、この地盤を強化することはあるのか。そして、そもそも強化し得るのか。以上2点、伺えればと思います。

知事

 夢洲につきましては、大阪市とともにきちんと土地対策をしていきたいと思います。
 以上です。

 職員

 それでは記者会見を終了させていただきます。

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室広報広聴課 広報グループ

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