令和元年(2019年)12月24日 知事記者会見内容

更新日:2019年12月26日

記者会見項目  ※この会見で使用した資料についてはこちら

     ・大阪・夢洲地区IR施設設置運営事業 RFPの実施について
     ・スマートシティ戦略部長の公募について
     ・「おおさかSNS子ども安心サイト」の開設等について
     ・質疑応答

  職員 

 ただいまから知事の記者会見を始めさせていただきます。
 最初に知事からお願いいたします。

大阪・夢洲地区IR施設設置運営事業 RFPの実施について

知事 

 私からは3点です。
 まず、1点目です。IRについてです。大阪における統合型リゾート(IR)の公募を本日から開始します。まず、その内容についてです。
 夢洲のIRにつきましては、世界最高水準のIRを大阪で誘致しようということで、この間、取り組みを進めてきました。具体的には、大阪府・市でIR推進局を立ち上げて、この間、さまざまな準備をずっとやってきました。コンセプトの募集ということで、RFCを今年の4月だったと思いますけど開始をしまして、そこから実施方針案というのを策定いたしました。これは国の基本方針に基づいて、実施方針案というのも策定をしました。
 そして今、ちょうどこの段階、今日から事業者の公募、RFP(リクエスト・フォー・プロポーザル)を開始いたします。そして、大阪のパートナーを来年の6月に決定したいと思います。
 その後、パートナーが決定すれば区域整備計画策定に入りまして、これは自治体とその事業者が共同して国に申請をすると。区域認定、これは国が決めることになりますが、国の区域認定に申請をして、そして最後は整備、開業という流れになってきます。
 今回、事業者の公募の内容についてですが、これについては、募集要項における条件、これは実施方針案、既に作成していますが、実施方針案に基づいた中身になります。詳細は、かなり詳細のものを冊子の形で本日から公表いたします。ただ、今日は超概要版ということで、ご報告をいたします。
 まず、IR施設の開業についてですが、万博前のIRの開業というのを目指しつつも、世界最高水準のIR、そして早期開業による速やかな事業効果が発現できるように、これは公民連携して取り組んでいきたいと思います。もちろん、万博前の開業を目指すわけですが、施設計画に応じた現実の建設期間の設定であったり、あるいは万博においても、まだまだ工事関係において確定していない部分が非常に多くあります。工事条件が明確でもないという状況ですから、これについては幅を持たせた公募条件にしたいと思っています。
 その具体的な中身としまして、万博前を含んだ幅のある期間で募集をする。そして開業時期はその間に設定する。その開業の中身についても、全部開業、部分開業及び先行開業を含む幅のある提案を求めたいと思います。
 そういっても、お尻がないわけには当然いきませんから、お尻については万博前を含む期間で、お尻の期間については2026年度末、つまり2027年3月末日までの全部開業を前提としている限りにおいて募集をしますし、その限りにおいては、開業時期に関する提案の内容を評価の点数には反映させない、評価の対象にはしないという形にしたいと思います。
 つまり、万博開始前からの提案、これは求めていきます。ただ、万博開始前から、じゃ、いつまでにということについては、2026年度末までの期間で事業者のほうで設定をしていただいて、あるいは全部開業か部分開業か先行開業かということについても、その事業者において提案をいただけたらと思います。
 スケジュールについてですが、この12月、本日から募集要項の公表をして、いわゆる公募の手続に入っていきます。そして、来年の4月ごろに提案書類の提出期限を設定します。ですので、来年の4月ごろに、その間、いろんな公募条件とかで質問等々あると思いますが、そういう期間も設定します。そして、府としても審査、いわゆる手を挙げる資格があるかどうかの審査、そういうのも行うと。その上で、具体的に提案書類の提出期限は4月ごろに設定をします。そして、6月ごろに最終的に大阪府のパートナーを決定するという形にします。
 そして、来年の7月から10月ぐらいに区域整備計画の策定と公聴会等を実施しまして、来年の11月から12月ごろに議会の同意を得まして、その次、2021年の1月以降、国が受け付ける区域認定に申請をするという形になります。もし、国から認定を受ければ、それを前提にして、2021年の秋ぐらいに具体的な契約を締結して、土地の引き渡し、工事の着工に入りたいと思います。
 その他の主な事項として、まず、万博との連携・調整ですが、万博に関しては、建設工事、それから交通対策、施設運営等が円滑に行われるように、密な連携・調整を図ることを事業者に求めていきたいと思います。それから、IR施設の開業、いわゆるオープニングを万博開催期間中には行わないということにしたいと思います。
 そして、万博、IRともに超重要事業でありますから、それぞれが成り立つように、工事調整等をこれから行ってまいります。
 ただ、どうしても重複する事項が残ってしまうということについては、万博は国の国家的プロジェクトでもありますから、万博あるいは地盤となるインフラの工事、これが優先されるという条件にしたいと思います。
 そして、万博開催期間中に工事が継続している場合、これは当然、想定されますから、そのときには騒音とか振動とか、一定の影響が生じることを防ぐために適切な対策を施すことを求めていきたいと思います。つまり、万博期間中でも工事を行うということは当然あり得るわけですから、その影響については最小限に抑えてもらいたいと、そういうことです。
 事業者の選定については、大阪府、大阪市で選定委員会というのを立ち上げをしました。この選定委員会の中で点数をつけて評価をしていきたいと思います。
 主な審査項目としては、ほかを圧倒するようなコンセプトかどうか、独自性を有したすぐれたコンセプトかどうか、これが非常に大きな配点です。もう一つ大きな配点基準として、IR事業は長期事業ですから、長期にわたって確実で、安定して事業を遂行していける力があるかどうか、財務力も含めて実施体制を有しているかどうかということがまず一つの大きな全体項目です。その中で、個別項目として、ハイクオリティーでユニークな国際観光拠点を創出しているか、あるいは地元の経済にどれほど貢献しているか、そして、課題、ギャンブル依存症対策等についてどういった策をとっているか、そういったことを個別の審査項目としまして、合計1,000点の中でこの委員会に審査をしてもらうということにしています。
 大阪府・市が協力して、これまでの世界最高水準のIRの推進、誘致というのを夢洲でやろうというので進めてきました。いよいよ大阪のパートナーを決める公募手続に入ります。これは民設民営の事業でありますから、ぜひ、事業者の皆さんには応募をお願いしたいと思います。魅力的な提案を期待しています。
 これが1点目です。

スマートシティ戦略部長の公募について

 2点目です。スマートシティ戦略部の設置についてです。
 これは来年4月からいよいよ大阪府庁においてスマートシティ戦略部という新たな組織を再編いたします。この間、さきの議会において、この条例で設置するということの条例のご議決もいただいたところです。また、行政として、スマートシティ戦略会議というのをこれまで重ねてきまして、年度末において一定の戦略案というのをつくり上げてまいります。つくり上げて、そして、それを実行する部隊として、来年の4月1日にスマートシティ戦略部を組織再編します。スマートシティ戦略部としまして、この戦略部においては三つの大きな基本的な方針を進めていきたいと思っています。
 まずは住民のQOLの向上です。スマートシティの話になると、よく夢物語のような話がたくさん出てきたり、いろんな専門家みたいなのがたくさん出てきたりもしますけども、我々は地に足のついた改革というのを進めていきたいと思います。つまり府民の皆さんの生活の質が上がっていくと。府民の皆さんが実感できる形で、新しい技術を使った質の高いサービスを提供することを目指していきます。だから、ものすごく目をひんむくような新しい技術とかじゃなくても、これからの少子高齢化の中で、府民の皆さんの生活がよくなるということをまず大きな目標にしていきたいと思います。
 それから、これは行政だけではできませんから、民間との協力、公民連携、マッチング、そういったことを重視していきたいと思います。
 そして、三つ目に社会実装。これは、よくスマートシティになると技術実験ということでいろんな実験みたいなのがたくさん行われていますが、実験をやって終了、あるいは起業目的で実験して終了というのはよくありますが、そうじゃなくて、社会実装というのを目指していきます。社会実装は住民のQOLにもつながっていきますが、とにかく現実を動かすということに力を入れてやっていきたい。一つの目標としては、2025年の万博を一つの目標時期にしていきたいと思います。そして、2025年万博以降は、万博のレガシーも生かして、次なる新たなステージを目指すということをやってまいりたいと思います。
 大きなイメージ図ですけども、まず、来年度からスマートシティ戦略部を中心にして、モビリティー、交通の分野と、それから行政のICT化、これは大阪府域全域でなかなか進んでいませんから、そういったものを本格的な取り組みとして進めていきます。
 そして、未来社会の実験場になる夢洲、万博会場には大胆な規制緩和を活用して、最新技術、研究開発、実験ということを推進していきます。つまり大きく言うと、このオレンジのほう、ここは地に足をつけて、スマートシティ戦略部として確実に大阪全域で進めていこうということです。住民に身近な行政サービスのデジタル化であったり、あるいは新しいテクノロジーを使った地域課題の解決、ニュータウンの自動運転だとかニュータウンのモビリティー化、オンデマンド交通、さまざま新しい技術も使って、大阪のスマートシティの基盤を確立していこうという、これは土台の部分。もう一つ、こっちは突き抜けた部分で、万博をやる以上、国に対して規制緩和もどんどん求めていって、そこで新たな技術が生まれる、そんな未来社会の実験場という万博のテーマを実現する夢洲でそれをやっていこうと。これは2025年に万博を迎えるわけですけども。そして、その先、この土台をつくりながら、万博の最先端のものを生かして、さらにそういった技術を実装する大阪を次のタームで目指していきましょうと。大きく言うと、こういう骨格で進めていきたいと思っています。
 そのために、部長、いわゆる組織のトップについては民間の人材を公募したいと思っています。スマートシティ戦略部の部長については、新しい技術について専門的な知識を有している、そういったものを求められる、そして、組織もマネジメントできるという、そういった人材を、ぜひ、部長に充てたいと思っています。そのために、部長公募を実施します。
 主な職務としては、先ほど私が申し上げたようなスマートシティを組織として推進していくということ、そして、行政全庁的なそういったICTの戦略、これを進めていく、そういったものを主な職務の内容としています。ぜひ、そういった知識だけじゃなくて、大阪のためにぜひやってやろうという強い情熱、熱量を持った人に応募をいただきたいと思っています。
 応募資格としては、民間企業等において管理職などの組織マネジメントの経験がある人です。ただし、大阪府の職員は応募は不可とします。
 募集期間ですけども、本日から開始をいたします。スマートシティ戦略部の組織再編についての条例も可決をしまして、4月から組織をつくるということも決まりましたから、議会のご同意もいただきましたから、トップの募集を開始いたします。来年の1月31日までを締め切り期限として、最終の合否は3月の上旬に発表して、そして、来年の4月1日から部長についてもらいたいと思います。
 非常に一般の公募としてはタイトな募集期間になっています。通常の公募は、僕は大阪市長時代からもこういった外部公募をずっとやってきましたが、基本的には秋ぐらいから、9月、10月ぐらいから開始をしますが、大阪府でもほかで募集しているのは、10月ぐらいから公募の手続が始まっていますが、今回、まさに年末、実質は年明けから、1月ぐらいからということになるので、時間としては非常にタイトだと思っていますが、ただ、この手続の中でも優秀な人材をぜひ任用したいと思っていますので、多くの積極的な応募をお待ちしたいと思います。
 詳細はホームページで上げていきますが、任期については3年です。1年ごとの任期ですけど、原則として3年、特に優秀であれば最長5年と。原則3年ということが一定の期間。給与等については、これは他の大阪府の部長と同等ということです。詳細についてはホームページで公表いたします。

「おおさかSNS子ども安心サイト」の開設等について

 三つ目です。子どものスマホ、SNSにおける危険を察知する情報提供についてです。
 先月、大阪府内で、SNSを通じて小学女児が犯罪被害に遭うという事件が発生をいたしました。被害児童は見つかって、本当に命も救われてよかったなと思いますが、SNSにおいて、非常に危険な犯罪の入口になるということは、やっぱり広く伝えていかなきゃいけないと、改めて役所としてもそこに力を入れていこうというふうに考えています。
 まず、傾向ですけども、事実傾向としまして、SNSに起因する被害児童数、これは全国の数字ですけど、全国的にやっぱり増えていっています。平成24年については1,076人の被害児童数が、平成30年には1,811人、つまり、全国的に見て1.7倍ぐらいのSNSに起因して被害を受けている児童がいるという状況です。
 あと、いわゆるスマートフォンの所持状況ですけども、これも非常に所持率が上がってきています。平成26年度がこの水色のグラフですけども、例えば平成26年度は、小学校6年生であれば21%ぐらいだったのが、令和元年は50%ぐらいになっていると。中1も45%だったのが78%、約8割の子どもたちが持っていると。小4に至っても、10%だったのが、約30%ぐらいの子どもたちがスマホを持っていると。26年から令和元年というこの短期間の間で、こういったスマートフォンの所持率も変わってきているという状況です。なので、多くの子どもたちがスマートフォンを現実に所持しているという状況の中で、スマホに起因する犯罪をいかに減らしていくのかということがこれからの大きな課題になってくると認識をしています。
 その認識の中で、先日は、大阪教育庁から危険を喚起するチラシというのをそれぞれの学校に配布いたしました。ただ、学校に資料を配布しただけではやっぱり不十分だと思っていまして、子どもたちは、あるいは保護者はSNSを使って犯罪に巻き込まれるわけですから、やっぱりSNS上で犯罪のリスクを喚起するということが重要だと思っています。つまり、使っている媒体で伝えないと伝わらないんじゃないか、伝わりにくいんじゃないかという問題意識を持っています。
 そういった問題意識から、今日から府のホームページにおいて、SNSの使い方、おおさかSNS子ども安心サイトというのを開設していきます。これは、SNSの使い方のチェックであったり、これは子ども向けのネットリテラシーのテストであったり、あるいは、SNSを通じた出会いの危険なんかを動画で紹介していると。そういったトラブル回避の動画集であったり、困ったときにどこに相談したらいいのかわからないなというので、困ったときの相談先であったり、あるいは、保護者の皆さん、大人の皆さんへの注意喚起について、そういったサイトを開設します。
 このサイトについては、もちろんホームページに来てくださいと言うだけじゃ足りませんから、いろんなこういったSNSの危険を伝えるイベントやチラシ、あるいは、「もずやん」のツイッターとか府の公式フェイスブックにおいてもどんどん展開していって、SNS上で保護者や本人に伝わりやすくなる仕組みをとっていきたいと思います。
 QRコードなんかも積極的に配るようにしまして、例えばですけども、こういったQRコードが入っているチラシとか、いろんなところでこういったのを展開して、そして、それを簡単に読み取ることで子どもたちに早く伝わるということもやりたいと思います。例えばこれがそれと同じQRコードですけども、これで読み取れば「もずやん」が出てきて、これ、今読み取ったんですけど、「もずやん」が出てきて、SNSの使い方チェックとか、ここの項目が出てくると。「トラブル回避!動画集」を押せば、それぞれの小学生お勧めとか中学生お勧めと、年齢ごとにトラブルを避ける動画をわかりやすく紹介するというものをこれから広げていきたいと思います。
 掲載内容ですけど、どういうことが書いているかというと、さっきもちょっと説明しましたが、SNSの使い方をチェックしていく。例えばそれをテスト形式でやって、ネットのゲームで無料と書いているものはどれだけ遊んでもお金はかからない、丸かバツかとか、これ、子ども向けですけど。そういったものをして、ネット上のリテラシーを年代ごとできちんと持ってもらうというものです。
 もう一つは、困ったというときに相談先がわからない、そういう子どもたちに向けて、相談窓口というのをここでどこでも相談しやすいような、そういった紹介もしていくということをこのサイトで広げていきます。
 そして、子どものSNS利用に係る注意点ですけども、やはり以下の3点に注意してもらいたいと思います。これは前回の記者会見で教育長から全学校にチラシを配付したことにも通じていますが、やっぱりまずはSNS上に個人情報を載せない、そして送らないと。二つ目は、ネット上で知り合った人とは直接会わないと。三つ、不安なこと、心配なことがあったら相談するという、ぜひこの三つを知っていただきたいと思います。
 また、このスマートフォンについては、学校だけで防ぐというのは無理ですから、やっぱり保護者、それを買い与える保護者のほうが子どもたちに対して、自分の子どもに対してきちんとネット上のリスクあるいはその使い方、家庭におけるそれをぜひ徹底してもらいたいと思います。最終的には保護者がこれに取り組まなければこれについては解決できないと思っていますし、そういった意味で、この情報も保護者にも伝わりやすい、本人には当然ですけど、保護者にも伝わりやすい発信にしていきたいと思っています。
 僕からは以上です。

質疑応答

 職員 

 それでは、ご質問をお受けいたします。
 最初に、幹事社の朝日新聞さんからお願いいたします。

IR関連について(1)

記者

 幹事社の朝日新聞です。3点あります。
 一つ目は、まず、IRなんですけども、全部開業、部分開業、先行開業と三つ言葉が並んでいるんですけども、それぞれの違いを教えていただきたいのと、あと、知事としては、このいずれかを満たせば、府・市が目指していた万博前のIR開業が成立するというお考えなのかどうか、そこを教えてください。

知事

 まず、全部開業というのは、大阪府・市がこの募集要項で求めるIRの全体像、それを完全に開業する形です。今回、募集要項に実施方針だったりIR基本方針案に沿ったものをお願いしますと書いていますから、例えばホテルだったら3,000室以上だとか、会議室であれば1回で6,000人以上、全部で1万2,000人以上の会議室とか、10万平米のいわゆるMICE施設であったりとか、そういった大阪府で求めているその規模のもの、国を超える基準のもの、それを全て備えるのが全部開業。
 部分開業というのは、大阪府・市が求める、そして事業者が提案する全ての開業には至ってないけども、国が求める5施設、いわゆる法定5施設を開業していると。つまり、カジノ施設を開業し、カジノ施設に応じた形で今詳細ルールがあるわけですけど、その5施設を開業しているのが部分開業。いわゆる大阪府・市が求める上積みというか、そこの部分は開業しないけども、基幹となるカジノ事業と国の定める5事業については開設している状態が部分開設。
 そして、先行開設というのは、カジノ施設が5施設とか関係なく、何か部分的に開業している。例えばホテルだけ先に開業するだとか、そういったものを先行開業と定義づけています。これは当然事業者も理解している中身です。
 その期間については、万博開業前を含む一定の幅のある期間でこれをどうやっていくのかということを提案していただければいいと思っています。だから、万博開業前というのは別に時期を設定していませんから、2025年1月なのか3月なのか、それは事業者のほうで提案をしてもらったらいいと思いますが、いずれにしても、万博開業前を含むその期間の提案募集にしたいと思っています。お尻についてはマックスで26年度末、それより早い時期を事業者としては設定されるのかもわかりませんが、これは事業者側の提案ですから、大阪府・市でそこまでは条件化をしないということです。
 なので、今回の提案が出てきた段階においても、いろいろ、万博の工事、どうなるのとか、どうしても事業者側も府・市も未確定なところが、不確定な要素がありますので、この時期に完全にこれが開業しているということには多分ならないんだろうと、この期間の幅では開業しているということになるんだろうと。開業の順番もこういう順番で開業するとなるのか、あるいは全部開業、一気にぼんとするのか、それについては事業者の提案を待ちたいと思います。
 ただ、そうはいっても、やはり幾ら不確定な要素があるとしてもお尻の期間を決めないというのでは、これは募集になりませんから。万博から約2年、2027年の3月は、お尻の期間として定めると。その期間の範囲内で、事業者において、万博開催前も含めた期間の中で設定をしてもらいたいと、そういう募集にしたいと思っています。

記者

 今のお話ですと、万博前のIR開業を目指すという部分でいうと、そこが全部開業か部分開業であればIRは開業しているけども、先行開業であればそうではないということでよろしいんでしょうか。

知事

 いや、何で。それは別に先行開業であったとしても、それは順番として先行開業して全部開業、先行開業して部分開業して全部開業と、スケジュール感を持って対応する事業者がいるかもしれないし、我々の募集としては万博開業前を含むというのが前提ですからね。だから、万博開業前にはやりませんという募集は求めないわけですから。万博開業前を含んで、後ろをどこまでにするかというのは判断してもらったらいいと。万博開業前というのは提案の条件にしたいと思っています。
 だから、じゃ、現実に万博開業前になるの、ならないのということに関したら、もう少し期間が過ぎてこないと、なかなか詳細な条件を設定していったり、わかってこないとなかなか見えてこないところではあるかと思います。それはでも、国とも調整もしていますが、それでも問題ないということですから、事業者としてもこの時期にこれというのはなかなか決めづらいというのが今の状況だと思っています。
 ただ、万博開業前は含みますよ。2026年に全てを開業しますが、その前に一切開業しませんという募集の仕方は求めないということです。

スマートシティ関連について

記者

 すいません、あと2点で、スマートシティの戦略の部長の公募なんですけども、庁外のこだわった理由と、東京都では副知事に元Yahoo!の社長が就任されたりしていますので、府の公募もこのような人材を求めてらっしゃるのかどうかという、そこを教えてください。

知事

 まず、スマートシティ部門というのは、これまでの役所にはない分野です。これまで行政が積極的に取り組んできた分野でもない分野でもあります。むしろ民間が先行している分野でもありますから、もちろんそういった民間で培ってきた知識、経験を有する方が役所の中に入ってもらったほうが、組織としては新しい風が入ってきて、スマートシティ戦略が実行に移せるというふうに考えています。
 もちろん、部長がそれであっても中で実行部隊として組織を構成する職員は府の職員ですから、そういった大きな方向性、方針というのさえきちんと定めれば、府の職員もみんな真面目ですから、それを実行していってくれるというふうに思っています。その大きな方向性というか、そういうようなものを決めていく上では民間の経験者のほうがいいだろうという判断です。新しいものが、そっちのほうが生み出せるだろうという判断です。
 東京都の副知事にYahoo!の元社長が就任されていますけど、まさにあれは先行事例としてそうだというふうに思っています。もちろんいろんな、どこかの元社長じゃないとだめとか、そんなことは全然ないんですけど、そういった民間の方に、民間で知識のある人に入ってきてもらうという趣旨では、東京都と趣旨は同じだろうと思っていますし、そういう人材が来てもらいたいなと思います。
 ただ、実際のところは役所の部長の給料、金額では、この世界で第一線で働く人というのは5倍も6倍も給料を得ていますから、そういった意味で簡単な公募ではないとは認識をしています。役所ですから利益相反は禁止ですのでね。どこかから給料をもらいながらその事業をする、部長につくというのもこれはやっぱりできませんから、公正性という意味で。だから、そういった意味では非常に条件としては厳しいですけど、大阪の成長のためにちょっと一肌脱いだろうという方、優秀な方がいればぜひちょっと力をかしてもらいたいなと思います。

「おおさかSNS子ども安心サイト」関連について

記者

 最後、おおさかSNS子ども安心サイトなんですけども、なかなか子どもが役所のサイトを見るのは難しいと、ハードルが高いと思うんですけども、そのあたり、何が工夫があれば教えていただきたいのと、どれぐらいのページ利用を見込んでらっしゃるのかも、これも目標があれば教えてください。

知事

 やっぱり、まずいろんなところでわかりやすく、わかりやすい内容にしていくということが重要だろうと思っています。説教じみた内容で難しいのはなかなか子どもに伝わらないです。伝わる情報、伝えるということと伝わるということは僕は違うと思っていますので、伝わるものじゃなかったらだめだと思ってます。その伝わるというのを追求していくと、やっぱりその年代に応じてわかりやすく、ある意味楽しくというか、わかりやすく伝えていくものが、中身としてはそういうものが重要だろうと思ってます。
 もう一つは手段ですけども、手段、媒体も、ネット上のリスクを伝えるわけですから、紙で伝えてもなかなか伝わらない。ネット上のリスクはネット上で伝えるべきだというように思います。
 そういった意味で、ツイッターであったりフェイスブックであったり、さまざまな媒体を通じてこの安心サイトが目につきやすくなるような仕組みにもしていきたいと思ってますし、あるいは学校とかいろんな場でスマホ安全出張講座なんていうのも定期的に行われてますから、スマホ安全出張講座とかでもこのサイトを紹介してもらったり、さっき言ったQRコードも配って、アクセスしやすいような仕組みをつくっていきたいと思います。
 あわせて、SNSと言えばLINEを使ってる子どもたちも多いですから、大阪府の公式のLINEというのを今年度中にはつくって、そしてプッシュ型で情報を発信、LINE上、友達になったところにプッシュ型で発信していくということもやりたいと思います。現時点において大阪府に公式のLINEは持ってないわけですけども、それを今年度中にはつくって、そこで友達になったところからどんどん発信していくということもやりたいと思ってます。ページのビュー数については、具体的な目標というのはあるわけじゃないですが、できるだけ多くの子どもたちに伝わるものを心がけてやっていきたいと思っています。
 あとは子どもだけじゃなくて、やっぱり保護者ですよね。保護者に伝える、伝わるというのが重要だと思います。結局、スマホを買って渡すのは保護者ですし、保護者自身のリテラシーが上がらないと子どものリテラシーは上がらないと思ってます。もちろんいろんな学校での注意時とか、学校の先生が教えるというのはありますけど、やっぱりここは保護者じゃないかなと僕は思います、ネットの使い方というのは。学校の先生は教育の中身、勉強の中身は教えていきますけど、いろんな人生について大事なことは学校の先生も教えていくわけですけど、やっぱりここは家庭で買い与えているわけですから、親も使ってますしね。親自身が、保護者自身がリテラシーを上げていって、自分の我が家ルールというのはきちんとつくって、そしてその危険というのを親自身が認識して子どもに伝えていくというのが重要だと思ってます。なので、保護者にできるだけ伝わる情報ということもこの今回のサイトでも意識もしてますし、そういった伝え方というものに力を入れていきたいと思います。

記者

 ありがとうございます。

知事

 ぜひメディアの皆さんも、ここは別に政局とか政治はあまり関係ないところなので、そういうネット上のリスクについては、皆さんのほうが発信力が高いですから、こういったサイトがあるよというのは伝えてもらいたいなと思います。

IR関連について(2)

記者

 日経新聞の奥山です。先ほど、一部先行開業のところで、カジノを含まないホテルやMICE施設というお話がありましたけれども、これは国基準の5施設を満たさないもので、IRと呼べないのではないかなと思うんですが、IR事業者が運営するホテルみたいなものを、府・市として、それを万博前にIRを開業したと認めるということなんでしょうか。

知事

 法定義上はIRではないということになるでしょうね。ただ、それは、将来こういうものができ上がるという前提の中の一部だから、日本語としてはIRには入ってくるんじゃないですかと僕は思います。法律上の定義のIRとすれば、やっぱり法律の5施設があるわけですし、カジノというのがあるのが前提なので、そのホテルができたのでIRが開業しましたと別に言っても言わなくても、どっちでもいいんじゃないかなと。そこまでこだわってないです。いずれにしても、IRの絵姿はこれから出てくるわけですから、その中で、例えばこういうホテルが来る、こういうMICE施設が来るという全体図は先に出てきますので、そのうちの一部が先行して開業するということもあり得るだろうと。これをIRの先行開業と言えば先行開業になるんじゃないですか。
 ただ、僕らは万博前の開業にしたほうが相乗効果が高いと思うからそれを言ってるというだけで、別に僕らのプライドにかけて万博前に開業しないと絶対だめなんだというわけじゃないですからね。ここはちょっと勘違いしないで思われたいんですけど、いつ開業するかというのは、それはいつでもいい話なんだけど、ただ、3,000万人近く来る万博が夢洲にできるのであれば、そこと同じ時期にIRができれば、これはやっぱり、双方行き来もできるわけですから、IRも含めた大阪の魅力を発信するという意味では非常に相乗効果は高い。つまり、IR単体のときよりも上乗せした効果が発生するんじゃないか、だから万博前の開業というのを目指すべきじゃないかというのをこれまでずっと言ってきてるわけです。それがもし、いろんな工事調整でかなわなければ、もともとのIRの効果ということになるということだけ、別にマイナスになってるわけでも何でもないので、もともとプラスを目指したのがイーブンになったということだと思ってます。なので、それは今も目指してるということです。大阪の利益を考えたら、僕はそれは目指すべきだと思います。
 ただ、やっぱり不確定な要素がたくさんあるので、公募の段階ではそういった幅を持った、万博前を含む提案ということを条件にして、幅を持ったものにして、その後、やっぱり工事が見えてくる段階で、いつ何ができるかという詳細というのは、時期は具体的になってくるんじゃないかなと思います。それが結果論として万博前なのか、後なのかというのはあるとしても、目指すというのは目指すべきじゃないかなと僕は思っています。
 先行開業だったら、それは開催前やったと言うんじゃないんじゃないかとか、それは定義上の問題で、IRという全体像、絵姿は来年の6月にお示しできるようになるわけですから、その中で効果のある進め方というのをぜひ目指していきたいなと思います。

記者

 開業時期と開業規模において、事業者に幅を持たせるというか、選択肢を持たせたと思うんですが、それはわかるんですけれども、全面開業の時期というかめどを2026年度末に置いたのは、その理由は何でなんでしょうか。

知事

 なので、まだまだ万博、工事についても調整についても不明確な要素があるので、一定の幅を持たせようと。そして、万博の開催期間中はIRの開業、オープニングは認めないと。これは万博側の要請もありますから、認めないという中で考えたときに、常識的に工事のスケジュールを考えたら、約2年間あれば全面開業は問題なくいけるだろうということでの、今のその時点の判断です。

記者

 開業の時期は評価基準としないということですけれども、それはマックスで26年度末と言ってはいますが、それを超えた提案をしてもいいということですか。

知事

 いや、それを超えた提案というのは認めないですよ。

記者

 全面開業はあくまで26年度末までに。

知事

 そうです。そしたら、いつでもいいことになってしまいますから。
 厳密に言うと、26年度末から1年間の期間については、いわゆるペナルティーのない期間というのは設けています。その1年後からは、法律上の損害金、ペナルティーを求めていきます。だから、それは、そうであってもなかなかまだ不確定な要素もあるでしょうから、1年間はペナルティーを課さない空白の期間というのは設ける予定にしています。ただ、募集の提案としては、27年3月までの計画案を立ててくれという募集内容にしています。

記者

 事業者にとって、大阪でIRを開業するというのは、もちろん万博との相乗効果というのはあるのかもしれないんですけれども、日本で一番最初にIRを開業するというところもあると思うんです。それで、幅を持った提案とは言いながらも、開業の時期がおくれるということは、他都市が先に開業しちゃうとか、特に横浜に先に追い越されるということに影響はないんでしょうか。

知事

 だから、さっき言った万博との相乗効果ももちろんだし、やはりこの国内においても初めて、第1発目で開業するということも大きな僕は効果だと思っています。だから、ぜひIR事業者にはそこを目指してもらいたいなというふうには思います。ただ、それは今の段階で、じゃ、この時期までというわけにはいかないし、横浜の条件もどんな条件かもわからないけど、その幅を持った期間の中でやっていくということになるんだろうと思います。
 こちら、我々からしたら、もともと後ろがいいというのは全然思っていないですから。これは、今までの皆さんとのやりとりもそうですけど、IRの理念法ができてから、府・市の準備というのは、これは先手先手で進めてきて、本来であれば、もっと早い段階で開業もできる土壌というのは整えてきたと思いますけど、やっぱり国において、例えば参議院選挙があるから実施方針案をおくらせるよとか、何か政局絡みで、常にバック、バック、後ろへ、後ろへなってきた。それでも僕らはやってくれというので、そこの中で、国で定めてもらった。
 だから、これは、大阪府・市が言っていなかったら、全然進んでいなかったと僕は思います。本当はもっと早く進めたかったけど、そういう国会における、野党もそれも政局にもするし、与党もやっぱりびびってなかなか出さないみたいな感じのことが続いてきたのもあったから、僕はもっと早目早目でやるべきだったと思いますが、ただ、それは結果論ですから、言っても仕方がないので、この間、僕も松井市長も、国、政府に対しては、早目にできるように整えてくださいというのをずっと要望してきて、何とかここまでたどり着いているというのが現状じゃないですか。大阪府・市がこれをやっていなかったら、全くこんな状況になっていなかったと、僕はそう評価しています。だから、その中でベスト、最速の時期を今も模索しているということです。

記者

 ありがとうございます。

知事

 日本の中で一番目の開業というのをぜひ目指していきたいとは思います。でも、それはどうなるかはわからないですよね。

記者

 ちょっと違う内容なんですけど、評価基準の中で、日本観光のゲートウエーの形成というところがありまして、国が日本型IRとして、ほかの地域への周遊性を求めていると思うんですが、その一方で、IR施設は、ここの中にもありますけど、長期滞在型を求めていて、その施設の中で完結する、長期滞在をしてもらうような施設でもあると思うんですが、周遊性と長期滞在というのは両立するのかというところと、知事がイメージするほかの関西圏にも足を運んでもらうIRというのはどういうものなのかお話しいただければ。

知事

 やっぱりIRというのは、国際観光拠点として多くの海外の富裕層の方もぜひ来てもらいたいと思っています。その人たちに、この大阪はもちろんですけど、大阪だけじゃなくて、日本のいろんな魅力のあるところ、全国を回ってもらいたいと思っています。そういったことをどんどんぜひ紹介もしていきたいと思います。
 夢洲は海ですから、いわゆる海上アクセスを整えれば、瀬戸内にも十分足をすぐ運べるし、神戸にも足を運べるし、僕は、ちょっと河川上はなかなか、途中で障害もあるんですけど、京都なんかもね、海のルートでも行けるんじゃないかとも思ってますし、陸からのルートにしても、京都、奈良、神戸、非常に魅力的な、瀬戸内も含めて魅力的なエリアが多いですから、そういったところにたくさんの海外の方が行ってもらいたいなというふうに思ってます。
 これは、世界の富裕層の方、世界の旅行者の方というのは、IRに来る方、非常に経済力がある人が来る、たくさんいますんでね、十分これは両立できるだろうと思ってます。IRでエンターテインメントを楽しんで、日本の美しいものとか、日本でしかないものというのを体験することで、あわせて一つの、ほかのエリアにはないIRの魅力になってくるんじゃないのかなと。むしろそういうことをやったほうが、ほかのラスベガスとかマカオとかには負けないエリアになってくるし、集客が増えれば増えるだけ、またIR事業者の収入も増えるし、税収も当然我々も増えてくると。だから、世界中の多くの富裕層が来てもらえるような仕組みというのを考えたときに、そこの中で完結させるだけじゃなくて、もちろんその中の魅力は高めていくに加えてね、日本中に周遊することでIRそのものの価値も僕は高まるんじゃないかなと思います。マカオに行ったところで、そんなに周りに行くところあるのといったら、あまりないですから。ラスベガスだってそうだし、そう考えたら、日本のIRって実は、旅行客も今右肩で増えてますけど、韓国を除いてね、非常に、一体として見たときに価値は高いし、むしろ両立するというよりは、そっちのほうが価値が高まってくるんじゃないのかなと思ってます。だからどんどん、海上アクセスもそうだし、陸上アクセスもそうですけど、大阪以外の関西のすばらしいエリアに足を運んでもらえるようなIRがいいんじゃないのかなと僕は思います。

記者

 読売新聞の山崎といいます。
 IRの、この万博との連携・調整についてお伺いしたいんですけども、一定、IRの開業等々に関して万博事業への配慮というのが色濃く反映されているかと思うんですけど、その理由というか、博覧会協会や経産省、またBIEとかとどういう協議をされていたのかということを教えていただきたいのと、あと、期間中の工事について騒音とか粉じんの対策を求めた上で、一定の実施については容認するという考えが示されていますけど、そこについては、博覧会協会であったり経産省であったりBIEあたりと話はついているんでしょうか。そこら辺、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

知事

 この間、博覧会協会との調整というのは常に続けてきました。その中での、博覧会協会の意見も尊重しながら、今回の募集条件というのを定めてきたということはあります。もちろん博覧会協会の意見は尊重しながらもね、事業者、これ、誰も手挙げなかったら意味ないことなんですから、事業者との対話というのも続けてきました。その中で、我々が考える着地点というのが、今回、募集要項の中身の詳細に至っています。これは概要ですけど、例えば工事については、細かいのは募集要項の中に書いてますけど、例えば粉じんとか騒音が出やすい基礎工事、それから地下の躯体工事については万博前までに完了することということを条件に入れてます。基礎工事、地面にくいを打って、基礎を打って地下の躯体をつくるということができれば、あとは上に乗せていくものとかという工事というのは、騒音等々を考えても、これは工事の種類としてそういうのが少ない、比較的少ないものだし、もっといえば上もの、陸上の躯体ができてて、あとは内装の工事になればより少なくなるし、ただ、やっぱり問題になるのは基礎工事とか地下の躯体工事というのは非常に、振動等も含めて影響もあるから、それは万博前に終了してくれということを条件に入れたりもしています。
 それから、やはり交通アクセスという意味では、IRに来る人でもちゃんと駐車場を確保している宿泊客は自家用車の万博開催期間中の流入は認めるけど、駐車場を確保していない利用者は禁止にしてくれとか、そういった細かい条件がここに記載をされています。その辺については博覧会協会とも調整をしながら、一方で事業者とも話し合いを続けながら、一定の着地点を見たところでこの条件をつくっています。概要でいうと、さっき言ったとおり工事が重なることもあるから、そういった騒音とか振動、そういった影響については適切な工事を、万博中にやるんであればそれはやってくださいねと、そういった一定の条件を課しているということです。これについては、事業者も理解はできている、これまでの対話で一定理解は得られているところだと認識はしています。

記者

 毎日新聞の津久井です。
 時期については評価の対象としないということなんですけども、全部開業、部分開業、先行開業の、この開業のスタイルは当然その点数、1,000点とおっしゃいましたけど、それの対象に、審査の対象になるんでしょうか。

知事

 いや、その過程については審査の対象にはならないです。例えばそれが先行して全部開業にいきます、あるいは部分開業してから全部開業へいきます、あるいはいきなり全部開業でいきます、どの組み合わせでも、それは加点とか減点とかにはしないです。

記者

 あくまで、そうしたらコンセプトというか、中身が一番。

知事

 そうです。中身が世界最高水準のIRと言っている以上、最終的にでき上がるものがどういうものですかということに重点を置いた審査にしたいと思ってます。

記者

 ありがとうございます。それから工事についてもう1点なんですけども、工期とかについてもいろいろ対話を重ねて、事業者のほうから懸念等もあったかと思うんですけども、例えばトラックを通すとか、具体的なやりとりもあったかと思うんですけど、事業者側から工事について、こういうところが厳しいですよとか、寄せられている意見はどんなものがあるのかというのを、知事が報告を受けている限りで教えていただきたいんですけど。

知事

 やはり、工事が重なる可能性もあるという中で、じゃ、何をどう調整していくのということのまず主体が必要になってくると。その主体については、インフラをつくるのは大阪市ですから、大阪府も入っていますけど、工事調整の技術部隊で構成する工事調整会議というのをつくっていますから、そこで万博とか、あるいは大阪市のインフラとか、IRの工事調整というような、みんながうまくできるようにやっていこうという会議体を設けていますから、そこで調整していくということになるかと思います。
 それは工事については、いろんな細かな課題の認識というのはIR事業者からも示されていますけど、そういうことについては、その会議体で解決しながら、調整をしながらやっていこうということです。もちろん、IRの工事になると実際、建設作業員の方もたくさん来られることになりますから、その方の下水をどうするんだとか、いろんな課題はありましたけども、そういったものを調整しながらここで工事を進めていくと。課題はそれぞれの部局で詳細に聞いています。

記者

 やはりいろいろある中でも、万博と工事が重なるということの懸念が大きいんでしょうか。

知事

 そう、だからこそ、それぞれうまく工事が成り立つように調整していきましょうということです。そのための会議体もつくっているということです。

記者

 ありがとうございます。

記者

 読売テレビ、上村です。
 改めての質問になるんですけれども、秋元議員のほうでは、IR業者との違法の現金のやりとりなどが報道される中で、大阪ではIRの透明性の担保というのはどうとっていくのかについて、改めてお願いします。

知事

 今回、捜査が入っているのでどういう事件かはわかりませんけども、秋元議員がどうかかわっているのかもちょっとわからないという状況の中で、公正・透明に手続を進めていくというのがIRでも非常に重要だと我々は思っていますし、それを実際に実行してきました。今回の秋元さんの事件を見ても、報道の限りでは役所側もどうなのかなと思うところが大いにあります。
 というのは、まず、IRというのは自治体が国に申請するというスキームです。自治体が事業者のパートナーを決めて国に認可の申請をするというのが仕組みだから。IRをしようという自治体自体がしっかりしないと成り立たないと思っています。じゃ、どうやってしっかりするのということになると、手続を進めていく上での透明性・公正性、これが非常に重要だと思っています。なので、大阪府においては、当初、IR推進局をつくって、RFPに入った、まさに手続に入るというその段に、その前からかな、ちょっと時期はありますけど、要は大阪府の職員がIR事業者と1対1では会わないとか、必ず複数で会うようにというルールをつくったり、あるいは複数で会った上できちんと何を話し合ったのかも記録化してオープンになるようにという厳格なルールを定めています。
 それだけではなくて、政治家から、これはどんなに力のある政治家であろうと、役所に対して何か要望してきたときには、全て記録化してオープンにするというルールもつくっています。これは力のある政治家もそうですし、例えば、維新の議員だってこれは適用もしていく、当たり前ですけどね。維新であろうが自民であろうが、力のある政治家であろうが、どんな政治家であっても役所に働きかけをしたら全部オープンにするよというルールを大阪府・市ではつくっています。手続の、まさに選定の公正性というのが僕は非常に重要になってくると思います。逆に言うとそういうルールがあるからこそ、何か不当な働きかけというのは大阪では非常にやりにくい状況になっていると思います。政治家とかそういうところからすればね。だから、それを徹底的に尽くしているその仕組みをつくらなければいけないし、大阪府・市ではつくっているということです。
 今後もこの手続にのっとって、厳格なルールにのっとって事業者の選定というのは進めていきたいと思っています。やっぱり不正がある、あるいはそれが強固に疑われるというのは事業そのものの信用性を失いますから、そういった意味で我々としてはそういう厳しいルールのもとで進めているということです。
 幸い僕も松井市長もそうですけど、特定の業界や団体からお世話になる選挙は一切やっていませんし、どこかの政党の力をかりる選挙もやっていないですから、そういった意味ではそういう厳しいルールをつくれるのかなとも思います。ほかの自治体も本当に募集をするのであれば、こういう厳しいルールをつくらないと、いろんな力のある人からの働きかけがあれば、昔の古い政治のやり方になるとIRとしてはよくないと僕は思っています。
 大阪府・市の行政においては、それが実現できていると思っています。職員においてもそういった厳しいルールのもとで、大阪での世界最高水準のIRというのをぜひ透明な手続の中で誘致をしていきたいと思います。
 秋元議員の事件についてはこれからどうなるのか、特捜が入っていますから、その推移を見守りたいと思いますが、これは、特定の政治家の事件であって、本来であればIRそのものの信用性が揺らぐものではないと僕は思っています。というのも大阪でこういうふうにやれば、きちんと手続を進めていけるわけですから、やっぱり、実際実行する役所のほうが毅然と対応する政治・行政というのをやらなきゃいけないと思っています。これはこれからも大阪府・市では続けていきます。

記者

 あと、すいません、追加なんですけれども、いよいよパートナーを選ぶことになるということで、意気込みを一言でお願いします。

知事

 世界に誇る、ベイエリアがわーっと光り輝くような、世界の最高のエンターテインメントを誘致できるような、最高水準のIRを大阪に誘致したいと思います。

記者

 日刊工業新聞の大川です。
 開業時期に戻ってしまって恐縮なんですけれども、経済界は万博ファーストだと言っておりまして、万博後の全面開業を求めていると思うんですけれども、今回、万博前に全面か、先行か、部分か開業しなくてはいけない。万博後の開業を認めないというのは、これはなぜなのか。経済界に今後どう説明していかれるのか教えてください。

知事

 万博後の開業を認めないというわけではなくて、幅を持った募集をやっていますから、結果として万博後の開業になることはあり得ると思います。これはやっぱり工事の進捗状況とか、万博の工事の中身というのが進んでこないと、なかなか今の段階では確定はできないので、それが一定程度進んできて、これは工事の調整がつくなとなれば、万博前の全面開業だってまだまだあり得るんじゃないかなと思います。そのときに、経済界からしても、万博前に開業、全部しているのであれば、それは相乗効果が認められて、いいんじゃないのかなと。別に万博ができるという前提ですよ、だったときに、調整がついて、万博もできる、IRもできるとなれば、経済界から見ても、相乗効果もあるし、経済効果も早く発現するから、いいんじゃないかなと思います。

記者

 結果として、万博前には先行開業も部分開業もできず、万博後の全面開業となってもオーケーということですかね。

知事

 オーケーというか、結果としてそういうことになるのはあり得るということですね。

記者

 でも、募集の段階では必ず計画には含めてもらう。

知事

 もう一度。

記者

 万博前の幅を持たせて開業というのは計画には含めてもらう。

知事

 そういうことです。だから、募集者からすると、この時点で開業しますというのはなかなかないんじゃないかなと思う。万博前の開業を含んだ一定の時期での提案というのを求めるということになると思います。

記者

 朝日の増田です。
 1点だけ。先行開業というのは、具体的には、例えば法定5施設のうち一つとか、ホテルとか、何か募集要項に書かれるんでしょうか。

知事

 募集要項というか、募集要項にどこまで書いているかはあれですけど、募集要項を含めたこれまでの実施方針案であったり、基本構想案の中でも、先行開業の意味というのはIRの事業者も理解していると思いますから、なので、それはいわゆるカジノ施設が開業していない中でのIRの一部施設の開業ということです。これは別に非常にわかりやすいと思いますけどね、僕が今、定義したとおりなので。別にそこに定義書があるかないかはちょっとわからないですけれども。それで、そういう共通の言語でIR事業者とは対話もしてます。

記者

 ありがとうございます。

療養費の不正請求関連

記者

 会見外の質問で恐縮なんですけど、大阪に拠点のある全国規模の整骨院グループが組織的に療養費を不正請求していたことが明らかになりまして、この件に関しては大阪市が大阪府に報告したとしているんですけれども、知事の見解があれば教えてください。

知事

 その報道は見ましたが、大阪府が大阪市から現時点においてその件の報告を受けているということはないです。なので、大阪府としてその情報を把握してないので、個別の案件について何とか言えるという状況ではないと思ってます。
 これについては、まず一般論として、もしそういった不正請求があったとするならば、保険者がレセプトを持っていますから、保険者が調査をして、そして都道府県に報告するという形になると思います。それをもとに都道府県が、受けた情報をもとに調査をして、委任契約をどうするかという話になってくるとは思いますが。
 だから、まず大阪市、保険者から報告を受けない限りは、大阪府としては受領委任契約をどうするかという話になったり、監査という話になってきますから、その前段階として、レセプトを持っている保険者である大阪市とかそういった組合から情報提供を受けない限り、大阪府として何か動けるものでもないと理解をしています。現状において、大阪市からそういう報告は受けてないです。

記者

 そういう仕組みもあってなのか、あれなのかはあれなんですけど、厚労省は都道府県ですとか健康保険組合にそういった調査を強化するように求めてまして、今後の府のスタンス、広い意味で結構なので教えてください。

知事

 これは、一般論としては、そういった不正請求というのはあってはならないことですから、そういった情報提供が保険者からあれば、これは厳しく調査もしますし、厳しく対応はしていきたいと思います。今、当然いろんな社会保障費というのが非常に右肩上がりの状況になっている中で、そういった不正請求みたいなのは、これは絶対あってはならない話ですし、それがあれば当然厳しく対応していくという形になると思います。ただ、今の段階で大阪市から何も、保険者から何も、この件に関しては来ていないので、現時点では個別案件についてはちょっとコメントはできないかなとは思ってます。

 職員

 ほかにご質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、これで終了させていただきます。ありがとうございました。

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室広報広聴課 広報グループ

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