令和元年(2019年)7月24日 知事記者会見内容

更新日:2019年7月26日

記者会見項目

    ・スマートシティ戦略の推進について
    ・大阪府域における動物虐待相談について
    ・熱中症に対する注意喚起について
    ・質疑応答

 職員 

 ただいまから、知事の記者会見を始めさせていただきます。
 最初に、知事からお願いいたします。

スマートシティ戦略の推進について

知事

 僕からは3点です。
 まず最初に、スマートシティ戦略についてです。
 2025年の大阪関西万博が決まりました。この万博を成功させるのは当然非常に重要なことですけれども、その期間中だけじゃなくて、万博までの間、僕自身は選挙公約でも掲げましたが、大阪のスマートシティ化というのが重要だと思っています。
 というのも、やはりこれからどんどん高齢化社会になっていくという中で、財源も限られてくると。そういう中でも、府民の皆さんに便利な生活をしていただくと、少しでも便利な生活をしてもらうというためには、やはり新しい技術も駆使した生活の質の向上というのが必要だろうと思っています。これは2025年の万博が様々な技術が紹介されるわけですけど、そこに至るまでのもの、そしてその先のレガシーとしても、スマートシティ化というのをぜひ少しずつであったとしても実現していきたいと思っています。
 その中で、副首都推進本部のもとに、大阪スマートシティ戦略会議というものを立ち上げます。これは8月の上旬に第1回の会議を開催します。そのスマートシティ戦略会議は、府内の市町村であったり、あるいは大学、産業界とも連携をしていきたいと思います。現場でいかにスマートシティ化を実践していくのか。そして、そこに様々な技術や民間の力というのを最大限活用した仕組みをつくっていきたいと思います。
 具体的に実務を担っていく部門ですけども、大阪府において、新たにスマートシティ戦略準備室というのを立ち上げました。それから、大阪市においてはICT戦略室が担当いたします。大阪府のスマートシティ戦略準備室、そして大阪市のICT戦略室において、この大阪のスマートシティ、今年度のスマートシティ戦略を進めていきたいと思います。
 まず、スマートシティ戦略の取りまとめですけども、大きく検討事項としては二つです。住民サービスの向上、そしてもう一つは都市戦略のビジョン。住民サービス向上と都市戦略ビジョンというのを二つの軸にしながら、このスマートシティ戦略タスクフォースで、具体的に民間とも協力しながら進めていきたいと思います。
 例えば住民サービスの向上という点に関していうと、スマホのアプリのサービスの導入であったり、あるいは行政手続をネットを使って簡素にできるという取り組みであったり、あるいは都市戦略ビジョンとしては、自動運転を高齢化が進む団地エリアで走らせるとか、そういった地域の交通課題を解決していく、住民の皆さんの生活の質を向上するということを進めていきたいと思います。
 超最先端の技術を使ってやるというのは政府でやっていますが、僕がイメージするスマート戦略、スマートシティというのは、超最先端じゃなかったとしても、市民、府民の皆さんが少しでも生活が便利になったねと思ってもらえるような、そういったものを着実に目指していきたいと。地に足がついたスマートシティ戦略というのをやっていきたいと思っています。
 引き続いて、大阪府で立ち上げましたスマートシティ戦略準備室ですけども、まず、これはPT長、室長ですね、スマートシティ戦略の準備室室長を中心としまして、これは総務部のIT業務改革課に置きますけども、この室長を中心に、現段階では合計12名の職員が、それぞれ企画調整担当と戦略調整担当ということで、政策企画部にいる人間が兼務をする。政策企画部も兼務をしながら、12名の職員がこの準備室に当たります。
 この準備室で何をしていくのかということですけども、これは、まずスマートシティ戦略の取りまとめを行っていきます。先行事例を調査しながら、どういったものが導入できるのかということ。それから、その実現に向けた取り組み。早期に導入可能なものはどんどん導入していく。そして市町村の調整ということもやっていきます。それから、こういうスマートシティ戦略の計画をつくっていきますから、長期の計画になると思います。それもつくっていきます。そして、現にその計画を実行するための組織体制、今は準備室ですけども、来年の4月から、これは本格的な組織体制を大阪府庁内に構築します。それをまさにこの準備室において、本年度、具体的に進めていくということになります。
 これを準備室としまして、スマートシティ戦略会議の概要ですが、これは大阪府と大阪市、そして関係者の皆さんが、スマートシティ戦略をどう進めていくのかということを公開の場で意見交換を行いながら、会議で進めていきたいと。大阪モデルのスマートシティの方向性というのを定めていきたいと思います。これについては、知事、僕と松井市長、それから副知事、副市長も参画する会議を行います。この戦略準備室とICT戦略室、これは大阪市、それから、副首都推進局とそのテーマを所管するそれぞれの府市の部局が集まって、当然、テーマごとに特別顧問であったり市町村、民間、そういった外部の方も入れながら進めていきたいと思います。8月上旬に第1回を開催しまして、毎月1回程度、この会議はやっていきたいと思います。
 中身ですけども、やはりさっき申し上げた住民サービスの向上と都市戦略ビジョンというのが大きな2本の柱。住民サービスの向上でいうと、市町村サービスのICT化であったり、さまざまなアプリであったり、そういったものの横展開をどんどんしていきたいと思います。それから、都市戦略ビジョンとしては、MaaSも課題には挙がりますけど、MaaSであったり自動運転。これから高齢化が進んでいく中で、どうやって持続可能なものをつくっていくのか。これはやっぱり最新の新しい技術も導入しながらやっていかないと難しいと。単に昔の大阪市の赤バスみたいなのを走らせるわけにはいきませんから、だからといって放置するわけにもいきませんので、そこで、やはりこういう最新の技術を使って何とかできないのかというのを検討していきたい。もちろん安全・安心、防災面においてもこれは非常に有効ですから進めていきたいと思います。
 スケジュール感についてです。
 まず、8月にキックオフの戦略会議を行います。以降、月1回ぐらいの頻度で開催をしていきまして、11月、秋ごろに中間取りまとめを行います。その間、府内の市町村との調整であったりヒアリングであったり、あるいは国内の事業例、あるいは企業のヒアリング等々も行いながら、ここで市町村や民間とも連携しながら、11月に中間の取りまとめをしていきたいと思います。もちろんこの中間取りまとめを秋にするということは、これを次の年度の予算に、必要なところは予算に反映させていくということです。そして、今年度中に最終の取りまとめをして、4月から新たな組織、スマートシティ戦略室になるのか、スマートシティ戦略部になるのか、これはこの中の議論の中で進めていきますけども、組織というのを府庁内にきちっとつくって、万博に向けて、大阪府のスマートシティ化というのを進めていきたいと思います。
 あわせて、国においてもスーパーシティの構想、法案も、今回、参議院選挙前で成立しませんでしたけど、片山大臣が担当しているスーパーシティについても情報収集をしながら、スーパーシティの候補地になるように、選ばれるように手を挙げていきたいと思います。これが1点目です。

大阪府域における動物虐待相談について

 2点目についてです。大阪府版のアニマルポリスを構築します。動物虐待に対する対策です。
 現状ですけども、大阪府域における動物虐待の相談件数についてです。
 まず、全相談件数についてですけども、大阪府所管の全相談件数については、平成27年度に1万3,000件で平成30年度が1万2,000件ということですから、動物に関する相談そのものは横ばいの状況です。これはいわゆる遺棄や虐待の疑いがあるんじゃないかということも、平成27年度は4,600件で平成30年度は3,500件ですから、これは増えているわけでもありません。少し減っているというような状況ですが、ただ、遺棄・虐待の疑いがある中で、実際にこれは遺棄・虐待だということを大阪府が判断した件数については増えていっているということです。平成27年度は134件だったのが平成30年度は275件ということになります。
 そして、国においても動物愛護の法律も変わりまして、厳罰化の法律が制定されました。まさに立法事実としても、動物虐待についてこれは問題だというのが国の大きな意識でもありますし、一方で、大阪府として何ができるのかということを考えたときに、府警とも連携をしながら大阪府版のアニマルポリスを実現していきたいと考えています。現実に遺棄・虐待の件数は増えているという現状です。
 じゃ、今の相談体制はどうなってるのということですけども、これは、まず、所管が分かれています。動物虐待があるんじゃないかと思った人が、最初、どこにアクセスしたらいいのかといえば、これはなかなかどこにアクセスしていいのかわからないんですね。というのも、管轄が分かれていまして、まず、政令市(大阪市、堺市)が動物虐待に関する業務を行っている。そして、中核市(豊中、高槻、枚方、八尾、寝屋川、東大阪)も動物虐待に対する事務を行っているということです。その発生した場所において、それぞれの中核市、政令市、そして、中核市、政令市じゃないところは大阪府というのが担当しているわけですけども、窓口が非常にばらばらになっている、誰に相談したらいいかわからない、相談してかけても、それぞれ担当じゃなかったら「違いますよ」ということで非常にわかりにくい状況になっている。これをぜひ一本化していこうと、そして、府警とも連携をしていこうというのが今回の取り組みです。動物虐待は犯罪ですので。
 今回、「おおさかアニマルポリス♯7122」、これは「♯悩んだら・わん・にゃん・にゃん」ということで、できるだけ覚えやすいというので、「♯悩んだら・わん・にゃん・にゃん」とかけていただけたら、まずその動物虐待に対する共通の窓口に電話がかかるということになります。通報の受け付けを共通ダイヤルに一元化していきます。共通ダイヤルにかけますと、事案の発生地の所管行政それぞれの、その虐待と思われるのが発生しているのが豊中であれば豊中、大阪市であれば大阪市、そこに直接つながるという仕組みです。それ以外だったら大阪府につながるという仕組み。そして、その所管行政で受け付けた相談については、これは本当に虐待だというものもあれば、いや、それは、かけた本人は虐待だと思っていても、不適正飼育の問題ですねと。そうなってくると、大阪府や市町村行政の政令市、中核市の対応になり、虐待、犯罪となれば、これは警察の対応になり、検挙、摘発という形になっています。ですので、まずは所管の行政で受けた上で、所管の行政において、これは犯罪だと、犯罪性ありということになれば、警察に通報して、そして警察が対応していく。そして、そうじゃない行政が対応すべきものであれば行政が対応するという仕組みです。まずこれをすることによって、動物虐待に関する一番最初の第1情報、これがいち早く適切な行政に提供されるということ、そして、こういったものがあるというのが虐待の未然防止にもつながるというふうに思っています。あわせて、この大阪府民全体で、動物虐待はだめだよなという、その意識を高めていきたいと思います。まさに共生社会の実現を目指すということです。
 このイメージですけど、隣の家でずっと犬が鳴いて虐待を受けているんじゃないか、どこに電話したらいいかなといえば、「♯悩んだら・わん・にゃん・にゃん」。「近くの家で何か多くの猫がたくさん飼われているけど、すごい悪臭がしているけど、ちゃんと世話できているの?」、これは多頭飼育ですけれど、こういったことも「♯悩んだら・わん・にゃん・にゃん」ということで、いや、これは明らかに虐待だよなということであれば、ここに一元的に連絡をしていただければ適切な対応、そして、犯罪性があれば、これは警察につなげていく。もちろんこれは、アニマルポリスと、ポリスという名前をつけていますから、警察ともこの制度については共有し、そして、警察からも当然了解も得て、このアニマルポリスという名称で、警察ともこの仕組みを共有しながら、動物虐待、あるいは、虐待に至らなかったとしても、不適切な飼育について改善をしていく仕組みを一元的につくりたいと思います。つくりたいというか、今回つくったということになります。
 これにつきましては、具体的にいつから開始するのという開始時期については、これはまた改めて、近々ですけども、お知らせをいたします。これは、予定、いつぐらいから開始やったかしら。

 職員

 10月です。

知事

 10月から開始の予定にしています。
 あわせて、この動物愛護に関してですけども、今、僕がこの服を着ていますが、大阪出身の世界的なイラストレーター、デザイナーでもあります黒田征太郎さんが、この動物愛護の取り組みに共感をいただきまして、地元大阪で何とか貢献できないかということでご協力をいただきました。これはどういうことかというと、大阪府でもそうですし、大阪市でもそうですけど、動物愛護の基金を持っていますから、その動物愛護の基金にご寄附をいただける方に、このTシャツを使って寄附金を確保していこうと。今年の9月の動物愛護の週間のイベントにおいて、ぜひこのオリジナルTシャツをつくりましたので、そのTシャツの活用をしながら、動物愛護基金に寄附をいただけるように積極的なPRをしていきたいと思います。これは、僕が着ているのは一つの柄ですけど、何種類かデザイン案をつくってもらって、何種類かTシャツがあります。今、大阪市の松井市長も同じこのTシャツを着ていると思いますが、黒田さんのご協力も得ながら、この動物愛護の基金の充実と、それから広報活動というのを広めていきたいと思います。

熱中症に対する注意喚起について

 最後です。熱中症についてです。
 いよいよ今日、大阪では梅雨明けをいたしました。昨年は、特にこの梅雨明けに救急の熱中症による搬送者が急増したところです。ですので、これから急激にこの熱中症による救急搬送の広がることも懸念をされます。
 これは去年ですけど、去年は梅雨明けまではほとんどなかったわけですけど、梅雨明けと同時に熱中症の救急搬送者が急激に増えたと。これは7月9日から7月22日までですけど、急激に増えますので、ぜひ熱中症には注意をいただきたいと思います。
 6月の会見においても、暑さ指数を中心に、「気づく」「備える」「涼む」ということをキーワードにした習慣づくりをお願いしましたが、熱中症は時として命を失う、そういった危険なものでもありますので、ぜひ予防に取り組んでいただきたいと思います。特に、小まめに水分と塩分をとる、外出時は暑さを避ける工夫をする、猛暑日は外に出るのを控える。この3点をぜひ気をつけていただいて、暑い夏を乗り切ってもらいたいと思います。
 僕からは以上です。

質疑応答

 職員

 それでは、ご質問をお受けいたします。
 最初に、幹事社の時事通信さん、お願いします。

スマートシティ戦略の推進関連について(1)

記者

 時事通信の天野です。
 大阪スマートシティ戦略会議の関係でお尋ねをします。年度内にまずは会議のほうは最終取りまとめをされるということですけれども、そちらのゴールイメージはどういったものになるでしょう。長期的な計画ということではありますが、今年度中にはどこまで進めていきたいというのはありますか。

知事

 まず、秋までに中間取りまとめをしまして、そして、今年度中に最終の取りまとめをしたいと思います。最終取りまとめをするイメージとしては、これは何年計画かと言われれば、それは5年なのか6年計画なのかというのはあると思いますが、万博を見越した中長期的な計画を立てると。それに基づいて大阪府、大阪市が協力しながら進めていく。もちろん市町村でも意欲がある市町村にはどんどん参加していただいて進めていくという案づくりを今年度中にやっていくという形になると思います。
 特に万博が一つのきっしょというか、一つの目標地点にはなるんだろうと思います。じゃ、具体的にそれは自動運転バスをするのかと、スマホアプリを便利なやつを横展開するのかと、いろんな、あるいは行政の申請手続をできるだけわかりやすくするだとか、さまざまあると思いますが、そういったものをこれからスマートシティ準備室とこの会議体において、準備室、それからICT戦略室が事務局になりながら、民間の意見なんかも聞きながら実際にやっていきたいと思います。
 現実的に動き出すと、まず、やっぱり中心でやっていかなきゃいけないのは、民間へのヒアリングと、それから市町村へのヒアリング、そして、全国で行われている事例であったり、これは大阪で活用できそうなものだったら調査、それをそれぞれの分野で幅広にまずは情報を入れて、具体的にどうやって動かしていくのかという議論を今年やっていきたいと。秋ごろの中間取りまとめにやっていきたいと思います。
 その中で実現できるのがあれば実現していきたいとは思いますが、今年中に何か具体的にやるのか。河内長野の南花台のいわゆるバスというか、カートのようなやつは、あれはもう動き出していますけども、それがどこまで行くのかというのがあるかとは思いますが、ただ、いずれにしても、できることからやっていくということが一つです。
 ただ、基本的には、おそらく今年はまず大きな計画、具体的な計画、そして、実際にやる気のある市町村の選定というか、そういったヒアリング、それから、やる気のある民間企業との連携であったり、そういったことを進めていきたいと思いますし、じゃ、それを具体的に進めていく上で来年4月からどういう体制を府庁内でつくっていくのか。これは、僕はトップは民間の外部の人になってもらいたいと思っています。民間の外部の人に、G20で旗を振ってくれた吉田さんが今室長をやってくれて、それは実務家だった人がやってくれますが、ただ、やはり民間での経験者というのを府庁内にぜひ職員として迎えて、その組織のトップとしてやっぱり旗を振ってもらっていきたいと思っています。
 ただ、これは来年の4月以降にはなると思いますから、そういった組織体制なんかというのをこの準備室において検討して進めていきたいと。それが固まって、来年の4月以降万博開催までに向けて、この間5年という形になりますけども、具体的にどんなことをしていくのかというのを一歩一歩着実に積み上げていって万博を迎えたいと思います。

記者

 ありがとうございます。民間の方をトップにということですけれども、これは、例えばICTに強い方とか、または企業の方というイメージでよろしいんでしょうか。

知事

 そういうイメージです。あとは、スマートシティ化していく上で、やっぱり民間と行政をつないでいくというか、そういった経験であったり知識が豊富な方にお願いしたいと思います。スマートシティといえば、世の中いろんな本も出ていますし、いろんなことを言う研究者もたくさんいらっしゃるわけですけど、結局僕は実務家なので、現実が動かなかったら意味がないと思っていますから、いかに現実を少しでも動かして府民の皆さんの生活が少しでもよくなるのか、その観点を持った方をぜひ迎え入れて、現実を動かすと。小さなこともたくさんあると思いますが、僕はそういったことのほうが大事なんじゃないのかな。
 万博で、ものすごい最新技術が終結点。その万博の先、次の未来をどうしようかという議論になってくるかと思いますが、僕は今回の選挙の公約でもこれは掲げましたから、4年という任期がありますので、まずこの組織体制を整えた上で、きちんとこれが持続可能な組織をつくった上で、そして、自分の任期中にも少しでも実現できることを着実に、万博に向けて階段を上るようにやっていくということをぜひ実現していきたいと思います。

記者

 ありがとうございます。現在、河内長野以外で手を挙げている市町村は特にないという理解でよろしいでしょうか。

知事

 手を挙げていないというか、募集していませんので。河内長野のやつはもともと大阪府が働きかけをして、河内長野もやるというので個別に始まりましたけど、大阪府がスマートシティをやるというのを大きくどーんと出したのは僕になってから初めてだから、そもそも募集もしていないので。それは既にやっているのが、僕のいわゆるスマートシティの考え方に合致しているなということで取り込んでいきたいと思いますが、現にどうやって手を挙げてもらう方式をつくるかとか、あるいはどういう市町村にやってもらうかというのは、これから今年中にその会議の中で進めていきたいと思います。
 やっぱりこれは僕も大阪市という基礎自治体の経験者として、大阪市はでかい市ですけど、何をするにしても市長自身に熱意がないと、これは僕は成り立たないと思っていますし、大阪府にやってもらえばええわぐらいに思っているような市ではこれはできないと思います。というのも、市長あるいは町長、村長でもそうですけど、現にバス一つ走らせるにしても、いろんな調整とか地元の調整とか、そういったさまざまなことが必要になってきますから。現実を動かすという意味ではね。本を書くのは簡単ですけど、現実を動かすというのはそういうこともやっぱりやっていかなきゃいけないし、そうなってくると、それをやろうという熱量がある人じゃないとやっぱり。大阪府もどんどん積極的にはやっていきますけど、やっぱり市町村長自身がやりたい、やろう、やろうという熱い思いがある人じゃないと、実現というのは前にはなかなか進みにくいと思いますから、そういった市町村長の方と協力しながらやっていけばね。ほんで、「ここの市はえらい便利になったな」となれば、じゃ、次の隣の市もやりたいとかなってくるかもしれないし、やり方、進め方としては、全員一緒に平等にということじゃ進まないと思うから、やっぱり市長自身に熱意がある。大阪市はまず手を挙げてもらいますから、市長自身が熱意のあるところと進めていきたいと思います。

記者

 ありがとうございました。

記者

 すいません、スマートシティって、4月、来年度までの整理をしたいんですけども、いわゆる組織のトップの公募だとか、民間企業はどこと手を組むかという公募は4月以降になるんですか。4月までに終えるんですか。

知事

 いや、4月までに進めたいと思います。それを公募という形でするのか、あるいは、それは適切な人がこの人だからこの人に僕がお願いするという形になるのか、そういうことを含めてその会議の中で、オープンの会議の中で議論していきたいと思います。公募という方式ももちろんあるでしょうし、あるいはこの人がものすごいふさわしいんじゃないかというのであれば、僕が直接指名をしてお願いするというやり方もあると思います。例えば大阪メトロを民営化したときは、僕は公募じゃなくて直接お願いしたというのもありますから、民間の方に直接お願いをすることもあるかもしれないし、公募という形のほうがいいなとなれば、それは公募です。そうなってくると事前の準備も必要になってきますし、そういったことをこのスマートシティ戦略会議やら準備室で検討してもらって、やっていきたいと思います。
 スマートシティ化については大商の尾崎会頭なんかも非常に強い興味を示されていますし、大阪の経済界も非常にここは興味を示されていると思いますから、そういった経済界とも何か協力できないかとか、いろんな角度から検討していきたいと思います。最終的にはやっぱり府民の皆さんが「ああ、これ、便利になったね」とその一言のために進めていきたいなと思います。

大阪府議会への監査請求関連について

記者

 読売新聞です。
 昨年5月に大阪府議会が万博誘致の関係でイタリアのミラノとかサンマリノに行った関係で、議員が報告書を書かずに職員の方が代筆していたという問題を受けまして、府民のオンブズマンから監査請求が出されたんですけど、それについて、この間、監査委員が棄却という判断をしたんですけど、その報告書を読みますと、報告書団員、委員ですね、行かれた団員が作成することは府民の期待に沿うものだというような指摘も盛り込まれている内容だったんですけども、この監査委員の判断についてどういう評価をされているのかということと、あと、知事自身の、視察、海外調査、海外視察の報告書を議員ではなくて職員が書くということに対しての考えというのをお聞かせいただきたいと思います。

知事

 まず、今回はいわゆる公式な視察として行ったと。そして、そこには当然随行の職員も附帯して行ったということです。ですので、その報告書を作成するというのも、その団として作成すればいいと思ってますから、それは、随行職員が書記係として文書を作成していくということは、僕は全く問題ないと思います。それぞれの議員がその視察の場において、じゃ、どうやってそれを大阪府においてプラスに働かせるのかという観点を持って、例えばいろんな質問をしたりするわけですけど、そこの現地の人に、これはどうか、あれはどうか、どんな質問をするのか、そういうのは議員の仕事だと思いますけど、じゃ、その質問を、どんな質問をしてどういう回答がありましたというのを書く書記係は、僕は別に議員がやらなくてもいいと思います。何から何まで全て職員がやったらそもそも議員は必要かとなると思いますが、議員はやっぱり選挙で選ばれた議員ですから、それをどうやって大阪府においてプラスに反映させるのかという観点からの行動をするのが議員だと思うし、必ずしもタイピングするのが議員の仕事ではないと僕は思ってますから、だから、議員がその場において、そういう観点からさまざまな知見を集めていって、いろんな質問の中身を含めてそういったことを、そしてそれは、あるいは議会の質問で反映させるとか、そういったことをするということに意味があるのであって、誰が文書を作成したタイピングライターかということは、僕は大して大きな問題じゃないと思ってます。特に今回は大阪府の特別委員会の視察団として行ったわけですから、じゃ、逆に言うと、随行している職員は何のために行ったのということにもなりますので、随行する職員が直接向こうの現地の要人に質問したり、やりとりしたりするというのはないわけですから、それぞれが役割分担をするということで、僕は全く問題ないと、そのように思いますけどね。

記者

 当然にやりとりを機械的に、書記的な役割であれば、知事のおっしゃった意見も一定わかるんですけども、「はじめに」に当たる部分とか、今後のこの成果を府政に反映させてまいりたいと思いますという意気込みだったり、そういう挨拶文の部分まで職員が書いていたというところもあってこの監査請求というのが出されたと思うんですけども、その点についても基本的に問題ないという見解でしょうか。

知事

 挨拶文をあえてタイピングする必要はないんじゃないですか、議員が。

記者

 文面も考えたわけですから。

知事

 府政に反映させていきたいと思いますというのは、それは当然、そのために視察に行っているわけでしょう。だから、その文面をタイピングして、タイピングって、しゃべったことをそのままタイピングするわけじゃないけども、そこを資料として打ち込む作業をするというのをすること自体は、僕は別に問題だと思わないですけどね。
 僕自身、大阪市長のときに、海外視察ってそもそも必要なのかという議論があるというのは認識してたから、じゃ、その海外視察というのは何をして、そしてそれが、当時は市長ですから、どう大阪市政にプラスになっているのか、あるいはならなかったのか、どういう効果があったのかというのはきちんとやっぱり示すべきだ。直接それは、僕自身が市長として行ったことに対してオープンの場で住民説明会をする。そして、こことここに行って、こういうことを話をして、こういう結果、これは大阪市にとってこういうプラスがあった、こういうふうに反映させていきたいとかというのをまとめて住民説明会もやりました、当初。何回かやっていく中で、役所の中でもこれもノウハウもできたし、来てくださる皆さんに対して、これはきちんとやっていくというのは言って、今はそれはやってないわけですけど、そういう問題意識をしてやりましたけど、そのときも別に僕自身がタイピングはしてないですからね。
 だから、そういった意味では、文書をつくるというか資料のタイピングをするというのが議員の仕事というよりは、じゃ、議員としてどういう目線で、どういう観点からその問題について、例えば質問をし、回答を得、そしてそれがどう大阪府にとって、今回は万博誘致にとってプラスになったのかというような観点を持って活動するということが重要であって、資料を作成、仕上げるのが、それは事務方の仕事なんじゃないのかなと僕は思いますけどね。そういうのは行政職員が得意ですから、それは事務方がやればいいと思うけど、行政職員が議会で質疑するわけでもないし、行政職員が直接、要人と話をするわけでもないしということを考えたら、僕はその点が大きな問題だとは思いません。ただ、議員として行く以上は、それがどうプラスに働くのかというのは常に意識して、これは本当に税金で行っているわけですから、役立っているの、役立ってないのという意識は常に持つ必要はあるだろうと思いますが、監査請求を受けて違法というようなものではない。しかも、特にタイピングをしたのが事務職員だからというのは、僕はそうは思わないけどね。

記者

 であれば、その報告書の中にある監査結果の中に、監査委員の意見として、報告書を団員が作成するといった、調査団の団員、議員が作成するということが府民の期待に沿うというふうな指摘は、これは、じゃ、当たらないという考えですか。

知事

 直接それはつくってもいいとは思いますけど、それを事務職員がつくっても僕は問題ないと思う、全部を。その視察そのものを完全におんぶにだっこで、何ていうのか、府政に反映させるという意図があるかないかが問題であって、ぴこぴこするのを、僕も昔はようぴこぴこやってましたけど、それが重要なことだとは僕は思わないけどね。例えばこういう方向性でやってくれとか、こういう質問をするとかね、そういうことのほうが大事なんじゃないの。それをどう大阪府に反映させていくのかというのを考えて活動するということのほうが僕は大事なんじゃないのか。監査委員がそういうふうに、本人が書くのが望ましいというのは監査委員の意見だとは思いますけども、それは監査委員の意見だと。僕の意見は、誰がタイピングするかというよりは何を聞くか、そしてそれがどう大阪府にプラスに働くのか、そしてそれは税金で成り立っているから、議員としてすべきことは何なのかということを常に意識した行動をとって、それを反映させていくことが重要なんじゃないのかなとは思います。だから、そういう視点があったから、僕が市長のときには、同じ政治家という立場で、議員と首長では違いますけど、そういう報告会もして、批判があったら言ってくださいという話をして、住民説明会をした。そうしたら、やはり市民の皆さんの理解も得られるんじゃないかなと思います。でも、一部で海外視察がどうなのという議論があるのもそれは事実だから、誰が書いたかというよりは、そこで何をして、それがどうプラスに働いているのかという視点のほうが僕は大事なんじゃないか、注意して見るべき視点としては、と思います。

記者

 読売新聞の梅本です。
 関連してなんですけど、そもそも海外視察に随行で府の職員が行くことについて、うちの弊紙のほうで調べてるんですけど、自治体によっては議員だけで行って、職員はついていかないという例も、結構というか、半数ぐらいはあったんですけど、そのほうが府の財政には資するかなと思うし、議員が自分で書けば、その分、職員がついていかないので、その分お金も浮くかと思うんですけど、その辺、随行職員、職員が議員団についていくこと自体については不要だとは思わないですか。

知事

 まあ、議員、ほかの都市の事例が、随行職員がつかずして、どこまで、調整とかも含めてね、どういうふうにやっているのかということですか、それで十分な視察ができるんであれば、それはいいんじゃないかなとは思いますね。ただ、その随行職員自身は何をしているかというと、不要、要らないとは僕は思わないですけどね。やっぱり随行職員が段取りであったり、あるいはいかに限られた時間を有効に使うのかということについては、やはり行政職員は非常に得意ですから、あくまでも政治団体として行く分は別ですけども、委員会とかで視察で行く分については、それは随行職員がいたほうが、その視察自体は充実化するんじゃないかなと僕は思います。もともと、随行職員なしでやったほうがいいんじゃないかということに、突き詰めたらなると思うんですよ。今回、例えば僕も世界遺産の委員会でも行きましたけど、随行職員なしで行ったって、僕や永藤さんだけ行ったって何もできませんからね。そういった意味では、随行職員はその役割は十分、視察を充実化させるという意味では役割を果たしているんじゃないのかなとは思います。それなしでやっているところがあるじゃないか、それでも十分じゃないかといわれても、それがどこまでどう、随行職員なしでやっているのか知らないけども、僕は今、自分が見聞きして、経験している限りでは、随行職員がなかったほうがいいんじゃないかというふうには思わないですね、要は、それは行政の視察として行く場合ですよ。

記者

 議員さんがその役割を。議員も複数で行くので、誰がやるとか、そういうふうな日程担当だとか、そういうのも担えるかなとも思うんですけど、それはどういうふうに。議員がやるのはよくないとか、できないとか、何か不都合が出てくるということですか。

知事

 だから、政務活動としてやる分にはいいんじゃないですか。その党派の、一党一派の偏りを持たせながら党派活動としてやる分には、それはやったらいいと思いますけど、あくまでも委員会という、それぞれの会派も集まりながら、いわゆる府の行政体として行くときについては、行政体の事務を円滑にこなす能力が高い事務職員がいたほうが、僕は有効な視察ができるんじゃないかなと思います。突き詰めていったら、それやったらもう行かないほうがいいんじゃないですか、行かなくてもいいという話になってくるんじゃないかな。だからやっぱり中身がどうなのかというのが重要なんじゃないかなとは思います。コストのことだけ考えたら、そもそも行かないほうが、行かなかったら金かからないわけですから、そもそも行く意味はあるの、行ったことによってどういうものが得られたんですか、これは大阪府にどういうプラスがあったんですか。あるいは批判的な意見であったとしても、どういうプラスがあったんですかということが常にチェック対象になるべきじゃないかと思います。

スマートシティ戦略の推進関連について(2)

記者

 日経新聞の木下です。
 スマートシティ戦略について伺います。スマートシティを実現するためのパートナーとしてスタートアップ企業というのは非常に重要だと思うんですけれども、今回のスマートシティ戦略をスタートアップの育成支援に結びつけていくというお考えはありますか。

知事

 スタートアップについては、それはそれで僕は非常に重要な事項だと思っています。今回のスマートシティというのは、あくまでも府民の皆さんの生活の質をよくするということが前提になりますから、それに資するスタートアップ企業が参入すればそれはそうなるんでしょうけど、企業を育てるというよりは、府民の皆さんにプラスになるかどうかという目線でこのスマートシティ化というのは進めていきたいと思います。それを支える上で、新たなスタートアップ企業がどんどん生まれてくるというのが重要だと思いますし、非常にそこは関係していると思います。
 スタートアップについては、今、起業率についても大阪府は東京も超えていますし、やはりこれからの新しい産業を生み出すという意味では、スタートアップ企業を支えていく仕組みが必要だと思っています。大阪産業局で今議論していますけども、新規産業の育成、スタートアップの支援ということに力を入れてやっていこうというので今進めています。これは大阪府市共同しながらやっていくと。国でもいわゆるユニコーンを育てていこうということで、海外のメンターを投入していくエリアを指定していこうとしていますが、これには必ず手を挙げて、そして、それに選ばれるようにしていきたいと思います。大阪では「うめきた」のエリアだったり、「にしなか」のエリアであったり、非常に新たなスタートアップ企業がありますけども、それを支える、後ろから押していくアクセラレーターであったり、投資してくれるメンターであったり、そういったところのいわゆるイノベーションのエコシステムというのを構築するのが、これまでやってきていますけど、さらにこれは力を入れてやっていかないかん分野だなと思っています。
 まず、今やろうとしているのは大阪産業局が事務局になりながら、そういった関西の経済界、それから、さまざまな関係者を含めたコンソーシアムをつくって、これは秋につくりたいと思います。コンソーシアムを秋につくって、そして、そのコンソーシアムが国のスタートアップ支援エリアとして手を挙げられるような、手を挙げる仕組みのコンソーシアムをつくっていきたいと思います。
 スタートアップについては、大阪市とも当然連携しながら、大阪市が中心的なエリアになりますけど、大阪市と連携しながら大阪府市でここは強化をしていきたいと思います。実は大阪市でもスタートアップがどんどん進んでいるわけですけど、行政で見ると神戸なんかも「500 Startups」なんかとも連携しながらやっていて、大阪市はちょっと目立ってはいないんですけど、それでも非常にイノベーションハブでは、いろいろ僕もやってきましたけど、シード・アクセラレーション・プログラムであったりいろいろやってきましたけど、今もやっていますけど、そういったスタートアップの仕組みを経済の中心である大阪でその仕組みをつくっていくということは力を入れてやっていきたいと思います。
 それとスマートシティ戦略、この戦略室がつながるかといえば、連携はあるのかもしれませんが、直接ということではないのかもしれないと思っています。

記者

 国の拠点都市をとりにいくということに関しては、一つ一つの都市の梅田ぐらいのエリアというのが念頭になっていると思うんですけれども、大阪として先ほどお話に出た神戸やあるいは京都にもスタートアップの集積というのがあるわけですけれども、そういう都市間の連携については何かお考えというのはあるんでしょうか。

知事

 都市間が連携したほうが、例えば国の指定を受けやすくなるというのであれば、都市間連携はしていきたいと思います。国の指定が、今ちょっとどうなるのかがまだ定かではないので、おそらくはコンソーシアムをつくって民間で手を挙げていく、そこのバックには大阪府市がいるというような関係にはなると思うんですけど、国がどういうものを指定の対象にしていくのかというのがもう少し明確になってきた段階で、大阪のエリアが選ばれるように力を入れたいと。
 別に大阪、大阪というわけではなくて、大阪も神戸も京都もはっきり言って電車で行ったら20分か30分で行ける近いエリアですから、関西全体が僕は強くなればいいと思っていますので、別に大阪エゴがあるわけでもなくて、関西エリアが東京に対しての一つの軸になると思っていますから、そういった意味で例えば神戸、京都なんかも連携していったほうが指定が受けやすいとなればそういうやり方もあるし、あるいはそうじゃないというのであれば、大阪府市としては必ず手を挙げてとりにいく努力をするというのは確実にやりたいと思います。

記者

 ありがとうございます。

 職員

 ほかにご質問ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

記者会見で使用した資料

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府民文化部 府政情報室広報広聴課 広報グループ

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