平成24年度第1回大阪府戦略本部会議 議事概要【報告3】

更新日:2015年8月5日

報告3 原子力発電の安全性に関する提案について

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資料3−1 原発再稼働に関する八条件

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資料3−2 原子力発電の安全性に関する提案

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  【政策企画部長】
・まず、先日、4月10日の府市統合本部会議における「関西電力への株主提案」にかかる決定事項について、報告する。一部修正の上、大阪市から関電への提案とすることで決定された。府としての認識は、今回の提案にある「可及的速やかに全ての原発廃止」など46条に含まれる表現について、原発の安全性確保は大前提だが、このことが府民生活や大阪経済にどう影響するのか、現段階では、行政として整理しづらいところがある。府として、この提案は、株主である大阪市が、より多くの賛同を得るため、厳しい内容を示し、幅広く問題提起するために提案されたものと捉えたいと考えている。

※環境農林水産部より、資料に基づき説明。

【知事】
・この8条件は、私と市長の政治的メッセージとしては評価できるものだったが、大阪府の行政組織としては、そもそも条件を課す権限が与えられていないので、行政としては、あくまで提案というかたちにしたい。現状、政府は原発再稼働を決定し、立地県である福井で話し合いがされている状況。そのなかで、我々の意見が無視されるかもしれないが、原発から100km圏内にある大阪府としても、府民の健康を守るため、現実路線としては、言うべきことは言っておこうということが提案の趣旨。

【政策企画部長】
・そもそも提案の念頭においているのは、大飯原発なのか、それとも原発全般なのかという議論がある。我々としては、大飯ではなく原発一般に対して、行政としてこういった提案をしていくべきではないかという議論をしているところ。

【環境農林水産部長】
・大飯原発の再稼働については手続きが進んでいる。手続きの進め方についての議論はあるが、そのこととは別に、原発の稼働について、国民の不安がなお払拭されていないということから考えると、原子力行政は、現在は国の専管行政なので、地域主権の観点から広域行政として、ぜひ今後、こういうことを盛り込んでいただきたい、そういう認識で取りまとめたもの。

【木村副知事】
・知事がさきほど言った整理について。スケジュールが詰まってきて、国が判断をして福井県に説明した。福井県は関西の意見を踏まえて判断するという流れ。我々は広域連合の一員として、特にエネルギー部門で滋賀県とともに責任を持って提案していく立場。この夏に向けて、広域連合としては、どういうスケジュール感をもっているのか。

【環境農林水産部】
・節電について、関西広域連合においては、今月下旬から、事業者や国にも入ってもらい、節電やメッセージの出し方について検討することとしている。また、府市統合本部のエネルギー戦略会議の場で、原発が稼働しない場合に、関西電力としてどのような供給体制をとることができるかを聞くこととしている。需給環境を見極めたうえで、6月までには、一定の方向を出していきたいと考えている。

【木村副知事】
・連休前に関西電力から精緻な需給に関するデータが出てくるということか。
・第三者の委員会などで、全国の需給、融通の調整などの話が出てきて、その話を踏まえて需要地として判断して、それを踏まえてさらに立地県として判断するという報道があるが、そういう理解でよいか。

【環境農林水産部】
・立地県としての判断があるかもしれないが、大阪府においては、関西広域連合の中で議論し、エネルギー戦略会議の意見を聞いたうえで、我々として判断していく。

【木村副知事】
・去年の夏の状況を思い出すと、東京と東北では、大口の使用者への案内は5月中に検討され、6月1日に発効して、7月1日からの需要に備えた。
・国としては5月中に判断して、場合によっては法的な対応をする。そうすると、ごく短期的にも産業界に影響が出てくるという心配がある。そのあたりの見通しについてどうか。見極めはいつごろするのか。

【環境農林水産部】
・エネルギー戦略会議では、4月末に関西電力から原発が稼働しない場合の需給状況の見通しを十分聞かせていただく。今、エネルギー戦略会議では、需給調整を取り入れることによって対応できる部分があるのではないかという議論をしている。明日も午前中に会議をするが、その中で大阪大学の八田先生などのご意見を聞いて、関西電力の需給見通しを聞く前に、我々としての考えを整理したうえで、できるだけ早期に対応しようとしている状況。

【政策企画部長】
・この提案自体が厳しい内容になっているなかで、府民生活や大阪経済への影響の議論が出てくる。今の話でいうと、場合によっては原発依存度の低下というシナリオが示されるかもしれないが、国や関電から需給見通し等が示されたら、それらを検証し、エネルギー戦略会議のなかで議論したうえで、行政として、府民等にメッセージを発する、考え方を明らかにしていくということでよろしいか。

【環境農林水産部】
・今おっしゃっていただいた考え方で進めていく。

【小河副知事】
・エネルギー戦略会議で、今後、エネルギー戦略をどうしていくか、原発を全部止めるという議論ばかりが出ている気がする。他方、経済的な議論などはされているか。府庁内で、商工労働部を中心に議論しているか。そのあたりの状況をきちっと言わないといけない。今後の見通しはどうか。

【環境農林水産部】
・エネルギー戦略会議の中で、経済的にどのような影響があるかを、数値で議論したことは、今までのところない。需給調整を諸外国並みに行うことで対応できるというのが、先生方の考え。そういった対応ができるのか、また、夏までに対応できるのか、戦略本部会議で議論しながら、見極めた上で、大阪府としての考え方を発信していきたい。

【知事】
・僕は、大阪独自のエネルギーを考えていく時期だと。最短でも5年はかかる。立地県である福井県にご負担をおかけして、エネルギーを供給してもらっている。福井県知事からも、受益は大都市だという話もある。
・絶対安全が崩れている中で、大阪は原発を使わせていただいているだけでよいのか。5年、10年の話になるが、大阪でのエネルギーを考えていかないといけない。エネルギー戦略本部会議で議論していただくことになるが、広域行政の方針として、民間のみなさんに知恵を出し、大阪の電力に参入いただけるアイデアの公募を是非やりたいと思っている。今までのエネルギー供給会社以外に、エネルギーを供給しようという企業がどれだけあるか、またやるにあたって行政に何を協力してもらいたいのかを是非提案いただきたい。その準備をしてもらいたい。

【木村副知事】
・これからのエネルギー価格についての考察、エネルギーの安全保障の問題、火力に特化したときのセキュリティなど議論することがたくさんある。時間軸を整理して議論すべき。原子力の将来がかなり厳しいというのは国民の共通の理解。それに対して、行政としてしっかり責任を果たしていくために何が必要なのかを、時間軸を整理して示してほしい。

【綛山副知事】
・資料3−2の前段のように、安定、安価、安全なエネルギー社会の構築に向けて、我々は取り組むということ、これが府政の基本。
・大飯を含めて、原発を再稼働する必要性について、需要がこうだからという議論をされているが、国において、また関電自身が需要をちゃんと見極めてやるべき、というのがこの八項目。それは国の責任だが、知事がおっしゃるように、地方も今の状態ではダメ。今すぐに不足分の電力を府域内の火力が稼働で備えるわけではないので、中長期的には、我々ができる部分は我々できっちりやっていこうと。
・コスト論だけではなくて、将来的なエネルギーをどう担うのかを含めて、考えていくべきだろう、と理解しているが、それでよいか。

【環境農林水産部】
・はい。

【綛山副知事】
・その方向で、エネルギー戦略会議をやってもらいたい。今は、原発=悪といった議論となっているような気がするので、お願いする。

【総務部長】
・エネルギー戦略会議において、行政が議論したいと思うことと、実際の議論とでは、開きがあるような気がする。エネルギー戦略会議で議論できなかった場合は、戦略本部会議で行政として、大阪府としてどういうスタンスで臨んでいくのかを確認しながら、進めていただきたいと思う。

【木村副知事】
・原子力ゼロという方針を出しているが、国の総合資源エネルギー調査会においても、5月に原発比率0〜35%で3つほど選択肢を選んで、国の将来を決めようとしている。
・ゼロという選択肢を決めるにあたってどういう議論があったかが伝わってこない。それを公表してもらって、府として行政として評価する機会が必要。お願いする。

【政策企画部長】
・大阪の成長戦略にどう影響するのか、新たなエネルギー戦略との両立がかなうのか、整理をさせてもらいたいと思っている。

【環境農林水産部】
・提案の文章については、大阪市の意見を聞きながら、若干修正が入る可能性があるので、ご了承いただきたい。

【知事】
・大飯の原発再稼働時点で、免震棟など対応に2〜3年かかる部分がある。これらが整備されない間に、福島と同じ事故が起こった場合に、大阪はどうやって府民の健康を守っていくのか、避難させるのか、危機管理という視点で用意しておいてもらわないといけない。

【危機管理監】
・地域防災計画に、原子力の防災計画は盛り込まれているが、府内の京都大学等の研究用原子炉と原燃工を対象としており、若狭湾の原発は対象に入っていないので、考え方を整理しないといけない。滋賀県から提示された影響がどの程度のものか、今の基準であれば避難はいらないレベルと聞いているが、専門的な知見も踏まえて十分検討していかないといけない。

【知事】
・浄水施設も今のままでいいのかどうかも。

【危機管理監】
・特に心配しているのは水。琵琶湖に放射性物質が降下した場合にどんな影響を生じるのか、危機管理を含めた対応をしっかりしていかないといけない。

【政策企画部長】
・広域連合とも情報共有しながら、取り組んで行くということでよいか。

【木村副知事】
・もちろん。

【政策企画部長】
・原発全般に対する安全に関する提案ということで、整理をさせていただく。
・府として、時間軸も意識したエネルギー戦略や危機管理について、十分議論していただきたい。

このページの作成所属
政策企画部 企画室政策課 政策グループ

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