第123回 大阪府原子炉問題審議会 議事概要 

更新日:2020年11月13日

第123回大阪府原子炉問題審議会の概要について

 

日  時  平成29年8月29日(火)14時00分〜 15時00分

 

場  所  大阪府庁 本館5階 正庁の間

 

議  題  

(1)役員の選任について

(2)京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)で使用する燃料変更に伴う原子炉設置変更承認申請について

(3)京都大学原子炉実験所の安全性等について

(4)京都大学原子炉実験所定例報告について

(5)その他

 

出席者  審議会委員28名中22名が出席

(欠席委員:加納委員、尾崎委員、みつぎ委員、野口委員、中村委員、井口委員)

 

事務局等  大阪府、京都大学原子炉実験所、地元市町

 

 

 議事に先立ち、審議会事務局担当の居軒大阪府政策企画部戦略事業室参事から、議事進行と本審議会の役割について説明の後、委員の紹介が行われた。

 

 

議題1.役員の選任について

  

 審議会規則では副会長を2名置くことになっているが、現在の副会長は山口百合子委員(関西研究用原子炉対策民主団体協議会代表)1名なので、もう1名の副会長として前田委員(大阪府議会議員)が選任された。

 

 

議題2.京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)で使用する燃料変更に伴う原子炉設置変更承認申請について

   

 議題2に先立ち、川端所長から、挨拶と原子炉実験所陪席者の紹介が行われた。

 川端所長から配布資料に基づき、審議事項について次のとおり説明があり、承認された。

  

(説明内容)

 まず初めにこれまでの経緯についてでございますが、京都大学原子炉実験所のKUCAにつきましては、昭和49年の運転開始以来、一貫して高濃縮ウラン燃料を用いて実験研究・大学院生教育のために運転されてきました。

 一方、平成13年9月11日に起きました米国同時多発テロ以降、国際社会は新たな緊急性を持ってテロ対策を見直し、取組を強化してきました。平成21年4月には、アメリカのオバマ前大統領が核テロは地球規模の安全保障に対する最も緊急かつ最大の脅威とした上で、核セキュリティ・サミットを提唱しました。そして、近年、欧米各国等で発生しておりますテロ事案の状況から、テロリストによる高濃縮ウラン燃料の盗難や使用の脅威が日に日に増してきております中で、この数年の間、アメリカ・前オバマ政権の核セキュリティ政策の下、KUCAで使用している高濃縮ウラン燃料の米国への撤去及びKUCAの低濃縮化に関して、日米政府関係機関を含めた検討を行って参りました。

 その結果、昨年3月31日から4月1日の間に開催されました核セキュリティ・サミットにおきまして、KUCAの高濃縮ウラン燃料のアメリカへの撤去及びKUCA(燃料)の低濃縮化についての日米合意が行われた件につきましては、昨年7月の本協議会にて、ご報告申し上げたところでございます。

 その後の状況につきまして、現在のところ、日米合意された内容について、日米政府関係機関にて実施に向けた方針や計画の協議等が行われているところでございます。

 高濃縮ウラン燃料の撤去につきましては、核物質防護等の関係法令上、輸送に関しては様々な制約があるため、国土交通省、警察庁、原子力規制庁などの担当者が一堂に会した関係省庁会議にて、今後1年程度かけて議論しながら、具体的な輸送開始時期や輸送方法などを決めていくことになっております。その後、実際に輸送を実施するための準備作業期間にも1年以上かかると予想されることから、早くても燃料の撤去時期は平成32年度以降になると見込んでおります。

 また、低濃縮化につきましては、KUCAで行っている共同利用等の実験研究や人材育成を継続するうえで、現在使用中の高濃縮ウラン燃料を撤去する時期に合わせて実施する必要があります。

 配布資料の4ページのKUCA本体平面図をご覧ください。KUCA本体は遮蔽壁により4つの部分に区画されておりまして、A,B,Cの3つ架台にそれぞれ炉心がございます。そして、それらの炉心に使用される燃料にはAとBの架台用とCの架台用の2種類ございます。そのようなこともあり、実際に低濃縮化を実施するには、国による安全審査に約2年程度、その後の燃料の製造・輸送等に約2年程度とトータルで最低でも4年程度の長期間を要するものと見込んでおります。

 続きまして、「KUCAの燃料変更に伴う手続き日程表(案)」A3ヨコの配布資料5ページをご覧下さい。

 日程表の左の項目は、上から「KUCAの運転計画」「高濃縮ウラン燃料の撤去」「KUCA燃料の低濃縮化」となっております。現在、KUCAは新規制基準対応を終え、今年の6月21日から運転を再開しております。「KUCAの運転計画」の予定では、高濃縮ウラン燃料による運転期間は平成31年度末まで実線が引かれており、平成32年度以降は破線が引かれております。これにつきましては、「高濃縮ウラン燃料の撤去」の予定をご覧頂きますと、破線の期間が運転計画と同様になっているのがお分かりになるかと思います。

 つまり、高濃縮ウラン燃料の撤去は、先程ご説明させて頂いたとおり、現在、日米政府関係機関での協議中であり、また、具体的な輸送開始時期や輸送方法は、国内の関係省庁会議にて今後1年程度かけた議論が必要で、その後、実際の輸送の準備作業にも1年以上かかると予想されることから、早くても燃料の撤去時期は平成32年度以降になると見込んでおりますが、現時点でははっきりとした実施時期は確定しておりません。そのため、高濃縮ウラン燃料による運転終了時期も未定ということになっております。

 一方、「KUCA燃料の低濃縮化」の予定をご覧頂きますと、これも先程ご説明させて頂きましたが、国による安全審査期間に約2年程度、その後の燃料製造、燃料搬入にも約2年程度の期間がかかることになっておりますことから、本日程表のとおり平成32年12月末頃までに1回目の燃料が搬入された場合でも、現在使用している高濃縮ウラン燃料の撤去が例えば平成32年度の前半に実施された場合、数ヶ月間、KUCAの運転を停止せざるを得ないことになり、KUCAで行われている共同利用等の研究や人材育成に支障が生じることとなります。

 そのため、今後の予定としましては、高濃縮ウラン燃料の撤去と低濃縮化の実施がそれぞれ個別に進めることは出来ないこと、低濃縮化の実施には相当の期間が必要となることなどを踏まえると、現時点では、現在使用している高濃縮ウラン燃料の撤去時期は決まっておりませんが、当実験所としましては、KUCAの運転停止による影響を極力抑える必要があることから、早急に必要な諸手続を含めた準備を開始すべきあると考えております。

 そこで、今回、平成32年度以降にKUCAで使用する燃料の種類を高濃縮ウラン燃料から低濃縮ウラン燃料に変更するため、6ページに原子炉等規制法の該当条文の抜粋を記載しておりますが、その法律に基づき、今年度中には原子炉設置変更承認申請手続きを開始したいと考えております。

 従来から、本協議会には原子炉設置変更承認申請の手続きを開始するときには協議し、了承を得ることになっておりますので、本日、本原子炉設置変更承認申請についてのご了承を頂くようお願いいたします。

 なお、現在使用中の高濃縮ウラン燃料と新たに製造する低濃縮ウラン燃料の構造は全く変わらないため、現在のKUCAの炉心等の設備で安全上問題なく運転できることから、本設置変更承認申請に伴うKUCA原子炉本体の工事を行う必要はございません。

 

【配布資料】

  ・資料1 京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)で使用する燃料変更に伴う

         原子炉設置変更承認申請について(案)

 

 

議題3.京都大学原子炉実験所の安全性等について

 

 中島副所長から「原子炉施設の運転再開等について」について、補足説明資料(新規制基準への対応について)を中心に、京都大学研究用原子炉(KUR)と京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)の状況に関して、次のとおり説明があった。

 次いで、「他事業所で核燃料物質の点検時に発生した作業員の被ばく事故について」について、配布資料をもとに次のとおり説明があった。

 そして、最後に「KUCAスタックダストモニタのろ紙送りの不調について」、追加の配布資料をもとに次のとおり説明があった。

(対応状況の報告内容)

1.原子炉施設の運転再開等について

   (1)京都大学研究用原子炉(KUR)の状況について

   (2)京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)の状況について

 

 本実験所には最大出力5,000kWのKURと最大出力100WのKUCAの2基の原子炉がございまして、3年前から停止している状態でありましたが、KUCAにつきましては、この6月から運転を再開しており、今週も全国から原子力を専攻する学生が来て実習に使用しています。これらの原子炉について、本日初めて説明を聞かれる委員の方もいらっしゃると思いますので、補足説明資料「原子炉施設の再開について」に基づき、ご説明させて頂きます。

 まず、2ページでございますが、本実験所は1963年に設立された全国大学の共同利用研究所でありまして、いろんな実験設備がございまして、全国から研究者がそれらを利用しに来ております。その中の主要設備としてKURとKUCAがございます。

 3ページはKURの説明になっておりますが、タンク型の水を使った汎用型の原子炉で、核分裂により発生する中性子を利用するためのもので、一般研究、材料照射、放射性同位元素生産など幅広い研究が行われており、年間200件程度の共同利用研究を実施しております。初臨界は1964年で当初は1MWでの運転でしたたが、4年後に5MWに出力を上昇し、2010年からは低濃縮ウランの燃料による運転を行っております。

 4ページはKURがどのような分野に応用されているかというのをポンチ絵で説明したものとなっております。一番の目玉は医療研究として脳などのがん細胞を殺すことに役立っております。

 5ページはその医療研究の説明になっておりまして、ホウ素中性子捕捉療法、通称BNCTというもので、これはホウ素を含んだ薬剤を患者さんに注入するとその薬剤ががん細胞のところにだけ溜まる、そうするとエネルギーの低い中性子を当てるとがん細胞に取り込まれたホウ素にだけ反応し、その反応の範囲がちょうどがん細胞1個分程ということで、正常細胞は傷つけず、がん細胞だけを壊すことができます。KURが停止するまでは、年間約4060件程度のがん患者さんへの医療照射を行っていました。

 6ページからは小さい方の原子炉でKUCAの説明になっております。これは臨界集合体実験装置というもので、KURの10年度の1974年が初臨界でして、最大出力は100W、普通の研究で利用する際は1Wとかそれ以下で運転しております。装置の中には炉心が三つあり、二種類の燃料を使っていろんな実験を行っています。代表的なものとしては、次のページでございますが、原子炉だけでは未臨界長状態で核分裂の連鎖反応は起きない状態にしておいて、外の加速器からパルス上の中性子を入射しますとそこから核分裂の連鎖反応が短い間に起きます。これは寿命が何万年という高レベル廃棄物を数百年程度の短寿命のものに核変換できる研究に使われています。

 8ページにはKUCAのもう一つの特徴として、このような小さい原子炉では素手で燃料を触ることができ、自分たちで炉心を組んで自分たちで運転できるということがございまして、学生の教育にとって非常に効果が高い装置でして、それを実験教育として40年以上前から行っており、京都大学だけでなく、全国の原子力を専攻している大学院生が1週間泊り込んで行っています。現時点で韓国やスウェーデンなどの海外からの学生も含め、4,000以上の学生がここで勉強して巣立っていっています。

 9ページ以降が運転再開までの経緯の説明になりますが、3.11の福島事故後に原子力規制委員会が発足し、その翌年に試験研究炉の新規制基準が施行され、KUCAは2014年3月、KURは5月に停止しました。その後、設置変更のための申請を行いまして、その後約2年間にヒアリング、審査会合のために、100回以上、ほぼ毎週東京の原子力規制庁に通いまして、昨年の5月11日にKUCAの設置変更が承認され、KURは少し遅れ9月21日に設置変更が承認されました。これは基本的な設計に対して国が合格を出したということで、実際の運転にあたりましては、その設計を踏まえた細かい規定類の改定、現場の装置の改造などが必要になっております。それが保安規定の承認、保安規定とは実際の細かい運転のルールなどを決めるものですが、あと各種工事等の実施など、これらを今まで行ってきておりまして、国による使用前検査、それから本当に運転していいかどうかの施設定期検査を実施することになります。KUCAにつきましては、これらがすべて終了しまして、6月20日にすべての検査に合格し、その日に合格証を頂いて、翌日から運転を再開しております。KURの方は先週の8月25日にすべての検査に合格し、その日に合格証を頂いて、本日8月29日から利用運転を再開しております。医療照射の方も今週木曜日から実施される予定でございます。

 10ページにはこの新規制基準は何ですかということですが、福島事故では想定を超える事象に対して、十分な対応できなかったということで、研究炉についてもその想定を超えたときにどんなことができるか、それに対して何らかの対策をちゃんとやりなさいということが10ページの最初の項目「多量の放射性物質等を放出する事故の拡大の防止」でして、追加要求された想定(=設計基準)を超える事故の評価ということになります。それから地震・津波に対する評価が甘かったということで、いわゆる自然災害に対する評価を厳格に行わなければならないということで、KURの方は出力が比較的高いこともあり、基本的には発電炉とほぼ同じ評価を求められました。それ以外にも、テロ対策や外部の研究者等に対する事故発生時の連絡等の対策などを求められることになりました。

 11ページから12ページには実際にどんな工事を行ったかということを記載しております。その中でも大きな工事としまして、非常用電源の強化というのがございます。基本的にKURは電気が無くなっても問題はないのですが、既にバックアップ用の電源として1台あった非常用発電機に加え、もう1台の非常用発電機をKUR専用に使えるようにし、多重化を図っております。あと、火災対策や竜巻対策がございまして、外部火災対策としては、実験所の敷地内に森林というほどではないが、雑木林がございますので、そこが燃えてきたときに建屋に延焼するのではないかということで、それをちゃんと食い止めなければならないことになり、防火帯に準ずるものとして予防散水エリアを設ける対策を行っております。あと、竜巻対策ということで、大阪府下では本来そんなに大きな竜巻は来ないのですが、発電炉並みの対策が必要ということで、日本で過去に発生した最大級の風速92m毎秒の竜巻を想定しなさいということになり、そうすると300m先からワゴン車が飛んできて建屋等に当たることになります。それに対して対策をとらなければならないということで、守る必要のある施設は壁を厚くしたり、非常用発電機の冷却塔が屋外にあるため、それをネットで覆ったりなどの工事を実施しております。加えて、原子炉建屋近くの駐車場に停めている車は、竜巻警報が出たら避難させることを約束しております。

 運転再開後は、KUR及びその周辺設備を利用した共同利用研究が行われることになります。また、癌治療法の一つであるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)による医療照射については、週一回の実施を予定しております。当然ながら運転再開後につきましては、より一層気を引き閉めて、安全運転できるよう努力してまいる所存でございます。

 

2.他事業所で核燃料物質の点検時に発生した作業員の被ばく事故について

 平成29年6月6日に他事業所の研究施設で作業員が核燃料物質の入った保管容器を点検中、放射性物質が漏れて内部被ばくする事故が発生しました。このため、本実験所から熊取町他関係各所に対して、当実験所での核燃料物質の保管管理、取り扱い状況等について、法令順守のうえ、安全に行っている旨ご説明を行っております。さらには、所内においては、自主的に6月末までにすべての核燃料物質及び非密封RI(放射性同位元素)の保管状況の調査を行い、特に問題ないことを確認しております。なお、今後、原子力規制委員会からの指示があった場合には適切に対応いたします。

 

3.KUCAスタックダストモニタのろ紙送りの不調について

 KUCAの排気口から出る空気のダストの放射線をモニタするダストモニタといって、空気中の埃、粉塵を掃除機のような感じで引っ張ってきて、それをろ紙に当ててその部分の放射線を計測している設備がございまして、このろ紙は4ヶ月に1回交換するのですが、8月25日(金)の夕方にこのろ紙を交換しようとしたところ、そのろ紙がほとんど動いていなかったことがわかりました。このため、排気口から出る空気の放射性ダスト濃度が測定されていなかったことが判明しました。

 これに関する安全性についてですが、KUCAは最大熱出力が小さく年間積算出力も制限されており、運転による放射性物質の発生量はごくわずかです。6月20日から利用運転を再開していますが、この期間に高出力の運転をして、放射性物質が異常に発生するような事象は発生していません。また、このスタックの上流側の炉室及び燃料室に別途ダストモニタを設置しておりますが、これらのモニタは正常に作動しており、指示値もバックグランドレベルで異常は見られていません。これらのことから、4月25日以降の期間において、排気口から放出される空気中の放射性ダスト濃度に異常はなかったと推定される。

 なぜこのようなことが起こってしまったかにつきましては、8月25日にろ紙を再度セッティングしたところ、ろ紙が順調に送られていることを確認できたことから、ろ紙のセット方法に問題があったのではないかと考えられますが、今後しっかり対応させて頂きます。

 本事象については8月25日(金)17時頃の発見直後に所内の関係者に報告が行われ、同日18時頃に熊取原子力規制事務所(OFC)に概要を報告いたしました。8月28日(月)9時頃に、担当者がOFCにおいて本事象に関する説明を行いまして、10時頃OFCの検査官が現場の確認を行っております。

 なお、本ダストモニタは、京都大学原子炉実験所原子炉施設保安規定第123条で常にその機能を正常に維持しなければならないことが定めされておりまして、本事象はその条項に抵触すると考えられるため、最終的には原子力規制庁の判断になりますが、そこで保安規定違反になる可能性もございますことから、この場でご報告させて頂きました。

 

【配付資料】

  ・資料2 京都大学原子炉実験所の安全性等について

  ・補足説明資料 原子炉施設の運転再開について

  ・KUCAスタックダストモニタのろ紙送りの不調について(追加資料)

 

[説明(川端所長)]

 最後の件につきましては、お詫び申し上げます。実際には我々としましては安全上は全く問題ないと考えております。二重にチェックしているうちの下流側の方ですし、実際そのフィルター自身はそのままずっと同じ位置にいたわけで、見れていないわけではないということであります。ただ、安全上の約束が守られていないことが起こってしまったということは、組織としてもう一度このようなことが起こらないようにどのようにすれば対応できるかしっかりやっていきたいと考えております。

 

[発言(辻会長)]

 最後の話はもう少し詳しく聞きたいことや強くお願いしたいことがあります。ろ紙をセットした際にちゃんと動いていることを確認しなかったのか、それとも1日程度は動いていたということか。

 

[説明(中島副所長)]

 今のところちゃんと確認できていなかったと言うのが正しいかと思いますが、ろ紙の動くスピードがすごく遅くて、ろ紙自体は外から空気が入らないように箱の中に入っているため、セットした後に箱を開けてみれば確認できたとは思いますが、それを怠っていたということだと思います。

 

[発言(辻会長)]

 そうであれば、今後はそういうことをちゃんとチェックすると言って頂かないといけないし、同じようなことが他にもないかということを確認して、他にはありませんとか、他にもあるのでれば、それについてもちゃんとチェックしますとかということを言ってもらわないといけないと思う。

 

[説明(中島副所長)]

 そのご指摘はごもっともでございまして、今回は第1報ということで、追加資料の裏側に再発防止策のための点検項目の見直し等を行うとの記載がございまして、具体的にはろ紙をセットした後、時間を置いてから動いているかを確認することなどを行う予定でございますが、まだ正式には再発防止策等は検討中でございまして、金曜日に発生したということで十分な対応ができず、申し訳ございませんでした。

 

[発言(辻会長)]

 本件の今後の報告については、私の方で受けさせてもらうことでよろしいでしょうか。

 

[発言(藤原龍男委員)]

 本件、発生が8月25日、事務が報告を受けたのが8月28日、私がその報告を受けたのが8月29日である。こういったことは間髪入れずに関係の自治体にはすぐに報告するような体制をこの際やっておいて頂きたい。もし重大な事故などの場合、マスコミから情報を得るようではいけないし、ちょっと長い時間が経って、地域の連携が薄まっているようにも思いますので、市長としては丁寧にやって頂くことをこの場を借りて正式に申し入れたい。

 

[説明(中島副所長)]

 非常に重い言葉として受け止めて、今後しっかりやっていきたいと思います。失礼いたしました。

 

 

議題4.京都大学原子炉実験所定例報告について

   

 各担当者から、配付資料に基づき、原子炉の運転状況、平成29年度の共同利用研究等の採択状況、環境放射能の測定結果等について、事項ごとに次のとおり説明があった。

 

(報告内容)

(イ)堀研究炉部長から、配布資料の「京都大学原子炉実験所の現状報告書(定例報告)」をもとに、次のことについて説明が行われた。

 (1)報告対象期間(平成28年6月〜平成29年5月)におけるKUR・KUCAの運転状況、役割等のこと。

 (2)KUR・KUCAは現在施設定期検査期間中のため運転を停止しており、この期間中に新規制基準に伴う適合確認を受けていること、その後、各種工事及び自主検査を実施していること。

 (3)平成29年度の共同利用研究及び研究会の採択状況のこと。

(ロ)高橋放射線管理部長から、配布資料の「京都大学原子炉実験所の現状報告書(定例報告)」をもとに、京都大学原子炉実験所における環境放射能測定報告(平成28年4月〜平成29年3月)に関し、次のとおり説明が行われた。

 (1)実験所では、原子炉施設の排水口及び排気口から放出される放射能の量や濃度及び敷地境界での線量評価の結果について、6ヶ月に1回、監督官庁である原子力規制委員会へ報告していること。

 (2)これらに加えて、実験所と熊取町、泉佐野市及び貝塚市との間で締結している安全協定に基づき、実験所の周辺地域での放射線の積算線量を測定していること及び実験所周辺の環境試料に含まれる放射能の濃度を年2回測定していること。また、重水熱中性子実験設備からの重水漏洩に起因するトリチウム濃度についても排水中の濃度限度を超えることはなかったこと。

 (3)実験所では、自然に存在する放射性物質だけでなく、それよりもはるかに低い濃度の人工の放射性物質もその核種毎に分けて測定していること。このような核種別測定の結果を一覧表にしており、原子炉施設からの新たな放出と思われる核種が検出されたり、放射能の量や濃度が増加しているようなことはないこと。また、実験所外の周辺9カ所における放射線の積算線量についても、自然放射線によるバックグラウンドレベルを示していること。

 (4)環境試料中のうち、土壌や底質については、全国的にも検出されている核実験による放射性物質以外に原子炉の運転に由来すると思われる人工の放射性物質は検出されていないこと。また、野菜等の植物については、自然に存在する放射性物質しか検出されておらず、その濃度の変動も全国的な調査で明らかになっている変動の範囲内であること。

 (5)実験所周辺の環境中における放射能及び放射線は、自然放射能及び自然放射線のレベルであり、一般住民の方々にご心配をおかけするようなレベルではないこと。

 

【配布資料】

  ・京都大学原子炉実験所の現状報告書(定例報告)

 

[発言(坂上委員)]

 現状報告書に記載している共同利用にはKURやKUCAが停止している状態でもできる研究が一定程度含まれているのでしょうか。

 

[説明(川端所長)]

 我々のところには大きな装置としてはその二つ(KUR、KUCA)がございますが、それ以外にも中型、小型の装置がいろいろございまして、例えば電子線型加速器やコバルト60ガンマ線照射装置などは利用が盛んになりました。原子炉が停止して研究成果が出ないことになれば、研究所の評価が下がるのではと利用者が心配してくださって、特に余計に応援のために使いに来ることがございましたので、実際に利用件数は若干は減りましたが、それほど大きな変化はございませんでした。

 

 

議題5.その他について

   

 特に発言はなかった。

 

以上

このページの作成所属
政策企画部 企画室連携課 連携グループ

ここまで本文です。


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