河川の類型指定について

更新日:2023年9月21日

 河川の水質環境基準については、環境基本法に基づき、人の健康の保護と生活環境の保全に関する環境基準が定められています。
 このうち、生活環境の保全に関する環境基準は、水域の利用目的に対応して、生物化学的酸素要求量(BOD)等と水生生物の保全に関する項目ごとに複数の類型が設けられています。知事は、これらのいずれかの類型を当てはめ、水域の類型を指定(県際水域は国が指定)することとなっています。
 BOD等の環境基準には、AAからEまでの6種類の類型が設けられ、AA類型は最も厳しい環境基準が適用されます。

お知らせ

 「河川水環境基準に係る類型指定について」(令和5年1月20日)
 今回の指定では、生活環境の保全等に関する項目(BOD等5項目等)について、近年水質が向上している16河川水域の類型を上位の類型に見直しており、最も下位のE類型の指定河川がなくなりました。

河川水域の類型指定の状況

  府域の河川については、下表のとおり、BOD等については82河川水域、水生生物項目については74河川水域について類型指定を行っています。

河川水域の類型指定の状況 

水 系水域範  囲該当類型及び達成期間

BOD等5項目

水生生物項目

淀川水系

淀川下流(1)(京都府界から長柄堰まで)

B・ハ

生物B・イ

淀川下流(2)(長柄堰より下流)

C・イ

船橋川(全域)

B・イ

生物B・イ

穂谷川(全域)

B・イ

生物B・イ

檜尾川(全域)

A・イ

生物B・イ

天野川(奈良県界より下流)

B・イ

生物B・イ

芥川(1)(京都府界から塚脇橋まで)

AA・イ

生物A・イ

芥川(2)(塚脇橋より下流)

A・イ

生物B・イ

水無瀬川(全域)

A・イ

生物A・イ

神崎川水系

神崎川(安威川、猪名川を除く神崎川)

B・ロ

生物B・イ

天竺川(全域)

B・イ

生物B・イ

安威川上流(安威川ダム流出端より上流)

A・イ

生物A・イ

安威川下流(1)(安威川ダム流出端から茨木川合流点まで)

A・イ

生物A・イ

安威川下流(2)(茨木川合流点から大正川合流点まで)

A・イ

生物B・イ

安威川下流(3)(大正川合流点より下流)

B・イ

生物B・イ

佐保川及び茨木川(全域)

A・イ

生物B・イ

大正川(全域)

A・イ

生物B・イ

勝尾寺川(全域)

A・イ

生物B・イ

猪名川上流(箕面川合流点より上流)

A・イ

生物B・イ

猪名川下流(2)(藻川分岐点から藻川合流点まで)

D・イ

箕面川(1)(箕面市取水口より上流)

AA・イ

生物A・イ

箕面川(2)(箕面市取水口から兵庫県界まで)

A・イ

生物B・イ

余野川(全域)

A・イ

生物A・イ

千里川

(全域)

A・イ

生物B・イ

田尻川(兵庫県界より上流)

A・イ

生物A・イ

一庫・大路次川(京都府界から兵庫県界まで)

A・イ

生物A・イ

山辺川

(全域)

A・イ

生物A・イ

寝屋川水系寝屋川(1)(住道大橋より上流)

B・イ

生物B・ロ

寝屋川(2)(住道大橋より下流)

C・ロ

生物B・ロ

恩智川(全域)

C・イ

生物B・イ

古川(全域)

C・ロ

生物B・ハ

第二寝屋川(全域)

D・イ

平野川分水路(全域)

C・イ

生物B・ハ

平野川(全域)

C・イ

生物B・ハ

大阪市内河川

大川(大川全域及び城北川全域)

B・イ

生物B・イ

堂島川(全域)

B・イ

生物B・イ

土佐堀川(全域)

B・イ

生物B・イ

道頓堀川(全域)

B・イ

生物B・イ

正蓮寺川(全域)

B・イ

生物B・イ

六軒家川(全域)

B・イ

生物B・イ

安治川(全域)

B・イ

生物B・イ

尻無川(全域)

B・イ

生物B・イ

木津川(全域)

B・イ

生物B・イ

木津川運河(全域)

B・イ

生物B・イ

住吉川(全域)

B・ロ

生物B・イ

東横堀川(全域)

B・イ

生物B・イ

大和川水系石川(全域)

A・イ

生物B・イ

千早川(全域)

A・イ

生物B・イ

天見川(全域)

A・イ

生物B・イ

石見川(全域)

AA・イ

生物A・イ

飛鳥川(全域)

C・イ

生物B・イ

梅川(全域)

A・イ

生物B・イ

佐備川(全域)

B・イ

生物B・イ

大和川中流(桜井市初瀬取入口から浅香山まで)

C・ハ

生物B・イ

大和川下流(浅香山より下流)

D・ハ

東除川(全域)

C・イ

生物B・ロ

西除川(1)(狭山池流出端より上流)

B・イ

生物B・イ

西除川(2)(狭山池流出端より下流)

C・イ

生物B・ハ

泉州諸河川石津川(全域)

B・イ

生物B・ロ

和田川(全域)

B・イ

生物B・イ

大津川上流(泉大津市高津取水口より上流)

B・ロ

生物B・イ

大津川下流(泉大津市高津取水口より下流)

C・イ

生物B・イ

牛滝川(全域)

A・イ

生物B・イ

松尾川(全域)

B・ハ

生物B・イ

槇尾川(全域)

B・イ

生物B・イ

父鬼川(全域)

A・イ

生物B・イ

春木川(全域)

C・イ

生物B・ロ

津田川(全域)

D・イ

近木川上流(秬谷川合流点より上流)

B・イ

生物B・イ

近木川下流(秬谷川合流点より下流)

D・イ

見出川(全域)

D・ロ

佐野川(全域)

D・イ

樫井川上流(兎田橋より上流)

B・イ

生物B・イ

樫井川下流(兎田橋より下流)

C・イ

生物B・ロ

男里川(全域)

A・イ

生物B・ロ

金熊寺川(全域)

A・イ

生物B・イ

菟砥川(全域)

A・イ

生物B・イ

山中川(全域)

A・イ

生物B・イ

番川(全域)

A・イ

生物B・イ

大川(全域)

A・イ

生物B・イ

東川(全域)

A・イ

生物B・イ

西川(全域)

A・イ

生物B・イ

※令和5年度から安威川ダムが供用されることなどから、安威川における水域の範囲を下記のとおり改正した。

水域

今回改正分

改正前

安威川上流安威川ダム流出端より上流茨木市取水口より上流
安威川下流(1)安威川ダム流出端から茨木川合流点まで茨木市取水口から大正川合流点まで  
安威川下流(2)茨木川合流点から大正川合流点まで
安威川下流(3)(改正なし)大正川合流点より下流

(注)

  1. 上記の類型指定は令和5年1月20日現在。
  2. 「−」は類型指定がされていないことを表す。
  3. 達成期間は以下のとおり。
      イ : 直ちに達成
      ロ : 5年以内に可及的速やかに達成
      ハ : 5年を超える期間で可及的速やかに達成
  4. 水生生物項目の類型に対応する河川水域名及び範囲は、淀川、猪名川、大和川については以下のとおり。
     ・淀川(全域)
     ・猪名川(2)(ゴルフ橋より下流)
     ・大和川(全域)

AA類型の河川水域

○芥川(1)
 北摂地域を代表する渓谷美で知られる摂津峡周辺では、高槻市の風致公園である「摂津峡公園」において、四季折々の自然の美しさを楽しむための渓谷沿いのハイキングコースなどが整備されている。また、市街地においても水遊びや水生生物観察活動などが行われており、親水利用も盛んである。         
 ・高槻市ホームページ(摂津峡公園)(外部サイト)  
 ・公益社団法人高槻市観光協会(摂津峡)(外部サイト)

○箕面川(1)
 箕面市取水口より上流では、明治の森箕面国定公園及び大阪府営箕面公園において、箕面の滝を訪れる多くの観光客に親しまれているなど、自然探勝の場としての利用がなされている。 
 ・箕面市観光ガイド(箕面・滝道エリア)(外部サイト)
 
○石見川
 石見川上流において自然の美しさを楽しむためのハイキングコースが整備されているなど、自然探勝の場としての利用がなされている。
 ・河内長野市観光協会 (観光モデルコース)(外部サイト)
 ※「歴史と花コース」に石見川周辺のハイキングマップが掲載されています。  

AA類型の河川水域
芥川(摂津峡)の写真箕面川(箕面市取水口)石見川(上流の様子)
芥川(摂津峡) 箕面川(上流の様子) 石見川(上流の様子)

 

類型見直しの経過

最近の見直し(令和5年1月)

 大阪府では、最近の河川水質の状況等をもとに、令和5年1月20日に指定類型の見直しを行いました。
 新しい類型に基づく評価は令和4年度から行います。

見直しの経緯

 大阪府においては、平成29年に河川水質環境基準に係る類型指定の見直しを実施しました。見直した類型に基づく評価を平成29年度に開始してから6年が経過しており、より一層の水質保全を図るため、水域の利用目的や水質汚濁の状況等の変化を踏まえて、適切な見直しを行う必要があることから、令和4年6月8日に大阪府環境審議会に「河川水質環境基準に係る類型指定について」諮問しました。
河川水質環境基準に係る類型指定(諮問) [PDFファイル/65KB]

 大阪府環境審議会では、専門的見地から審議を行うため、水質部会を設置して検討を行ってきました。

 審議経過

 会議

開催日等

審議事項

令和4年度 第1回  環境審議会

令和4年6月8日

○ 河川水質環境基準に係る類型指定について(諮問)

令和4年度 第2回  水質部会

令和4年6月20日

○ 府内河川の状況について
○ 類型指定の基本的な考え方について

令和4年度 第3回  水質部会

令和4年8月29日

○ 河川水質環境基準に係る類型指定改定案について

令和4年9月14日から令和4年10月13日まで

「河川水質環境基準に係る類型指定改定(案)」に対する府民意見等の募集(意見2件)

令和4年度 第4回  水質部会

令和4年11月7日

○ 府民意見等の募集結果について
○河川水質環境基準に係る類型指定について(報告案)

令和4年度 第2回  環境審議会

令和4年12月16日

○ 水質部会からの報告
  河川水質の環境基準に係る類型指定について(答申)


        
 令和4年12月16日に開催されました令和4年度第2回大阪府環境審議会において、同部会からの類型指定(案)報告があり、審議会として答申がまとめられました。
河川水質環境基準に係る類型指定(答申)[PDFファイル/17KB]

類型指定の基本的な考え方(河川水質環境基準に係る類型指定(答申)の抜粋)

  • 府内の河川水域の利用の状況及び水質等の状況を踏まえ、次の(1)(2)の基本的な考え方に基づいて今回の見直しの検討を行った。
  • 基本的な考え方に沿って、府内の全ての河川水域を対象に、新規指定及び上位類型への改定を検討すべき河川水域を抽出した。
1 BOD等5項目に係る類型指定

(1)着眼する項目:河川の代表的な汚濁指標であるBODの状況に主眼を置く。
(2)各水系で目指すべき類型:各水系の特性を考慮し次のとおり設定する。

 
各水系で目指すべき類型

 水系

目指すべき類型

淀川水系

B類型以上

神埼川水系

神埼川の支川

B類型以上

猪名川上流の支川

A類型(全て指定済)

寝屋川水系

C類型以上

大阪市内河川

B類型

大和川水系

石川とその支川

B類型以上

西除川、東除川

C類型以上

泉州諸河川樫井川以北の河川

B類型以上(上流部および支川)
C類型以上(下流部)

男里川以南の河川A類型(全て指定済)


(3)各河川水域の類型の検討方針:

  • 当該水系の「目指すべき類型」に合致していない水域について、 近年の水質状況等を考慮し、「目指すべき類型」への改定に向け、上位類型への改定や達成期間の見直しを検討する。特に、D・E類型については、近年の水質状況を考慮し、できるだけ、上位類型への改定や達成期間の見直しを検討する。
     
  • 当該水系の「目指すべき類型」に合致している水域については、近年の水質状況等を考慮し、各河川の利用目的を鑑みて良好な水質を維持する観点から、上位類型に改定することが望ましいと考えられる水域については、上位類型に改定することを検討する。
     
  • 新規の類型指定については、流路延長5km、流域面積10km2以上もしくはそれと同等と考えられる河川を基本とし、利用目的や水質の現況、発生源の状況、将来の開発予定などを考慮して検討する。
2 水生生物の保全に関する3項目に係る類型指定


(1)冷水性の魚種や府域で絶滅が危惧される魚種が生息している可能性のある水域については、以下の条件を総合的に考慮し、「生物A」に指定する。

  • 上流域が山間部であるなど、自然が豊かな流域を持つこと。
  • BODがA類型の環境基準に十分に適合していること。
  • 冷水性の魚種やカジカ、アジメドジョウなど希少種の生息する可能性があると考えられること。
  • 冷水性の魚種についての漁業権が設定されていること。

(2) (1)以外の水域で、BOD等5項目に係る指定類型がC類型以上となる水域を「生物B」に指定する。

これまでの類型見直しの経過

指定・改正日等

概   要

昭和45年9月1日

国が淀川・大和川水系主要河川(20河川・26水域)を類型指定【閣議決定】
(その後、淀川、神崎川、猪名川、大和川を除く16河川は府に移管)

昭和48年3月16日

府が泉州の主要河川(20河川・23水域)を類型指定【府告示第390号】

昭和50年10月8日

府が淀川・大和川の支川(13河川・16水域)を類型指定【府告示第1427号】

昭和53年4月10日

府が十三間堀川(河川形態喪失、1河川・1水域)の類型指定解除【府公告第67号】

平成4年2月26日

府が9河川・9水域を類型指定、11水域(安威川下流(2)及び大阪市内河川10水域)の類型を改正、1水域の指定範囲を変更(大川→大川及び城北川)【府告示第209号】

平成13年3月30日

国が神崎川、猪名川のうちの2水域の類型を改正【環境省告示第17号】

平成14年6月18日

府が9水域の類型を改正【府公告第112号】

平成15年3月27日

国が淀川水域のうち1水域を類型改正【環境省告示第36号】

平成15年5月16日

府が7河川・7水域を類型指定、13水域の類型を改正【府公告第50号】

平成18年6月30日

国が大和川全域を生物Bに指定【環境省告示第93号】

平成21年3月31日

国が猪名川上流をB類型からA類型に改正【環境省告示第14号】

平成21年6月30日

府がBOD等5項目について15河川・17水域の類型を改正、指定水域数を1水域増加(寝屋川→寝屋川(1)、寝屋川(2))。水生生物保全項目について54河川・59水域で類型を指定【府公告第118号】

平成21年11月30日

国が淀川全域、神崎川、猪名川(ゴルフ橋(虫生地点)より下流)を生物Bに指定【環境省告示第80号】

平成29年1月27日

府が1河川1水域を新規に類型指定。8水域の類型を改正。2水域の類型範囲を統合(安威川下流(1)、安威川下流(2)→安威川下流(1)・(2)) 【府公告第7号】

令和5年1月20日

府がBOD等5項目について16河川・16水域の類型を改正。水生生物保全項目について8河川・8水域で類型を指定。安威川の類型範囲を変更。【府公告第5号】

 

このページの作成所属
環境農林水産部 環境管理室環境保全課 環境計画グループ

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