その他の媒介蚊対策について

更新日:2023年12月14日

デング熱等の媒介蚊対策について

 デング熱やジカウイルス感染症は、ウイルスに感染した患者を蚊が吸血すると、蚊の体内でウイルスが増え、その蚊が他者を吸血することで感染します。
 平成26年8月に国内感染したデング熱患者が約70年ぶりに報告されたのを受けて、厚生労働省は平成27年4月に「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針」を策定し、デング熱等の蚊媒介感染症の対応と対策について示しました。この指針には、平常時及び感染症発生時における対策を適切に実施するために、国や地方公共団体等が連携して取り組むべき施策について示されています。
 これを受けて大阪府は、平常時の媒介蚊防除対策及び国内発生時の推定感染地における蚊の駆除等の対応、ならびに住民への蚊媒介感染症に関する知識の普及啓発について、府内の市町村と連携を図り、デング熱等の蚊が媒介する感染症の発生や拡大を防止するための取り組みを進めています。
 また、デング熱等の蚊が媒介する感染症が発生した際、感染症法に基づき指定した区域の管理者及び指定区域を管轄する市町村から府に対し協力要請があった場合や、大阪府自らが蚊の駆除等を実施する場合に、緊急的な蚊の駆除等に関する協力を要請できるように、一般社団法人大阪府ペストコントロール協会と「蚊が媒介する感染症発生時における蚊の駆除業務等の協力に関する協定」を締結し、関係機関との連携を図っています。

ウエストナイル熱媒介蚊対策シミュレーション(平成18年度、平成19年度実施)

 ウエストナイル熱は、野鳥の体内で増えたウイルスが蚊を媒介して人に感染する感染症(人→人、人→蚊→人の感染はありません。)です。
 このことから、ウエストナイル熱ウイルスの感染拡大を防止するための対策としては、「野鳥」と「媒介する蚊」がターゲットとなりますが、野鳥や成虫としての蚊への対策は現実的ではなく、「蚊の幼虫(ボウフラ)」対策と、蚊に刺されないようにする個々人としての対策が重要となります。
 従来は、伝染病予防法に規定され、各市町村に配置されていた防疫吏員並びに防疫班(消毒班)が蚊等の伝染病を媒介する昆虫への対策や病原菌の消毒を行っていましたが、同法の改正・廃止(現在は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」)により、各市町村における防疫班等は減少し、約68%(平成28年度2月時点)の市町村(中核市、政令市を除く)で存在しない状況となっています。
 大阪府では、ウエストナイル熱発生時において、防疫班がない市町村においても対応が出来るよう、平成18年度、平成19年度にウエストナイル熱媒介蚊対策シミュレーションを実施しました。
 
【事業の概要】

 ○事業の位置づけ等
 
 今回のシミュレーションは、ウエストナイル熱ウイルスが日本に侵入した場合を想定し、防疫班(公共域の消毒等を行う専門の職員で構成する班)がない市町村において、蚊(衛生害虫)防除の専門家と市町村職員が一組となり、防除薬剤も散布機材が不要な錠剤を使用するなど、防除経験がない者でも対応できる方法で実施しました。
 また、薬剤も環境への影響が小さい幼若ホルモン剤(ボウフラが成虫にならないようにする薬剤で、ボウフラの殺虫はしない)を使用するとともに、地元自治会の方々にも協力をお願いし、敷地内の蚊の発生源の除去やマスへの薬剤投入も同時期に行っていただきました。
 なお、効果判定を行うため、シミュレーション前後で蚊の捕集(CDCライトトラップ+ドライアイス)も行いました。           

○事業の目的
 
・ ウエストナイル熱ウイルス媒介蚊対策として、蚊の防除についての専任の駆除体制を持たない市町に    CDCライトトラップ
 おいて、実施可能な対策を実践する。
・ また、府民の協力を得ることにより、より効果的な対策を実践する。
・ 蚊の捕集による効果判定を併せて行う。

○事業の内容
 
・ 自治会員による、敷地内の蚊の発生源の除去及びマスへの薬剤を投入する。
・ 対象区域内の雨水マスのマップを作成する。
・ 市職員1名と防除専門家1名を一組とし、対象自治会区域内の道路側溝のマスへ薬剤の投入及び
  ボウフラの一部採集を行う。
・ 事業実施前後(後は約1ヶ月間)にCDCライトトラップによる蚊の捕集を行い、効果判定を実施する。 

○事業の実施機関・協力機関
 
  実施機関 : 対象区域の市町及び大阪府保健所、大阪府立公衆衛生研究所、
           大阪府健康医療部環境衛生課
  協力機関 : 対象区域の各自治会、(社)大阪府ペストコントロール協会、(財)大阪防疫協会
           アース・バイオケミカル(株)、(株)葯信社
 
○事業の実施状況等

(1)平成18年度(平成18年8月28日から) 
 泉南市での実施状況及び結果(国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)へのリンク)
(2)平成19年度
(平成19年7月27日から)
 高石市での実施状況及び結果(国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)へのリンク)
(平成19年8月3日から)
 田尻町での実施状況及び結果(国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)へのリンク)

  


このページの作成所属
健康医療部 生活衛生室環境衛生課 生活衛生グループ

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