動き(プログラムの流れ) | ポイント | |
1)2人ペアを2つ合体して、4人グループを作ってください。前に向かって、机が縦になるように配置してください。ホワイトボードに、机の配置の仕方を書いてありますから、それを参考にして下さい。 2)4人グループの中で、自己紹介をしてください。 1.名前、2.所属、3.運動会の思い出を1つ、紹介してください。1人1分以内で簡潔にお願いします。 3)4分経ちました。自己紹介が終わったら、1人1役の役割を決めてください。時間は2分です。 ・役割は、司会、記録、報告、盛り上げ役です。5人グループのところは、盛り上げ役を2人決めてください。 ・盛り上げ役の方は、しっかりうなずいて話の聴き役になったり、あえて異なる立場から意見を言ってみたりして、話し合いを活性化させてください。 ・記録は記録係の方がしますから、他の方はメモなどはとらずに、話し合いに集中してください。 |
●自己紹介は、3つ程度テーマを決めておく。ここで時間を取ると、グループ討議の時間が取れなくなるので、1人1分以内で簡潔に行う。 |
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(3分) ◎ワークシート1、2を配付する。 5)まず、ワークシート1を読んでください。 | ●ワークシート2は模造紙にまとめる前にグループでの話し合いを記録するために使います。 |
6)はじめに、今日のねらいを説明しましたが、運動会種目の中には、個人種目、リレー種目、学級対抗種目、集団演技など、さまざまな形態があります。そして、今日テーマにする徒競走は、運動会種目の中でも、子どもたち一人ひとりの走力の差が明らかになる個人種目、つまり「能力の差」が明らかになる種目です。そのため、このワークシートのAからDの小学校では、さまざまな工夫をしてきたのです。しかし、それが、本当に平等なのか、公平と言えるのか、議論のあるところだと思います。今から、4つの案を読みます。 (7分) では、AからDの4つの案について、“自分がこの小学校の先生だったらどの意見に賛成するか”、一人ひとりで考えてみましょう。良いと思う案から順番に、ワークシート1の個人の欄に、1番、2番と記入してください。 (5分)7)司会の方を中心に、グループで意見を交換してください。自分のワークシート1を見せながら、なぜその順番にしたのか、他のメンバーに説明してください。 | ●アクティビティの目的を明確にするために、ねらいを再確認してから討議に入る。 |
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(15分) 模造紙を作成しながら、最終的にグループとして、どの案を推薦するか、上位2つを決めて、ワークシート1のグループの欄に、1番、2番と記載してください。模造紙やワークシートへの記録は、記録係さんお願いします。 ◎模造紙1枚とマーカーをグループに配る | |
(5分) ・上位2つをどれにしたのか発表します。 | ●ファシリテーターからのコメントは、後でまとめて行う。さまざまな意見が出てくるが、すべて模造紙などに記録しておく。それも含めて、最後のまとめで活用する。 |
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ありがとうございました。いろいろな意見が出ましたね。4つの小学校の徒競走の実施方法には、皆さんから発表していただいたとおり、それぞれに、良い点と悪い点があります。論点は以下の2点、1「能力の差」は差別か?(能力の差があることが差別なのか?)2特別措置とは、何のためにあるのか? の2つにまとめられます。 まず、1について、能力の差があることは差別ではありません。人にはさまざまな能力があります。徒競走における順位は、その中の走力という能力に関する個々人の力の差です。それ自身は個性のひとつであって、差別ではありません。ですから、「競争で順位を付けないこと」や「一緒に並んでゴールする」というようなことは、「差別をしない」という目的には当てはまらないのです。 次に2について説明します。「特別措置」という言葉の本当の意味を確認しておきましょう。資料2を見てください。(資料2を読む) 国際的な条約においても、特別措置とは、集団間の実態的差別を改善し事実上の平等を促進するためにとられるもので、この場合の特別な措置は差別ではない、とされています。集団間とは、人種や性別、障がいの有無などをさします。 平等には、「機会の平等」と「結果の平等」の2つの概念があります。「機会の平等」とは、徒競走に当てはめると、誰もがスタートラインを同じくすることを意味します。そのためか、「結果の平等」も、ゴールラインを同じくすることであるかのように誤解されがちです。しかし、「結果の平等」とは、特別措置について説明した「集団間の実態的差別を改善し、事実上の平等を促進すること」であり、「個人の能力差をなくすこと」や「個人の能力差を見えなくすること」ではないのです。 | ●ファシリテーターは、あらかじめ論文を参考に読んでおくとよい。 ●さまざまな意見が出てくるが、左記の2つの論点を軸に位置づけて考えよう。 |
では、ABCDそれぞれの案について、コメントしておきましょう。 A案は、走力に順位を付け、更にリボンというごほうびを与えることで、子どもたちの意欲を引きだそうとしています。しかし、競争で意欲を引きだす方法は、勝てる可能性のある子には効果がありますが、可能性の低い子の意欲を低減させる場合があります。 B案は、一人ひとりの能力の伸長を尊重すべき、能力よりも努力こそを評価すべきという考え方に基づいています。しかし、努力をどのように測定するのかは難しいところです。 C案は、スキーのレベル別トレーニングをイメージするとよいかもしれません。しかし、走力という能力差によっていじめや差別が起こるような雰囲気の中では難しいかもしれません。 D案は、ゴールラインを等しくするための工夫です。しかし、これは、いわゆる「特別措置」には当てはまらないし、平等を促進するものとはいえないと思います。 さて、学校には多様な子どもたちが通っています。その具体的な現実の中で、先生たちは教育活動をおこなっておられます。最後に、ひとつ皆さんに知恵を絞っていただいて、今日の学習を終わりたいと思います。 | ●参加者からの意見は、できるだけホワイトボードか模造紙などに記録して、あとでコメントをいう時に左記を基本にしながら活用しよう。 |
このページの作成所属
府民文化部 人権局人権企画課 教育・啓発グループ
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