このたび、ふぐによる食中毒が発生しましたのでお知らせします。
ふぐを安全に食べるには、専門的な知識と技術が必要です。釣ったふぐを持ち帰って調理することは絶対にやめてください。
1 経過
○令和5年7月6日(木曜日)
17時頃、大阪府内の医療機関から岸和田保健所に「自身で釣ったふぐを食べたところ、手足がしびれてきたという患者が来院予定である。」との連絡があった。
当該患者は当日の早朝に釣りに行き、釣ったふぐを持ち帰り、自らふぐをそのまま煮込み喫食した。その後、口の中の違和感、ふらつき、手足及び口のしびれ等の症状を呈し、救急搬送された。
○令和5年7月7日(金曜日)
調査の結果、患者の尿及び血液からふぐ毒であるテトロドトキシンが検出されたこと、症状がふぐ毒による食中毒の症状と一致しており、診察した医師からふぐを喫食したことによる食中毒との届出があったことから、ふぐを原因とした食中毒と断定した。
なお、患者は現在入院中であるが、回復傾向にある。
2 発生状況
(1)喫食日時:令和5年7月6日 12時頃
(2)発症日時:令和5年7月6日 13時30分頃
(3)発生場所:患者自宅
(4)患者数:1名(男性70代)
(5)主症状:手足及び口のしびれ、ふらつき、倦怠感、嘔吐
(6)原因食品:ふぐ(詳しい種類は不明)
(7)病因物質:テトロドトキシン
3 ふぐによる食中毒について
○ふぐ毒について
ふぐ毒の主成分であるテトロドトキシンは熱に強いため通常の加熱調理では毒性はなくなりません。ふぐの内臓、特に肝臓や卵巣には高濃度のふぐ毒が蓄積されており、ふぐの種類によっては筋肉や皮にもふぐ毒が含まれています。
○中毒症状等
食後30分から5時間で発症します。唇や舌、手足のしびれに始まり、次いで頭痛、嘔吐、運動及び知覚の麻痺、症状が進むと血圧低下や呼吸困難が見られ、最悪の場合、死に至ることがあります。確実な治療法や解毒剤はなく、対症療法しかありません。
4 府民のみなさまへ
ふぐによる食中毒は毎年全国で発生し、昨年度には死者も出ています。ふぐによる食中毒の約8割は家庭等で発生しており、そのほとんどが釣ったり、もらったりしたふぐを調理したことが原因です。ふぐを自ら調理することは大変危険ですので、絶対に行わないでください。
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