大阪府、府内43市町村、企業、大学、シビックテックなどで設立した「大阪スマートシティパートナーズフォーラム」では、市町村が抱える地域、社会課題解決に向け、企業・団体が連携したサービスの実証・実装に取り組んでいます。
このたび、本フォーラム会員である社会医療法人大道会 森之宮病院及びトリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社が、デジタル技術を活用した福祉用具「DFree」(※)を用いて、入院患者の排泄等に係る自立支援・地域生活への移行支援に向けた実証を行いましたので、結果を公表いたします。
詳細につきましては、関連ホームページ及び添付資料をご覧ください。
【実証内容】
1 実施対象および定員
実施期間中に本実証にご賛同いただいた社会医療法人大道会 森之宮病院の入院患者 9名
2 実証期間
令和5年9月下旬から令和5年12月中旬まで
3 実証概要
当機器は特定福祉用具として介護保険の給付対象となる福祉用具に認定されていますが、排尿に関する入院患者の不快軽減・排尿自立支援に有用であるかの検証を行うことにより、排泄等に係る自立支援を要する方等の、地域生活への移行後のQOL向上等など、より幅広い分野に適用できる可能性を検証します。
(1) トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社から社会医療法人大道会 森之宮病院に対し3か月程度の特定福祉用具排泄予測支援機器 DFreeの無償提供
(※)DFreeとは
DFreeとは、超音波センサにより膀胱の尿のたまり具合をリアルタイムでモニタリングするシステム。
トイレ誘導のタイミングを最適化することで利用者の自立排泄を支援する。
またおむつ・パッド交換のタイミングを通知することで、利用者のQOL向上、介助者の負担軽減をめざす。
デジタル技術を活用した福祉用具として、介護分野での活用が期待されているnon-SaMD(※)。
使用の流れは次のとおり。
1.DFreeを下腹部にペタッと貼る 2.尿の溜まり具合がわかる 3.排尿のタイミングを事前にお知らせ 4.安心してトイレに行けます
(2) 実証参加者を対象に、「DFree」が不快軽減・排尿自立支援に有用であるかの実証を実施
(3) 結果のとりまとめ、検証結果公表
(※)non-SaMDとは SaMDとは医療機器として承認を取得した、主に治療を目的とするアプリや機器に内蔵されたソフトウェア。この承認を取らないものをnon-SaMDという。
4 実証イメージ図
5 実証結果概要
以下のことが把握されました。
(1) 排尿量等の情報が常時自動的にアプリケーションに送られるというDFreeの機能は、変化し続ける排尿のタイミングを測るという点において、排尿支援の一助になると考えられるということ
(2) また、入院中に排尿自立の確立に至らなかった場合、在宅療養での継続利用により、その後の日常生活のQOLの向上に繋がると考えられるということ
今回の結果を受けて、森之宮病院ではDFreeを継続使用する予定です。
※国連では、2030年までの国際目標として「持続可能な開発目標(SDGs)」を2015年9月に策定しました。
本事業は、SDGsに掲げる17のゴールのうち以下のゴールの達成に寄与するものです。
大阪府は「SDGs未来都市」として、SDGsの推進を図ってまいります。
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