大阪府財政構造改革プラン≪素案≫ 【概要版】(続き)
財政構造改革プランの基本的考え方 (続き)
(5)改革のポイント(取組みの概要) (続き)
5.国への制度提言
- 地方においても、歳出の無駄をなくすなどのさらなる改革を行わなければならないが、国においても臨時財政対策債からの早期脱却に向け、地方税収の拡充や交付税率の引上げを検討すべき
- 権限・財源・責任の明確化の観点から、ナショナル・ミニマムにあたる事務は、国が全額を負担する制度とすべき。ただし、具体的に何がナショナル・ミニマムかは、国民合意に向け、国・地方で要協議
- ローカル・オプティマムにあたる事務の財源は、原則地方税で賄うべき
国と地方の役割分担を踏まえた権限・財源・責任の明確化
| ナショナル・ミニマム | ローカル・オプティマム(地域における最適水準) |
ナショナル・スタンダード | 地方の独自施策 |
定義 | 全国一律の最低限の基準として、国が提供を保障すべきもの | 国が示す基準を参考にしつつ、地域の実情に即して、地方が内容を決定するもの | 地方が、地域の実情に即して、独自に内容を決定するもの |
特徴 | - 国民が必要なときに、公平・平等に受けるべき最低限の給付やサービス
- 国は、全国一律に従うべき基準を設定
地方の判断で下げることは不可
| - 国は、目安となる基準を提示
- 地方は、その基準を参考にしつつも、変更可
| - 国の関与はなし
- 地方は、独自に最適水準を決定し、全ての責任を負う
|
権限・責任 | - 国は制度の企画と立案
- 地方は国からの委託を受けて執行
| | |
財源 | 委託金(国が全額負担) | 地方税(税源移譲)+[財源調整] |
- 前記の考え方を、主要な社会保障制度に当てはめて分類
ナショナル・ミニマムは、
現金給付(生活保護制度、児童扶養手当)と、 医療給付(国民健康保険制度、後期高齢者医療制度、公費負担医療制度) |
ナショナル・スタンダードは、
介護保険制度、障害者自立支援法に基づく福祉サービス |
- 公営住宅制度については、民間賃貸住宅ストック等を活用したバウチャー制度の検討など
- 子ども手当については、国の責任で全額財源を確保するべきなど
《社会保障制度の提言》
個々の制度については、経済が低迷する中で、当面(計画期間3年間)、早急な手立てが必要な低所得者対策や、高齢化の進展による費用に増加に対応しつつ、制度の持続性を高めるための改革を中心として、以下のとおり提言しています。
項目 | 主な提案内容 |
生活保護制度 | 生活保護への移行を未然に防止する「第2のセーフティーネット」の構築、 稼動年齢層と高齢者層など対象者に応じた保護の仕組みの構築、医療扶助のあり方検討 |
国民健康保険制度 | 市町村国保の広域化に向けた条件整備、 低所得者対策である「保険基盤安定制度」についての国負担化、 単独の医療費助成事業の実施に伴う国庫負担金の減額措置(ペナルティ)の廃止 など |
後期高齢者医療制度 | 新しい高齢者医療制度への円滑な移行 |
介護保険制度 | 低所得の高齢者が無理なく負担できる仕組みの創設、 資産の保有状況を保険料の決定に反映する仕組みや被保険者の拡大の検討 など |
障害者自立支援法に基づく福祉サービス給付 | 障がい者の地域移行・地域生活支援の充実、応能負担への利用者負担の見直し、 支給決定の客観的なルールの創設 など |
公費負担医療制度 | 特定疾患治療研究事業の法制化、福祉医療費助成制度の国制度化 |
児童扶養手当 | 児童扶養手当の基準の見直しなど母親の自助努力が報われる仕組みの構築 母子家庭の正規雇用を促進するための奨励金制度創設などの仕組みの検討 |
6.公務員制度改革
がんばった職員が報われ、やる気を引き出すとともに、府民の理解と支持を得られ、多様な人材登用によって組織のエネルギーを引き出せるよう公務員制度の改革に取り組みます。
項目 | 内容 |
人事給与制度 | - 給与制度
・独自給料表の導入(部長級・次長級の定額制、1つの役職段階に1つの職務の級 等) ・わたり・一律的昇格の廃止。現給保障は解消し、給料の額が下がる場合は、段階的に引き下げる経過措置を設ける。
- 人事制度
・本庁部長(庁内外を問わず人材を登用できる仕組みを徹底) ・課長級昇任の見える化(マネジメント能力を重視した任用)
|
組織人員体制 | - 一般行政部門職員数
・平成22年度から26年度の5年間で、21年度当初比900人削減をめざす
- ポスト管理
・職員数全体の削減をすすめる中で、管理職ポストのスリム化を図る
- 出先機関の見直し
・廃止・統合及びあり方検討・・・特許情報センター、府営印刷所など ・独法化・・・産業技術総合研究所、環境農林水産総合研究所(平成24年1月まで) ・中核市移行・・・豊中保健所廃止(平成24年4月)
- 附属機関の見直し
・85機関中、10機関を廃止、8機関を4機関に統合、5機関を休止。
|
※給与、勤務条件に関する事項は職員団体等と協議します。
7.財政運営のあり方
時代時代の社会経済環境に応じて、府民のみなさんが必要とする行政サービスを提供することが府の使命であり、その基礎となる財政基盤を確かなものにすることが不可欠です。
そのための財政運営のあり方として、「収入の範囲内で予算を組む」という原則の徹底、予算の編成過程を全面的に公開するなど、財政規律の確立をすすめています。
さらに、昭和60年代以降の財政運営をあらためて検証し、その教訓をもとに、一層の規律ある財政運営を行います。
また、 基本的な財政運営のあり方を定める条例について検討します。
<教訓>
- 中長期的な財政収支見通しなし
- 府政運営の方針と財政収支試算が連携していない
- 財政状況の認識が、全庁的に共有されていない
- 将来リスクを含めた事業実施判断がされていない
- 意思決定プロセスが不透明
<対応>
- 中長期的な財政収支試算を庁内で共有・公表
- 府政運営の基本方針と財政収支試算の連携
- 全庁的に財政状況の認識を共有し、部局長マネジメントに活かす
- 将来リスクなど十分な判断材料をもとにした事業実施の判断
- 意思決定プロセスの透明化
財政再建プログラム(案) 平成20年から22年
予算編成改革の着手
財政構造改革の着手
- 減債基金からの借入れ・借換債の増発との決別
- 収入の範囲内で予算を組む
- 減債基金への返済開始
- 実質府債残高の圧縮、実質公債費比率を25%以上にしない
一層の強化・定着策
予算編成改革の推進
- 部局長マネジメントを活かした予算編成
- 新公会計制度と連動した予算編成サイクルの確立
財政構造改革の着実な実行
- 黒字予算の継続
- 減債基金の計画的な復元
- 実質府債残高の安定的な縮減、実質公債費比率を25%以上にしない
- 新たなルールによる財政調整基金等の管理
- 財務マネジメント機能の向上
<前へ | 1 2 3 | 次へ>
このページの作成所属
財務部 行政経営課 企画調整グループ