府民経済計算の考え方・基本的概念

更新日:令和3年1月29日

大阪府民経済計算(平成30年度 確報)

府民経済計算の考え方


 府民経済計算とは、大阪府という行政区域における各産業の生産活動によって1年間に生み出された価値(付加価値)を、 生産・分配・支出という三つの面からとらえることにより、経済の規模や産業構造を総合的、体系的に明らかにしようとするものである。
 農業、製造業、商業等の各産業は、労働者や機械・設備等を使い、原材料を投入して財貨・サービスを生産する。生産された財貨・サービスの価値を市場価格によって単純に合計したものが生産総額(産出額)である。
 この中には生産に当たって原材料として投入された、いわゆる中間生産物(中間投入)が含まれており、この部分を除くことにより、生産活動によって新たに生み出された付加価値(府内総生産)が得られる。

付加価値(府内総生産)= 生産総額(府内産出額)− 中間生産物(中間投入)

 更に、この中には建物や機械・設備等が生産過程において減耗する価格分(=固定資本減耗)が含まれており、この部分を除くことにより、正味の付加価値(府内純生産)が得られる。

正味の付加価値(府内純生産)= 付加価値(府内総生産)− 固定資本減耗

 生産活動によって新たに生み出された付加価値は、生産に参加した各要素、すなわち労働者には賃金、企業には利潤等の形で分配され、分配された価値は消費や投資等の形で支出される。
 このように、経済活動は生産 → 分配 → 支出 という循環を繰り返すが、これらは同一の価値の流れを異なった側面からとらえたものであり、概念上の調整を加えると、

生産=分配=支出

の関係が成り立つ。これを「三面等価の原則」という。

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府民経済計算の基本的概念

府内ベースと府民ベース

 付加価値をとらえるには、推計方法の違いにより、府内ベースと府民ベースがある。
 府内ベースは、大阪府という行政区域内での生産活動によって生み出された付加価値を、生産に携わった者の居住地にかかわりなくとらえることを、府民ベースは、府内居住者(=府民)が生産活動によって生み出した付加価値を、その就業地にかかわりなくとらえることをいう。
 府内総生産に府県間の所得受払の差額である「府外からの所得(純)」を加えたものが、府民総生産となる。

府民総生産=府内総生産+府外からの所得(純)

総生産と純生産

 付加価値を評価する場合、建物や機械・設備が生産の過程において減耗する価格分(=固定資本減耗)を含むか否かによって、総生産と純生産の違いがある。
 固定資本減耗を含むものを総(グロス)生産と、控除したものを純(ネット)生産という。

府内純生産=府内総生産−固定資本減耗

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市場価格表示と要素費用表示

 付加価値を表示するのに、市場価格でとらえる方法と要素費用でとらえる方法がある。
 市場価格表示は、付加価値を市場で取引される商品の売買価格(市場価格)により、要素費用表示は、生産のために必要とされる労働や資本等の生産要素に対して支払われた費用(賃金、利潤等)により評価する方法である。
 要素費用表示の府内純生産に生産・輸入品に課される税を加え補助金を控除したものが、市場価格表示の府内純生産となる。

市場価格表示の府内純生産=要素費用表示の府内純生産+生産・輸入品に課される税−補助金


府民経済計算の諸系列相互関連図

 府内総生産(生産系列)は一年間の生産活動により新たに生産された最終生産物(付加価値)の貨幣評価額であり、生産活動に参加した労働、土地、資本等の各生産要素の所得(分配系列)となり、更に消費や投資等の形で支出(支出系列)に充てられる。
 この相互の関連を図示すると、図1のとおりとなる。

 

図1 府民経済計算の諸系列相互関連図

府民経済計算の諸系列相互関連図

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名目値と実質値

 名目値は、各年の市場価格で評価された金額を集計したもので、物価変動の影響が含まれている。実質値は、物価変動の影響を除いて計算したもので、経済の実質的な伸びを見る場合に用いられる。
 実質値を直接推計することは困難であるため、各種の物価指数を利用して作成したデフレーター(物価調整指数)で名目値を除して求めている。大阪府民経済計算では、連鎖方式により算出している。

実質値=名目値÷デフレーター

経済活動別分類と制度部門別分類

 府民経済計算のようにマクロ集計量を取り扱う勘定体系においては、個々の経済主体を同質のグループに集約する必要がある。いくつかの観点からの分類基準が考えられるが、実物と金融の2分法に従って経済活動別分類と制度部門別分類とに分類する。
 経済活動別分類は、財貨・サービスの生産について意思決定を行う主体の分類である。生産技術の同質性に着目した分類となっており、事業所が基本単位となっている。なお、平成23年基準(2008SNA準拠)から、国際標準産業分類(ISIC Rev.4)と可能な限り整合的になるよう設定されている。
 制度部門別分類は、所得の受取や処分、資金の調達や資産の運用についての意思決定を行う主体の分類であり、➀非金融法人企業、➁金融機関、➂一般政府、➃家計(個人企業を含む)、➄対家計民間非営利団体の5つに大別される。
 2つの分類を図で示すと、図2、図3のとおりとなる。

図2 基準改定に伴う経済活動別分類の変更

基準改定に伴う経済活動別分類の変更

図3 制度部門別分類

制度部門別分類


遡及改定

 府民経済計算は多くの統計調査から得られるデータを用いて推計しているが、統計調査の中には毎年実施されないものも多く、実施されない年次については便宜上、統計的処理により求めた数値を用いている。したがって、新しい調査結果が公表された時はそのデータを用いて過去に遡って修正することになる。
 このように、新しい年度の推計結果の公表の際には過年度の数値についても遡って改定を行っているので、利用に当たっては注意が必要である。

このページの作成所属
総務部 統計課 情報企画グループ

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