「大阪府庁舎 本館」について

更新日:2022年5月30日

大阪府の本庁舎「大阪府庁舎 本館」が、令和3年10月14日木曜日官報告示にて国の登録有形文化財(建造物)に正式に登録されました。

令和3年7月16日金曜日(答申)

「大阪府庁舎 本館」の建物概要

  

○ 名  称 : 大阪府庁舎 本館

○ 構造形式 : 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)

○ 規  模  : 地上6階 地下1階

○ 登録範囲 : 車寄せ・車路の一部を含む 建築面積 4,275平方メートル

○ 起  工 : 大正12年5月12日

○ 竣  工 : 大正15年10月31日

○ 設 計 者  : 平林 金吾・岡本  馨 (設計競技により選定 実施設計は大阪府営繕課)

 

■ モダニズム建築の先駆け、三代目大阪府庁舎 本館

○ 現役の都道府県本庁舎で最も古い「大阪府庁舎 本館」は、大阪府の三代目庁舎で、大阪城西側にあった陸軍用地の払い下げを受けて、大正15年に完成しました。

○ 建物設計は、懸賞募集による全国からの設計競技(コンペ)で選ばれた平林金吾・岡本馨 両氏の案が採用されました。

○ 明治末期から昭和初期に建設された府県庁舎の中でも、壮大であり、鉄筋コンクリート構造を積極的に導入したモダニズム建築の先駆けとなりました。

本館 正面外観

   

■ 建物の特徴

本館は現役の本庁舎として使用しているため、執務室では天井の設置などの内装改修を行っていますが、建築当初からの特色ある主要室(中央吹抜ホール・大階段、議場、知事室、議長室、正庁の間など)は当時の姿を残しています。

○ 外観・正面玄関

当時の官庁建築に広く用いられた様式的な勾配屋根を排し水平の陸屋根としたこと、花崗岩とともに白色の擬石タイルを広く用いた明るい外観と、窓廻りを囲う直線などから、合理的な簡潔性と清新な表現が見られ、次代のモダニズムに連なる先取的なデザインとなっています。

一方で、古典的で均整のとれた「基部・中間部・頂部」の3層構成を用いていること、正面玄関まわりの車寄せや外壁中央に集中してレリーフなどの装飾を施していることにより、官庁建築としての威厳と風格のある雰囲気も表現している。

これらの特徴的な外観意匠の基調(過去の様式との「分離」、「簡素性」をベースにしながら「装飾性」の共存を志向している点、正面玄関まわりに集中する外観意匠など)から、当時の設計競技の審査委員 片岡 安らが評するように、19世紀末のセセッション(ウイーン分離派)に属すると考えられます。

 

○ 中央吹抜ホール・大階段

中央吹抜ホールは、3層吹抜の大空間となっており、イタリア産大理石で仕上げられた12本の長大な柱に囲まれ、中央の大階段が2階回廊へとつながる壮大で華麗な趣があります。その大きさと格調高さは、近代の庁舎の中で最も際立つものであり、公的空間としての重みを有しています。

 本館 中央吹抜ホール・大階段

 

○ 本会議場

2・3階の吹抜となっている議場は、昭和37年度に議席拡張のための改修工事を行い、現役最古の議場として現在も使われています。天井のステンドグラスは人工照明の光天井に変わっているますが、装飾レリーフや木造作・腰羽目板は現存し、内部空間の質を高めている。

 

○ 正庁の間 (⇒大正ロマン「正庁の間」ウエブページ

室内装飾が最も壮麗なのが5・6階吹抜の正庁の間です。かつて年末年始の行事や人事発令などの式典に使用されていた特別な部屋で、中央にペディメントを載せた奉安所を置き、柱間をアーチとし、当時、金箔貼であったレリーフ装飾が一面に施され、窓や天井に用いられたステンドグラスからの光が彩りを添えています。

近年、執務室として使用され内装の劣化も進んでいましたが、平成23年度に老朽化したレリーフやステンドグラスを創建時の趣を感じる姿に復元改修しました。(現在は新型コロナウイルス対応のため、一般公開を中止しています。)

 

本館 正庁の間

 

  

■ 大規模な改修・増築の年代

○ 昭和29年 : 西館 3階部分増築

○ 昭和30年 : 西館 3階部分増築

○ 昭和34年 : 西館 4・5階増築

         東館 本会議場改修

○ 平成23年 : 正庁の間 復元改修

○ 平成28年 : 東館 耐震改修(基礎免震・耐震壁)・環境改善等

○ 平成30年 : 西館 撤去・外構整備

 

■ 本館の耐震化

○ 本館の耐震化は、歴史的・文化的価値が高い東館については、基礎免震と耐震壁により実施し、内装等のグレードが低い西館については、撤去としています。

 ⇒詳細は、こちら

 

 

このページの作成所属
総務部 庁舎室庁舎整備課 

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