平成30年8月委員会会議会議録

更新日:平成30年11月14日

大阪府教育委員会会議会議録

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1 会議開催の日時

   平成30年8月30日(木曜日)  午前10時00分 開会

                       午前11時47分 閉会

2 会議の場所

   大阪府公館 大サロン

3 会議に出席した者

教育長酒井 隆行
委員竹若 洋三
委員井上 貴弘
委員岩下 由利子
委員良原 惠子
教育監橋本 光能
教育次長中野 伸一
教育センター所長木村  雅則
教育総務企画課長村田 幸正
教育振興室長向畦地 昭雄
高等学校課長網代 典子
高校再編整備課長大武   基
支援教育課長柴田 尚彦
保健体育課長田中 実
市町村教育室長坂本 俊哉
小中学校課長桝田 千佳
地域教育振興課長大野  広
教職員室長田村 真二
教職員企画課長柳生 国良
教職員人事課長伊庭  亨
施設財務課長佐々木 浩之

4 会議に付した案件等

◎ 議題1 「大阪府立高等学校・大阪市立高等学校再編整備計画(2019(平成31)年度から2023年度)」(案)について

◎ 議題2 大阪府立学校条例及び大阪府立高等学校・大阪市立高等学校再編整備計画に基づく平成30年度実施対象校(案)について

◎ 議題3 平成29年度教育行政に係る点検及び評価結果の報告について

◎ 議題4 府立高等学校における平成31年度使用教科用図書の採択について

◎ 議題5 府立中学校における平成31年度使用教科用図書の採択について

◎ 議題6 府立支援学校における平成31年度使用教科用図書の採択について

◎ 議題7 大阪府立高等学校における知的障がいのある生徒の教育環境整備方針の改定について

5 議事等の要旨

(1)  会議録署名委員の指定

 良原委員を指定した。 

(2) 6月22日の会議録について

 全員異議なく承認した。

(3) 議題の審議等

◎ 議題1 「大阪府立高等学校・大阪市立高等学校再編整備計画(2019(平成31)年度から2023年度)」(案)について

【議題の趣旨説明(高校再編整備課長)】

標記について、決定する件である。その上で、様々な意見を踏まえ、11月の教育委員会会議において最終決定する予定である。

 

◎ 議題2 大阪府立学校条例及び大阪府立高等学校・大阪市立高等学校再編整備計画に基づく平成30年度実施対象校(案)について

【議題の趣旨説明(高校再編整備課長)】

標記について、方針を示し周知を行うことを決定する件である。その上で、様々な意見を踏まえ、11月の教育委員会会議において最終決定する。

  1 2018(平成30)年度の方針

    2018(平成30)年度は、統合整備による新校の設置、工科高校における改編に着手する。

  2 実施対象校

   ○ 統合整備により多部制単位制高校として開校する学校

    ・勝山高校

    ・桃谷高校

   ○ 改編する工科高校

    ・今宮工科高校

    ・藤井寺工科高校

    ・佐野工科高校

 

   【質疑応答】

(酒井教育長)内容は多岐に渡っているが、一つは時代の変化に応じたセーフティネットの強化と、もう一つはものづくり人材の確保という点を重視したものとなっている。

(井上委員)資料1−12ページにあるように、国際関係学科が3科から2科に集約されて分かり易くなった。国際文化科とグローバル科の特色について記載があり、3科のときと比べて、生徒や保護者にとっても分かり易くなったとは思うが、この説明を読んだときに、何が違うのか疑問をもつ方も多いと思われる。この文章以外にも、丁寧に説明してもらいたい。また、国際文化科に進むと将来、このような分野で活躍できる、このような人材になれる、あるいは、グローバル科に進むと、こちらが育てたいのはこのような人材である、このような大学を目指す、このような職業に就けるなど、具体例を示したほうが生徒や保護者により分かり易くなると思う。学校ごとの説明会や中学校などでしっかりと説明し、貴重な高校生活を充実した、自分が目指すところで学べるようにしてもらいたい。

(大武高校再編整備課長)今回は大きな方向性を示したところなので、今年度については、具体的な対象校は決定、公表しておらず、来年度以降となる。それまでの間、事務局でも具体的な展開方向を検討し、各校とも十分にコミュニケーションを取り、中身を練り上げていく。今後は予算の議論もあるため、具体的に取り組む内容を明確にする中で、委員の発言にもあったような具体的なイメージができるようなPRに努めてまいりたい。

(竹若委員)勝山高校と桃谷高校の件だが、定員はそのままなのか。

(大武高校再編整備課長)新しい学校は、勝山高校の校地に作る。きめ細かな指導を行うため、1学級35人程度、200人規模の学校とする予定である。

(竹若委員)分かった。工科高校の改編で、三つの重点化タイプ、「高大連携重点型」、「実践的技能養成重点型」、「地域産業連携重点型」があり、今宮工科高校は「高大連携重点型」とのことだが、この「高大連携」のニュアンスが今の説明では分かりにくかった。他の、藤井寺工科高校、佐野工科高校では重点項目がよく分かったが、もう一度、今宮工科高校について説明してほしい。

(大武高校再編整備課長)今宮工科高校については、「高大連携重点型」で、工学系大学進学専科を設けている。40人規模の専科である。他の学校と同様、機械、電気、建築の他、グラフィックデザイン系の学科を設置しており、工科高校の中で唯一である。グラフィックデザイン系の学科を中心にコンピュータグラフィックス等に関する授業に積極的に取り組み、大学と連携した授業、講義を行っている。

(竹若委員)工科高校への進学希望者の減少は、生徒数も減少する中、非常に大きな問題だと思う。三つの重点化タイプについての説明、PRを十分に行い、一人でも希望者が増えるように努めてほしい。中学校現場からの立場で言うと、工科高校に魅力を感じないニュアンスがある。これまでPRが不足していたかもしれないが、生徒や保護者のニーズが工科高校に向かなかったという状況もある。その観点も踏まえ、今後PRに努めてほしい。

(良原委員)今の点に関連してだが、工科高校は、その特徴がはっきりしている学校である。藤井寺工科高校は、「実践的技能養成重点型」であり、近隣地域における再編整備の状況等から存続するとのことだが、工科高校に進学したいという気持ちがないと、近所だから通うという、単純に物理的な理由から選ぶということはないと思われる。やはり中学生に対して、工科高校に進学することは、どれだけ意味があることなのか、この「実践的技能養成重点型」の学校が近くにあるということの意味を丁寧に説明してもらいたい。もう一点、先日、エンパワメントスクールのスクールソーシャルワーカーと、担当の先生方の連絡会に参加したのだが、エンパワメントスクールのスクールソーシャルワーカー担当の先生方は、様々な試行錯誤をしながら、工夫してソーシャルワーカーを活用していることを強く感じた。これは簡単にできることではなく、資料1−5ページにも記載があるように、色々な課題もある。エンパワメントスクールでは、素晴らしいモジュール授業などがあり、引続き取り組んでいってほしい。と同時に、資料に記載されている、スクールソーシャルワーカーなど「引き続き専門人材による支援が求められる」つまり、専門的な人材を上手に活用できるかどうかは、結局、先生方の力によるところが大きい。負担も増えるかもしれないが、先生方にぜひそこをお願いしたい。

(大武高校再編整備課長)エンパワメントスクールの専門人材について、学校現場でどのように活用していくのかが大切である。各校でノウハウがあると思うが、常に情報を共有していくことで、よりよい取組みに繋がるよう、今後も続けていきたい。

 

【採決の結果】

 賛成多数により、原案どおり決定した。

  (賛成者 酒井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、良原委員)

 

◎ 議題3 平成29年度教育行政に係る点検及び評価結果の報告について

【議題の趣旨説明(教育総務企画課長)】

大阪府教育振興基本計画(教育委員会の権限に属する事項のみ)の進捗状況に関する点検及び評価の結果並びに教育に関する事務の管理及び執行の状況に関する点検及び評価の結果の報告について決定し、教育行政に係る点検及び評価報告書を平成30年9月定例府議会に提出することを決定する件である。

 

【質疑応答】

(岩下委員)概要版の3ページ、小・中学校の学力について、前年度よりも改善が見られたとのことだが、小学校は国語と理科、中学校は国語と数学のB区分についてまだ課題があると書かれている。具体的に、主にどのような点が課題になっているのか。

(桝田小中学校課長)グラフを見ていただくと、小学校では上2つが算数で、下にあるのが国語と理科である。中学校では混ざっているが、A区分、B区分、いわゆる基礎・基本の問題と、それらを活用する問題とに分かれているので、各教科で二種類ずつあるが、上がA区分、下がB区分となっている。このグラフから、小学校では算数に比べて国語に課題があるということと、小学校、中学校の両方とも一番下が理科になっていることが分かる。また、全ての教科において、全国学力・学習状況調査の問題は文章が長い。問題は冊子になっており、多くの文章を読んで理解し、考えて答えるもので、文章表記で解答することにもたくさんの課題がある。記号で解答する問題はできるが、長い文章を読んで、文章で解答するという点で、国語力の課題を痛感している。

(岩下委員)数字はとても大切だが、中身が重要であると思う。理科自体は好きでも、理解力となると、語学力の問題にもなる。一つひとつの科目に区切らず、もう少し全体を見て指導するとよいと思う。

(桝田小中学校課長)【自己評価】の最後に記載があるが、全教科を通じて「ことばの力を高める取組み」を進める、これは他人を理解するという意味でもとても大事であり、また生涯的にも大切であるので、ことばの力をしっかりと義務教育において高めていく。またご指摘の理科については様々な課題があることを分析している。好きだけどテストになると解答が書けない、好きではなくなってきている、あるいは実験の時間が少ないなど、どこに原因があるのか、それぞれ教科において考えることと、教科を跨いで考えることを区別し、検討していきたい。

(岩下委員)理科のことだが、経済的な事情で本当にやりたい実験ができないなどの事情があるのか。全国の水準に比べて、大阪だけ経済的に厳しいということはないか。

(桝田小中学校課長)各学校において、実験道具などは十分に確保されていると思うが、なぜ実験の機会が少ないのかは今調べているところである。大規模な学校ではなかなか理科室を使うのが難しいなどの事情があるようだが、全てがそうではない。今後も分析しながら、学校に支援していきたい。

(岩下委員)少しこだわって聞いたのは、理科ができない子どもたちが多いということを、毎回、本会議などで聞いてきたため、詳しく知りたかったからである。

(竹若委員)同じく、概要版3ページの基本方針1で、全国学力・学習状況調査のグラフを見ると、徐々にではあるが、長年の取組みの成果が上がってきたと高く評価したい。【自己評価】のところで、「小学校ではすべての教科について改善し」とあり、色々な要素があるとは思うが、主にどのような点が改善されたのか。

(桝田小中学校課長)小学校については、グラフにもあるように、調査の開始直後から成績が右肩上がりであったが、その後、上がらない状況があった。昨年度からことばの力、基礎・基本をきちんと読み取り考えていくところが少し良くなってきたということが一つ、もう一つは、算数の設問別で見ると、全国平均を越えているものも出てきた。個々の結果で、そのような良いところが出てきている。また、ここには表れていないが、学校全体で学力向上に向けて取り組むという組織におけるPDCAサイクル等の検証改善の動きができており、学校では校内研修を充実させていこうという動きがしっかりと定着してきている。アンケート結果等でもそれが出てきている。さらに、家庭学習に対してはより丁寧に指導していく事、宿題をやりましょうだけでなく、どのようにすれば主体的に学ぶ力が育つのか、そのような指導が増えている点が良くなったと考えている。

(竹若委員)今の説明では、全国学力・学習状況調査が始まって、徐々に学校が変わり始めた、学力向上に向けて取組みが盛んになってきたとのことであった。教員の意識なり、全国学力・学習状況調査に対する授業改善なり、そういった点と点が、だんだんと線に繋がりつつあると思う。説明の中では、ことばの力を高めていくとあったが、具体的にどのようなことをすれば、ことばの力が高まるのか、大阪府内の全ての子どもたちに伝わるのかまで考えているのか。

(桝田小中学校課長)大きく二点を考えている。一つは基礎・基本である。ほとんどの子どもが日本語を母語としているため、特に英語と比べるとあまり系統的な指導がされていないことに課題を感じている。もちろん指導要領にはあるが、具体的ではない。具体的、系統的に指導ができるツールとして、ことばの力という系統表に加え、その確認に使う問題集プリントを作成した。色々な時間を使って、小学校、中学校で指導してもらう。もう一つは、新学習指導要領でも言われているが、主体的、対話的で深い学びということで、学習の中で自分の意見をしっかりと話し、相手の意見を聞きながら、また読んで書くという、子どもたちがコミュニケーションを取りながら授業をしていく。これは相手を理解するなど、世の中で役立っていくと思う。このような授業改善を行い、ことばの力という漠然としたものを具体的なものとして示すことと、全ての先生が一斉に使うことができる教材提供という二点から考えている。

(竹若委員)そのような説明を聞いて納得したが、学力向上に関わって、大阪府教育行政全体が点から始まり、線に繋がり、面を作っていかなくてはならない。教育振興基本計画は10か年という長いスパンで行っているが、この5年間をかけた成果はわずかに出ているが、いくら予算を使ってきたか。学力向上に関わって、費用はいくらかかったか。

(桝田小中学校課長)10年前からなので、今すぐには出せない。例えばチャレンジテストなど、学力向上だけでなく高校の入学者選抜にも活用しているものもあるため、学力向上のための取組みとなると、全ての取組みになってくる。点数を上げるだけではなく、学校の環境を整えることや、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの活用など、全ての取組みが含まれると思うので、一概にいくらかかったとは言いにくい。

(酒井教育長)例えば「スクール・エンパワメント推進事業」はいくらかかっているのか。

(桝田小中学校課長)今年度は2,000万円弱である。

(竹若委員)教育長から発言があったスクール・エンパワメント推進事業では、各校の学力向上担当教員の配置だけでも2,000万円、過去5年間で考えると1億円である。府民の税金であり、非常に高価なものである。費用対効果というものを教育に当てはめるのは決して望ましくないが、約1億円の予算を費やしているということを、学力向上担当教員や学校現場の先生が、もう少し真摯に受け止める必要があるのではないか。単に教員を配置しているのではない。その辺りの意識をもってもらわなければ、この10年計画ではあと4年しかない。4年間でしっかりと結果を出さなければならない。何も全国平均を飛び越えるようにとは言わない。一番望ましいことは、もちろん学校間で差があるだろうが、大阪府内の小中学校で差があるまま10年間が終わってしまってはいけない。一定の差を縮めて、どの学校の子どもにも学力がついたという結果を出す必要があると思う。そのためあえて厳しく予算のことも言った。平成17年からだったか、全国学力・学習状況調査が始まって10年ほど経っている。大阪、高知、沖縄がワースト3と言われた時代が何年か続いた。しかし、今年の結果を見ると、高知も沖縄もワーストから抜け出している。これはどう分析したか。検討はされていると思うが、私は当初、高知県へ行った。一番違っていたのは、先生方の中の学力観である。全国学力・学習状況調査で出てくる問題の学力観とは全く違った。大阪もそうだったのではないかと思いながら、ずっときている。一度、高知なり、沖縄なりで、学力が向上した経緯を調べてもらい、また報告してほしい。最後に、審議結果の中にも家庭学習の定着が言われているが、先ほど課長から話があったように、学校で学んだこと、そして家庭学習に繋げるいろんな手だてがあると思うが、学習の足跡が大切だろうと思う。学んだことを子どもがしっかりと記録していく。それを保護者も見てもらう。学校、本人の記録、家庭学習に繋げる、簡単な話である。例えば、今日国語で学んだことを短冊に書く習慣を一年間通してやったとしたら、ことばの力というものも当然ついてくるだろうし、自分で情報収集し、自分の考えを書く、それを国語だけでなく、全ての教科で仮に1年通してやったとすれば、子どもたちはすごく変わると思う。先ほど申し上げた、点、線、面の構築に向けて一層努力してもらいたい。大変なことだが、心を引き締めて今後も頑張ってほしい。

(酒井教育長)本質的な部分からご指摘いただいた。真摯に受け止めたい。

(岩下委員)概要版7ページ「子どもたちの健やかな体をはぐくみます」について、主な取組みのところは、とても良い取組みをされていると思う。しかし、大阪では体力は少しずつ向上しているが、目標値にはいかなかった。大阪は、貧困の問題などは全国で一番数字が高かった記憶があるが、その辺りも含めて、数値を上げるためには方策を考えていくべきではないかと思う。例えば【主な取組み】の(2)の栄養教諭を中核とした「食に対する指導」というのは、生徒にももちろん指導はしていると思うが、保護者だけでなく、給食に関してもそうだが、貧困の問題にも目を向けていくと、学力向上や体力にも繋がっていくのではないか。私自身もどうすればよくなるのか、いつも考えるようにしているが、その辺りをもう少し踏まえて、進めてほしい。

(田中保健体育課長)体力は体力だけで取り上げるのは難しいと、このところ痛感している。そこには栄養教諭による指導など、食のことだけを書いているが、それ以外に生活習慣も大切であるので、学校では教諭などが中心となって、生活習慣を考えている。体力と栄養と生活というのは、一体的なものであると考えている。一部の市では、この三つを一体として取り組む動きも出てきているので、体力だけで考えるのではなく、貧困の問題は家庭に起因するものだが、生活習慣を正しましょう、栄養を考えて食べましょう、体を動かしましょう、そういったことを一緒に考えていくことが必要であると考えている。

(岩下委員)幼児教育のときの環境にとても左右されると思う。その環境でスポーツ選手になったり、科学者を目指したりということがあるため、そこを平等に、子どもたちの目標の実現に協力できるように、もう少し噛み砕いて、今発言された内容を一つでもいいので実現できるようにしてほしい。

(竹若委員)概要版4ページの基本方針2で、【自己評価】には書かれているが、【評価審議会における審議結果】の記載では、英語力の向上については審議されていないように見えるのが残念である。高校生の英検準2級相当以上の生徒数が大幅に増加し、先生の英語指導力もずいぶん向上した。恐らく、全国でもトップレベルではないかと思う。答えを求めているのではないが、審議結果について残念に思った。次に基本方針4について、本編の資料61ページ【評価審議会における審議結果】の【基本的方向(4)について】の、上から一つ目の点で、「道徳教育について、現場の教員から、評価方法に悩んでいるという声を聞く。また各家庭においても、道徳が教科となった時に、その学力をどう見ればいいのか、よくわからないところではないか。道徳教育の学習評価論については、・・・」とあるが、これは「道徳教育」という文言ではなく、「教科道徳科」のほうがいいのではないか。

(桝田小中学校課長)ご指摘の通り、新たに評価をしていこうというのが、教科の道徳である。道徳的にどうかという評価ではなく、子どもたちの変化や、道徳的に見て良い方向に成長しているという点を踏まえて書いていく。教科を中心に書いていくが、それが発露するところは別の場面の時もあり、大きな観点から記載している。しかし、誤解を招くようであれば調整したい。

(竹若委員)私はここで、あえて「道徳教育」という大きく括られた文言を使う必要はないと思う。特に、この文章の中にある「評価方法に悩んでいるという声を聞く」とあり、確かに現場では教科道徳の評価方法について盛んに研究をし、前向きに取り組んでいる。その点では「道徳教育」ではなく、「教科道徳科」という文言を審議会委員にも伝え、修正が可能ならばしてほしい。次に、二つ目の点に「教科書を教えることだけにならないかという懸念がある」とあるが、この文言が非常に気になる。もともと教科指導の基本は、教科書を使って教えることであるが、今、大阪府内の小中学校において道徳の授業を前向きに取り組んでいる中で、ここで懸念されていることは恐らくないだろうと思うが、審議会の中で、府内の道徳授業の状況があまり見えていなかったのではないか。ここは指摘のみしておきたい。その続きに、「これまで取り組んできた人権教育やキャリア教育等の様々な観点と関連させて」とあるが、教科道徳の中に、改めて人権教育、キャリア教育という文言を入れる必要があるのか。新たに道徳の教科書が導入されるが、その教科書の内容に関わって、人権問題の分野やキャリア教育の分野があるということではないか。

(桝田小中学校課長)そのとおりである。道徳指導の項目の中に、人権問題の分野、キャリア教育の分野があるため、これまでに培ってきたものも踏まえて、豊かな指導方法により行っていくという趣旨である。

(竹若委員)1行目に戻るが、「各家庭においても、道徳が教科となった時に、その学力をどう見ればいいのか、よくわからないところではないか。」という部分に関して、以前、中学校単位で道徳の授業参観を実施したと聞いたが、それはどのような経緯で行われたのか。

(桝田小中学校課長)教科道徳となる前に、道徳教育を広げるということで、保護者に授業を公開することと、小・中学校で連携してやっていくことに取り組んできた。小・中学校で同日に授業公開をしたり、中学校では、一斉に、授業参観日を道徳の授業でしてみるという取組みもある。府からの呼びかけがきっかけだが、今では市町村主体、学校主体での取組みが続いている。

(竹若委員)そのような経緯があるのだから、その点をしっかりと情報発信し、保護者、家庭で道徳の授業が不安に思われないように進めてほしい。

(酒井教育長)文言の点は、調整できるのか。

(村田教育総務企画課長)審議会委員からの意見をまとめた結果なので、委員から指摘のあった点については、再度、審議会委員に確認する。

(良原委員)二点ある。一つは、概要版6ページ基本方針4の暴力行為発生件数と不登校の数についてである。暴力については改善が見られた面もあるが、不登校については、残念ながら改善に至っていない。このような全ての結果は、学校の先生には伝えられ、意識してもらっていると思うが、ソーシャルワーカーやスクールカウンセラーなどの専門人材が具体的な数字を知る機会が少なく、把握するのは難しい。連絡協議会やさまざまな場で、意識的に伝えてくれているとは思うが、せっかくこの時期にこのようなデータが出ており、連絡協議会はこれから開催されるので、ぜひ中学校のカウンセラーに伝えてもらいたい。また高等学校全校にスクールカウンセラーを配置しているのは全国でも少ない。せっかく配置されているのだから、数字だけが全てではないが、中学校配置のSC同様、自分たちが行ってきたことが数字としてどこまで反映され、またどこが課題なのかが意識できるように明確に伝えてもらいたい。もう一つ、これらの基本方針のいくつかの中で、審議会から、保護者の協力、保護者へもっと周知が必要など、保護者をどう巻き込むかという視点が示されている。基本方針3、6、7では具体的な言葉も出てきているが、全ての基本方針において、保護者の力、家庭の協力が大事だと思う。そのように考えた場合、概要版11ページの基本方針9にある、地域の教育コミュニティと家庭教育の支援というのは非常に意味のある、重いものである。【主な基本的方向】(2)では、「困難を抱え孤立しがちな保護者への支援」と記載があり、これはそのとおりだが、もう一歩、戦略的に考えると、全ての家庭の保護者を巻き込んでいく、支援するだけではなくて、家庭の力を引き出し協力してもらうという視点の家庭教育の支援があれば、全ての方針を支えるための保護者の力を得られると思う。その点を意識してほしい。

(大野地域教育振興課長)家庭教育への支援としては、特に親学習を実施している。各家庭において保護者が子どもとどのような形で関わり合うのか、向かい合うのか、という視点を学ぶものだが、これが唯一の正解というものがないので、一方的に教えるということができない。そのため、保護者同士がお互いの経験を踏まえながら話し合ってもらい、その中で個々の保護者が子どもとの関わりを再度見つめ直し、今後の子どもとの接し方に生かしてもらうことを狙いとしている。根源的なことではあるが、そのような機会を提供していきたい。

(井上委員)一つは、参考資料の「民間有識者からの主な意見について」だが、今年度、実験的に初めて行ったと思う。できれば続けてほしい。審議会委員5名のうち、4名が大学の先生だと思うが、その先生方が気付かない視点を指摘してもらっている。民間企業の方に依頼して時間を取ってもらうのは難しいかもしれないが、できれば今後、誰がどのような発言をしたか、どういった企業の方かも明記し、府民や府議会議員にも認識してもらうよう、少しずつ充実させてほしい。もう1つは、基本方針5「子どもたちの健やかな体をはぐくみます」で、結果と直接は関係のない話だが、今年の高校野球で、大阪桐蔭高校がめでたく優勝した裏で、金足農業のピッチャーが予選から1,500球を投げ、球数制限をしたほうがいいのではという議論が出たと思う。高校野球だけでなく、インターハイでもサッカーなどかなり過密なスケジュールで行われたようである。私も陸上競技をやっていたが、30年くらい前に金沢市にインターハイに行ったとき、各校の先生がインターハイが一番暑いと言っていた。今は、その暑さではないくらいの状況で全国大会も行われているが、これでいいのか、高校でも中学校でも夏休みの一番暑い時期に全国大会が行われることが多いと思うが、8月の後半にずらしたり、違う時期にできないのか、一度担当部局で議論してもらえないか。今、全米オープンのテニスでも、プロの選手でも辞退したり、「エクストリーム・ヒート・ポリシー」によって10分間休んだりしている。高野連や高体連など、各種スポーツ団体との関係もあると思うが、大阪はスポーツが非常に盛んであるし大事なことだと思う。また、子どもたちが全国大会を目指す上で、練習は非常に大事だが、一律にルールを決めるのは難しいと思うが、気温が何度以上の場合はこうする、湿度が何度以上の場合はこうするなど、ガイドラインのようなもので指導しなければ、不幸なことが起こるのではないかという危惧がある。子どもたちが一生懸命取り組む熱心さと、先生方の指導の熱心さのバランスを取るのは難しいと思うが、競技大会のあり方と練習のあり方について、考えてほしい。

(田中保健体育課長)インターハイ、中学校では全中、また高校野球は夏の甲子園がある。この時期に開催されているのは歴史的な経緯があると思うが、夏の高校野球の大阪予選が始まる際に、知事から時期的な変更をしてはどうか、教育長からは試合時間をずらすことはできないかという話があった。そこで高野連に働きかけをし、対策等をお願いした。実際に今年の高校野球では、地方では少し試合数を減らしたり、本大会でもイニングの間に休憩時間を取るということが行われていた。そのような改善を行い、今後も、どのようなことが可能か考えていきたいと高野連からも話があった。練習のルールについてだが、今年の3月に、文部科学省が部活動に関する活動ガイドラインを作成し、都道府県が方針を定めることになっている。現在、府において案を作成中であるが、例えば、中学校、高校では週2回、平日と週末に1回ずつ休むこと、活動時間についても、平日は2時間、休日は3時間など、このようなガイドラインを踏まえて大阪での方針を考えているところである。また近いうちにお示しする。熱中症に関しては、この夏は災害と言えるくらいだと気象庁が発表していたが、気象庁がWBGTというガイドラインを示しており、単純に温度だけで計るのではなく、湿度や環境も含めてこの指数になったら練習は原則中止、この指数になったら激しい運動は中止など、そういった指数を日本スポーツ協会が作っている。以前から府内の学校には示しており、今回も改めてこの指数を元に部活動や屋内、屋外での練習については気を付けるように伝えていた。このような夏が来年も続くか分からないが、十分に意識して今後も取り組んでいきたい。

(竹若委員)概要版6ページ基本方針4の、【評価審議会における審議結果】二つ目の点にある不登校に関して、本編でも国の動き等でも不登校の予防に力を入れるべきだというのはその通りだが、「無理に学校に来させるのではなく」と書かれており、この言葉が大変気になる。大阪の小学校・中学校・高校で不登校を減らそうと各学校が取り組んでいる中で、決して無理に登校させるということは、大阪の学校では見られないだろうと思うが、そのような状況で仮にこの文言があるとすれば、非常に残念である。文言を変えてほしいということではないが、もし審議員に伝えてもらえるなら、この箇所は非常に残念だとの発言があったと伝えてほしい。もう一つ、概要版4ページ基本方針2の【評価審議会による審議結果】の二つ目の点にある、「公立・私立高校卒業者の就職について、生徒の状況に応じた早期のキャリア教育を一層推進していく必要がある」という前提の後、「採用する側の意見として、基本的なマナーが身についていない子どもが増えている」とあるが、これはキャリア教育とどのような関係があるのか。キャリア教育というより、その生徒の本質の問題ではないか。この辺りも残念な文言であり、気になった。

(岩下委員)概要版10ページの基本方針8で、避難訓練の実施率の目標である100パーセントに到達ということで、よくがんばったと思う。審議結果でも記載があるように、これからがスタートだと思う。皆が一斉にスタートできる状態が100パーセントだと思うので、プログラムの充実を図ってほしい。

(田中保健体育課長)避難訓練そのものは目標達成したが、国の事業も活用し、学校に防災士を派遣する学校防災アドバイザー派遣事業も、小学校・中学校・高校、私学も含めて取り組んでいる。また高校生対象だが、防災ボランティア、災害ボランティアなど子どもたちの意識を高めてもらう取組みも進めている。また、大阪教育大学附属池田小学校の事件をきっかけに発足したセーフティプロモーションスクールは、府立の学校でも認証される学校が出てきた。このような取組みをさまざまな学校に広げていきたい。

 

【採決の結果】

   委員の意見を踏まえた修正は事務局に一任し、その他の箇所については賛成多数により、原案どおり決定した。

(賛成者 酒井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、良原委員)

 

◎ 議題4 府立高等学校における平成31年度使用教科用図書の採択について

【議題の趣旨説明(高等学校課長)】

標記について、府立高等学校が選定した教科用図書をすべて採択する件である。

 

【質疑応答】

(井上委員)毎回同じことを指摘しているが、教科書の誤字、脱字、言葉の誤りというのは、普通の市販の参考書だったら発行されないようなレベルのことが多すぎる。教科書会社はこれで収益を上げているので、もう少し真面目にやってもらいたい。私が教育委員になってから、さまざまな間違いが多い。今後はこのようなことがないよう、強く要望してもらいたい。また、英語と商業の教科書について、細かい指摘をしたところ、いろいろと問い合わせいただいた。ここには挙がっていないが、先ほど説明のあった「総合予算」について、恐らく「部門別予算」に対する、民間企業での全体的な予算という意味で使われているだろうが、私は30年近く民間企業で働いてきたが、この言葉を聞いたことがないので、問い合わせてほしいとお願いした。私だけ知らないのかと思い、何社かに聞き、また、世界的に著名な経営コンサルティング会社のパートナーと、メガバンクの法人営業部の担当部長にも「総合予算」という言葉を知っているか尋ねたが、聞いたことがないという。高校生がここで「総合予算」という言葉を習っても、世の中の民間企業では誰も使っていない。問い合わせの回答では、大学の先生が書いた、会計学の教科書に書いてあるとのことだったが、その先生は実務をしたことがないと思うが、そのようなことだけを基準にするのではなく、商業は実務に近いものだと思うので、実務家の話も聞いて教科書を作ってほしい。高校を卒業してすぐに職業に就く生徒だけでなく、大学進学しても戸惑うことがあると思う。言葉の使い方について、普通にチェックすれば、学生レベルでもチェックできるのではないかというものが毎年出てくる。また、実務に近い人の意見も聞きながら教科書をきちんと作ってもらうように、伝えてほしい。

(網代高等学校課長)細かな点についても意見をいただいた旨、教科書会社に伝え、回答を求めている。学術書だけではなく、実務的にどうか、一般的に使われている言葉なのかも視野に入れながら、教科書会社においてもしっかりと検討するように指摘したい。

 

【採決の結果】

 賛成多数により、原案どおり決定した。

(賛成者 酒井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、良原委員)

   

◎ 議題5 府立中学校における平成31年度使用教科用図書の採択について

【議題の趣旨説明(高等学校課長)】

標記について、府立富田林中学校が選定した教科用図書をすべて採択する件である。

 

【質疑応答】

 なし

 

【採決の結果】

 賛成多数により、原案どおり決定した。

(賛成者 酒井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、良原委員)

 

◎ 議題6 府立支援学校における平成31年度使用教科用図書の採択について

【議題の趣旨説明(支援教育課長)】

標記について、府立支援学校が選定した教科用図書をすべて採択する件である。

 

【質疑応答】

 なし

 

【採決の結果】

 賛成多数により、原案どおり決定した。

(賛成者 酒井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、良原委員)

 

◎ 議題7 大阪府立高等学校における知的障がいのある生徒の教育環境整備方針の改定について

【議題の趣旨説明(支援教育課長)】

標記について、決定する件である。

 

【質疑応答】

 なし

 

【採決の結果】

 賛成多数により、原案どおり決定した。

(賛成者 酒井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、良原委員)

 

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教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ

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