平成30年6月委員会会議会議録

更新日:2018年8月31日

大阪府教育委員会会議会議録

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1 会議開催の日時

   平成30年6月22日(金曜日)  午前11時02分 開会

                       午前11時44分 閉会

2 会議の場所

   委員会議室(別館6階)

3 会議に出席した者

教育長酒井 隆行
委員竹若 洋三
委員井上 貴弘
委員岩下 由利子
委員良原 惠子
委員岡部 美香
教育監橋本 光能
教育次長中野 伸一
教育センター所長木村  雅則
教育総務企画課長村田 幸正
教育振興室長向畦地 昭雄
高等学校課長網代 典子
高校再編整備課長大武   基
支援教育課長柴田 尚彦
保健体育課長田中 実
市町村教育室長坂本 俊哉
小中学校課長桝田 千佳
教職員室長田村 真二
施設財務課長佐々木 浩之

4 会議に付した案件等

◎ 議題1 知事からの意見聴取に対する回答の承認について

◎ 議題2 平成31年度使用府立学校教科用図書採択要領の改訂について

◎ 議題3 平成31年度使用高等学校用教科書について

◎ 報告事項1 大阪府北部を震源とする地震への対応について

5 議事等の要旨

(1) 黙祷

 大阪府北部を震源とする地震により亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、全員で黙祷した。

(2) 会議録署名委員の指定

 岩下委員を指定した。

(3) 5月18日の会議録について

 全員異議なく承認した。

(4) 議題の審議等

◎ 議題1 知事からの意見聴取に対する回答の承認について

【議題の趣旨説明(教育総務企画課長)】

知事からの意見聴取に対する回答について、大阪府教育委員会事務決裁規則第5条に基づき、教育長が代決により処理したことを同規則第7条第2項に基づき承認する件である。

 ○条例案

1 大阪府学校医等の公務災害補償に関する条例一部改正の件

 

【質疑応答】

 なし

   

【採決の結果】

 賛成多数により、原案どおり承認した。

 (賛成者 酒井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、良原委員、岡部委員)

 

◎ 議題2 平成31年度使用府立学校教科用図書採択要領の改訂について

【議題の趣旨説明(高等学校課長)】

5月の教育委員会会議において決定した標記要領について、改訂する件である。なお、最終的な教科用図書の採択は、校長の選定をもとに、8月の教育委員会会議において決定する予定である。

 

【質疑応答】

(竹若委員)府立富田林中学校が高等学校用の教科書を使うとのことだが、使う教科は何か。

(網代高等学校課長)数学と英語である。

(竹若委員)それは高校1年生用の教科書か。

(網代高等学校課長)そうである。

(竹若委員)年次が上がるにしたがって、高校2年生、3年生の教科書を使うという計画か。

(網代高等学校課長)今後、高等学校の教育課程については、しっかりとしたものを作成する。その中で、内部から進学する生徒と外部から新たに高等学校に入学する生徒とで区別する可能性もあるが、数学と英語は先取りして学習することになっている。詳細については高校再編整備課長から説明する。

(大武高校再編整備課長)中学校3年生では高校1年生の学習内容まで進む。高校1年生の段階では、内部から進学する生徒と外部から入学する生徒は別のクラスになっているが、その後、高校2年生では混成のクラスとする予定である。数学に関しては、進度の差が若干出てくる可能性があるため、授業を別にするなど工夫を検討したい。

(竹若委員)高校1年生の段階では、内部から進学する生徒と、外部から入学する生徒で1年間クラスを分けて授業を実施すると説明を受けた。それでいいが、高校1年生の段階で、数学や英語でかなり差がつくことが危惧される。そのあたりの生徒たちの状況を考えながら、計画されていると思うが、心配な点であるので、改めて検討してほしい。

(酒井教育長)ご意見を踏まえて検討していく。

(井上委員)この富田林中学校は、もともと地域のリーダーを育てるという趣旨で、高い学力を身に付けるために、先取り教育を取り入れていた。入学する生徒や保護者もその点を承知して入学試験に合格した生徒ばかりだと思うが、数学と英語で差が出てきている状況の中で、学力の高い生徒を引き上げていくということも大事だが、数学と英語で苦戦している生徒が高校の教科書を使うというのはしんどいと思われる。そのような苦戦している生徒へのフォローアップはしっかりとしているのか。

(大武高校再編整備課長)中学校の内容をきちんと理解できるように、授業日数は確保している。その上でご指摘のあった状況にならないように、個別的な指導や未来塾という形で高校生が中学生に教えるなどの取組を行っている。その結果として、入学当初は若干、ばらつきが見られた点についてもだいぶ改善された。引き続き取り組んで状況を見ていきたい。

(井上委員)2−3ページ(5)の網掛け箇所に、「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律(平成27年6月24日改正)による無償措置の対象ではないことに留意すること。」とあるが、これはお金を徴収するということか。このことは、入学前から知らせてあったのか。

(大武高校再編整備課長)高等学校の教科書なので、有償で購入することはご承知いただいていると思う。

(井上委員)中学校入学の前に、中学3年生の時点で高校の教科書を使う場合はお金がかかるという説明は事前にしていたのか。金額は大きくはないが、無償だと思っていた保護者もいるかもしれないため、もし説明がないのであれば、来年度からは、先取り教育を行うために高校の教科書については有償で負担してもらう必要があると説明すると良いのではないか。

(大武高校再編整備課長)改めて説明する。

 

【採決の結果】

 賛成多数により、原案どおり決定した。

  (賛成者 酒井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、良原委員、岡部委員)

 

◎ 議題3 平成31年度使用高等学校用教科書について

【議題の趣旨説明(高等学校課長)】

標記に係る調査研究結果を定める件である。なお、最終的な教科書の採択は、校長・准校長の選定をもとに、8月の教育委員会会議において決定する予定である。

 

【質疑応答】

(岩下委員)本当に初歩的なミスが毎回ある。いつも記憶に残っている問題である。教科書発行者に対して、チェック体制はどのようになっているのか、きちんと回答をいただきたい。そうでなければ、また同じことを繰り返す。我々は誤字・脱字などのミスを見つけるのではなく、教科書の中身の調査をしている。最低限、プロである発行者が行うところであるので、きちんと回答してほしい。また、選定された教科書に関しては各学校の校長が責任をもって、教員や生徒が学びやすいものを決定してほしい。

(網代高等学校課長)チェック体制の調査についても、業者に伝える。

(岡部委員)来年度に調査してもらう際に検討してほしいことがある。ここには資料としてあがっていないが、私が確認した資料によると、国語と英語について、差別に繋がるかもしれないという指摘がいくつもあった。国語の古典を扱うときに、差別に繋がるかもしれないという意識と、英語で現代の違う文化に対して表現をしているときとは、同じカテゴリーに入らないのではないか。古典において、かつての文学が男尊女卑であったとか、位階制度があったなどの批判は、古代ギリシャでコンピュータを知らなかった人々を批判するようなことと同じ意味がないことであり、かつてあった文化の中から我々が発展してきたことや、現代の価値観とは違っても古典には学ぶべき価値があることを教えることが大切である。しかし、英語については、程度としてはそこまでひどくはないため指摘はしなかったが、自分たちとは違う文化をもっているところについて、“strange”に近いような表現をすると、国際関係上、問題があるということは、教養として知っておくべきである。差別意識についても国語の古典と英語を同じカテゴリーに入れるのではなく、違うということを明確にしてほしい。

 

【採決の結果】

  賛成多数により、原案どおり決定した。

 (賛成者 酒井教育長、井上委員、竹若委員、岩下委員、良原委員、岡部委員)

 

◎ 報告事項1 大阪府北部を震源とする地震への対応について

【報告の趣旨説明(教育総務企画課長)】

標記について、報告する件である。

 

【質疑応答】

(酒井教育長)先程の災害対策本部で報告があったが、避難所が180カ所以上開設され、避難所生活を余儀なくされている方が約1,000名いらっしゃる。加えて、ガスの復旧が遅れている様子で、あと3、4日かかる。また、深刻なのが、住家が全壊状態又は一部損壊状態となった方だが、正式には罹災証明を発行することになるので、専門家による判定が必要であり、その間は避難所生活が続いてしまう。今後も注意しなければならないが、現時点では幸い大きな余震はない。府教委としても、このたびの地震への対応に全力で取り組んでまいりたい。

(井上委員)ブロック塀が倒れ、小学校4年生の女の子が亡くなったことについて、私にも小学校4年生の子どもがいるので、他人事ではない。非常に残念である。この件については、文部科学大臣からも知事からも早急に対応するように指示が出たようで、それについては良かったと思う。ただ、ブロック塀については、私は今回の事故があってから出た話だと思っているが、ブロック塀だけでなく、他に危険なものがないか、府庁の建築や施設の専門家に聞いてしっかり対応してほしい。以前もサッカーゴールが倒れて生徒が亡くなった事故があったが、そのときは府内全てで点検したと思うが、今回の地震でサッカーゴールの設置が緩んでいるかもしれないし、通学路や学校内のブロック塀以外の設備についても、しっかり対応してほしい。私も阪神・淡路大震災で被災し、近くの小学校に1週間ほど避難した。当時、私は既に社会人であったが、多くの子どもがこの小学校で生活していた。そのときは被災者どうしで助け合って、学校の先生からも支援を受けたりしていたが、避難所から家に帰ると、生活リズムが取り戻せず、勉強も遅れてしまったということも聞いているので、帰宅した後の心のケアに加え、小学生や中学生の勉強の遅れへのケアの体制をしっかり作ってほしい。

(岩下委員)テレビの情報でしか把握できていないが、ブロック塀の事故について、被害者の小学校の校長が、3年ほど前、専門家にブロック塀を見てもらったところ、危険性を指摘されたために、高槻市教育委員会に話をしたそうである。その後、高槻市教育委員会の職員がブロック塀の点検に来て、大丈夫であるという判断をし、その話は終わってしまっている。確かに大きな地震が無ければ塀は倒れなかったかもしれないが、そんな問題ではない。校長には、市から大丈夫と言われても、専門家の判断を大事にしてほしかったと思う。今回は安全点検など、早急に対応していると思うが、必ず専門家に点検を依頼することになっているのか。詳しく教えてほしい。

(中野教育次長)早急に、学校において職員にチェックをしてもらっている。府の住宅まちづくり部が、点検のためのチェックリストを作成したので、危険な箇所の発見ができている。ただし、そこで発見できないケースもあるので、今後、専門の業者への発注をしていきたい。

(岩下委員)ブロック塀の点検に関しては、全て専門家にしてもらうということではないのか。

(中野教育次長)全庁で、その範囲を含めて、府有施設の点検をどのようにしていくか話し合いをしている。亡くなられた方もいるので、ブロック塀については力を入れて対応したい。

(岡部委員)人的支援の面でお願いがある。私の勤務校も吹田市にあり、時間が経つにつれて学生が心理的な恐怖を訴えるようになった。また、当初は崩れていないので家に居たが、吹田市、高槻市、茨木市に派遣された建物の耐震性を調査する人たちから地震の3日後くらいに家の危険性を指摘され、避難所に行くように指示されたなどの話があり、まだ安心できる状況ではないことを、学生から聞いている。このような状況の中で、日本語がよく分からないという子どもたちへの支援がどうなっているのかの確認とお願いをしたい。普段から先生と日本語でうまく話せない人たちは、状況を訴えても無駄だろうと、自分たちで何とかしてしまおうとするかもしれない。大学でも留学生たちが怖い思いをどこに訴えたらよいか分からないということがある。外国語などのサポートが必要である。また、聴覚や、話すことに障がいのある方々が心理的なことを訴えるときに、カウンセリングは言葉で行うので、手話ができるカウンセラーの派遣なども必要かもしれない。このようなマイノリティーの方への支援はどのように進めているか、あるいは今後どのように進める予定か。

(桝田小中学校課長)市町村の小中学校で、地震の直後に避難所に外国の方が100人以上避難してきたと聞いている。各学校での心のケアについては今後行っていく。今は、とにかく一部は悲しいこともあったが、皆無事だったということで、支援を必要とする状況はこれから出てくる。日本語指導の必要な子や障がいのある子も含めて、気を付けて見ていかなければならない。学校の管理職も、今はまだそのあたりまでは余裕がない状態である。通常の生活を取り戻した後で、気を付けていきましょうということで、各市町村教育委員会には、何か必要なことがあれば相談するように呼びかけている。日本語指導の必要な子については、一部の避難所に大学生のボランティアが一緒に遊んだりして和んでいるとも聞いている。支援できることがあれば、状況を聞いて進めていきたい。

(竹若委員)大変痛ましく、あってはならないことが起きてしまった。地震大国日本においては、津波が大きな話題となっており、南海、東南海の地震が起こったときの想定としても、津波の影響が懸念されている。誤解されては困るが、高槻の女の子が尊い命を失ったことは、大きな一石を投じてくれたという気がする。大阪府内の施設は設置から30年、40年のものが多いだろう。当該の小学校も3年前に指摘されたけれど、市教育委員会が安全だと判断した。それは正しかったと思う。しかし、度重なる地震が起こるたびにどこかに亀裂が入って、目には分からない、判断基準にはない箇所に影響を及ぼしているだろうと思う。総理大臣自ら足を運んで視察され支援いただけるとのことなので、思い切って、大阪の学校施設のブロック塀を全て無くしてはどうか。京都府の例だったと思うが、ブロック塀に替えてスレートを設置するのに、行政が補助金を出して、個々の負担が30万円かかるところを4、5万円で設置できたようである。このような例を参考にして、ブロック塀が無くなって安全なものになるように、お金はかかるが、尊い命が失われたことを肝に銘じて検討願いたい。

(酒井教育長)ご意見を踏まえ、改めて学校の安全の確保、生徒の命を守るということについて、全力で取り組んでいく。

 

このページの作成所属
教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ

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