平成28年2月委員会会議会議録

更新日:2016年3月31日

大阪府教育委員会会議会議録

1 会議開催の日時

   平成28年2月19日(金曜日) 午前9時26分 開会

                 午前11時20分 閉会

2 会議の場所

   大阪府公館 

3 会議に出席した者

教育長向井 正博
委員小河 勝
委員立川 さおり
委員井上 貴弘
委員竹若 洋三
教育監和田 良彦
教育次長橋本 正司
教育センター所長津田 仁
教育総務企画課長水守 勝裕
教育振興室長中野 伸一
高等学校課長橋本 光能
高校再編整備課長土佐 邦之
支援教育課長藤井 清
保健体育課長植山 勝秀
市町村教育室長浦嶋 敏之
小中学校課長坂本 暢章
地域教育振興課長津田 清
教職員室長河西 陽三
教職員企画課長白居 裕介
教職員人事課長後藤 克己
文化財保護課長星住 哲二

4 会議に付した案件等

◎ 議題1 知事からの意見聴取について

◎ 議題2 平成29年度大阪府公立学校入学者選抜方針等について

◎ 報告事項1 「政治的教養を育む教育推進のためのガイドライン」について

5 議事等の要旨

(1) 会議録署名委員の指定

 小河委員を指定した。

(2) 1月22日の会議録について

 全員異議なく承認した。

(3) 議題の審議等

◎ 議題1 知事からの意見聴取について

【議題の趣旨説明(教育総務企画課長)】

地方教育行政の組織及び運営に関する法律第29条の規定により知事から意見を求められた平成28年2月定例府議会に提出予定の次の議案については、異議がないものと決定する件である。

○予算案

 1 平成28年度大阪府一般会計当初予算の件(教育委員会関係分)

 2 平成27年度大阪府一般会計補正予算(第5号)の件(教育委員会関係分)

 3 平成27年度大阪府一般会計補正予算(第6号)の件(教育委員会関係分)

○事件議決案

 1 大阪府公立高等学校定時制課程及び通信制課程修学奨励費貸付金に関する債権放棄の件

○条例案

 1 大阪府立学校条例一部改正の件

 2 大阪府の施設における国旗の掲揚及び教職員による国歌の斉唱に関する条例一部改正の件

 3 大阪府立図書館条例一部改正の件

 4 府費負担教職員定数条例一部改正の件

 5 大阪府文化財保護法に基づく事務に係る事務処理の特例に関する条例一部改正の件

 6 大阪府福祉行政事務に係る事務処理の特例に関する条例一部改正の件

 7 大阪府認定こども園の認定の要件並びに設備及び運営に関する基準を定める条例一部改正の件

 8 大阪府自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例制定の件

 9 大阪府安全なまちづくり条例一部改正の件

 10 職員の給与に関する条例一部改正の件

 11 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例一部改正の件

 12 職員の特殊勤務手当に関する条例一部改正の件

 13 大阪府指定障害児通所支援事業者の指定並びに指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例一部改正の件

 14 大阪府児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例一部改正の件

 15 職員の期末手当及び勤勉手当に関する条例等一部改正の件

 16 大阪府教育委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例等一部改正の件

 17 非常勤職員の災害補償に関する条例一部改正の件

 18 一般職の任期付研究員の採用等に関する条例及び一般職の任期付職員の採用等に関する条例一部改正の件

 19 職員の管理職手当の特例に関する条例一部改正の件

 20 知事等の給料及び期末手当の特例に関する条例一部改正の件

 21 職員の分限に関する条例及び大阪府職員基本条例一部改正の件

 

【質疑応答】

(向井教育長) 予算については非常に厳しい状況ではあったが、これまでの施策の充実と、課題を抱えた児童生徒に対する施策に、今回力を入れて整理させていただいた。

(竹若委員) 財政の厳しい状況の中で、小学校指導推進支援事業費、あらたに1億7千万円の予算。学校現場としては待ち望んでいた予算と思う。それだけに、大阪府教育委員会の目玉として取り組んでいくわけだが、単に予算をつけただけでなく、これを機会に、大阪の教育全体が、子どもたちの健やかな成長を願って、どう取組みを進めるか、のスタートになるもの。今までの取組みもあるが。一つには、こういう予算をつけることで、教職員の質をどう高めるか。教育センターを含めて、小学校の先生方に対する研修に取り組むべきだろう。さらにはSC、SSWを、すでに配置いただいている学校もあるが、これだけ広範囲に配置するのであれば、機能も十分果たされるような学校体制を構築していかないと、せっかくついた予算が無駄に終わってしまうのでは。この推進事業のプログラム、研修体制、さらには学校体制の構築を含めて、総合的なプログラムを作っていく必要があるのではと思うので、そういったことを構築できるように要望しておきたい。

(小河委員) 配置する退職校長はどれぐらいの人数か。

(向井教育長) SCとSSWについては、50校、一番厳しい学校に配置をして、その50校のうち20校については、地域人材ということで、校長OBとか、大学生とかの人材を投入して、チーム学校という体制を整えていただく。もちろん市町村教育会と一緒にやっていかなければならない。50校のうち20校は大阪府がやるので、残りの30校については市町村教育委員会の協力を得て配置していかなければならない。機能的には50校すべてに、という考えである。

(竹若委員) それに関連して、新たな施策をうつわけだから、教育委員も、こういう学校に訪問させていただいて、どう体制が確立されているか、見ていきたい。

(向井教育長) 文部科学省もチーム学校ということで施策を推進している。徐々にではあるが、補助金、国庫の額も増えていくと思っている。今回、若干ではあるが、国庫も活用する。2千万円ぐらい。今後とも、国のお金も活用していきたい。

(立川委員) 担当者はガッツポーズというか、最初の一歩と思う。小学校については50校ということ。今後のチームとしてのプログラムがどうなっていくのかというのは見守っていかなければならない。私も地域の人材として見守っていきたいと思う。それと、主要事業3の定時制高校への配置、15校のうち4校配置いただけるということで、これも最初の一歩を踏み出していただいたなと感謝している。今回はスクールソーシャルワーカーを含めてということで、専門家を配置いただいているが、青少年課や商工労働部との連携が、特に定時制通信制の場合は必要になってくる。進路保障、自立に向けての支援。保護というよりは、自立に向けての支援を是非していただきたい、と思う。1−9の就学支援金関連事業費について、910万円未満という部分と、非課税世帯ということだが、以前、250万円以下というのがあったかと思うが、あれは高校生の就学支援金か。給付金とこれはまた違うのか。

(水守教育総務企画課長) 平成26年度に事業が大幅に変わって、26年度から、その年の1年生から順次この制度に移行しており、28年度で3年生まで、新制度に全部置き換わる。

(立川委員) 1−16の府立学校耐震性能向上・大規模改造事業費は、2校が建て替えということで、これは吹田東高校と成城高校のことか。

(橋本教育次長) はい。

(立川委員) トイレの改修とか老朽化がすすみ、築80年という学校もあるということで、3校とも学校生活環境がかなり劣悪であると聞いており、実際に確認してので、ぜひ、お願いしたい。

(井上委員) 主要事業の1番から6番の予算がしっかり認められて良かった。1番の中学生のチャレンジ事業は、入試制度が変わって、学力テストから、学力を分析して、改善に活かすことと評定の公平性を担保することが目的であり、ここが実現できるというのがかなり大きい。今回、テストをやって、これをどうやって活用していくか、というのが非常に大事なところ。そこが我々に課せられた一つの課題である。引き続きしっかりやっていかないといけない。2番の小学校、知事重点事業となっている小学校の支援体制。学校が嫌になる、中学校、高校と学ぶことが嫌になる一つの原因として、小学校がつまらないなとなると、行きたくないなとなる。小学校が嫌なら中学校も嫌になる。面白くない、となってくる。小学生から学校が楽しいというのはすごく大事なこと。竹若委員がおっしゃったように、上手くいった仕組みづくりを全体に対してどう広げていくかが大事。1番、2番は、仕組みをどうやって広げていくか、ノウハウを蓄積していくか、が課せられている課題。3番も同じだが、大阪にとってはかなり大きな問題であり、課題のある生徒が多い。1番、2番と同じように、新しく始めた事業によって、得られた知見というのを次年度以降、他の学校に広げていくのが大切。5番もそうだが、子どもだけでなく、医療費は、将来、国全体で負担になってくる。大きな原因は運動するのが嫌だという中年のおじさんたちが増えてきている。それが高齢者になって運動をしない。子どものころから運動が嫌い。ゲーム等時間を潰すツールが増えてきている。こういったことで、体を動かすことが楽しいよというサポートのため、プロの選手や、運動を専門に習っている先生方とか生徒さんに来ていただくのが大事。来てもらう学校だけでなく、来てもらった学校が得たものを次年度またどうやって広めていくかということを考えていくことが大事。いろんな新しい事業が認められたことは大きいと思うが、しっかりと次年度に活かして、対象になっていない学校にどうやって広げていくかが我々に課せられた課題。

(竹若委員) 井上委員がおっしゃった小学校指導支援事業。退職校長さんに来ていただいてやっていくが、基本的な方法として、子どもは学校が楽しいんだと。かつて私は、子どもにとって行き甲斐のある学校、というのをやったことがある。教育委員会事務局もそういう方向性で考えていく必要がある。それと、高校による英語力養成ということで、27年度から10校でスタートしているが、1年で成果というのはなかなか言えないかもしれないが、1年たってみてさらにこれを拡大していこうという状況なので、お話できれば、報告してほしい。

(橋本高等学校課長) まだ年度が終わっていないので、数値的には言いにくいが、10校それぞれ指導力の高いSETが入っている。授業を我々見に行っているが、生徒の反応も非常にいい。こんな面白い授業があったのか、という反応がおおむねどの学校でも聞こえてきている。成果は着実に出つつある。

(小河委員) 1−20のグラフをみていただきたいが、50校に支援体制を組むということで、この支援事業費、この予算配置は非常に重要だと思うが、府全体の規模から考えて、これで効果が上がるかどうかはなかなか難しいところではないかと私自身は思っている。問題は、グラフを見ていただいたらわかるように、急激に問題行動が増えているという事態の原因をきちっと見ておかなければならないと思う。なかなか単純には言えないと思うが、私自身がかねてから何度か申し上げていることだが、平成23年、2011年。このときから問題が激化していっている。しかも2倍。この状況というのは、ただ自然増ではない。何らかの重大な原因があると私自身は思っている。それは、ゆとりから転換された現在の新指導要領、この状況が波及していっている原因が大きいと私自身は思っている。ゆとりから元に戻すという形で全体の構成が組まれたが、おおづかみにいって3割増。状況の変化が起きている。実際にはもっと激しく、小学校に英語の事業が入ってきて、中学校から確率・統計が数学に入って、その分がどんどん圧縮されて、実態としては、一次方程式、中学1年生で行われていた内容が、小学校6年生で、エックス、ワイが入ってきている。それが玉突きでずっと圧縮していって、小学校2年生で分数が入ってきている。この状況の中で、子どもの学習課題が非常に困難を極める状況に現実には入って行っている。このことが大きな原因ではないかな、と私自身は思っている。そういうところにある程度焦点化した対策が大事。人的配置体制というのは非常に大事だが、政策的に目的を絞った対応というのをやっていく必要があるのでは。でないと、なかなか効果が上がらないという事態が予想され、私自身は危惧している。

(向井教育長) 平成27年度は2000件近い数。小学校1000校ぐらいあるので、単純に割ると1校2件となるが、なぜ50校に絞ったかというと、50校は非常に件数が多い学校。この50校が53%を占めているので、50校がゼロになれば半減するという状況。そこの要因、分析が非常に大事であり、そのようなことを検討した結果である。

(小河委員) 非常に複雑な要因が重なって事態が生じている。

(井上委員) 1−25の修学奨励金貸付金に関する債権放棄だが、これは何年ぐらい前に貸したものか。

(橋本高等学校課長) 時効は10年。かつて、債権管理は全庁的に管理が徹底されていなかった状況。監査からも指摘があり、教育委員会だけではなく、知事部局に債権回収特別チームを立ち上げ、そこと連携して債権回収に努めている。ここ10年なので、その期間の未回収の分を、ご本人の住民票調査に基づき、財産調査もやり、その上でこれ以上できないな、というものが上がっている。

(井上委員) 府教委の予算からすればパーセンテージは微々たるものだが、絶対額が大きいな、と思った。この人たちはハナから返す気がないのか、それとも最近の経済状況で、返したくても返せないのか。分割でも返してください、とやっているのか、どういう状況にあるのか。

(中野教育振興室長) さまざまな状況の方がおられて、我々督促をやっていくなかで、分割で返していただける方もいるし、応じていただけない方もいる。そこを粘り強くやっていこう、というような状態。

(和田教育監) この奨学金は定時制高校の生徒だけに配付しているもの。卒業すれば返済免除。債権が発生している方というのは中退された方が対象になっている。支払われた方はここには載ってこない。私が課長のときから発生したものだが、すべて住民票調査とかをして、この間、時間をかけて所在を調べて、わからないという方について、今回、債権放棄と言う形で提案させていただいた。

(井上委員) 中退しないような施策をやっていくのが一番大事なことである。

 

【採決の結果】

賛成多数により、原案どおり決定した。

(賛成者 向井教育長、小河委員、立川委員、井上委員、竹若委員)

 

◎ 議題2 平成29年度大阪府公立学校入学者選抜方針等について

【議題の趣旨説明(高等学校課長・支援教育課長)】

平成29年度大阪府公立高等学校入学者選抜方針、平成29年度大阪府立知的障がい高等支援学校職業学科入学者選抜方針並びに平成29年度大阪府立支援学校高等部及び幼稚部入学者決定方針を決定する件である。

 

【質疑応答】

(井上委員) TOEFLiBT、IELTSの受験料は。

(橋本高等学校課長) TOEFL iBTは225ドル。IELTSは24,675円。英検は2級で4100円。

(井上委員) 経済的に余裕がないと、TOEFLiBT、IELTSは受けられない。年間、2回か3回あるが、2、3回受ければ7万円になってしまう。ここはいつも課題になる、経済的な格差が、英語力の差に出る可能性があり、少し手当ができればと思う。一生懸命勉強したいなと思って、ここで点を取れば他の教科に集中できるチャンスだが、なかなか2万4千円というのは、どんどん受けなさいという金額でもない。仕組みとしてはすごくいい仕組み。早期から英語の勉強をやらせましょうと。英検はまだ4000円ぐらいで払えるかな、という感じだが、集団で受けるから安くという交渉をされたと聞いたが、うまくいかなかった。残念である。

(竹若委員) 井上委員のお話そのままで、かつて、市の子どもたちに英語力をつけたいと思い、小学校から国際コミュニケーションということで、英語を取組みさせて、児童英検を小学校5年、6年生で受検させる。問題は費用。行政として予算化して、中学校1年2年が、英検5級、4級、3級と受験できるように予算化した。今回の施策は英語力を高める施策ということで評価している。が、非常にハードルが高いという思いもある。中学3年生で、たとえば英検で、3級をどれぐらい持っているか。国が、子どもが中学3年を卒業するときに、英検3級を受験できるぐらいの生徒を50%ぐらいにしたい。そうすると、今回のハードルは高いかなと。肝心要の中学校の授業で、英語の力がどれぐらい培われるか。今までその姿勢が足りなかった。学校現場が、今回の選抜の改正を受けて、意識を変えて授業を展開できるか。もう一つは、学校優位で英検に話ができると思う。現場でやらせた。会場は学校を使ってとか。それは可能な話かなと。できれば、各中学校現場でも、あわせて方向性を出す学校も出てくるのでは。実態はおそらく掴めていないかもしれないが、この新しい施策でどれぐらいの子どもが、たとえば英検2級。どれぐらいの数が出てくるか。高校卒業時で。

(橋本高等学校課長) 数字として掴みにくいが、なかなかハードルは高いと思っている。参考までに申し上げると、高校でGLHSが10校あり、それぞれ英語に力を入れて取り組んでいる。英検を重視している学校やTOEFLiBTを重視している学校などいろいろあるが、そのうちのある学校で、全員に英検を受検させている。1年生で準2級を受けさせる。2年で2級を受けさせる。その結果、1年の終わりの時点の準2級の合格率が3分の2。逆に言うと、3分の1の子は、1年生の終わりの時点では準2級もしんどい。2級で、2分の1弱。

(竹若委員) そうすると、かなりハードルが高い。

(井上委員) あまりにもハードルが高いのは再検討が必要だが、特急券みたいなものなので、これぐらいのハードルの高さはいいと思う。さきほどの受験料の問題。英検ならなんとかなるかと思うが、これからTOEFLiBTを受けたいという生徒が増えてきたときに、なかなか普通の家庭で2万5千円を何回も受けるのはしんどい。そこが何とかならないかという思い。難しいと思うが。

(立川委員) 先日、GLHS合同発表会に出させていただいた。天王寺高校で面白い発表をされていた。英語の大学入試で、「バーサント」を導入されたら、というプレゼンテーションをされていた。彼女は中学校で受検したことがあるということで、バーサントを推していた。公平性についてはバーサントは高い。4技能は少しバツがついていて、大学での入試だが、一つプラスすれば補えるのではという意見だった。彼女が言っていたのが、15分ということと、受検料が5000円。やはり費用は負担になってくると思う。今回の入学者選抜における読み替えの案も、費用が高くつくので、受ける費用がどうなっているのかなと。補助金、何かサポートできる予算ができればいいな、と当初は申し上げた。それも難しい状況かもしれないが、天王寺高校の生徒がバーサントと言っていたので、今回の件には影響しないかもしれないが、参考までに。

(和田教育監) 天王寺高校の発表の件だが、ご自身もTOEFLiBTを受検したことがある。3時間半かかるということと、225ドル、約2万5千円かかるということで、であれば、同じ4技能を測るバーサント。公的な機関のテストにも使われているので、そういうことに替えて行ったらどうですか、という提案をされたというお話だった。

(小河委員) 専門的な領域であり、我々が、あれがいいこれがいいというのは難しいが、経済的な負担と何とか軽減していくための方策に絞って、是非何とか検討していってほしい。この後も生徒が自主的に判断してとしてしまうと、非常にしんどいところはその問題で前に進めなくなってしまう。軽々にどれがいいと決めることはできないが、そこは専門家に委ねるということで、基本原則をはっきりさせて対応を考えていきたい。確かに、行政的にせっかくこういう話題になってきているのに、何か手を打てないのかというもどかしさは感じる。

(竹若委員) 確かにそうかもしれないが、要は個人で資格を取りに行く。たしかに金銭的な面は気になることは気になるが、向学心を持って英語の資格を取得する子が多くなっているのは事実。それを入試にはめて、高めようという一つの動きと思う。それはそれで良い。一概に、外部を頼りにするというのが全面に出てしまうと、では教育はどうなるのかという根本的な問題が出てくるので、さきほど課長が入試問題の作成が非常に難しいと言ったが、それは正直そうだと思う。将来的に、高等学校が作る入試がこうあるべきだ、と。高等学校の現場で方向転換しなければならない。こればっかり一人歩きしてしまって、本末転倒も考えられるので、その件もあわせて方向性を出していただければなと。

(橋本高等学校課長) まさに大学入試のあり方についても同じことが問われている。

 

【採決の結果】

賛成多数により、原案どおり決定した。

(賛成者 向井教育長、小河委員、立川委員、井上委員、竹若委員)

 

◎ 報告事項1 「政治的教養を育む教育推進のためのガイドライン」について

【報告の趣旨説明(高等学校課長)】

標記について報告し、委員会に意見を求める件である。

 

【質疑応答】

(向井教育長) 時間的に制限のある中で、関係機関にご協力いただいて作り上げた。

(井上委員) 教育長が議会のときに、「この機会に前向きにとらえていこう」とおっしゃったということだが、本当にそうあるべきと思う。一番大事なのが、21ページ。先生方に対してしっかり指導していくということで、まさしく四角で囲ってある部分、一つの考え方だけを押し付けるのでなく、多面的に、いろんな考え方を教えていく。生徒自身が判断していくことが一番大事かなと思う。しっかり枠組みを作っていただいたが、肝心要の教える先生が、そういう考え方を持っていなくて、無いとは思うが、一面的に、自分のある特定の政治思想を押し付けようとか、純粋な高校生がそれに一生引きずられる可能性もある。ここに書いてあるように、いろんな考えがあるのだよ、と自分で考えるきっかけになれば素晴らしい機会になるかなと。そこをしっかりやっていただきたい。

(立川委員) 私も18歳のときに政治経済に関心をもった時期がある。生活と政治がつながっているということで、外国との状況を調べて驚いていた。時代は非常に変わったなという印象。この冊子、わかりやすくまとめていただいた。この冊子は生徒一人一人にも配られるのか。先生に配られるのか。

(橋本高等学校課長) これは校長・教員向け。

(立川委員) 生徒はまた別に何か。

(橋本高等学校課長) 生徒向けには、国の副教材がある。それを有効に活用するためのガイドラインである。

(立川委員) では、ガイドラインとあわせて公職選挙法の冊子も配付するということを考えているのか。

(向井教育長) 各学校に法令集はある。

(橋本高等学校課長) 我々としてはお配りしようとは思っていないが、学校には法令集は必ずある。

(小河委員) 教育長のおっしゃった理念はまさにそうだと思うが、少し懸念するのは、議員の方々がこれをきっかけに、議員の方々との関係の問題が出てくるのかな、と。たとえば、議員の方々を呼んで学校でいろいろ議論を聞きたいという場合に、議員の方々の特定の党派の宣伝にならないように。原則的な視点からの筋を考えておく必要があるのかな、と。党派を全部呼ぶとか、公平の原則とか考えておかなければならないし、地元の議員がそこで延々と自説を主張するというようなことは避けるべきだし、様々な問題が出てくるかなと思っている。

(向井教育長) 府議会自身、これをきっかけに出て行って、いろんな意見交換をと考えていて、現在、議会事務局と打ち合わせており、議長と、議会事務局を通して協議しているところである。

(橋本高等学校課長) 議会の方でも、議員が出かけていって高校生に教えたいという要望がある。議会の広報委員会の中で、バランスとか中立性を確保できるように考えている、とお聞きしている。各学校が独自に議員を呼ばれる際には選管と相談して公平性を確保できるようにと指示したい。

(竹若委員) まさに、今朝のニュースで、テレビで、出前講座の件が流れていた。小河委員がおっしゃったように、学校現場はどこに相談したらよいかわからない。出前講座そのものは、学校からの要請があって初めて出かけていくのが基本とは思うが、具体的にはまだわからないが、選挙管理委員会や議会事務局としっかり検討いただいて、学校現場が困らないように。

(小河委員) 我々として大事なのは、政治的中立性をいかに確保するか。かつ子どもたちが勉強するときに、教材として活性化して活かしていく、というかなり矛盾したことを、考えながら進めていかなければ、という面がある。大事な問題。

このページの作成所属
教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ

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