第4章 基本方針1

更新日:2019年8月20日

 第3章で掲げた「基本的な目標」の実現に向け、10の基本方針のもと、取組みの基本的方向を踏まえ、総力をあげて取組みをすすめます。

基本方針1 市町村とともに小・中学校の教育力を充実します

現状と課題

○ 公立小・中学校については、これまでの取組みにより、学校における教育活動の充実が図られ、全国学力・学習状況調査においても、児童・生徒の学力や学習状況に改善が見られつつありますが、中学生については、依然として全科目で全国平均を下回っており、中学校における一層の学力向上の取組みが求められています。

平成24年度全国学力・学習状況調査 正答率の全国平均との比較


○ グローバル化の進展など社会が大きく変化する中、基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着と「活用する力」の向上を図るとともに、英語によるコミュニケーション力などが求められています。
  これらの力をはぐくむためには、授業の質を高めることが不可欠です。

活用する力


○ 全国学力・学習状況調査における「自分には良いところがあると思いますか」との質問に対し、「当てはまる」と答えた児童・生徒の割合が全国と比較して低い状況にあり、大阪は、自己肯定感の低い子どもが全国に比べて多い傾向にあります。
  このような中、学校教育全体を通じてすべての児童・生徒が自尊感情を高めるとともに、人を思いやる心をはぐくみ、互いに高めあう人間関係を構築する必要があります。

「自分には良いところがあると思いますか」

        

基本的方向

○ 市町村の主体的な取組みを支援するとともに、課題のある学校への重点的な支援を行い、子どもの力をしっかり伸ばす学校力の向上を図ります。

○ 教育内容の充実や授業改善などへの支援をすすめ、「基礎・基本」の確実な定着と「活用する力」の向上を図り、すべての子どもにこれからの社会で求められる確かな学力をはぐくみます。

○ 学校教育全体を通して、互いに高めあう人間関係づくりをすすめます。

   

重点取組

重点取組1 子どもの力をしっかり伸ばす学校力の向上

PDCAサイクルに基づく学校経営の推進

 各学校の課題に応じた計画の策定、計画に基づく取組みの推進、学力・学習状況調査等を踏まえた取組みの検証・改善や、学校協議会等の活用による保護者や地域の意見を生かしたPDCAサイクルによる学校経営を推進します。
 特に、学習指導面や生徒指導面で課題のある中学校に対して、市町村教育委員会と連携した重点的な支援を行います。

きめ細やかな指導・支援の充実

 少人数学級編制や少人数・習熟度別指導を推進し、児童・生徒の実態に応じたきめ細かい指導が図られるよう、市町村のニーズを踏まえた適切な人的配置などによる支援を行います。

 

重点取組2 これからの社会で求められる確かな学力のはぐくみ

「基礎・基本」の確実な定着と「活用する力」をはぐくむ授業づくり

 児童・生徒の確かな学力をはぐくむため、言語活動の充実を図る指導やICTを活用した指導などの充実に向けた教員研修や市町村教育委員会と連携した校内研修体制の確立など、授業改善に向けた支援を行います。
 また、学習指導ツールなどの学習教材を提供し、学力の定着状況の確認とその後の指導に生かすとともに、家庭における学習習慣の定着を図るなど、児童・生徒の自学自習力をはぐくむ取組みを促進します。

英語教育・理科教育の充実

 義務教育終了段階で、自分の考えや意見を英語で正確に伝えられる生徒を育てるため、活用することに重点を置いた授業づくりを研究・普及するとともに、外国や異文化に慣れ親しみ英語を使う機会の充実を促進します。
 また、授業における観察・実験活動を一層活性化させ、理科教育の充実が図られるよう、授業づくりのための研修や教材作成などにより支援します。

学ぶ意欲の向上につながる取組み

 学習意欲を向上させるため、児童・生徒の興味・関心を高める授業やきめ細かな指導によるわかる授業づくりの取組み、地域人材との連携など家庭・地域と連携した取組みが推進されるよう支援します。

 

重点取組3 互いに高めあう人間関係づくり

人を思いやる心を育成する取組みの推進

 学校教育活動全体を通じた道徳教育の充実や、自他の尊厳や価値、文化・習慣の違いを尊重する精神をはぐくむ人権教育、国際理解教育や多文化共生の取組みの推進などにより、人を思いやる心を育成する取組みを推進します。

よりよい人間関係を主体的に形成する力の育成

 社会体験や自然体験、生徒会活動などを通じ、よりよい人間関係を主体的に形成する力の育成に取り組みます。

 

重点取組4 校種間連携の推進

継続的・系統的な教育活動のための校種間連携の推進

 幼児・児童・生徒一人ひとりの育ちの継続的・系統的な支援や学びの連続性を図るため、校種間連携に取り組みます。とりわけ、公私立の幼稚園・保育所から小学校への円滑な接続が図られるよう、幼稚園・保育所と小学校の連携を促進します。また、中学1年生段階で生徒指導上の課題が増加するなどの、いわゆる「中1ギャップ」の状況を踏まえ、教員の交流など小学校と中学校の連携を促進します。

  

目次へ戻る  前のページ  次のページ

このページの作成所属
教育庁 教育総務企画課 教育政策グループ

ここまで本文です。