在日本大韓民国民団大阪府本部 要望書

更新日:2023年2月6日

要望受理日令和5年1月20日(金曜日)
団体名在日本大韓民国民団大阪府本部
取りまとめ担当課府民文化部 人権局 人権擁護課
表題大阪府「在日外国人施策に関する指針」改正案に対する要望書

要望書

大阪府知事 吉村洋文 様
大阪府教育庁 教育長 橋本正司 様

大阪府「在日外国人施策に関する指針」改正案に対する要望書

2023年1月20日
在日本大韓民国民団大阪府本部
団長

 平素より大阪府政および府内市町村における在日外国人問題解決のためにご尽力されておられることに、敬意とともに感謝の意を表します。
 大阪府におかれましては、私たち在日韓国人をはじめとする在日外国人に対する施策として、2002年に「大阪府在日外国人施策に関する指針」(以下指針)を策定され、すべての人が、人間の尊厳と人権を尊重し、国籍、民族等の「ちがい」を認めあい、ともに暮らすことのできる共生社会の実現をめざし、在日外国人施策を総合的に進めてこられました。
 ただ、今回の指針改定にあたりその内容を拝見したところ、私たち在日韓国人に関する記述が大幅に削除されています。
 これまで大阪府が私たち在日韓国人をはじめとする在日外国人に対する施策を推進されるにあたって、歴史的経緯のある在日韓国人に対する取り組みの実績、成果があってこそ今日の府政があるのだと思います。
 その中で今回の指針改定にあたり、在日韓国人に対する記述を大幅に削除するという事は、「前進」ではなく「後退」であると考えます。
 多様化している在日外国人が増加しているからこそ、そのパイオニアとも言える私たち在日韓国人がなぜ日本に在留するに至ったのか、これまでどのように生活してきたのか、その経緯を知ってもらう事が相互理解、共生社会の実現につながると確信します。在日韓国人の人権課題が日本に居住する在日外国人問題の原点であることを再度認識し、その事実を記載すべきです。
 そして、これまで大阪府が取り組んでこられた実績を指針に記すことが、今後の取り組みへの基盤となるかと存じます。
 これらの状況を踏まえ、大阪府内の外国籍住民が安心安全で住みよい街となり多民族多文化共生社会が実現されるよう、指針改定案に対し以下のように要望いたします。

 一.大阪府で暮らしている外国人の約4割は、からの記述(8ページ 下段)について
 在日韓国人が日本に居住するに至った歴史的経緯がよく分かるような記述にしてください。【府民文化部人権局人権擁護課】

<例文案>
 「大阪府で暮らしている約4割は、韓国・朝鮮籍の人です。その多くは日本が朝鮮半島を領土としていた歴史的経緯により、第二次世界大戦以前から暮らしている人とその子孫であり、戦後さまざまな事情から帰国できず、日本にとどまる事になった方々です。

 二.「特別永住者」の記載(9ページ 注釈5)について
 私たち在日韓国人は、1952年サンフランシスコ講和条約が発効された事により、当時国籍を選択する事すら出来ない中、「日本国籍をはく奪」され、外国人として取り扱われました。
 注釈5にあるような「日本国籍を離脱」したわけではありません。歴史的背景がある中で特別永住者となったという事が分かるように文言を訂正してください。【府民文化部人権局人権擁護課】

 <例文>
 入管特例法に基づく在留資格を持つ永住者の事を指し、入管特例法の対象となるのは第二次世界大戦中の戦時下において日本に占領されていた領地の人達です。主に韓国・朝鮮や台湾出身者が占めており、戦後も母国に帰れないなど様々な事情により日本で生活している人が多くいました。その人達が日本へ定住することなどを考慮した上で、永住する権利を与えられました。
 
 三.国際理解教育・在日外国人教育の充実(21ページ)について
 改定前の指針には、在日外国人教育の充実に関して「在日韓国・朝鮮人児童・生徒」に対する記述があったが、改定案には一切記載がありません。「在日韓国・朝鮮人問題に関する指導の指針」に関しても記述がありません。歴史的経緯のある在日韓国・朝鮮人に対するこれまでの取り組みを改定後も継続して記載してください。【教育庁人権教育企画課】

 1.「在日外国人の本名使用率」の一覧表(21ページ)に在日韓国・朝鮮籍の児童・生徒の本名使用率も併記してください。

 <趣旨>
 在日韓国・朝鮮人児童・生徒の本名使用率が低いという課題(未だに民族差別がある)があるという事をしっかり認識してほしい。

 2. (21ページ下から3行目)の部分から在日外国人教育については、「在日韓国・朝鮮人問題に関する指導の指針」を追記してください。

 3. 改正前に記載のあった文言を追記してください。
 1991年に交わされた「日韓法的地位協定に基づく協議の結果に関する覚書」では在日韓国人の教育に対して「日本社会において韓国語等の民族の伝統及び文化を保持したいとの在日韓国人社会の希望を理解し、現在、地方自治体の判断により学校の課外で行われている韓国語や韓国文化等の学習が今後も支障なく行われるよう日本国政府として配慮する。」とされており、これに基づいて大阪府内で今日まで民族学級等の取り組みが行われてきました。
 在日外国人として一括りにするのではなく、歴史的経緯のある私たち在日韓国・朝鮮人の子女たちへの教育を保障しているという文言を記載してください。

 (現行指針12ページ11行目)とりわけ、在日韓国・朝鮮人児童・生徒については、「在日韓国・朝鮮人問題に関する指導の指針」に基づき指導に努める。

 (改定後指針22ページ下から3行目)に追記。 

‐以上‐

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室広報広聴課 広聴グループ

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