日本労働組合総連合会大阪府連合会 要望書(1)

更新日:2023年6月13日

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要望受理日令和4年9月15日(木曜日)
団体名2023(令和5)年度 政策・制度予算に対する要請について
取りまとめ担当課商工労働部雇用推進室労働環境課
表題日本労働組合総連合会大阪府連合会

要望書

2022年 9月15日

大阪府知事 
吉村 洋文 様

日本労働組合総連合会大阪府連合会 会長

2023(令和5)年度 政策・制度予算に対する要請について

 貴職の日頃よりの府民生活向上にむけた行政運営・諸施策の推進に敬意を表します。

 私たち連合大阪は、大阪府域で働く者を代表する組織として、暮らしの底上げや格差是正など、働く者が公正に報われる社会の実現に向け、様々な活動に取り組んでいます。
 そうした活動の一環として、コロナ禍によって急速に高まった社会不安を払拭するとともに、誰もが安心して働き生活できる元気な大阪を創り上げていく観点から、生活者・勤労者の視点で議論を重ね、このたび「2023(令和5)年度政策・制度予算要請」をまとめました。
 大阪経済は業種・業態による違いはあるものの、全体的には回復基調とは言われていますが、ロシアのウクライナ侵攻から端を発した、物価の高騰もあり、先行きは見通せない状況となっています。大阪府の雇用情勢は、有効求人倍率1.22倍、完全失業率2.9%(2022年6月現在)とやや改善が見られますが、有期、短時間、契約、派遣や女性、外国人など、弱い立場で働く者はいまだ厳しい状況が続いています。
 また、新型コロナウイルス感染症は新たな変異株の発生など第7波の感染拡大となっており、予断を許さない状況が続いています。大阪府におけるこれまでの感染者数は198万人にのぼり、6,185人の死亡が確認されています。病床使用率は50.7%(重症患者用30.9%、軽症中等症56.6% 9月6日現在)となっており、医療現場の逼迫は続いています。現在、政府も大阪府も経済活動を行って行く観点から、これまでの行動制限等は要請していませんが、経済活動と医療提供体制をどのように維持していくかが大きな課題となっています。
 このたびの要請内容は、「雇用・労働・ワーク・ライフ・バランス施策」「経済・産業・中小企業施策」「福祉・医療・子育て支援施策」「教育・人権・行財政改革施策」「環境・食料・消費者施策」「社会インフラ施策」の6点の柱に加え、昨年同様「新型コロナウイルス感染症対策関連施策」を追加した7点を柱とした72項目の要請としています。新型コロナウイルス感染症対策の強化や感染拡大抑制へ向けた措置により、財政状況が厳しい中ではありますが、2023年度の施策に、ぜひとも反映していただきたく要請いたします。

以 上

2023(令和5)年度 大阪府 政策・制度予算要請

〔(※)重点項目〕

1.雇用・労働・ワーク.ライフ.バランス施策

(1)雇用対策の充実・強化について(※)
<継続>
(a)大阪雇用対策会議の開催に向けて
 新型コロナウイルスの感染拡大による雇用労働市場への影響により、人手不足が深刻化している。また従前からの人材確保対策が必要な業界の課題もある。これまでのコロナ対策の効果検証結果を共有し、今後の雇用対策をオール大阪で検討していくためにも、大阪雇用対策会議の実務者会議を開催すること。

<継続>
(b)人材の確保とマッチング機能の強化について
 府内の人材確保を必要とする製造・運輸・建設業界での人材不足の解消を目的として設立された大阪府の「大阪人材確保推進会議」での取り組み強化に加え、コロナ禍によって新たに飲食業や情報サービス業なども含め、さまざまな業界で人材不足が深刻化している。各業界での人材確保につながるよう、企業と求職者のマッチング機能の強化へ向けた取り組みを強化・推進すること。

(2)就労支援施策の強化について
<継続>
(a)地域就労支援事業の強化について
 大阪府内の関係機関と連携する「地域労働ネットワーク」の活動を活性化し、就職困難層の就労への支援ニーズに則した事業が展開されるよう、各市町村との連携を強化すること。また、コロナ禍で職を失った女性や子育て・介護責任を担う女性をサポートする職業能力訓練などを含む施策を講じること。特に、ひとり親家庭への支援事業の拡充など、総合的な施策を強化させること。加えて、それらの施策が支援の必要な人に届くよう周知の取り組みも強化すること。

<継続>
(b)障がい者雇用の支援強化について
 大阪府内民間企業等の障がい者雇用率は、全国と比較しても低位で推移する状況が続いている。大阪府内企業の法定雇用率達成に向けた施策として、「雇用ゼロ企業」が障がい者雇用に踏み出せない個々の要因を把握したうえで、障がい者雇用にかかるノウハウの共有化を図り、準備段階から採用後の定着支援までの一貫した総合的な支援を強化すること。
 また、障がい当事者の意思を尊重した合理的配慮や相談体制の充実、職場での理解促進、さらに、障がい者就労に関する社会の理解を広げるための啓発の取り組みも含めた施策を推進すること。

<補強>
(3)男女共同参画社会の実現に向けて
(a)「おおさか男女共同参画プラン」の周知・広報について

 「おおさか男女共同参画プラン」(2021から2025)は、大阪府が「男女共同参画社会」の実現をめざすための基本的な方向性を示すものであり、その趣旨は大阪府域に広く理解・浸透されなければならない。
 大阪府域各市町村での男女共同参画に関する施策が着実に推進されるよう、各市町村との連携を強化するとともに適切な支援を行うこと。
 また、大阪府民にもSDGsの目標の一つである「ジェンダー平等」をめざす取り組みとして、本プランの趣旨が広く理解されるよう、リーフレットやインターネット上で活用できる動画などの宣材の作成、SNSなどを通した具体的な情報発信を行うこと。

<新規>
(b)女性活躍・両立支援関連法の推進について
 女性活躍をさらに推進するため、女性活躍推進法の省令改正により、把握・公表が求められるようになった「男女の賃金の差異」なども含め、女性活躍推進法の周知を積極的に行うこと。また、大阪府の特定事業主行動計画に則った女性参画を進めること。
 2022年4月から段階的に改正される育児・介護休業法についても、その趣旨・内容を広く周知すること。また、職場での男性の育児休業取得が促進されるよう、具体的な取り組み事例の情報発信などの啓発活動を行い、誰もが育児休業を取得できる職場環境の整備に取り組むこと。

<継続>
 (4)労働法制の周知・徹底と労働相談体制の強化について
 労働施策総合推進法が改正され、2022年4月より中小企業においても職場でのパワーハラスメント対策が義務化された。特に中小企業での防止対策について周知・支援するとともに、労働者からのハラスメントに関する相談対応体制を充実・強化すること。
 また、ハラスメント被害者が相談窓口にアクセスしやすくなるよう、行政機関や企業内だけでなく、業界団体や地域組織など多様な場に相談窓口が設置されるよう、働きかけを行うこと。

<補強>
(5)治療と仕事の両立に向けて
 厚生労働省がガイドラインを示しているように「治療と仕事の両立支援」は働き方改革の実践においても重要な課題である。企業での「治療と仕事の両立支援」の取り組みがさらに浸透するよう、関係団体と連携し、周知・啓発を行うとともに、支援事例や情報、ノウハウの提供を行うこと。また、労働者自身が健康や医療に関する知識や関連施策を学ぶことができるセミナーなどの機会を提供すること。

2.経済・産業・中小企業施策

(1)中小企業・地場産業の支援について
<継続>
(a)「中小企業振興基本条例」の制定促進について
 中小企業振興基本条例が未制定の府内市町村に対して、府の指導力を強化し、条例制定に向けた審議会や振興会議などの設置など、条例制定に向けた環境整備を促すこと。
 また、大阪府の中小企業振興策において、中小企業などへのデジタルデバイスの導入支援など具体的な振興策の検討や、行政の各種支援策の周知と利用拡大により、取り組みの実効性を高めること。
 条例制定済み市(制定順14市):
 八尾市、吹田市、枚方市、大東市、大阪市、岸和田市、貝塚市、泉南市、寝屋川市、
 東大阪市、交野市、泉佐野市、和泉市、四條畷市

<継続>
(b)ものづくり産業の生産拠点の維持・強化について
 ものづくり企業の従業員やOBなどをカイゼン活動のインストラクターとして、あるいはものづくり企業の従業員を現場のカイゼンリーダーとして養成し、中小企業に派遣する「カイゼンインストラクター養成スクール」の開設を経済産業局と連携して図ること。また、2019年度をもってカイゼンインストラクター養成スクールに対する国の補助金が終了したことから、大阪府としての支援を創設・拡充すること。

<継続>
(c)中小企業で働く若者の技能五輪への挑戦支援について
 中小企業で働く若者が技能五輪全国大会や技能五輪国際大会に挑戦できるよう、当事者に対する支援をさらに拡充するとともに、大阪府の支援策を広く周知広報すること。加えて、技能五輪地方予選大会・全国大会・国際大会に選手を出場させる中小企業に対して、直接的な資金面での助成を行うこと。

<継続>
(d)事業継続計画(BCP)策定率の向上に向けて
 帝国データバンク大阪支社の2021年5月調査によると、大阪府のBCP策定割合は、16.1%と全国水準(17.6%)よりも低く、企業規模別で見ると、近畿では大企業と中小企業の差が2倍以上となっている。各地で起こる自然災害や感染症の拡大により、大阪府内企業での早急なBCP策定が望まれる。引き続き、近畿経済産業局との「BCP策定大阪府スタイル」の連携を強化するとともに、特に中小企業に対し、策定のスキルやノウハウ、メリットを広く周知し、策定率を向上させること。

<継続>
(2)取引の適正化の実現に向けて(※)
 サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正な分配の実現に向けて、「働き方」も含めた取引の適正化を実現するため、「パートナーシップ構築宣言」の取り組みを推進・拡大すること。特に、大手企業の宣言拡大に向けた啓発や働きかけを行うこと。
 また、中小企業の「働き方改革」を阻害するような取引慣行の是正を強化するため、関係機関と連携し、関係法令の周知徹底や「しわ寄せ」を防止、適正な価格転嫁を実現させるための総合対策、中小企業への各種支援策の周知と利用拡大を図ること。

<継続>
(3)公契約条例の制定について
 公共サービスの質の確保、地域経済の活性化、公契約のもとで働く労働者の適正な賃金水準・労働諸条件の確保により、住民福祉の増進に寄与する公契約条例の制定を推進すること。併せて、総合評価入札制度を未導入の23市町村に対して導入に向けた継続的な働きかけを行うこと。
【総合評価入札制度導入済20市】
 大阪市、泉大津市、豊中市、河内長野市、東大阪市、茨木市、岸和田市、堺市、枚方市、富田林市、高槻市、箕面市、高石市、柏原市、阪南市、池田市、寝屋川市、泉佐野市、吹田市、八尾市

<新規>
(4)海外で事業展開を図る企業への支援
 海外に事業拠点を持つ、また海外事業展開を図ろうとする地元企業に対し、海外での中核的労働基準(結社の自由・団体交渉権・強制労働の禁止、児童労働の廃止、差別の排除)順守の重要性について周知徹底すること。
 また、海外事業拠点や取引先なども含め、人権デュー・デリジェンスの必要性についても周知徹底すること。

3.福祉・医療・子育て支援施策

<継続>
(1)地域包括ケアの推進について(※)
 住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう地域包括ケアの推進に向け、質・量ともに十分な介護サービスの提供体制を市町村と連携して整備すること。また、地域包括ケアの整備推進に対し、利用者、医療保険者、被保険者の声が反映できる仕組みと、市町村が個別に抱える課題や支援ニーズに対して十分な支援を行うこと。加えて、「大阪府高齢者計画2021」の最終年度(2023年度)を迎えるにあたり、施策の進捗状況を検証し、より実効性を高めていくこと。

<新規>
(2)生活困窮者自立支援制度のさらなる改善について
 生活困窮者自立支援事業のさらなる質の改善に向け、好事例などの情報収集・分析・提供など、実施自治体(市町村)に対する強化を国に働きかけること。また、事業における支援員の育成やスキルの維持・向上のための研修を行うとともに、そのために必要な予算の確保を図ること。

<継続>
(3)予防医療及び健康づくりのさらなる推進について
 大阪府民の特定健診や、乳がん検診、子宮頸がん検診等の受診率向上と早期発見のためにも、若年世代から毎年受診できるよう制度を改定すること。また、AYA世代にがん検診の積極的な受診を促すための取り組みを強化すること。加えて現在進められている「第3期大阪府がん対策推進計画」の進捗状況についての検証を行うこと。さらに、大阪府が実践的に取り組む「健活10」や「大阪版健康マイレージ事業“おおさか健活マイレージアスマイル”」等を大阪府民により広く周知するとともに、その内容の充実を図ること。

(4)医療提供体制の整備に向けて(※)
<継続>
(a)医療人材の勤務環境と処遇改善について
 医療現場の実態を把握し、労働環境の改善とワーク・ライフ・バランスや勤務間インターバルの確保等、医療現場で働く労働者の健康に対する配慮を強化すること。また、2024年度の医師の労働時間上限規制への整備を図ること。
 安全で質の高い医療・看護の提供に向けては、緊急事態を想定した医療人材確保のために、キャリアアップが可能な仕組みの確立、専門性の向上を図る研修機会の拡充を積極的に実施すること。さらには、潜在医療従事者が大規模災害など緊急時に復職できる仕組みや、新型コロナウイルス感染症の患者対応やワクチン接種への従事などをきっかけに一時的に復職した者が希望すれば本格的に復職できる仕組みを医療機関と連携し構築すること。

<継続>
(b)医師の偏在解消と地域医療体制の向上に向けた取り組みについて
 地域や診療科ごとの医師の偏在を解消するため、出産や育児などで離職した女性医師の復職支援研修を行うなど、効果的な施策を実施すること。特に、救急科や産科、小児科等医師不足が懸念される診療科の医師の確保に取り組むこと。また、医療分野での地域間格差解消に向け、地域の医療ニーズや二次医療圏内で医療需要の増加が見込まれる病床機能の確保など地域の実態を検証し、効果的な医療提供体制を構築するとともに、高度な医療機器については共同利用に関する意向書の提出状況の検証を行い、医療機関間の共同利用をさらに促進すること。
 加えて、今後ニーズが高まる「訪問医療」を拡充するために、実施している医療機関への助成を行うこと。

(5)介護サービスの提供体制の充実に向けて(※)
<継続>
(a)介護労働者の処遇改善と職場定着に向けて
 介護労働者の確保と定着、離職防止のために、処遇改善施策および潜在介護職員の復職支援研修や介護士をめざす人材への介護資格取得のための奨学金補助や住居費、介護実習費の支援を拡大すること。さらには、サービス提供責任者をはじめとする介護労働者に対する能力開発プログラムの拡充や定期的な受講を義務付けるとともに、事業所による受講促進にかかる取り組みを評価する等、キャリアアップの仕組みへの整備を支援すること。
 また、介護労働者の職場環境を改善すべく、利用者や事業主からのハラスメント防止に向けて、事業主に対する啓発・研修活動を強化すること。

<補強>
(b)地域包括支援センターの充実と周知徹底について
 地域包括支援センターが、地域のニーズに則して実効性ある機能が発揮できるよう、市町村に応じた十分な支援を行うこと。また、労働者の介護離職を防ぐためにも、家族等が介護をしながら働き続けることをサポートする機能や役割を地域包括支援センターが持つことについて、地域住民に認識してもらえるよう、周知・広報を強化すること。
 また、「地域包括支援センター」を拠点に高齢者と子どもが積極的に交流を図ることを通じて、高齢者が生きがいを持って生活できる環境整備や、子どもの心の発展をめざす目的で、高齢者と子どもが積極的に交流を図ることができる施策の検討を行うこと。

(6)子ども・子育て施策の着実な実施に向けて(※)
<継続>
(a)待機児童の早期解消に向けて
 市町村と連携して、計画的に保育園の増設をなどを整備すること。また、保護者の意向や状況を把握するとともに、潜在的な待機児童の把握と事業所内保育、家庭的保育や小規模保育等の整備・充実を図ること。整備の際には保育が適正に行われるよう、認可保育施設との連携や広域的な受け入れ調整などを行うこと。加えて、待機児童が増加した市町村に対して受け皿の拡大や保育士の確保へ向けた支援を行うこと。さらには、障がいのある児童の受け入れや兄弟姉妹の同一保育施設への入所など、保育の質を向上させること

<継続>
(b)保育士等の確保と処遇改善に向けて
 子どもが心身ともに健やかに成長するために必要な保育や幼児教育の質の確保のため、保育士、幼稚園教諭、放課後児童支援員等の労働条件と職場環境の改善を行うこと。具体的には、定着率を上げる(離職率を下げる)ために、正規・常勤での雇用、給与水準の確保、定期昇給制度の確立、適正な配置、研修機会の確保等を行うこと。また、保育士の確保へ向けた大阪府独自の助成金の創設や、「保育士宿舎借り上げ支援事業」拡充に向けた国への働きかけ、離職した潜在保育士が復職するための働き方を含めた環境整備などの支援を強化すること。加えて「放課後児童支援員キャリアップ処遇改善事業」未実施の市町村に対する実施へ向けた働きかけを強化すること。

<継続>
(c)地域子ども・子育て支援事業の充実に向けて
 保護者の負担軽減となるよう、病児・病後児保育、延長保育、夜間保育、休日保育等、多様なサービスの拡充のための財政支援を行うこと。また、病児・病後児保育を利用しようとする保護者がネットによる空き状況の確認や予約が可能なシステムを整備すること。市町村との連携で保護者の意向や状況の把握、多様な保育サービスが実施できる施設の拡大に伴う保育士、看護師の確保の支援を行うこと。

<継続>
(d)企業主導型保育施設の適切な運営支援について
 企業主導型保育施設については、子どもの育ちと安全を保障するため、認定・指導・監査等市町村による関与を行うことが必要である。そこで、認可施設への移行を強力に進め、保育の質を確保するとともに、企業主導型保育事業における地域貢献の理念を徹底すること等について、現在策定されている計画に基づき、速やかに進めると同時に、市町村や事業者、保護者の声を聞く等、新たな課題等が抽出できる仕組みを構築すること。

<補強>
(e)子どもの貧困対策と居場所支援について
 「第2次大阪府子ども貧困対策計画」にもとづき、大阪府・大阪府教育委員会として実効ある対策と効果の検証を行うこと。あわせて、困窮家庭における相談窓口を一本化することで、必要な支援が確実に享受できる体制の構築を推進するとともに、就労しているひとり親家庭への支援が確実に届くよう、土日祝や夜間での相談体制を充実させること。また、行政手続きの簡素化を行うこと。
 NPO、民間団体、個人が運営する「子ども食堂」は、食の提供だけに留まらず、「子どもの居場所」として地域との繋がりを深める重要な拠点であることから、市町村が実施している「子ども食堂」支援事業に応じた補助金を支給・拡充するなど市町村への支援を強化すること。さらに、府域での食堂数は年々増加しているものの、市町村ごとの設置状況・広報状況に差が大きいことから、「住む場所による差」がでないよう特に設置の少ない市町村に対しての実施支援・働きかけを強めること。また「子ども食堂」、教育機関、民間企業などが連携したネットワークの構築へ向けた市町村の取り組みを支援すること。

<継続>
(f)子どもの虐待防止対策について
 児童虐待相談件数が増加傾向にある。そこで、「児童虐待防止法」や国民の通告義務の啓発・広報の徹底を図るとともに、児童虐待防止をよびかける「オレンジリボン運動」を推進し、新たな未然防止策を講じること。また、増加する相談業務に適切に対応するため、児童福祉司、児童心理司、相談員を増員し、児童虐待の予防的な取り組みや介入の徹底など児童相談所の機能を強化するとともに、相談業務を担う職員の専門性を高める研修等を実施すること。加えて、虐待の早期発見を図るとともに、新型コロナウイルス感染拡大の影響により在宅時間が増えることによる虐待事案も見られることから、学校との連携を強化し、早期発見による未然防止に努めること。

<新規>
(g)ヤングケアラーへの対策について
 「府立高校におけるヤングケアラーに関する調査結果」を踏まえ、実態件数の把握と迅速な社会的・経済的支援を行い、子どもたちが教育の機会を奪われることのないよう、社会的孤立を防ぐ支援を早急に行うこと。加えてヤングケアラーは、子ども自身や家族が「支援が必要な状況である」認識していない場合が多いことからも、地域包括支援センターを拠点として福祉、介護、医療、教育等の様々な機関と連携し、早期発見が可能な仕組みを構築するとともに、相談体制を強化すること。また学校や地域での早期発見につながるよう、具体的な事例や概念について広く周知を行い、理解促進に努めること。

<継続>
(7)自殺念慮者に対する相談体制の強化について
 相談者に対応する相談員の増員や研修制度の充実、さらにはSNSによる相談体制を充実するなど、相談体制を強化すること。あわせて、相談員のメンタルヘルス対策も充分に行うこと。また、相談者が抱える個々の事情により沿った支援を行うために、市町村や、NPOなどの民間団体と連携するとともに、取り組みに対する支援を行うこと。

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室広報広聴課 広聴グループ

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