全日本建設交運一般労働組合 要望書

更新日:2022年7月15日

要望受理日令和4年7月15日(金曜日)
団体名全日本建設交運一般労働組合
取りまとめ担当課府民文化部 府政情報室広報広聴課
表題要請書

要望書

大阪府知事 吉村 洋文 殿

2022年7月15日
全日本建設交運一般労働組合中央執行委員長
全国ダンプ部会長
関西ダンプ支部執行委員長


    

要請書

 新型コロナウィルス感染防止対策ならびに日頃から地元建設労働者、業者育成、地域住民の仕事とくらしを守る取り組みにご尽力されていることに敬意を表します。
 さて、政府は建設産業の担い手確保の対策として、設計労務単価を10年連続で政策的に引き上げや社会保険への加入促進措置等を取って来ました。建設工事現場等における週休2日制は全体的に浸透しつつあります。しかし、その実現を重層下請構造の建設業界に委ねる形を取っているため、様々な弊害のみが目立ち始め、期待されている実効性に乏しいのが現時点での到達点だと思います。
 その他、ダンプカーの違反行為や重大事故の原因は「社会経済構造上の問題である」ことは、繰り返し国会などでも解明されて来た問題です。設計労務単価の引き上げ等が現場で働くダンプ持ち労働者へ素直に下りるのであれば、重大事故防止の根源対策として非常に有効なものです。
 また、昨年7月の熱海市土石流災害を教訓にして、今国会で「改正宅地造成等規制法」が成立しましたが、人家に危害を及ぼす恐れのある特定地域に限定して、都道府県知事の許可制とするだけでは、今後も熱海市のような土石流災害が発生する恐れがあります。発注者と元請業者における「建設発生土の最終処分までの管理責任」の確保などが実施されなければ、不法建設発生土処分がくり返されるだけです。
 貴自治体発注工事にかかわり、下記の事項について要請致しますので真摯に対応し、発注当局としてご回答をください。

1. ダンプ規制法成立直前の国会でも、運搬単価の適正化が事故防止の根源対策であると強調されました。
  ダンプ労働者が交通安全を最優先に働ける職場環境づくりのため、具体的な措置を講じて下さい。
(1)公共工事に於ける10tダンプの標準積算は、全国平均では直接工事費で約6万円、工事原価で約7万5千円(税込み)です。直轄工事現場における単価の支払い実態を掌握し、本来は工事原価ですが、当面、直接工事費程度を支払うよう、受注業者を指導して下さい。
(2)建設工事現場での週休2日(土日現場閉所)の推進については、稼働日の減少にともない、大幅な収入減となるダンプ及び建設労働者が続出します。その対策としても、当面は急いで、直接工事費程度が支払われるよう具体策を講じて下さい。

2.公共工事で働く労働者の賃金・労働条件を確保するために公契約条例を早急に制定してください。
  その際、車持ちダンプ労働者や資材取引についても適用対象にして下さい。

3. 「改正宅地造成等規制法」の条例改正に際して、以下の措置を講じるようにして下さい。
(1)改正法は国の関与が希薄すると考えております。条例改正に際して、全国知事会等を通じて国の関与を軸にした早期の法整備を国に求めて下さい。
(2)各工事の建設発生土については、発注者及び元請業者が事前に最終処分場等の搬出先を指定し、最終処分場から搬入した事実を土砂受領書等により確認して下さい。また、指定先がストックヤードでも最終処分場まで再搬出・発注確認の発注者及び元請業者の責任で実施するよう国へ働きかけて下さい。
(3)建設発生土の処分に必要な経費が「処分代、運搬費等」が下請業者やダンプ労働者へ、確実に支払われるよう措置を講じて下さい。
(4)県内の処分場について実態調査をおこない、適正に管理された公的な処分場、ストックヤードを確保して下さい。

4.設計図書(仕様書等)に明記されている「指導事項」(ダンプ・トラック等による過積載防止について)が遵守されるよう、貴自治体の関係職員、受注者に徹底して下さい。
 「ダンプ規制法第12条団体等」に該当する建交労全国ダンプ部会加入者を使用促進するよう各工事の受注者ならびに建設業界団体への指導を徹底して下さい。「優先使用について」理解が曖昧な請負者に対しては、各河川及び国道事務所や出張所の責任者から正確な指導をして下さい。

5.過積載根絶と交通安全実現に向けて
(1)過積載が各地で復活しています。過積載根絶の有効な手段として、重量リミッター(過積載防止装置)の開発・装着義務付けに取り組んで下さい。
(2)貴自治体発注工事において、ダンプ規制法第4条(表示番号の表示)違反や荷台を違法改造して運行するダンプへの取り締まりを強化し、違反車両による直轄工事現場への入場を禁止して下さい。

6.「建設業の偽装一人親方対策」について
 本年4月より国交省の「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」の改定が施行され、各現場では受注者から個人事業主に対して「一人親方」の証明等を求める動きが生じ、ダンプの就労者に対しても適用させようとする受注者もいます。しかし、ダンプは建設事業者ではないことを理由として、従来から「社保未加入対策下請ガイドラインの対象外」とされています。無用な混乱と不当な排除を避ける為にも、各建設業団体並びに各受注業者に対して主旨を徹底して下さい。

7. 労災保険の特別加入の促進について
(1)設職人基本計画の主旨に基づいて、車持ちダンプ労働者など一人親方の就労者が「労災保険の特別加入制度」に加入するよう、関係省庁・業界団体等と連携して具体策を講じて下さい。
(2)また、法定福利費を確保する立場に立ち、「一人親方労災保険料相当分」がダンプなど当該の就労者に直接支払われるよう措置を講じて下さい。

8.貴自治体の発注工事現場で働く車持ちダンプ労働者に対して、受注企業の責任で「建退共証紙」が貼付されるよう指導を徹底して下さい。
  工事を受注した各企業が実施している「新規入場者アンケート」の中に「建退共加入証明書及び手帳写し」を提出させ、「建退共制度」が二次以降の下請業者まで徹底されるよう指導して下さい。

以上

                                                                                                                                                                                                

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室広報広聴課 広聴グループ

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