公益社団法人 大阪府精神障害者家族会連合会 要望書

更新日:2022年12月20日

要望受理日令和4年10月20日(木曜日)
団体名

公益社団法人 大阪府精神障害者家族会連合会

取りまとめ担当課府民文化部府政情報室広報広聴課
表題

2022年度(令和4年度)大家連要望

要望書

大家連発7号
令和4年10月20日

大阪府知事 吉村 洋文様 

公益社団法人 大阪府精神障害者家族会連合会
会長

2022年度(令和4年度)大家連要望

【医療】

1.新型コロナ対応について
(1) 精神障害者のコロナ感染時の専門治療医療機関を充実し、専門治療のための転院を可能にしてください。
  コロナ感染第6波で令和4年2月には大阪府下の精神科病院の約6割でクラスターが発生し、必ずしも専門治療を受けることができなかったとの情報があります。
  令和4年3月25日時点で、重症、中等症、軽症で合計153床の精神疾患者用病床を確保されたとのことですが、どこにどのような体制で確保されたのか明らかにするとともにこれまでの運用状況も明らかにしてください。
  令和3年度の精神科医療機関での新型コロナ感染状況を把握し公開してください。
(2)精神科医療機関、通所施設、グループホームのクラスター発生を未然に防ぐため、公費による職員の週一回、精度にばらつきのある抗原検査ではなくPCR検査実施の徹底をお願いします。
(3)クラスター発生後、専門医療機関への転院が難しい場合は、精神科医療機関、グループホームへの専門医療チームの派遣を推進してください。
(4)精神科病院入院の人たちへの面会が2年以上全く実施されていない病院があること、また、外部とのコミュニケーションが絶たれた不安で病状が悪化している方々が珍しくないとの情報があります。
  コミュニケーションを保証しないことは、人権侵害にもなりかねません。
  この状況を大阪府保健所、大阪府下市町村保健所、心の健康総合センターはどう認識されていますか。
  タブレット端末機を使っての面会や、広いスペースで直接対面できるなど様々な工夫を配慮するよう、指導してください。
(5)入院中、通院中の精神科医療機関でコロナワクチン接種実施を可能にしてください。
  精神障害者にとって、ワクチン接種場所を探す手間は心身に負担がかかります。
  また、普段慣れない場所へ出向くことは不安や緊張を強めます。
  そのような負担を軽減するため、入院、通院している精神科医療機関での接種協力を直接精神科医療機関へはたらきかけてください。
  令和3年度は「障害特性に応じた合理的配慮の提供に努めるよう通知しています。」と回答されていますが、実際は精神科医療機関により実施状況はばらつきがあります。通知するだけでは実施に結びつきません。
  大阪府はこの状況(上記精神科医療機関でのワクチン接種実施状況のばらつき)をどう認識していますか。実施を進める方策を提示してください。
  また、精神科医療機関に限定せず、かかりつけでなくても地域の医療機関での予約接種が可能なよう指導してください。

2.24時間365日の精神保健福祉医療相談窓口の実施の実現
  精神障害者と家族からの精神保健福祉医療に関するワンストップ(窓口の一本化)の24時間365日の相談窓口の設置を実現してください。
  現状の「大阪精神科救急ダイアル」の受け付け担当者は精神保健福祉医療の専門国家資格の有資格者ではない民間事業者に委託していると聞いています。緊急性の高い危機対応の必要なケースのトリアージュ(振り分け)を任すことが難しく、医療へのアクセスが遅いとの情報もあります。
  今後は、精神保健福祉医療の国家資格を有する専門性の高い人材を十分に配置してください。

3.精神科救急医療システムによる受け入れ病院を地域に戻りやすい圏域で配分してください。
  入院中の面会、退院後通院しやすい圏域での受け入れ病院の配分をしてください。
  現在は、利用者の希望で病院を選択することは不可能となっていて、医療を受ける権利が阻害されかねません。

4.病状悪化で困ったときに、病状により添い、医療とつなぐアウトリーチチームの稼働を実現してください。
  病状悪化で困ったときに、医療とつなぐアウトリーチチームの稼働が必要です。
  家族だけでは発病時や病状急変の対応は不可能です。
  強制入院をできうる限り防ぐため、困った時、人として病状に寄り添ってくれる第三者チームの介入が必要です。

5.精神科医療機関における身体拘束・行動制限に関する改善の実現に向けて身体拘束・行動制限(保護室使用)の最小化を図るため、現状の保健所実地指導の際、記載義務の徹底の指導のみならず、拘束時間、拘束理由の適切性も指導してください。
  ・また院内行動制限最小化委員会に院内関係者以外の第三者委員(家族、法律関係者など)を構成委員に加えるよう指導してください。
  ・行動制限・身体拘束の実施には家族にも連絡を義務づけるよう指導してください。

6.精神科病院で患者への虐待が疑われる事案があった場合に都道府県への通報の義務づけなどを盛り込んだ精神保健福祉法改正案が閣議決定されており、国は2024年度の導入を目指しているようだが、この改正を受けて大阪府はしっかりと取組んでください。

7.大阪府下で起こった精神科病院虐待事件について、大阪府実地指導の状況を開示してください。

8.障害者重度医療費助成制度を精神障害者、手帳1級所持者だけでなく2級所持者にも拡大してください。

9.いったん廃止された障がい者の老人医療制度(65歳以上の手帳2級所持者にも重度医療費助成制度を対象とする)を復活させてください。

【地域生活】

1. 教育
(1)大阪府職員並びに一般市民(教育職員、医療関係者、障害者地域支援事業所職員、地域自治会役員)への精神疾患理解および精神障害者の権利にかかわる人権教育の徹底をはかってください。    
  昨年度の実施状況を明らかにしてください。
  また今後それぞれの研修の場に当事者、家族の体験を伝える場を設定してください。
(2)本年度より高校保健体育で精神疾患が取り上げられることになりましたが、そのための準備、授業での実施状況報告についてどのように把握されているか明らかにしてください。
  また実際の教科書の同上の内容を公開してください。
(3)精神疾患理解や精神障害者の権利にかかわる人権教育を小学校高学年から開始してください。
  世界の動向は15歳までに上記の学習を終わっているとのことです。

2.住まい
(1)公営住宅の障害者単身入居枠を拡大してください。
(2)大阪市平野区の市営住宅の自治会当番について自治会の対応で障害者が自死する事件がありましたが、大阪府においても、その後自治会のありかたについて、どのような検討、改善がなされたかを教えてください。
(3)住宅の公的保証人制度を実施してください。
(4)民間不動産業者の精神障害者入居拒否について大阪府は今後どう対応するか明らかにしてください。

3.日中活動の場
(1)通所型障害福祉サービスの事業所の絶対数が不足しています。事業所数を拡大してください。
  また、障害特性に見合うものとして就労にのみ重きを置くのでなく、また個人の個性にも対応できるよう事業所の支援の質の検証を行い、行き場のない引きこもる精神障害者を救い上げる配慮をしてください。
(2)暮らしの自立に向けてのサポートを取り入れた支援を拡充してください。
  ヘルパー支援を支援の回数、日時の決定、内容を事業所が固定化するのでなく、精神障害者の個人の体調、希望に寄り添った対応を可能にしてください。
(3)地域で障がい者福祉サービスを受けるための障がい支援区分調査を現在は高齢者の介護保険制度区分調査項目を基礎にしていますが、調査の際、精神障害者の特性に配慮するよう調査員に指導してください。

4.保健所の相談、訪問の拡大と充実
(1)地域で暮らす当事者、家族の困りごとの相談、訪問を充実し、医療や地域福祉サービスにつなげるよう、積極的に介入してください。
  日中の病状急変など緊急危機介入が必要な時、迅速な訪問相談で、医療につなぐため、精神科救急医療との連携など責任ある介入をしてください。
(2)大阪府による保健所の大幅な統廃合により、通常の相談訪問が手薄になっているだけでなく、コロナ発症者への対応も手薄になり、全国でも大阪府の医療へのアクセスの遅れによる重症化率と死亡率の高さとの関係が指摘されています。保健所数の復活と相談員の増員をはかり、きめ細かな相談、訪問に対応してください。

5.今注目が集まっているヤングケアラーだけでなく、親、きょうだい、配偶者などすべてのケアラーの実態を調査し、ケアラーとしての家族負担の実態を把握し、自治体としてケアラー支援条例の制定を実現してください。

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室広報広聴課 広聴グループ

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