大阪府中小企業家同友会 要望書

更新日:2022年10月31日

要望受理日令和4年9月2日(金曜日)
団体名大阪府中小企業家同友会
取りまとめ担当課府民文化部 府政情報室 広報広聴課
表題2023年度(令和5年度)大阪府中小企業政策に関する要望と提言

要望書

2022年9月1日 

大阪府知事 吉村洋文 殿

2023年度(令和5年度)大阪府中小企業政策に関する要望と提言


 

大阪府中小企業家同友会

2023年度(令和5年度)の重点要望提言
(A)大阪府独自の「中小企業の日」の取組みに関する要望と提言
 「中小企業の日」の意義を府民に広報し、「中小企業の日」「中小企業魅力発信月間」に関連して、大阪府独自の取組みを実施してください。 (要望提言項目1参照)
(B)新型コロナウイルスの対応、融資支援策の検討に関する要望と提言
 新型コロナウイルスの感染が拡大しつつある現状を踏まえ、検査の強化、医療体制の充実、中小企業への支援、地域経済活動の継続など、感染対策に万全を期してください。同時に、感染にともなう融資の返済に直面している中小企業への支援措置を検討してください。さらに、感染症に伴う融資支援について、信用保証協会の100%保証借入返済に対し、返済猶予の延長や罰則のつかない方策を提案するなど、臨機応変な対応を図るよう国に対して要望してください。(要望提言項目5、6参照)
(C)大阪・関西万博の開催を契機に、持続可能な大阪経済の発展策に関する要望と提言
 2025年大阪・関西万博の開催に際して、大阪経済の内需拡大や中小企業の持続的活性化を軸とした大阪独自の計画を検討してください。(要望提言項目8参照)
(D)高校新卒者の企業定着向上のための方策に関する要望と提言
 高校新卒者の就職後の定着率向上を図るため、高校生と企業とのマッチングの改善(複数企業の選択など)、基盤整備や制度の充実を図ってください。(要望提言項目14参照)
(E)大阪府独自の奨学金制度の創設に関する要望と提言
 大阪府内の中小企業等の人材確保と若手従業員の定着及び経済負担を軽減するため、従業員の奨学金返済の支援を行う中小企業に対する支援制度または府内企業に勤務する若手従業員の奨学金を直接支援する制度を創設・実施してください。(要望提言項目16参照)

大阪経済の現状認識と中小企業に対する考え方、本要望提言について
 大阪経済は、2019年10月の消費税増税(8%から10%)による影響に加えて、2020年初頭からの新型コロナウイルスの感染拡大により極めて厳しい状況にあります。これまで大阪府の人口減少問題(2040年には135万人の減少となると、大阪府人口ビジョンにて指摘)、貧富の格差の増大、雇用の不安定化、生活保護世帯の増加などの厳しい状況が続く中、2022年に入り、ウクライナ問題の勃発、急激な円安の進行、諸物価の高騰など、消費増税とコロナ禍問題に加わり、大阪の経済はより深刻な現実に直面することとなっています。今後は、企業の倒産や廃業が加速度的に増加するとの予測もあります。
 「中小企業のまち」大阪におけるこのような極めて厳しい現状を踏まえて、大阪府への期待が大きくなっています。インバウンド観光への偏重、万博などの大型イベントに過度に期待するのではなく地域密着型、内需拡大型の政策への転換が求められています。その中で、地域の生活、地域の雇用、地域の若者を守り育んでいくことができる存在として、中小企業が果たす役割は決定的に重要であると考えます。
 中小企業憲章(2010年閣議決定)の前文に記載されている通り「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である」存在として、さらに、大阪府中小企業振興基本条例(2010年大阪府議会で全会一致で議決)の理念に基づき、大阪府中小企業家同友会(以下、大阪同友会)は、大阪府、金融機関、教育機関、地域の人々とも連携をはかりつつ、この難局にともに力をあわせて立ち向かうことを目指して、この要望と提言を作成することとしました。 

1.大阪府中小企業振興基本条例に関する要望と提言

 要望提言項目1:「中小企業の日」の意義を府民に広報し、「中小企業の日」及び「中小企業魅力発信月間」に関連して大阪府独自の取り組みを実施してください
 2019年6月に政府において制定された「中小企業の日(7月20日)」「中小企業魅力発信月間(7月)」を受けて、大阪同友会では、昨年に引き続き、本年7月20日(水曜日)、大阪市中央公会堂において、企業展とフォーラムの二本立てで企画、大阪府からは大阪市と共に共催として支援いただき「中小企業の日」「中小企業魅力発信月間」にふさわしい取り組みを行うことができました。
 1)今後も上記の取り組みを進めていくこととしていますが、大阪府としてご支援、ご協力の継続をお願いします。
 2)「中小企業の日」の趣旨を踏まえて、大阪府独自の取り組み(府民啓発イベントの開催など)を検討し、具体化してください。

 要望提言項目2:部局横断的・総合的施策の実現のため「中小企業担当副知事」を新設するとともに、「大阪産業局」「産業化戦略センター」の成果を明らかにしてください
 地域経済を牽引し、地域社会において重要な役割を担っている中小企業に対する施策を一層充実・強化し、大阪府として、部局横断的に推進することができるようにするため、中小企業担当の副知事を新設することが必要と考えます。
 1)現在、大阪府では、副知事が3名配置され、それぞれ役割を定めていますが、商工労働部を担当する副知事が中小企業担当となり、大阪府各部局の施策が中小企業振興として一体的に推進できるよう庁内体制の確立・強化をお願いします。
 2)大阪産業局と産業化戦略センターの設立目的、取り組み内容について、理解、確認しました。引き続き、大阪府内中小企業振興のため、大阪産業局と産業化戦略センターの尽力を期待します。同時に、上記2つの組織の活動内容を多くの中小企業に具体化し、客観的に捉えられる様「見える化」してください

 要望提言項目3:中小企業への訪問調査について、大阪府職員による訪問、実態把握に努めてください
 中小企業施策を実態に適合した形で効果的に推進していくためには、中小企業が直面している現状を的確に把握し、中小企業関係者の現場の声を踏まえることが大切です。この観点から、大阪府商工労働部として、大阪府職員が中小企業の現場に出向いて、中小企業が直面している実態を正確に把握することの意義が大きく、コロナ禍において、その必要性が高まっていると考えています。
 この点から、大阪府の職員が、中小企業の現場に出向いて、中小企業が直面している現状を具体的に調査・把握するよう、努めてください。大阪同友会として、大阪府の調査に協力させていただきます。

2.中小企業が活躍しやすい環境をつくるための要望と提言

 要望提言項目4:官公需における中小企業への発注比率(金額ベース)を拡大してください
 令和2年度の発注比率は、金額ベースで63.3%となっており、また近年のコロナ禍に対応した支援項目が追加されましたが、平成20年度の75.7%以降、60%台が続いています。全国的には地元中小企業の発注機会の確保や雇用を維持するための動きが興っています。全国平均73.5%、近畿圏(京都70.7%、滋賀76.6%、奈良73.0%、和歌山85.1%)や他県(愛知73.0%、広島78.5%、福岡89.5%)の実績から、70%以上の水準を維持できる様、府内中小企業者の受注機会の増大へ注力をお願いします。

 要望提言項目5:中小企業の事業承継の妨げとなっている金融機関の連帯保証制度の早急な見直しを国及び大阪信用保証協会に推進するように強く要望してください
 後継者に事業を引き継ぐ場合、債務をすべて後継者が連帯保証をしなければならないのが現実です。連帯保証を外すためには多くのハードルがあるのが実状であり、現段階では一応のコンセンサスはあるものの、外せているのは半分以下です。後継者問題での連帯保証制度による弊害に加えて、昨今では、例えば100%保証協会の保証がついているにもかかわらず、金融機関(信用金庫、地銀など)が個人に連帯保証を求めることなど、問題があります。
 1)社会的な雰囲気を変える努力と金融機関にも近代的な金融のあり方に変えてもらうような機運の醸成に、府として提言を国に対して行ってください。
 2)大阪信用保証協会から金融機関に個人の連帯保証を取らないよう更に指導してください。

 要望提言項目6:新型コロナウイルス感染症に伴う融資支援について、信用保証協会の100%保証借入返済に対し、返済猶予の延長や罰則のつかない方策を提案するなど臨機応変な対応を国に図るよう要望してください
 新型コロナウイルス感染拡大により多くの中小企業が操業不能や縮小に陥り売り上げが大きく落ち込む中で、信用保証協会による実質無利息、100%保証協会の保証付きという融資で多くの中小企業が生き延びることが出来たことは、非常にありがたく、大いに感謝しているところです。
 あれから3年近く経ち、返済の時期が迫っていますが、景況がそれほど急激に回復してこない中、またすべてのモノの値段だけが高騰する中で、返済に窮する企業が増えているのも事実です。そこで、バブル崩壊の時行われたような、リスケジュールを行っても罰点がつかないという方策を金融機関ともども考えてください。

 要望提言項目7:法人事業税における外形標準課税の適用範囲拡大は、絶対にしないよう継続して国に要望してください
 これまで、中小企業関係4団体や同友会の強い要望により外形標準課税適用範囲拡大は見送られています。税の大原則は「公平性」、応能負担の原則の考え方から、大企業と中小企業に外形上一律の税率を課すことは、負担の公平性の確保にならないと考えます。外形標準課税には税制負担公平性の確保という一面はあるものの、昨今のコロナ禍により企業体力が低下している中小企業も多く、担税力のない企業への課税強化となることや、人件費の削減や社宅等の福利厚生への抑制により、「雇用と投資」が見送られ、結果、経済活力を削ぐ恐れがあります。
 現在、大阪府の法人の一部に適用されている法人事業税の外形標準課税を、資本金一億円以下の中小企業への適用拡大はおこなわないよう、引き続き全国知事会等での提言を含め国に対して行ってください。

3.持続可能な大阪をつくるための要望と提言

 要望提言項目8:大阪・関西万博の開催に際して、大阪経済の内需拡大や中小企業の持続的な活性化を軸とした大阪府独自の計画を検討してください
 2025年大阪・関西万博については、大阪府民や多くの中小企業が大阪経済活性化の起爆剤となり、短期的な経済効果のみならず、持続的な大阪の発展に寄与するものとして期待が高まりつつあります。万博開催を絶好の機会ととらえ、大阪府として、万博開催場所(夢州)だけでなく、大阪の各地域での地域資源を最大限に活かした関連イベントやDXを駆使した地場産業、地域産業を世界発信する企画を立ち上げた他県の事例などを参考に、大阪全体を巻き込む施策の展開を提言します。
 1)大阪市とタイアップした「万博推進局」が設置されましたが、日本国際博覧会協会との連携と役割分担を含め、具体的にどのような施策や活動を計画されているのか一般市民・府民にまで広まるよう普及に努めて下さい。
 2)万博開催後も持続的な地域社会の活性化につながるような施策を検討してください。

 要望提言項目9:大阪産(おおさかもん)・匠など、府の認証制度をもっと効果的に活かす取り組みを進めてください
 現在、大阪府の地域産業振興策として、府内のものづくり企業を対象に「大阪製ブランド」や「大阪ものづくり優良企業賞」を設立し、また、府域で栽培・生産される農産物、畜産物、林産物、水産物などの「一次産品」と、それらを原材料として使用した加工品を手掛ける府内事業者に対し「大阪産(おおさかもん)」のロゴマーク使用を認可する、といった複数の認証制度があります。この認証制度を生かしより効果を高めるため、認証されたもの同士を上手く組み合わせたビジネスをデザインする取り組みをすすめてください。
 例えば、府民に認証事業者を広く紹介し、紹介した業者同士の組み合わせで、更には府民の知っている情報をプラスして、考えられるビジネスプランを公募し、その実現を試み、成果物を大阪万博等で公表するなどを行ってください。

 要望提言項目10:省エネ、再生可能エネルギーに関する現在の大阪の現状分析の公表と、これに取り組む中小企業への支援制度を拡充してください
 再生可能エネルギーの需要の創出に向けた取組み「おおさかスマートエネルギープラン」に関して2021年より10年プランがスタート、いろいろなプロジェクトが計画されると認識しています。
 最近ではこの再生可能エネルギーに関しては全国的にもいろいろな問題が発生していることも無視できません。
 1)引き続き、「大阪モデル」に基づいて、再生可能エネルギーの創出と中小事業者の支援を続けてください。
 2)EA21などEMS認証を取得する(及び取得している)中小企業に対し、審査料や更新料などのEMS認証の取得及び継続に必要な費用について、府の補助金などの支援策を講じてください。
 3)政府の節電ポイント制度を参考に、大阪府でも節電・節エネルギーに努力した中小企業が経済的に優遇される施策を講じてください。 昨年度に終了した国の事業「エコクリップ補助事業」を府の事業として継続してください。

 要望提言項目11:関西電力に対し電力料金をこれ以上値上げしないよう継続して要望してください
 1)電力料金の値上がりは、特に製造業を中心に大きな負担となります。大阪府として、関西電力に対し徹底した企業努力を求めるとともに、これ以上値上げしないよう引き続き強く要請してください。
 2)また、再生可能エネルギーの活用など、エネルギーシフトの推進を大阪府としても強く推進してください。

 要望提言項目12:大阪府が重要施策と位置付けている貧困問題と就業支援を解決するための中小企業を含むプラットフォームづくりを検討してください
 貧困問題と就業支援問題は深く結びついています。コロナ禍で母子世帯(シングルマザー)の貧困化が大きな社会問題になりました。地域の貧困と就業支援の問題解決には地域の中小企業が担う役割も大きく、その主体者として協働的に解決に向けての活動を進めることが必要と考えています。大阪府、基礎自治体、地域住民、地域の教育機関や福祉団体、大阪同友会をはじめとする地域の中小企業との意見交換会の場と機会を大阪府が先頭に立って実現してください。

4.未来の大阪を担う若い世代が活躍できる社会づくりへの要望と提言

 要望提言項目13:高校新卒者の就職後の定着率を向上させるため、基盤整備や制度の充実を図ってください
 高卒者の就労後3年内の離職率が毎年4割程度の高い割合で推移している状況は、社会の損失であり活力を損なう大きな要因です。中小企業の立場からもこの課題には危機感を持ち、様々な取組みを府下で実施して参りました。その経験からこの課題は単に当会が率先垂範するのみでは解決に至らず、雇用側と学校関係側双方向の連携を図ることが有効だとの考えに至りました。我々は今後も地域運動として活動を継続しますが、以下施策について大阪府による学校関係機関への後押しを要望します。
 1)若者を受け入れる企業側の取組と送り出す側の学校側が普段より情報共有する場の設置が有効と考えます。当会が各所で開催している「企業側と学校側との意見交換会」が大阪の各地域に拡充されるよう要望します。
 2)高校生が就労前に多様な職業観を持てる機会を提供することが離職率低下に繋がるとの考えから、当会では「高校生に仕事を説明する催し」を一部エリアで開催しております。大阪の各地域に拡充されるよう要望します。
 3)教育制度:インターンシップやキャリア教育の制度の効果を一層高めるため、カリキュラム改善を受け手、送り手の双方向で継続協議する場の設置を要望します。
 4)就職希望生徒の複数社応募が解禁されつつある昨今の情勢からも、企業情報の授受機会を増やす事は制度改定の有効性を高め、ミスマッチの抑止による離職率低下に寄与すると考えます。コロナ禍を境に情報の提供方法も多様化しつつある昨今、オンラインを駆使する等の手法を取り入れた提供機会の拡充を要望します。

 要望提言項目14:府立高校の授業に、経営を学ぶ体系的な授業を組み込んでください
 人材育成は一企業の課題だけでなく、社会にとっても重要な課題です。若い時から経営の思考を身に付けることは、将来の大阪や日本を支える人材の輩出を考えると、多感な時期である高校生活で学ぶ意義は大きいと考えます。 
 授業の内容は、経営戦略、財務・会計、営業・マーケティング、人材、情報、法律など経営全体を俯瞰できる科目と、インターンシップ制などです。特にインターンシップの実践を組み入れることで、理論と実践の両輪を回し、視野の広い、先見性のある、意識の高い、日本と大阪を牽引する人材を生むことにつながります。また、日本の課題である「起業」や「事業承継」という大きな課題解決に貢献することになります。大阪同友会では、これまでも高校からの要請もあり、キャリア支援としてインターンシップ受入れや経営者による経営実践報告の授業の実施に協力してきました。
 大学の経営学部では経営を学べますが高校では学ぶことが出来ません。経営を学ばないまま経営に関わることも多いと思われます。
 経営を体系的に学ぶ場を設け、若い頃から視野の広い、先見性のある、意識の高い人材を育成し、活力ある大阪府、地域を創っていくためにも、「経営」を府下の高校の授業に組み込んでください。

 要望提言項目15:大阪府内の中小企業等の人材確保と若手従業員の定着及び経済的負担を軽減するため、従業員の奨学金返済の支援を行う中小企業等に対する支援制度または府内企業に勤務する若手従業員の奨学金返済を直接支援する制度を創設・実施してください
 多くの学生が奨学金を活用し、社会人になってからの返済負担に苦慮しているケースが多くみられ、また多額の延滞が生じていることが大きな問題となっています。このような状況を踏まえ国内の多くの自治体において奨学金返還を支援する制度が設けられています。日本学生支援機構に紹介されている例でも26都府県あり近畿圏内でも兵庫県、京都府、和歌山県が実施しています。制度は大きく2つに分けられ1つは従業員の奨学金返済の支援を行う中小企業等に対する支援制度、もう1つは自治体内の企業に勤務する従業員の奨学金返済を直接支援する形となっています。
 大阪府においても、そうした支援制度を実施することにより中小企業の人材確保や若手従業員の府内就職・定着を図ることができ、ひいては府内企業の競争力強化、地域振興、経済の活性化につながるものと考えます。
 貸付を受けた若者が自力返済できるような「経済基盤の構築のため安定就職」などの課題もありますが、就職後の定着について、就業促進とは別の観点からの支援制度を創設・実施してください。

5.各業界からの要望と提言

(1)中小旅行業者に対する支援策について
 要望提言項目16:コロナ禍により壊滅的な打撃を受けている企業(たとえば旅行業)に直接的な支援策を早急に実施してください
 新型コロナウイルス感染危惧や緊急事態宣言・蔓延防止措置の継続、再発布により、観光産業はかつてない売り上げ減に陥っています。また、経済効果が大きい割に旅行事業者数が少ないことも要因かと思います。観光産業は旅客だけで成立するものではなく 旅行業、運輸業、観光事業者(ホテル旅館)のみならず「旅行業」発信の需要も大きなものであることを認識していただき施策を進めてもらいたいと考えます。
 また、各支援策の働きかけも業種業態別の対応が望まれます。製造業や流通業、一部サービス業等では回復基調が鮮明ですが、旅行業にとっては皆無に等しいところです。ましてオミクロンの変異、6波、7波の襲来、さらにロシアによるウクライナ侵攻に代表される戦乱や世界の不安定要素があり、エネルギー需給の混乱、食品を含む原材料の価格高騰や調達困難、物流の混乱など、平和産業である旅行業にとっては一部の旅行需要を頼みの綱に全体の需要拡大を待つしかありません。とりわけ海外旅行は回復の見通しすらありません。
 多くの旅行社の廃業、休止、休業。それにとどまらず従業員の著しい減少をみると コロナの収束がないとすれば 再起できる業界ではなくなったように感じています。
 1)大阪府独自で大阪府認可の二種、三種の中小旅行社に直接的な支援を構築して下さい。(認可総数は二種、三種で令和3年4月末現在734社※実態は500社程度と想定されています)。 
 2)政府系金融機関、保証協会にも返済期間や保証期間の延長を働きかけてください。

(2)海外取引事業者に対する支援策について
 要望提言項目17:大阪港コンテナターミナルの効率化をさらに推進してください
 大阪港のコンテナターミナル周辺においては、これまでたびたび搬入トレーラーによる渋滞が発生し、船積みに遅延が生じ、また周辺道路の交通の障害ともなっております。コロナ禍やウクライナ侵攻の影響で国際運送全体に混乱が生じているため、今後も時間帯等によっては混雑が続くことが予想されます。大阪の企業の国際競争力を維持・発展させるため、大阪港の効率化と地位向上が求められます。
 1)夢洲地区においては、国際博覧会工事及び関係車両等により海上コンテナ物流に支障を来すことの無いよう、道路拡張、進入道路の分離等の対策を講じてください。その際、コンテナ搬入ゲート付近には待機専用レーンも確保してください。
 2)国際博覧会開催中は事故防止の観点からも来訪車両とコンテナトレーラーの動線を完全に分離できるような道路設計をしてください。
 3)コンテナ待機問題の解消に向けて、「CONPAS」の2023年度導入を進めていただいているところですが、導入後は運用面を検証するなどして効果を確実なものにしてください。
 4)将来のさらなる効率化および24時間稼働に向けて、AIを活用したコンテナターミナルの完全無人化を検討してください。
 5)「阪神港」の戦略港湾政策の取組みについては神戸港と一体となって進めていただいているところですが、その具体的内容を港湾関係者はもとより、府民一般に周知されるようさらに情報公開してください。         

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室広報広聴課 広聴グループ

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