障害者・家族・関係者の要求大集会実行委員会 要望書(1)

更新日:2023年4月10日

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要望受理日令和4年7月1日(金曜日)
団体名障害者・家族・関係者の要求大集会実行委員会
取りまとめ担当課府政情報室 広報広聴課
表題障害児者の教育・福祉・医療等の拡充を求める要望書

要望書

2022年7月1日

大阪府知事 吉村 洋文 様

障害児者の教育・福祉・医療等の拡充を求める要望書

障害者・家族・関係者の要求大集会実行委員会

<新型コロナウイルス対策・感染症予防>

1.府立支援学校において、子どもと教職員のいのちと健康を守りながら教育活動をすすめるために、以下の対策を講じてください。
(1)府立支援学校の「過大・過密」を解消するため、学校の抜本的増設計画をただちに策定してください。
(2)スクールバス内の「密」を解消するためにただちに増車するとともに、安全な運行が行えるよう体制の整備を行ってください。
(3)教職員が児童生徒の感染源にならないように、教職員の検査体制を整えるとともにワクチン接種体制を拡充してください。
(4)学校で児童生徒または教職員に陽性者が出た場合は、当該校における希望者の検査を府教委の責任でおこなってください。
(5)学校の休校・再開にあたっては、科学的根拠に基づいて判断してください。
(6)学習指導要領等に明記されている授業時数については柔軟に扱うこととし、授業時数の確保や学校行事の配置などについては、各学校の教育課程編成権を尊重してください。
(7)感染症対策で増大する業務に対し、必要な教職員をただちに増員してください。
(8)消毒および医療的ケアや給食指導などに必要な消耗品・物品は、大阪府が一括購入し各学校に配布してください。また、各学校の実態に基づき必要となる消耗品・物品購入に必要な予算を確保し、各学校に配当してください。
(9)教育行政をすすめる際には、「府立高等学校」と「府立支援学校」を「府立学校」として一括りにするのではなく、府立支援学校にむけた必要な措置を迅速に講じてください。

2.学校教育現場での新型コロナウイルス感染症の拡大等緊急時の体制整備と日頃からの条件整備を行ってください。
(1)休校、学校再開、学校行事、教育課程等の必要な対応を科学的・総合的に判断してください。また、その際には、子どもや家庭の状況、学校現場の実情を把握・尊重し現場と協議して教育行政を進めてください。
(2)緊急時に教職員自身の安全を確保しつつ、子どもたちの実態に即した適切な支援が行えるようマスク・消毒液の配付、スペースの確保等、緊急時の人的配置・物的措置が適切に行われるよう、日頃から準備してください。
(3)緊急時でも子どもたちの居場所を提供できるようにしてください。
 ア)スクールバスの運行が、緊急時においても安全に行う事ができるように、体制整備を行ってください。
 イ)現在のような広大な通学区域でなく、緊急時において子どもや家庭のよりどころとなる身近な学校となり得るよう、支援学校を急ぎ新設、増設してください。
 ウ)障害のある子どもたちの命・くらしの安全が、緊急時においても保障されるように、学校の条件整備、保健所や医療体制の整備、生活を支える障害者施策の充実を常日頃から行ってください。

3.障害福祉事業所において新型コロナウイルス感染症への対応がしっかりと行えるよう必要な措置を講じてください。
(1)障害福祉事業所職員と利用者・支援者が、公費による定期的なPCR検査をうけられるようにしてください。府内自治体の検査体制の抜本的な強化にむけて必要な措置を講じてください。職員が定期的に抗原検査を行えるように事業所に検査キットを無償配布してください。
(2)第6波では保健所や医療養体制がひっ迫し、多くの感染者や濃厚接触者が保健所にアクセスできない、必要な療養が受けられないという事態に陥りました。障害のある人を含むすべての府民が、必要な検査や医療を受けることができるよう、保健所及び医療体制を抜本的に拡充してください。
(3)新型コロナウイルス感染症対策に係るかかり増し経費は、検査キットや衛生用品費をはじめ、陽性者支援のための場所の確保や、陽性者を支援した職員のための宿泊にかかる費用等、既存のかかり増し経費への国による助成では、到底まかなえない規模となっています。障害者総合支援法に基づくすべての事業所を対象にかかり増し経費の実態を把握し、国への要望及び大阪府独自の支援策を講じてください。
(4)福祉事業所の利用者が新型コロナに感染した場合、すみやかに入院・療養できる体制を整備してください。
(5)学校や事業所関係者の感染に伴い、事業所を休所した場合や利用者減による収入減に対して「雇用調整助成金」は1か月の収入3割減が3か月続いた場合等の条件が厳しく利用できません。わずかの減収も事業所の存続に大きく影響します。大阪府としてきめ細やかな救済措置を講じてください。
(6)新型コロナの収束が見えない中、「雇用調整助成金」「緊急包括支援事業補助金」「生産活動活性化事業補助金」の継続・再実施を国に強く求めるとともに多くの事業所が申請・活用しやすい仕組み・基準にしてください。障害者のくらしの糧となっている作業工賃の減収への補填を大阪府として実施してください。
(7)「なかまの里」のグループホームでは、一昨年・昨年とも新型コロナ感染症感染予防のため利用者が帰省できないため、職員の勤務日を増やしてグループホームでの受け入れを行ってきました。現在の報酬単価では増加した人件費を支払うと大幅な赤字となります。基本報酬を引き上げるとともに、ショートステイの「緊急短期入所受入加算」のような帰省できない際の受入れ対応への加算を行ってください。

4.障害当事者・家族に対する新型コロナ感染症拡大に対する対応策を講じてください。
(1)第6波では医療体制や保健所業務がひっ迫し、自宅療養を余儀なくされたろう高齢者がファックスで保健所と連絡が取れず、不安な中で療養生活を送りました。全ての保健所でファックスによるやり取りができるよう体制を拡充してください。また、宿泊療養をされる聴覚障害者が居室から出ることなく、スタッフとのやり取りができるよう、各療養所の体制を整備しください。
(2)保健所からコロナに感染した聴覚障害者に対してファックスでの容態確認はできないといわれ、聴覚障害者施設の施設長が強く要請してようやくファックスでのやりとりができました。保健所業務での障害者個々への合理的配慮の提供は必須です。保健所の体制を整備し必要十分な障害者への合理的配慮が提供できるようにしてください。
(3)地域で暮す重度脳性麻痺障害の夫婦の夫がコロナに罹患して、保健所にも繋がらずに入院できず妻も療養施設に入れない状態で、日常的に受けてきたヘルパー等の必要な支援も全てがストップして一週間以上放置される事態が生じました。命に関わる事態です。各地域の保健所と医療体制の拡充、重度の障害に対応できる療養施設の確保、コロナ罹患時等の非常時にヘルパー等の必要な支援が受けられる特別な体制を大阪府・大阪市・堺市・各市町村の責任で早急に確立してください。陽性になった際にはすぐに医療にアクセスでき、すみやかに入院・療養できるようにしてください。
(4)障害当事者ならびに障害福祉事業所職員に対するワクチン接種を早急に進めてください。
(5)障害児者・家族に対して情報提供を行う際、正確でわかりやすいものとなるよう配慮を行ってください。ワクチン接種については、わかりやすく簡単な方法での予約も含め、十分な合理的配慮の提供のもとに実施してください。

<教育>

5.府立支援学校の現在の「過大・過密」を解消し、今後さらに増加する児童生徒に対する教育条件を整え、豊かな障害児教育を保障するために、支援学校建設や施設設備の改善、必要な予算の確保をすすめてください。
(1)府内各地域に、小・中・高等部のある知的障害支援学校を、保護者・関係者の意見を十分に取り入れ、緊急に設置してください。
(2)「知的障がいのある児童生徒等の教育環境に関する基本方針」を抜本的に見直し、「約1590人増加」に対応できる新校整備計画をただちに策定してください。
(3)知的障害支援学校の適正規模150人から200人(1992年度学教審答申)を踏まえ、各学校の施設に見合った在籍者数となるよう、知的障害支援学校の増設をすすめてください。とりわけ、在籍者数が300人を超える学校については、早急に解消してください。
(4)文部科学省教室不足調査(2021年)において、「授業の実施に支障が生じており、今後整備する必要がある教室」にあげた528教室を解消するため、支援学校建設を基本に整備してください。当面、緊急対応として、校舎の増築など、必要な措置を講じてください。
(5)府立支援学校の通学区域割については、保護者・関係者の意見を十分に取り入れ、福祉圏域、生活圏域(放課後等デイサービスの利用を含む)を守ってすすめてください。また、増加する児童生徒数に対して、通学区域割りの安易な変更等の対応をおこなうのではなく、父母・教職員、関係者との合意を前提とした計画的な教育条件整備を実施してください。
(6)児童生徒の将来推計については、市別・学校別・学部別のデータなど詳細な情報を公開してください。
(7)学校施設の耐震化や校舎の老朽化対策のための大規模改修、児童生徒数の増加に合わせた教室の確保など、府立支援学校の教育条件整備を行ってください。
(8)泉南地域・北河内地域に、肢体障害のある子どもが安心して学べる小・中・高等部のある府立支援学校を建設してください。
(9)交野支援学校四條畷校を小・中・高等部のある本校として整備してください。また、スプリンクラーの設置はもとより、空調設備の充実、給食の自校調理、直営バスの配置をおこなってください。
(10)文部科学省に対し、実効性ある「特別支援学校設置基準」となるよう見直しを求め、国庫補助率を引き上げるなど、教育の充実にかかる予算措置を講じるよう要望してください。
(11)「特別支援学校設置基準」を既存校にも適用し、基準を満たしていない学校については直ちに基準を満たすように改善するための予算措置を講じてください。
(12)同一敷地内に2つの支援学校が設置されている場合において、高等支援学校の入学試験の日に支援学校を休校にしないなど、児童生徒の教育環境に影響が及ばないようにしてください。
(13)トイレを子どもの実態に合わせて改善・整備し、老朽箇所の改修を計画的に行ってください。
(14)冷暖房を適切に使用できるよう、すべての府立支援学校に必要な光熱水費予算を配当してください。
(15)教育活動に支障が生じないよう、必要な教職員の旅費予算を確保してください。
(16)府立支援学校の特別支援教育コーディネーターが地域の保護者や学校からの相談要請に応えられるように、大阪府教育委員会として、独自で加配するなど、相談支援体制を拡充してください。また、学校教育審議会答申で示された「支援学校のセンター的機能の発揮」に見合う十分な教職員の配置を府立支援学校におこなってください。
(17)旧西淀川高等学校校舎を活用した新校整備においては、児童の実態に応じた小学部棟を新設(教室、トイレ、階段、特別教室など)してください。
(18)今後の知的障害支援学校の増設においては、必ず小学部棟を新設してください。
(19)府立支援学校の在籍者数増の対策として、学校教育審議会答申で示された「高校と支援学校の併設」の具体化ではなく、支援学校の抜本的増設をおこなってください。
(20)2026年度までに高等部が減少、小学部・中学部が急増する将来推計において、小学部・中学部における教職員配置を増やし、府立支援学校として充実した指導をおこなえるようにしてください。

6.安全・安心で適正な、通学時間・通学距離を保障してください。
(1)スクールバスの民間委託化方針を撤回し、直営でのスクールバス運行を行ってください。
(2)適正規模の府立支援学校を各地域に建設するとともに、スクールバスの増車等の対策を緊急に講じ、自宅から40分以内で通学できるようにしてください。なお、早急に60分を超える乗車時間を解消してください。当面暫定的な措置として、通学時間が60分を超えるコースのバスにはトイレを設置してください。
(3)医療的ケアを必要とする児童生徒が安全に通学できるようにしてください。
(4)スクールバスを小型にして、自宅の近くから乗降できるように送迎ルートを改善してください。
(5)小型スクールバスの添乗員は、乗車する子どもの実態に合わせ、必要なコースは2名配置してください。

7.より豊かで安全な学校給食を、子どもたちに保障してください。
(1)府立支援学校における学校給食調理業務の民間委託化はやめてください。
(2)民間委託化された各府立支援学校の学校給食を自校直営方式に戻してください。当面、契約更新時に混乱が生じることのないよう、調理従事者資格要件や経験年数の大幅な引下げをおこなった仕様書を元に戻してください。また、安全で充実した給食が実施できるよう人的対応などの具体的な手立てを講じてください。
(3)文部科学省「学校給食衛生管理の基準」にもとづいて、厨房の施設設備を抜本的に整備してください。

8.医療的ケアの必要な子どもたちの、教育保障を充実してください。
(1)医療的ケアの必要な子どもたちが在籍する学校をはじめ、必要とされる府立支援学校においては、府独自に看護師を配置してください。希望する医療的ケアが必要な児童生徒が、知的障がい支援学校に入学できるようにしてください。
(2)府立支援学校の看護師については、正規の学校職員として独自に定数枠を設けて配置してください。当面、引き続き臨時技師(看護師)の賃金等の待遇改善を継続するとともに、その内容を早急に拡充してください。
(3)泊を伴う行事への看護師の付き添い予算を増額してください。また、医師の付き添い措置を予算化してください。
(4)医療的ケア通学支援事業においては、児童生徒の通学保障・通学途上での安全面、保護者の負担の軽減、看護師の確保など、制度が確かなものとなるよう予算措置を講じ、大阪府が責任をもって実施してください。とりわけ、大阪府として必要な看護師を確保してください。

9.旧大阪市立特別支援学校12校については、「市立特別支援学校の児童生徒の教育が後退しないよう進めてまいりたい」(2015年6月30日要求大集会実行委員会対府交渉)という回答に基づいた条件整備をおこなってください。また、「教育条件を低下させない」として強行した「府移管」の検証を責任をもっておこなってください。
(1)中央聴覚支援学校、大阪北視覚支援学校の「早期教育」及び寄宿舎教育を継続・発展させてください。
(2)中央聴覚支援学校寄宿舎の改修・増築を行ってください。
(3)光陽支援学校病弱部門(通学籍)を継続、発展させてください。
(4)肢体不自由校において、実態に見合った教員(「実習助手」を含む)の配置をおこなってください。
(5)歯科衛生士による歯磨き指導・フッ化物塗布の事業や、保健師、助産師による性教育の無料派遣を復活させてください。
(6)学校図書館の整備費用、点字教科書等の購入費用など、学校予算を大幅に増額してください。

10.府立支援学校の通学区域割の変更によって、福祉サービス(ショートステイの送迎等)の利用が制約されている実態を改善するよう、必要な措置を講じてください。

11.大阪府立支援学校高等部にも、希望すればだれでも進学できる専攻科を設置してください。
(1)府立支援学校を新設する際には、高等部に専攻科のある支援学校を整備してください。国に対して、高等部に専攻科の設置が進むように教育環境の整備や教育年限の延長を行うようはたらきかけてください。
(2)福祉型専攻科や卒後の障害福祉サービスを活用した学びの場の実態を府教委として把握し、専攻科の設置を含めた高等部卒業後の移行期の支援教育の意義や生涯学習のあり方、働きつづけるための定着支援のあり方について研究してください。
(3)障害福祉サービスを活用した卒後の福祉型専攻科や学びの場の役割・存在が、すべての府立支援学校の生徒・保護者に進路情報として提供されるように、大阪府教育委員会として各支援学校に対する指導・助言を積極的に行ってください。また、ホームページ掲載はもとより、掲載された学びの場の事業説明会等を大阪府の主催で開催するなど、大阪府として積極的に府民への情報提供を行ってください。  
(4)自立訓練事業を活用した学びの場の支給決定期間の更新に当たっては、利用者や家族、事業者からのさらに学びたい・学ばせたいというねがいが積極的に受けとめられるように、府内の市町村関係部局および市町村審議会に対して「自立訓練(生活訓練)に係る支給決定期間の更新の取り扱いについて」(令和3年3月26日、厚生労働省・事務連絡)の趣旨を徹底してください。また、家族・関係者からのねがいに応えて、利用期間2年間の有期限が少なくとも4年間に延長されるように引き続き国に強く働きかけてください。
(5)障害福祉サービスを活用した卒後の学びの場に通う青年・学生が交通機関を使う場合に、通学定期や各種学割が使えるように関係機関にはたらきかけるとともに、学生証を発行してください。
(6)高等支援学校卒業生の学びの場や働く場、くらしの場に関する進路実態を明らかにするとともに、卒業生の進路追跡調査の実態や、進路支援・移行支援・定着支援などの教育課題を明らかにしてください。

12.手話言語条例の制定を踏まえ、聾学校(聴覚支援学校)の教育環境の拡充を図ってください。
(1)障がい児教育の特殊性、専門性を踏まえて、同一校勤務の年限を理由とした強制的で機械的・画一的な人事異動を行わないでください。
(2)聾学校(聴覚支援学校)においては、「大阪府言語としての手話の認識の普及及び習得の機会の確保に関する条例」に基づき、手話が言語としてあたりまえに機能する環境を整備してください。聴覚障害(ろう)児対応だけではなく、聴覚障害者(ろう)の保護者の対応はもちろん聴覚障害(ろう)者の教職員のために、手話通訳者(手話通訳士または大阪府登録手話通訳者)を配置してください。
(3)聾学校(聴覚支援学校)のスポーツ(クラブ)活動に、デフリンピアンやデフアスリートおよびデフスポーツ関係者や大阪スポーツ賞・大阪府知事表彰受賞者を指導者として招くなど、聞こえない子どもがロールモデルと接する機会を保障してください。

13.厚労省・文科省の「難聴児の早期支援に向けた保健・医療・福祉・教育の連携プロジェクト報告」に則り、聴覚支援学校での早期教育相談を充実させるため人員を措置してください。

14.後期中等教育を拡充してください。
(1)高等支援学校の進路選択に当たっては、本人の学びを通した意思決定を最大限尊重した進路選択を保障してください。また、“福祉型専攻科”事業合同説明会やおおさか学びの場交流会のチラシを配布することによって高等支援学校の生徒・家族にも情報を公表し、進路選択の自由を保障してください。
(2)「就職・就労」を学校の進路目的に挙げられているとしても3年間の学びの中で進路に対する考えが揺れ動く生徒もいると思います。(「もっと学んで力をつけてから社会に出たい」など)生徒たちの進路に対する考え方の変化(意思決定)を受け止め合理的配慮のもと様々な選択肢の中から自分自身の人生を選べる機会を尊重し働き続ける力(スキルではなく壁にぶつかったときに相談したりリフレッシュする力)の獲得と人格育成の支援を行ってください。
(3)支援学校高等部卒業後の一般就労者の実態を明らかにしてください。また、入学者選抜制の高等支援学校の進路の実態を明らかにしてください。
(4)高等学校で学ぶ障害のある生徒の教育保障をすすめてください。
 ア)府立高等学校に在籍する発達障害をはじめとするすべての障害のある生徒の実態把握をおこない、適切な教育課程や教材の準備、専門性をもった教職員の確保や定数措置、施設・設備などの条件整備をすすめ、教育環境を改善する等、必要な施策を講じてください。
 イ)すべての府立高校にエレベーターの設置など、障害のある生徒が安全・安心に高校生活が送れるよう施設設備を充実してください。
 ウ)府立高等学校に在籍する障害のある生徒の支援のための、支援員や専門家の巡回相談などを導入するとともに、通級指導教室を増やしてください。
 エ)府立高等学校で実施されている通級指導について、対象者数・障害の状況・教員の配置・教育課程・単位認定・施設設備・合理的配慮等、状況を明らかにしてください。
(5)早期からの現場実習や一般就労に偏重した高等部教育を改め、卒後の生活の充実と働きつづける力につながる青年期にふさわしい教育を充実してください。
(6)「知的障害のある生徒の受け入れ」にあたっては、本人の学習権と発達権を保障するために専門性を持った教職員の配置と教育条件の整備を行ってください。
(7)支援学校高等部と高等学校を安易に併置するのではなく、支援学校を建設してください。
(8)高等支援学校高等部の選抜試験も、他の府立高校と同様に、追試験を受けることができるようにしてください。

15.小・中学校支援学級の在籍者が大幅に増加し、障害も重度化・多様化している実態を踏まえ、次の施策を実施してください。
(1)障害の重度化・多様化をふまえ、学校教育法第81条・学校教育法施行規則第137条の定めにもとづき、障害種別の学級を設置するとともに、実態に応じた教員の加配を含め、支援学級担任者を大幅に増員してください。また、各市町村の独自措置としておこなわれている加配措置(介助員制度等)に見合った大幅な教職員増をおこなってください。
 ア)学級編制基準が同じ複式学級同様、2学年で学級を設置するよう文部科学省に要望してください。
 イ)支援学級の編制基準の改善を文部科学省に要望するとともに、府独自でも改善し、1学級の定数を大幅に引き下げてください。
 ウ)在籍者が一人でも障害種別で支援学級を分級することを府の基準にし、それに基づき設置計画を立てるよう市町村教育委員会を指導してください。
 エ)在籍する児童・生徒の実態に応じて、運営や指導の困難さを抱える学級、あるいは学校に教員を加配してください。
 オ)同一種別で在籍予定者が9名の場合は、2学級設置することを府の基準にし、それに基づき設置計画を立てるよう市町村教育委員会を指導してください。もしくは、年度途中の児童・生徒の増加に対して、新設・増学級をおこない、必要に応じた教員配置をおこなってください。
(2)施設・設備の基準を設け、その改善・充実をはかってください。特に、肢体不自由児が在籍する全ての学校にエレベーターを設置するよう、市町村教育委員会に働きかけてください。
(3)障害児教育・特別支援教育の専門性や継続性を尊重してください。
 ア)教員採用選考に支援学級採用枠を設けてください。
 イ)希望する場合は支援学級担任として転勤できるよう市町村教育委員会に働きかけてください。
 ウ)支援学級担任の継続年数を延ばすことができるよう、市町村教育委員会を指導してください。また、継続して担任する事の大切さについて、各学校長が研修できる機会を持ってください。
 エ)支援学級担任の講師率を把握するとともに、できる限り正規の職員が担任することが望ましいことを各学校長が研修できる機会を持ってください。
 オ)代替教員をプールする等、病気休暇や産・育休、年度途中の退職などによる支援学級担当教員の欠員不補充をなくしてください。
(4)学校教育法施行令が一部改正されましたが、子どもたちに保障されるべき教育課程や教育条件が変わったわけではありません。支援学校・支援学級・通級指導教室・通常の学級、どこで学んでいても、その子に必要な教育課程・教育条件を保障してください。
(5)就学に際して、「一度入学したら、小学校は6年間、中学校は3年間は同じ学校で」と言われますが、法令通り、転学に関しては、「学びの場」を固定なものとせず、「発達の程度、適応の状況等を勘案しながら、柔軟」にできることを保護者・教職員に周知するとともに、そのための方策を検討してください。
(6)支援学級在籍者を含めると、35人、40人の定数を超える通常学級をなくすよう、弾力的運用だけでなく、教員を加配してください。
(7)政令指定都市を含め、医療的なケアや医療的な見守りを必要とする子どもたちのいる学校に看護師を配置してください。支援学校のように、泊を伴う行事にいつも子どもと関わっている看護師が付き添いできるようにしてください。医師の付き添い措置を予算化してください。
(8)中学校の支援学級について、特別な教育ニーズを持つ生徒たちの実態に見合ったきめ細かな教育が受けられるように学校全体で取り組んでいけるようにしてください。

16.4月27日、文科省が出した「特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について(通知)」により、保護者・教職員に不安と混乱が広がっています。
(1)今回の通知について、府教委としての見解を明らかにしてください。
(2)支援学級在籍児童生徒の支援学級での学習時間を一律とせず、子どもの実態に合わせた指導をするよう、市町村に指導助言してください。
(3)今回の通知について、子ども、保護者が不安を抱いたり、不利益を被ることがないよう、また、現場に負担を押しつけることのないよう、市町村に働きかけてください。

17.すべての子どもたちの成長・発達が保障されるよう、支援学校・学級の増設、20人以下学級の実現など十分な条件整備を行ってください。
(1)今回の新型コロナウイルス感染症拡大防止のための対応でも明らかなように、小中学校・支援学校ともに学級編制基準を改善し、少人数学級にすることが必要です。小中学校の通常学級を20人以下の学級にするとともに、特別支援教育支援員の増員など、通常学級に学んでいる障害児やLD、ADHD等の子どもたちへの教育保障と条件整備をおこなってください。
(2)通級指導教室を全ての小中学校及びすべての特別支援学校に設置してください。発達障害に起因する不登校の児童生徒が居場所として通級指導教室に通えるよう柔軟な対応を行ってください。
(3)コーディネーターを専任配置し、学校全体で特別支援教育を進めていくことができる基盤を作ってください。
(4)地域に根ざした「適正規模・適正配置」の支援学校を増設してください。地域のセンター的役割を果たすために必要な人員配置をおこなってください。
(5)チャレンジテスト、学力調査等、競争をあおるような教育をやめ、これまで通常の学級で学ぶことができていた障害のある子どもたちが、通常の学級から排除されている状況を改めてください。
(6)支援学級を、支援学級在籍者や特別な支援の必要な児童・生徒が、居場所(「落ち着きを取り戻すための空間」小学校施設整備指針)として常時活用できるようにしてください。
(7)全教職員が発達障害についての理解を深め、一人ひとりの子どもの特別なニーズを理解し、子どもたちが自分に必要な環境で教育を受ける事ができるようにしてください。

18.「発達保障ならびに教育保障」の観点にたった適切な就学支援をおこなうために、府および市町村に就学支援委員会を設置し、民主的に運営してください。市町村が行う発達相談・教育相談に、費用の補助を行ってください。

<放課後保障>

19.家庭と教育と福祉の連携「トライアングル」プロジェクトを大阪府においても促進し、家族と府立学校や各市町村の学校と事業所との連携が図れるようにしてください。
(1)子どもの支援に関して、保護者や事業所が希望した場合、スムーズに懇談ができるように学校への働きかけを行ってください。
(2)送迎を円滑に行えるように、下校時間や行事について細やかに情報交換を行ってください。新型コロナウイルス感染や災害による緊急時に備えるためにも事業所への情報のメール配信を市町村立の各校でも行ってください。関連するすべての学校に行きわたるようしっかりと働きかけを行ってください。

20. 放課後等デイサービスについて、現場の声を聴く機会を設け、実態を踏まえて以下の事項を国に要望してください。また、大阪府独自の対応も行ってください。
(1)日割り計算では、安定した事業所の運営ができません。月額払いにするように国に働き掛けてください。また、加算で成り立つ制度ではなく、基本報酬を抜本的に増額して、職員の雇用を守り、事業所の運営を守れるようにしてください。
(2)子どもの急な欠席の場合収入が減りますが、職員配置は必要なため経営を圧迫します。「欠席時対応加算」の増額を図ってください。必要な職員配置を行うために報酬を月額払いにするよう国に働き掛けてください。
(3)「個別サポート加算1」に関しては、指標の判定についても市町村でばらつきがあります。市町村に対して、子どもの状況を把握し、適切に判定するよう働きかけてください。
(4)「個別サポート加算2」については、要保護児童へのきめ細やかな支援を行っている事業所が加算取得しやすいような仕組みを検討するよう国に要望してください。現行の「保護者の同意を得る」などの条件では、実態に見合った活用には至りません。家族への支援にきめ細やかな配慮や連携が必要であることを踏まえて、報酬請求の要件と報酬単価を見直すように要望してください。
(5)「専門的加配加算」については、児童発達支援で認められている「保育士」や「5年以上働いた児童指導員」を放課後等デイサービスにおいても専門職と認めるよう国に働き掛けてください。

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府民文化部 府政情報室広報広聴課 広聴グループ

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