大阪府肢体不自由児者父母の会連合会 要望書

更新日:2022年7月15日

要望受理日令和4年6月23日(木曜日)
団体名大阪府肢体不自由児者父母の会連合会
取りまとめ担当課府民文化部 府政情報室 広報広聴課
表題要望書

要望書

令和4年6月23日


大阪府知事 吉村 洋文 様


大阪府肢体不自由児者父母の会連合会 会長    

要望書

  謹啓、時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
 平素は当会に格別のご理解とご協力を賜り厚くお礼申し上げます。また、障害者福祉施策向上のため鋭意に取り組んで頂いておりますこと、深く感謝するところでございます。
  新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進めば、元の生活に戻ると思われましたが、新しい株が次々と出現し、感染者数が期待するほど減少せず、なかなか安心した生活を送ることができません。そのような中、マスクを緩和するようなことも話し合われるようになり、感染症に弱い重度障害児者は、ますます社会に出るのを躊躇せざるを得なくなります。
  親の高齢化や障害の重度化、医療的ケアが必要な方の増加等々、長年解決されない多くの問題に加え、新型コロナウイルス感染症という大きな問題がのしかかり、私たち親はその重圧につぶされそうになっていますが、障害のある子どもたちのために踏ん張っています。
  当会では、そのような様々な問題を把握し解決できるよう、またどんな重い障害があっても、生まれ育った大阪で子どもたちが安心して充実した生活を送ることができるよう、下記のとおり要望いたします。

【福祉関係】 
1.重度障害者(医ケアを含む)のグループホームを整備してください。
    障害者のグループホームは、株式会社等の参入もあり、数は増えてきていると感じていますが、全介助の重度重複障害者(医ケアを含む)のグループホームはほとんどありません。親が元気なうちは、自宅で暮らさせたい気持ちでいっぱいですが、親自身が介護を必要となってきて在宅での介助は限界にきています。早急に検討してください。
    府営住宅を新しくする時は「重度重複障害者用のグループホーム」を確保する、空き家をグループホームに利用できるようにする等も含め、府として対策を講じてください。

2.ショートステイを整備してください。
    福祉型短期入所であっても、医療的ケアの必要な方を受け入れやすくするため、「福祉型強化短期入所サービス費の加算」が可能になったとのことですが、その制度を利用した福祉型短期入所施設の実績を教えてください。相変わらず、重度重複障害者や医療的ケアの必要な方はショートステイをなかなか利用できない状態が続いています。

3.移動支援事業の市区町村格差をなくしてください。
  例えば、施設に入所した場合、移動支援を利用できない市区町村があります。施設入所の場合、施設からの外出は施設職員が対応すべきであることは理解しています。ただ、マンツーマンまたは二人介助が必要な重度障害者は、施設の職員体制ではほとんど外に出る機会がありません。入所であっても社会参加をする機会は必要ですので、柔軟な対応をするよう各市区町村へ指導してください。また各市区町村の実態を把握し、大阪府内どこに住んでも格差なく同じサービスが受けられるようにしてください。
 
4.医療型障害児入所施設(重心施設)を各福祉圏域につくってください。
    入所施設から地域移行を進められていますが、重度重複障害者、特に医療的ケアの必要な方の受け入れが、地域には皆無と言っていいほどです。医療型障害児入所施設は24時間支援が必要な方の拠点ともなるところで、絶対に必要です。法人からの相談を待つのではなく、府が中心となり最低でも福祉圏域に一ヶ所は整備を進めてください。

5.公共施設のトイレに「大人用介護ベッド」の設置を義務づけてください。
    施設管理者に対して設置の働きかけを行っていただいてはおりますが、一向に設置は進んでいません。公共施設は床面積10,000平方メートル以下でも大人用介護ベッドの設置を義務づけるよう「大阪府福祉のまちづくり条例ガイドライン」を改定してください。改修工事ではベッドが設置できない場合は、救護室等におむつ交換ができる場所を確保してください。また、介助をするため便座サイドの可動式手すり、両サイドにスペースを設ける等の整備、トイレ表示と共にベッド表示の必要も周知徹底してください。

6.補装具の耐用年数を短くしてください。
    特に車いすは6年と長すぎます。肢体不自由者は日常生活において、お風呂や睡眠時間以外はほとんど車いすで過ごしており、車いすの傷みが激しく修理を繰り返してばかりです。修理中は貸出で対応すると言われますが、体の変形が進んだ重度肢体不自由者に既製品の車いすでは、ほとんど座位が取れず、修理が終わるまで日常生活が成り立ちません。座位保持装置等の補装具も含め、耐用年数を短縮し、当事者の状況により柔軟な対応をお願いします。
  また、介護ベッド等、既製品でも使用可能な物は介護保険のようなレンタル制度を整備してください。一般のレンタルは高額で障害年金では利用できません。

【教育関係】
1.医ケアの必要な児童の通学支援事業について

    この事業について「概ね順調に推移している」との回答ですが、当事者の方に聞くと「訪問看護師や介護タクシーの確保が難しい。お願いしても断られる。」と順調とは言えず課題が多いと思われます。課題に対して対策は進んでいるのでしょうか。

【コロナ関係】
1.障害者がコロナに感染した場合の対応ついて

    コロナ感染症患者について「介助等の支援が必要な方は、基本的な療養方針として医療機関での入院となります。」との回答ですが、施設に入所の方やグループホームの方がコロナに感染した場合、入院させてもらえず施設やグループホーム内で職員が交代で看護し、施設自体が病院化していました。また在宅の障害者も入院を拒否され不安な思いをした上に、介護していたヘルパーにも感染し、感染を広める結果になってしまいました。今後はこのようなことが起こらないようしっかりしたシステムをつくってください。

                                                                                                                                                                                                

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室広報広聴課 広聴グループ

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