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更新日:2023年4月10日

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部落解放大阪府民共闘会議、同教育部会 7.同和教育推進のために(回答)(2)

(1) (2) ※2ページに分割して掲載しています。

回答骨子

(要望項目)同和教育推進のために
8【メディアリテラシー】急速に広まるSNSによる「いじめ」をはじめ、個人情報の流出、犯罪などへの対策を講じること。また、人権教育の視点からメディアリテラシー教育の必要性を認識し、研修を充実させること。ICT環境が整備されるなか、学校内でのタブレット、パソコンの情報のとり扱いや活用方法などに留意するよう市町村教育委員会に指導・助言すること。
(回答)
インターネット上のいじめをはじめとする諸課題への対策としては、実態調査を踏まえて様々な資料を作成し、市町村教育委員会を通じ各学校へ周知を行いました。
併せて、学校だけでは対応が困難である事案が生起した場合、警察や民間事業者と連携し、早期に解決が図られるよう「大阪の子どもを守るサイバーネットワーク」を運用してきました。
また、2019(平成31)年3月に策定した「小中学校における携帯電話の取扱いに関するガイドライン」では、保護者の責任とともに、適切な携帯電話との向き合い方について、学校で指導することの必要性を示し、具体的な指導例を盛り込みました。

「携帯電話の利用についての実態調査」2008(平成20)年7月
「携帯電話の利用について再調査」2011(平成23)年
「携帯・ネット上のいじめ等への対処方法プログラム」2009(平成21)年3月
「 同 追加資料」2011年(平成23)3月作成以降毎年改訂
「小中学校における携帯電話の取扱いに関するガイドライン」2019(平成31)年3月

府立学校に対する指示事項においては、児童・生徒が情報モラルを身に付け、コンピュータや情報通信ネットワーク等の情報手段を適切かつ実践的、主体的に活用できるようにするための学習活動を充実する等、情報リテラシーの育成について示しています。
府教育センターでは、小・中・高等・支援学校の生徒指導主事(生徒指導担当)を対象とした生徒指導に関する研修において、携帯・ネット上のいじめ等の児童生徒の問題行動について、人権教育の観点を踏まえ、理解を深めております。また、2015(平成27)年3月に「人権教育リーフレット ネット・スマホの問題と子どもの人権」を作成し、府内小・中・高等・支援学校に配布しました。この中では、人権尊重の観点からの子どもたちへのメディアリテラシーの育成の必要性について周知しています。
(回答部局課名)
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課

(要望項目)同和教育推進のために
9【大人連】大阪府人権教育研究連合協議会が、大阪府内はもとより、全国の同和教育・人権教育の発展、深化に果たしている役割について、大阪府教育庁としての見解を示すこと。今後も、同和教育・人権教育を推進するための研究組織に対する支援を拡充すること。
(回答)
大阪府人権教育研究協議会、大阪府立学校人権教育研究会、大阪府在日外国人教育研究協議会、及び大阪府立学校在日外国人教育研究会から成る大阪府人権教育研究連合協議会については、これまでの同和教育の経験と成果を活かして、様々な人権問題にも普遍化できる教育内容・方法・教材の開発を行い、学校における人権教育の推進に大きく貢献するなど、本府における人権教育の推進において先導的役割を果たしてきており、その意義は非常に大きいと認識しております。併せて、このような研究の成果、実践の成果を全国規模の研究会等で発表するなど、全国の同和教育・人権教育の発展、深化に、大きな成果を果たされていると認識しております。
府教育庁としては、今後とも、各研究団体の独自性や専門性を尊重し連携をより一層深めるとともに、各市町村教育委員会、府立学校に対しても研究団体との連携のもと、人権が尊重された学校づくりをはじめとする人権教育の充実に努めるよう指導してまいりたいと存じます。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 市町村教育室 小中学校課

(要望項目)同和教育推進のために
10【人権教育の継承・管理職の課題】教職員の大量採用や外部人材活用などで学校現場に多様な人が参画する状況において、人権感覚に富んだ教職員を育てることは急務である。世代交代がすすむなかで同和教育・人権教育を継承し、創造していくための大阪府教育庁としての認識・施策を明らかにするとともに、とりわけ管理職が職場の「指摘し合う関係性」や「高めあう教職員集団」をつくるための方策を示すこと。
(回答)
経験の少ない教員が増加していること、また外部人材の活用などで多様な職員が学校の取組みに参画されていることから、教職員の豊かな人権感覚の育成等、その資質向上を図ることは重要な課題であると認識しています。その認識に基づき、人権教育の原点に立ち戻り、あらゆる差別を許さず、すべての教育活動を人権尊重の視点をもって進めていくことを教職員に求めるため、2020(令和2)年9月、府教育長によるメッセージ「教職員の皆さんへ」を府立学校及び各市町村教育委員会へ発出し、活用をお願いしたところです。
学校での取組みを進めるために、人権教育プログラムや教材集・資料を作成・配付するとともに、2012(平成24)年度より、実践研究協議会を開催し実践を交流することにより、学校での人権教育の取組みを進め、指導方法等の充実を図っております。
学校におけるすべての教育活動は、子どもたちが安心して学べる環境の中で行われ、子どもたちの自己実現の支援として展開されなければならないと認識しております。
そのため、2018(平成30)年度より市町村教育委員会及び学校に対して、人権教育の観点を大切にした研究授業等を通して、教職員が人権について話し合える機会をもつよう伝えているところです。2020(令和2)年度では、小中学校ともに研究授業の実施率は100%となっており、引き続き取り組んでまいります。
また、2019(令和元)年度から2020(令和2)年度は地区別研究協議会を府域7地区で開催し、2021(令和3)年度からは課題別の研究協議会を年間5回実施し、人権教育の観点を大切にした研究授業及び協議を通して、教職員が互いの人権感覚を高め合う取組みを推進しております。
これらのことについて、校長人権研修、教頭人権研修で周知し、各小中学校での取組みの推進を働きかけています。
今後も、さまざまな外部人材の方も含めて、すべての教職員の指導が「人権が尊重された教育」として行われるように、市町村教育委員会及び学校に対して指導してまいります。
府教育センターにおいては、初任者研修をはじめ、さまざまな人権に関する研修を実施しており、人権問題への理解を深めるとともに、教職員自らが主体的に学習を深められるよう、研修方法・内容の充実を図っております。
管理職に対しても、教職員が日々相互に資質を高め合う職場環境づくりに努めるよう指示しています。こうした観点に立って管理職がリーダーシップを発揮できるよう、府教育センターにおいて、人権が尊重される学校経営や組織マネジメント、人材育成についての研修を実施しております。
(回答部局課名)
教育庁 人権教育企画課
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課

(要望項目)同和教育推進のために
11【任用と研修】管理職(民間人校長を含む)、指導主事、首席、指導教諭等の任用については、人権感覚の鋭さ、同和教育・人権教育等の実践を重視すること。また、管理職の鋭い人権感覚・適切なリーダーシップの発揮等、管理職研修の充実を大阪府教育庁としてはかり、市町村教育委員会に対しても指導・助言すること。さらに、新規教職員の採用においても、人権感覚の鋭さ・豊かさを重視した採用とすること。
(回答)
学校教育においては、すべての教育活動が、子どもの人権を尊重する視点とそれにふさわしい環境で行われることが重要です。そのためには、管理職(民間から登用した任期付校長を含む)をはじめとする指導に当たる教職員が鋭敏な人権感覚・意識を持つことが重要です。また、学校等の指導・助言を行う指導主事は、鋭敏な人権感覚・意識とともに、人権を擁護する職責意識を持つことが不可欠です。
管理職(公立小中学校の任期付校長及び府立学校長を除く。)の選考にあたっては、府立学校長及び市町村教育委員会教育長が対象者を推薦することとしており、推薦書には、研修歴、研究団体などの活動歴、校務分掌及び教育実績などの記載欄を設けており、人権教育の経験や実践などの実績が反映されるようにしております。
その上で筆答試験と面接試験を実施しており、人権意識と事象に対する的確な問題意識について出題し、基本的な認識や具体的な方策、課題に対する管理職としての対応能力や資質等を問うたところであります。
また、面接試験においては、自校での人権教育の取組や課題、管理職として課題解決に向けた方策、さらに事象に対する問題点や対応方策などについて問うことにより、管理職としてふさわしい人権感覚や人権意識、事象に対する対応能力を有しているか否かを評価するよう努めているところであります。
首席・指導教諭等の選考にあたっても、面接試験において、自校での人権教育の取組や課題、これまでの実践などを問うことにより、首席・指導教諭としてふさわしい人権感覚や人権意識を評価するよう努めているところであります。
教員採用選考においては、従来から基本的人権を尊重し、公平な立場で児童生徒の指導ができる教員を求めて選考テストを実施してまいりました。今後とも、人権尊重の教育について正しい認識を持った優秀な教員の確保に努めてまいりたいと存じます。
管理職に対しても、教職員が日々相互に資質を高め合う職場環境づくりに努めるよう指示しています。こうした観点に立って管理職がリーダーシップを発揮できるよう、府教育センターにおいて、人権が尊重される学校経営や組織マネジメント、人材育成についての研修を実施しております。
また、「小・中学校長人権教育研修」や「小・中学校リーダーシップ養成研修(管理職登用予定者対象)」においては、校長経験者による講義等を通して、学校におけるOJT機能や組織としての対応の大切さについて管理職の教育実践から学ぶなど、管理職研修の充実に努めているところです。
(回答部局課名)
教育庁 教職員室 教職員人事課
教育庁 教育振興室 高等学校課

(要望項目)同和教育推進のために
12【体罰・パワハラ・セクハラ】教職員等による体罰、パワー・ハラスメント、セクシュアル・ハラスメントなどの人権侵害を防止するための方策と、人権侵害が発生した場合の組織的な対応システムについて明らかにすること。その際、相談員の研修の充実をはかること。また20年から府立学校に通う子どもたち実施している「セクシュアル・ハラスメントに関するアンケート」の結果や効果を検証するとともに、2次被害等がないか配慮すること。また、部活動における体罰、あらゆるハラスメントの実態を把握し、対策を講じること。また、「子どもを守る被害者救済システム」の広報と、さらなる充実に努めること。さらに日常的に、子どもの人権尊重の観点から「性の教育」をはじめ子どもをエンパワメントするとりくみを実施するよう、市町村教育委員会に指導・助言すること。
(回答)
「人権教育の指導方法等の在り方について[第三次とりまとめ]においては、「人権感覚を身に付けるためには、学級をはじめ学校生活全体の中で自らの大切さや他の人の大切さが認められていることを児童生徒自身が実感できるような状況を生み出すことが肝要である。」と示されています。
また、「人権教育推進プラン」においても、「人権が尊重された教育」として、「学校教育においては、教科指導、進路指導、生活指導等広範な指導が行われているが、すべての教育活動が、子どもの人権を尊重する視点とそれにふさわしい環境で行われることが重要である。そのためには、指導に当たる教職員が鋭敏な人権感覚・意識を持つことが重要である。」と示しています。
とりわけ、教職員等による児童生徒等に対する体罰、セクシュアル・ハラスメント等については、児童生徒等の心を傷つけ、その後の成長に避けがたい影響を与えるものであり、個人の尊厳や人権を侵害するものであると認識しています。
そのため、教職員等による児童生徒等に対する人権侵害への防止策としまして、「教職員による児童生徒に対するセクシュアル・ハラスメント防止のために」や体罰防止マニュアル等を作成し、各学校においても研修の充実が図られるよう、各市町村教育委員会へ指導をしています。
万一、教職員等による児童生徒等に対する人権侵害が発生した場合には、被害児童生徒等へのケアを第一に行い、加害者に対する指導や再発防止の検討等について市町村教育委員会、関係各課と連携しながら対応を行っていきます。
府立学校につきましては、2013(平成25)年度から、生徒へのアンケート「安全で安心な学校生活を過ごすために」を実施し、教育相談の窓口を周知するとともに、部活動を含む学校生活における、いじめ、セクシュアル・ハラスメント、体罰等について実態の把握に努めております。また、府教育センターにおいて、府立学校の教職員に対して「セクシュアル・ハラスメント相談窓口担当者研修会」を実施しています。
さらに、被害を受けている生徒を守ることと併せて、教職員等のセクハラの未然防止や意識の向上につなげるため、昨年度より「セクシュアル・ハラスメントに関するアンケート」を実施しています。本アンケートについては、二次被害等が生起しないよう、配付する際には「回答をしたくない(出したくない)場合は提出する必要がない」旨を説明するなどの配慮を行うよう周知しています。
(回答部局課名)
教育庁 人権教育企画課
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 教育振興室 支援教育課
教育庁 教育振興室 保健体育課

(要望項目)同和教育推進のために
13【にんげん活用】人権教育読本「にんげん」の活用推進にむけた大阪府教育庁としての考え方をすべての市町村教育委員会に対して指導徹底すること。また、その活用状況を調査するとともに、実践的な経験交流を深めるために、引き続きセミナー等の報告の機会をつくるようとりくむこと。また、16年度改訂版を配布した人権教育教材(CD)等の活用をすすめる方策を明らかにするとともに教材の活用の検証をおこなうこと。また、「特別の教科 道徳」については、大阪府教育庁としても、研修等で、人権課題を学習する教材として「にんげん」の使用促進を含め、多様な価値観を認め合い、学校教育活動全体でおこなうよう指導すること。
(回答)
人権教育読本「にんげん ひとシリーズ」は、すべての学校において同和教育をはじめ幅広い人権教育を推進するために配付したものであり、児童生徒の発達段階に配慮しながら、内容等に工夫・改善を加え、効果のある教材として位置づいてきており、今年度も、市町村教育委員会を通じ、「にんげん ひとシリーズ」(学校設置用)を有効活用して各学校の人権教育の取組をすすめていくよう働きかけているところです。
一方、「『大阪の教育力』向上プラン」(2009(平成21)年1月)に基づき、また、人権教育読本「にんげん」の成果を踏まえ作成、配付した、人権教育教材集・資料(2016(平成28)年11月再配布)、同「教員用手引き」(2012(平成24)年3月)、同「実践事例集」(2017(平成29)年7月)については、府教育センター、市教育委員会等の各種研修・会議の機会を通じて周知するとともに、2012(平成24)年度より、市町村教育委員会と連携し、実践交流の場を持つと共に、各学校における人権教育教材集・資料の活用状況の把握を行っているところです。
また、人権教育教材集・資料等の一部を大阪府のホームページに掲載しております。(2017(平成29)年11月から)
今後も、本教材集がより活用され、各学校における人権教育が推進されるよう努めてまいります。
「特別の教科 道徳」については、学習指導要領解説では、学校における道徳教育は、学校の教育活動全体を通じて行うものとされています。また、道徳科に生かす教材は、児童生徒が道徳的価値の理解を基に自己を見つめ、物事を多面的・多角的に考え、自己の生き方についての考えを深める学習に資するものでなければならないとしており、今後も研修会等の機会を通じて周知してまいります。
府教育センターでは、授業づくりに関する研修の中で、指導の効果を高めるため、地域や学校及び児童生徒の実態等に応じ、多様な価値観を認め合う適切な補助教材を有効に活用することを説明しています。
(回答部局課名)
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課

(要望項目)同和教育推進のために
14【進路・中退防止】同和地区を校区に含む学校(旧同和教育推進校)の進路課題についての認識を明らかにすること。また、06年度におこなった「大阪府学力等実態調査」の結果からみえてきた課題解決にむけて、施策の成果を明らかにすること。その際、経済的・学力的に厳しい子どもたちの後期中等教育を受ける権利を保障すること。
また、高校生活を続けられるよう、冊子「中退の未然防止のために」の周知徹底や、高校中退問題解決にむけての施策を明らかにすること。
(回答)
2021(令和3)年3月の「『人権問題に関する府民意識調査』報告書」によると、家を買ったり借りたりする際に、「近隣に同和地区があると言われていないか」を重視するという回答が9人に1人であったなど、依然として「同和地区」に対する府民の忌避意識は解消されていません。
こうした忌避意識を背景に、転居にあたって子どもが通学する予定の校区内に同和地区があるかどうかを役所に問い合わせたり、校区再編にあたって同和地区と同じ校区になることに住民が反対したりする事象も起こりました。また、不動産会社がマンションの建設・販売を検討するために行う調査の中で、部落差別につながる報告を長年行っていたという土地差別問題の実態も明らかになりました。
府としては、2008(平成20年)3月「同和問題解決に向けた土地差別問題研究会報告書」及び、2010年(平成22年)3月「不動産取引における土地調査問題研究会報告書」に基づいて取組をすすめているところです。
「2006年(平成18年)大阪府学力等実態調査」の結果、対象地域に居住する児童生徒の正答率や無答率が大阪府全体を下回っていること、また、家庭学習習慣や生活習慣の定着に課題があることなどが明らかになっております。
この間、府教育庁では、対象地域を校区に含む学校をはじめとして、課題の大きな学校への支援を積極的に行うこととし、学力向上に積極的に取組む学校の教育予算を補助する「市町村支援プロジェクト事業」や、2010(平成22)年度から2012(平成24)年度まで、課題の改善に向け学校全体で組織的な取組を進める中学校に必要な人員を配置する「学力向上プロジェクト支援事業」を実施いたしました。
また、2011(平成23)年度から2012(平成24)年度まで、課題のある学校に対して、市町村教育委員会との連携のもと、学校訪問等を通じた学力向上の取組への助言や授業改善のための校内研修への講師の派遣、また、生徒指導上の諸課題の解決に向けたスクールソーシャルワーカー・スーパーバイザーや弁護士等、専門家の派遣等による支援を行う「学力向上重点校支援プロジェクト事業」を実施いたしました。
当該事業校では、学校全体で取組の方向性を明確にし、すべての教職員で、取組の成果と課題を共有するなど、学力に課題のある子どもをはじめ、すべての子どもたちの学力の向上に向けた組織的な取組が進んだことにより、全国学力・学習状況調査における2009(平成21)年度と2013(平成25)年度の結果の推移からは、大阪府内全体の学校に比べて平均正答率が改善した学校の割合が高いという結果も見られました。
しかし、大阪府全体としては、これまでの学力調査と同様、基礎的・基本的な内容の定着や「知識・技能を活用する力」に課題が見られること。学習規律や家庭での学習時間等になお一層の改善が必要なことなど、子どもたちの学力や学習状況に依然として厳しい状況があることが明らかになっております。
府教育庁としては、このような状況の改善も含め、2013(平成25)年度から課題の改善に向けた取組を保護者や地域等と共有しながら、学校全体で組織的に取組む中学校に必要な人材を配置する「スクール・エンパワーメント推進事業」を実施し、市町村教育委員会との連携のもと支援を進めているところです。また、2017(平成29)年度より、本事業を小学校にも広げるとともに、2019(令和元)年度より、事業実施校の成果を市町村全体に広げることで、すべての子どもたちの学力向上に向けた取組を進めているところです。
府立高校におきましては、これまで長欠、中退の防止のため、不本意入学の防止、学習指導の充実、生徒指導の充実を三つの基本として様々な施策を講じてきました。1年生の中退が多いことから2007(平成19)年度からは中高連携、人間関係づくり、基礎学力の充実を三つの柱として取組みを進めているところです。
中退者の多い学校には、中退防止の加配を措置するとともに、措置した学校には、2009(平成21)年度より中高連携及び中退防止に関する校内組織の中心となる中退防止コーディネーターを明確に位置づけ、具体的な目標を設定した上で、取り組むよう指導しております。
さらに、これらの取組みを集約した冊子「中退の未然防止のために」を2010(平成22)年3月に作成し、府内高校及び市町村教育委員会と中学校に配布しております。また、2010(平成22)年度以降に取組みが進められた実践事例を中心に、中退防止につながる優れた実践を取りまとめた「中退の未然防止のために 実践事例集」を2015(平成27)年5月に作成いたしました。それらの効果的な取組みについて中退防止フォーラムによって全府立高校に広めてまいります。
入学者選抜については、入学者選抜制度改善方針において、改善にあたっての基本的な考え方として、高等学校への就学機会を保障するとともに、生徒が主体的に学校選択を実現できることと定めており、今後も基本的人権を踏まえ、適正に実施するよう配慮に努めてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 人権教育企画課
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課

(要望項目)同和教育推進のために
15【自死】21年4月、内閣府発行「子供・若者育成支援推進大綱」によれば、20年の全国の児童生徒の自死者数は499人にのぼり、19年より100人増で過去最多となった。また、国立成育医療研究センター「コロナ×こどもアンケート」によれば、小学校4年生以上の15~30%に中等度以上のうつ症状があることが示されるなど、深刻な状況である。自死にかかわる個人情報がインターネット上にさらされ、差別や排除につながる事案も発生している。大阪府・大阪府教育庁として子どもたちの状況を把握し、生命と人権を守る具体的施策を講じること。
(回答)
子どもたちが自ら尊い命を絶つということは、決してあってはならないことであり、自分の命、周りの人々の命がかけがえのないものであることを実感できるような教育の推進が求められていると認識しています。また、子どもが自身の心の危機に気づき、他者に援助を求める重要性を知るとともに、悩みを相談したり、人の困っていることに気づいたりできるような人間関係づくりが重要であると認識しています。
大阪府としては、2017(平成29)年7月に改正された国の「自殺総合対策大綱」に基づき、2018年(平成30)3月に「大阪府自殺対策基本指針」を改正し、庁内外の関係機関と連携し、「生きるための包括的な支援」として自殺対策を進めています。
府教育庁としては、国事業を活用し、24時間電話相談やLINE相談などの相談窓口の充実を図るとともに、府内全中学校にスクールカウンセラーを配置するなど、子どもたちが相談しやすい環境を整えています。併せて、各学校において、子どもたち一人ひとりの自尊感情を高め、自他の人権を尊重し、子ども同士のつながりを作り出すため、ホームルームや行事等を通じた人間関係づくりや、互いを認め合う集団づくりを進めるよう、市町村教育委員会に対し指導助言を行っているところです。
また、教育振興基本計画にも、基本的な方向性として「違いを認め合い人を思いやる豊かな人間性をはぐくむ」と位置づけているように、今後も、人権教育をはじめ学校の教育活動全体を通して、育成を図るように取り組んでまいります。
なお、文部科学省からの通知にあった「長期休業日が終了した学期初め等の時期において、児童生徒の心身の状況や行動に変化が現れやすいことから教職員等が連絡・協力し法及び法に基づく国の基本方針に沿って対応すること」などを各学校へ周知を行うよう市町村教育委員会に改めて通知しています。
府立高校におきましては、例年、入学段階で宿泊研修などを行い、生徒同士のつながりを作り出す取組みや学校行事、部活動等を通して、生徒が互いに交流する取組みを行っており、その中で互いに違いを認め合う集団づくりを進めています。
また、生徒へのアンケート「安全で安心な学校生活を過ごすために」や「いじめに関するアンケート調査」「セクシュアル・ハラスメントに関するアンケート」を実施し、教育相談の窓口を周知するとともに、いじめ、セクシュアル・ハラスメント、体罰等について実態把握に努めています。さらに、2014(平成26)年度から、すべての府立高校で高校生活支援カードを活用しています。このカードにより、これまでの学校生活において生徒や保護者が不安や困難を感じている等について入学時の早い時期に把握し、生徒が安全で安心な学校生活を過ごすことができるように努めてまいります。
私立学校においても、各学校が教科学習や道徳・総合的な学習(探究)の時間・特別活動との関連を図りながら、生命の大切さや人生のかけがえのなさを実感することができる教育を進めているところです。引き続き、教職員と子どもとの間に信頼関係を構築する取組みをはじめ自殺予防についての組織的な対応を、校長会等を通じ、私立学校に求めてまいります。
(回答部局課名)
健康医療部 保健医療室 地域保健課
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 私学課

(要望項目)同和教育推進のために
16【リバティおおさか】大阪人権博物館(リバティおおさか)と協力・連携するとともに、人権に関する教職員の研修や府民への啓発等、リバティおおさかの事業や資料の活用を促進すること。
(回答)
リバティおおさかは、あらゆる人権問題の歴史的資料を収集保存、展示公開することによって、生きた教材・学習の場を提供する役割を果たしてこられています。
府教育庁といたしましては、2015(平成27)年6月に「リバティおおさかを活用する人権学習プラン」を作成し、市町村教育委員会及び府立学校に対して送付しました。
また、「府立学校に対する指示事項」、及び「市町村に対する指導助言事項」の中でリバティおおさかの有効活用について指示するとともに、府民に対しては、大阪府PTA協議会等を通じてリバティおおさかの周知及び企画展の広報などを行ってまいりました。
引き続き、市町村及び府民に対し周知するなどリバティおおさかの事業や資料の活用促進に努めてまいります。
府教育センターでは、初任者・新規採用者研修において、リバティおおさかについて、その役割や事業について説明しています。人権教育研修等におけるリバティおおさかの資料等の活用についても引き続き検討してまいります。
教職員の研修において、これまで同様リバティについて取り上げ、リバティが果たしてきた意義や役割を伝えるとともに、資料等の活用についても引き続き検討を進めてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 市町村教育室 地域教育振興課
教育振興室 高等学校課

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