平成21年度第30回大阪府戦略本部会議 議事概要

更新日:2015年8月5日

  • と き 平成22年2月10日(水曜日) 10時10分から10時55分 
  • ところ 特別会議室(大)
  • 出席者 知事、副知事、政策企画部長、総務部長、関係部長等

 議題1:大阪府域水道事業について

※水道部から資料をもとに説明。

【木村副知事】
・今後の方向性について、いままでコンセッション方式で話を進めてきた大阪市の反応は。

【水道企業管理者】
・大阪市には、報道等も含めて事実は伝わっている。また、府域の市町村・大阪府からも今後の方向性について、今日の戦略本部会議で議論されることも含めて伝わっている。
・報道での発言でしか見ていないが、大阪市長からは「市の案が一番よかった。ただ受水市町村が市の案と異なった政治判断されたのであれば仕方がない。市はこの取組みから一歩引かせていただく」と発言されていたと理解している。

【木村副知事】
・認識として、基本的には我々の今回の方向について賛同することはないということか。

【水道企業管理者】
・途中経過では、大阪市長も「できるだけ協力はする」といった発言もあった。

【木村副知事】
・府の水道部の組織は、平成23年4月をもって廃止ということか。

【水道企業管理者】
・1年というのは、実務的スケジュールとしてはタイト。その間に、府、市町村でのそれぞれでの動き、厚生労働省から事業認可を取得するといった国との関係の動きの3つが起こる。
・市町村では、企業団の設立・参加について市議会の議決に向けた取組みを行っていただく。それと前後して、府は、水道部組織を廃止する、特別議決になると思うが公の施設を廃止して財産を移管するといった条例改正を9月議会から2月議会にかけて取り組んでいく必要がある。

【知事】
・反対している市町村はどうするのか。

【水道企業管理者】
・たとえば、吹田市長さんが「あまり賛同できない」とおっしゃっているが、その意味は、全体としての動きに「待った」をかけるという意味の反対なのか、「もう少し方向性を見極めた上で、個別市町村が判断すべき」といった意見なのかで対応は異なると思う。

【知事】
・企業団に参加しないで企業団と連携する、あるいは、水平連携で大阪市と「連携」すると言われているが、それでもかまわないのか。

【水道企業管理者】
・かまわない。

【知事】
・基礎自治体でいろいろ考えてもらって、やってもらえればいい。

【水道企業管理者】
・必要な水量は、府営水道が企業団にかわっても供給義務は果たすことになると思う。

【知事】
・そうなると企業団に参画する、参画しないことのメリット・デメリットはどうなるのか。参画しなくても受水できるのであれば、「参画する必要がない」ということになると、料金決定に参加できるかどうかの違いになるのか。

【水道企業管理者】
・そうなると思う。

【綛山副知事】
・新しい企業団の制度設計の中で、仮に参画しない市町村があれば、一定の違いを設けるなどの議論はできるのか。

【水道企業管理者】
・議論は可能。

【綛山副知事】
・堺市からの文書をそのまま読めば、「受水市町村の総意」、換言すれば42市町村全てが「コンセッション方式を選択しない」となっていて、その部分については揺るぎないはず。そうすると、コンセッション方式を選択しないのであれば、企業団方式に参画するか、従前どおり府営水道ないしは企業団から水の供給をお願いするか、その2つしかない。
・そうなれば、その2つに対して、制度設計の中で違いを設けていくことで、できれば全ての市町村が参画してもらうようなことを狙っていくということでいいのか。

【水道企業管理者】
・基本はそのとおり。ただ、1年という短い期間に議会の議決を得るといったタイミングがあるので、当面はいまの形をそのまま継続することとし、その上で、何らかの別の理由で企業団水道とは一線を画すという明確な意思表示があれば、その取扱いは考えていかなければならないと思う。

【知事】
・企業団をつくった場合、市町村から申入れがあった際には、必ず水道を提供しなければならないといった法律上の義務はあるのか。

【水道企業管理者】
・水道法上、今の区域で供給事業として認可を取得しているので、勝手に配らないというのは違法。

【知事】
・新しく企業団方式をつくった場合、参画しない市町村に対する供給の応諾義務はどうなのか。

【水道企業管理者】
・現在、大阪市を除く42市町村の区域で事業しているので、たとえば10の市町村が「企業団と一線を画す」ということになれば、残りの区域だけで供給することも考えられるが、現時点では「メリットがわからない」、「市議会への説明など、この短いタイミングで乗り切れるか」といった不安も含めて、いろんな意見を返してもらっている段階だと思っている。これから新年度早々にかけて、不安感については相当払拭されていくのではないかと思っている。中には、タイミング的に市町村議会での手続等が難しいという声はあるかもしれないが、その市町村に限っては「一年間は猶予しましょう」といった動きになると期待しているし、そうなるよう努力しなければいけないと思っている。

【知事】
・資料1では、今後の方向性として企業団方式の方がメリットがあるのでやる、となっているが、府内市町村の中には「これまでどおり府がやってくれたらいいじゃないか」という思いがあるのも事実。そこはやはり、受水市町村が自らマネジメントをやるほうが、水道料金の問題一つとっても、自分たちの意思をより反映させられるだろうと思う。決して水道部がこれまでやってきたことが悪かったということではなく、府が水道事業をやっている限り、組織としては受水市町村のことよりも府の財政状況を優先して料金決定を考えてきたので、そういう観点をはっきりと入れるべきではないか。

【水道企業管理者】
・受水市町村からすれば、これまで水道事業について府域の全体像を見て決めてこなかったことによる不安感があると思う。また、近隣市町村と肘を突き合わせるよりも、第三者である府が決めてくれたほうが良いという考え方もある。今後、知事の指摘の趣旨を踏まえ、我々も市町村に対して説明していきたい。

【知事】
・この文書を府が出すということは、私の政治メッセージでもあるので、そのことをはっきりと入れてほしい。企業団方式でやっていく理由を公に明確にしておきたい。

【政策企画部長】
・たとえば、前文の「基礎自治体である市町村が」の前に、「自ら用水供給料金を含めた水道料金を決定できガバナンスが確保される」といった趣旨の文章をいれるといったことか。

【知事】
そのとおり。そのことをはっきり入れてほしい。

【水道企業管理者】
・承知した。
・明後日に受水市町村に対して料金値下げの説明会をするので、その中でシミュレーション等も出していく必要があると思っている。

【小河副知事】
・今回、方向性が大きく変わったので確認しておきたいのだが、これまで技術陣が大阪市と検討を行ってきたコンセッション方式に何か技術的な問題があったのか。

 【水道企業管理者】
・副知事が懸念しているような技術的な問題があったわけではない。昨年12月初旬あたりからこういう動きが出てきたので、正直なところまだ詰めきれていないところもあったが、コスト面で議論が残っていたのは確か。

【小河副知事】
・せっかくこれまで検討を進めてきたのだから、コンセッション方式については、技術的な面では問題がなかったという点をクリアにしておくべきだと思う。
・府市の水道技術者が一緒に検討できるようになったことは、これからのこともあるので大事にすべき。

【政策企画部長】
・それでは、今後、受水市町村とは本日確認させていただいた方向で話を進める、文書については先ほど確認した修正を加えるということとする。

【知事】
・技術的な検討は、この1〜2年間、水道部の職員は本当に一生懸命やってくれた。それを機に今回こういう動きになったわけで、そのあたり、担当職員への労いをよろしく。来年度、技術面も含めて正念場になるので、新しい企業団方式の姿をしっかりと作り上げてほしい。

 

<議題2:(財)千里ライフサイエンス振興財団について>

※総務部、商工労働部から資料をもとに説明。

【木村副知事】
・専門家会議の先生方への説明不足という印象が強い。
・今回、バイオファンドの関係で製薬企業トップに回って話しをしているが、その中でも、バイオに関する府の責任ある対応が求められているのを感じる。この財団については、もちろん常勤役員のポスト自体も必要だし、府が責任を持って人を出すことで初めて信頼を得られるという実感を持った。専門家会議の場でもう少し説明ができればこういう結果にならなかったのではないかと非常に残念。

【知事】
・基本的事項の確認だが、ヘッドクオーターと財団の役割分担はどうなっているか。

【商工労働部】
・ヘッドクオーターは大阪のバイオ産業の振興について、国、地元自治体との調整などを行っている。場所も財団と同じフロアで並んで取り組んでいる。
・財団の役割のメインは研究交流の分野。主に「学」とのつながりで、理事長もアカデミズムのトップの方。産業振興の部分では、府が一定の資金支援をして、国の知的クラスター事業を財団が中核機関として進めている。

【知事】
・もともとヘッドクオーターと財団を合わせようとしていたところを私が「待った」をかけたと思うが。

【総務部長】
・当時は千里ライフサイエンスビル自体も、府の別の出資法人で所有していた。それを民間に売却。今後の財団のあり方自体を考える「あり方検討会」が行われた。私は当時、商工労働部の担当の室長として参画。私から「ヘッドクオーターの役割を財団に担っていただきたい」ということを提案し、了承いただいた。その後、法人への職員派遣についての地裁判決などを受け、職員を財団に派遣することができなくなった。そこで、ヘッドクオーターは府直営でやるが、財団が担っていただいている産・官・学の連携の仕組みを使いながらでないと役割を果たせないということで、商工労働部の担当課を財団と同じフロアに移動させ、財団と連携を取りながら役割を果たすという方向に転換したという経緯。
・府と財団が連携しながらヘッドクオーターの役割を担っていくというのが今のやり方。

【知事】
・もともと職員を派遣するつもりだったがそれをやめるという方針が出たので2つに別れているということか。
・財団の役員構成はどうなっているのか。

【商工労働部】
・全部で12人。理事長は阪大の岸本先生。あとは大学の先生方、製薬会社の執行役員、研究所の所長など。府OBが専務理事兼事務局長として入っているが、その他の方は全員非常勤で本職を別に持っておられる。

【知事】
・専門家会議の意見としては「事務局長は専任でおくべき」ということ。それに対し、商工労働部は専務理事兼事務局長としたいということか。

【商工労働部】
・そのとおり。

【知事】
・ヘッドクオーターの長は商工労働部が担っているのか。

【商工労働部】
・商工労働部長は当然いるが、商工労働部理事が担っている。

【知事】
・財団と組織的な関係はないのか。

【商工労働部】
・物理的に同じフロアに並んで仕事をしているが、組織的な関係はない。

【総務部長】
・単にフロアを同じにしているだけではなく、研究開発を促進する「知的クラスター事業」という文科省の事業については、財団に担っていただいている。また、この業務を執行するため、この部分については府の職員を代々財団に派遣している。

【商工労働部】
・商工労働部理事が財団の評議員に就任している。

【知事】
・ヘッドクオーターは何名体制か。

【商工労働部】
・民間から来ていただいている2名、市からの1名を含め、全部で15名。

【知事】
・木村副知事が「専門家会議への説明不足」と言ったが、なぜそうなったのか。また、専門家会議からの意見に対してどう思うか。特に、「法人の存在は否定しない・・・」といったくだりもあるが。

【商工労働部】
・やり取りが不十分であったのは事実。専門家会議ではまずは財団の業務内容を中心に説明してご理解をいただこうとしたが、その説明だけで終わってしまった。そのため、先生方にしてみれば、「そういうことなら事務方としての説明だけ」という理解になってしまったと聞いている。製薬企業からの職員派遣や寄付金依頼交渉といった役員としての役割をきちんと説明できなかった。

【知事】
・資料2の左下にある専門家会議からの意見が気になる。特に、「コーディネートとセミナーだけ」とあるが、それは財団の役割がうまく伝わっていないのか。それとも、実質的に第三者から見てそういう風に映ってしまっているのか。
・また、非常勤の理事が11名ということだったが、名前だけになってしまっていないか。財団が実質的に動いているのか。

【商工労働部】
・スタッフも製薬会社から、常勤・企業側負担で来ていただき、その方々の知見を生かして研究者の方が必要としているセミナーなどを企画・運営している。専務理事は、財団の役員としてこれら事業を指揮監督する。
・財団が、製薬会社の専門スタッフ、理事の紹介でネットワークを持つなど、財団の強みを生かして運営していることをきっちり説明できなかった。

【知事】
・バイオとEVについての産業振興策は、今日の日経新聞にも出ている。理事は著名な方だから、その方が不要だということではなく、仮に予算措置が必要となったとしても、組織を強化するような方向で考えてほしい。今の財団のやり方はどうなのか。
・というのは、私自身、知事としていろいろな団体の役員などに名前を連ねているが、実際何の審議もしていないし関わっていないものが多い。本財団を本当に機能させるために今の体制のままでよいかという点はどうか。ヘッドクオーターがあるから、そこで実質やっているということであればよいのか。

【商工労働部】
・バイオに関しては、大阪バイオ戦略推進会議を組織していただき、大阪バイオ応援団もある。そこに財団の岸本理事長が入っていただいているので、知事の考えやメッセージについても繋がっている。しかし、専門家会議では全体像を説明し切れていなかった。

【木村副知事】
・理事会そのものは機能していないのではないか。だいたい普通そういうものではないか。

【総務部長】
・それは誤解がある。
・先ほど申し上げた財団のあり方検討会では、病院の総長さんなどにも入っていただき、府の役割と財団の役割をどうするのか、相当激烈なご議論をいただいた。現在の財団の理事はバイオ分野の第一人者が揃っておられ、非常に重要な財団であり、決して機能していないことはない。

【知事】
・著名な方なので絶対協力していただかなければならないが、その役割は「理事」なのか、「顧問」なのか。「理事」は組織を回していく観点が必要。ご意見を頂いたりするのは「顧問」などで、場合によっては名前を貸してもらい、研究者に繋いでいただくといった手法もあるのでは。「理事」となれば具体の戦略を立てて、法人経営をしていかなければならない。

【総務部長】
・経営は府OBの専務理事が最終的な責任をもって運営しているということになる。財団の一番の目的はそこにバイオの関係者が集う場を作り、それによりネットワークを作ること。バイオ分野の第一人者の理事の方々の意見を聞きながら、府のOBの専務理事が財団を運営していくという形になっている。

【知事】
・理事で著名な方に入っていただくということは否定しないが、さらに実務を回していくにあたって、今回専務理事一人となっているが、その役割を果たすために実務的な理事をもっと強化する必要があるのか。それはヘッドクオーターで担っていくということよいのか。
・私は、22年度特にバイオに力を入れてやっていかないといけないと思っており、きちんと組織として回していく必要がある。新たに実務を回す理事を補強する方向がよいのか、率直なところはどうか。

【商工労働部】
・今の体制で、ヘッドクオーターと併せてやらせていただければ、協力して相乗効果を発揮できる。
・財団の理事会もかつては多人数であったが今は12名に絞り、民間企業からは財団の理事として執行役員が入っていただくということで、実務的に議論できるようにお願いしている。

【知事】
・民間企業からの理事は何名くらいか。

【商工労働部】
・10名のうち、製薬企業で関西に本社をもっている4社に入っていただいている。「学」の方は総長等に入ってもらっている。

【知事】
・理事と府のヘッドクオーターで回していければ機能としては回るということか。

【木村副知事】
・22年度、バイオは勝負だと思っている。いい機会なので、専門家会議で指摘された内容も踏まえきっちりやってもらいたい。

【知事】
・こういう意見が出たというのは非常に残念で、説明不足なのか、そう伝わってしまっているのかは、専門家会議の先生方を責めるのではなく、こちら側がそう受け取られないような組織にしないといけない。
・バイオは22年度の目玉になる。しっかりヘッドクオーターと財団であわせもってやっていただくということでよろしくお願いしたい。

【政策企画部長】
・本件については、本日の議論を踏まえて対応するということとする。

このページの作成所属
政策企画部 企画室政策課 政策グループ

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