平成21年度第21大阪府戦略本部会議 議事概要(前半:議題1、2)

更新日:2015年8月5日

  • と き 平成21年8月31日(月曜日) 13時05分から14時50分 
  • ところ 特別会議室(大)
  • 出席者 知事、副知事、政策企画部長、総務部長、関係部局等

冒頭:今回の衆院選の結果を受けて

【知事】
・議題に入る前に、私から1点、きちんと庁内にメッセージを伝えたいという主旨で発言する。
・今回の選挙では、民主党がこれだけ議席をとって、国民の現政権に対する怒りが爆発した結果。自治体の職員として、「国政のことだから、我々は関係ない」とは絶対に思わないでほしい。国民は、国政も地方行政も一体として“行政”としてみているので、霞ヶ関の国家公務員だけでなく地方公務員に対しても、今までの行政のやり方・仕組みという意味では、同じような国民の怒りが爆発しているということをしっかり認識しなければならない。組織のトップとして敢えて言うが、公務員のあり方の問題などについて怒りが沸点に達しているということを地方の行政体としてもしっかり認識して、今回の結果をもとに更なる行革や公務員のキャリアデザインなどに取り組んでもらいたい。
・今日も人事委員会事務局から人事院勧告制度(人勧制度)のレクを受けて、何が問題点なのかよくわかった。これが「行政が国民の意識を理解していない典型例」と思った。人事委員会事務局は、人勧制度について、「客観的に正確性をもって取り組んでいる」という理屈を説明してくれる。そもそも国民がどこに不信感をもっているのか、どこが不満なのかという部分を抜けている。今の制度を前提として人勧の仕組みが作られ、いろんな理屈が後付けになっている。私からは、「国民が一番説明を聞きたいのはこっちだ」と言った。政治家は、国民の単純な不信・疑問点を汲み取り、それに応えて行く。行政はそうではなく既存の制度を前提として「それをどう説明するか」ということに一生懸命になる。これは、人勧の制度だけの話ではなく、いま大きく時代が転換する中でもう一度、「国民が何に怒っているのか、不満をもっているのか」について考え、きちんと応えなければならない。部長職や次長職の給料は安いと私自身も実感しているが、その疑問に答えることができれば、堂々と給料を上げればいい。府庁は自治体のリーダー役になるべく、今回の問題は国政の問題だと捉えずに行政に対する国民の怒りと捉え、私自身これからもう一回ネジを巻いて馬力を出していこうと思っている。しっかりと今回の選挙結果を受け止めてもらいたい。

議題1:庁舎移転案

※ 総務部から資料をもとに説明。

【小河副知事】
・今回、庁舎移転案を再提案するにあたり、原点に戻って、財政状況から「新たな集約庁舎は無理」と一つの判断がなされた。私も、財政再建を最重点とするならばそのとおりと思っている。その上に立って、「耐震補強でこのままか、職場環境がより良くなるWTCへ行くか」という判断になれば、私は、WTCだと思っている。
・そういった制約条件がなく庁舎移転だけを考えるのなら、「梅田北ヤードがいい」といったいろいろな意見もある。
・WTCへの移転については、防災面やまちづくりなどの課題がある。私が担当している防災に関して、今回は、前回の課題を大阪市と一緒に検討しており、また、明日初めて大阪市の港湾局と都市整備部が津波の鉄扉訓練を一緒に行うなど、かなり意識も高まってきている。
・具体的には、資料1-1の5頁「大規模災害初動期における時系列の対応シミュレーション」が一番大切。実際に大規模災害が発生したときにどういったことをするかがこの資料に記載されている。現在、これをもっと掘り下げて詳しく検討してもらっているところ。特にバックアップ機能について記載があるが、WTCに行くからという意味ではなくて、この大手前でも、バックアップ機能は必要。危機管理というものは、どこの場でも最悪のことを想定したときにどうするかを考えるべきもの。そういう意味で、危機管理は生命保険と同じ。生命保険はある程度最悪のことを想定した上で、(かけ金を支出する)家計のことも考えてレベルを決める。今回も、最終的に知事に判断してもらえればいい。この対応シミュレーションは非常に大事なので、さらに詳しく詰めていってもらいたい。
・まちづくりは、大阪市の本気度の問題。庁舎を移転することは、大阪市のまちづくりにとって非常にインパクトのある話なので、大阪市が真剣に考えなければならない。今回は大阪市長が来られるなど、前回と状況が変わってきている。私の思いとしては、咲洲地区については、経済界が入って協議会で議論されているが、まだまだ具体策がみえていない。あの地区の価値を上げるためには、JR桜島線を延伸すること。延伸しても4キロメートル弱。実現すれば大阪駅、新大阪駅と咲洲が直結し、土地の利便性が向上し、値打ちも上がる。また、国際コンベンション機能を整備するにしても、USJというアミューズメント施設がありホテルがある。これは夢の話ではなく、具体的に早くあげるべき。鉄道を整備することにより土地の価値が上がるので、経済界が協力すると言ってくれているなら、経済界からも多少お金を出してもらうべき。
・もう一つは、大手前のまちづくり。大阪市が検討に入ってくれることになったが、そもそも大阪市が積極的に検討すべきもの。大手前のことだけでなく、大阪城の周辺をどうするのかについて真剣に考えないと、大阪市民、特にこの付近の市民の方の理解は得られない。
・大手前の土地を売却するのであれば、「みどり」を基本にすべき。その中で、成人病センターは、単なる建替えというよりは、みどりの中の病院としてどこにもない病院をつくるべき。分割して売却するのではなく、みどりにすべき。また、森ノ宮の跡地を売却するためには、成人病センターだけでなく、周りの施設もこの際、一つのまとまりとして移転し価値を高めるべき。もう一つは、従来から大阪市が構想として持っているが、JR大阪城公園駅と森ノ宮駅から東側の広大な土地にJR、UR、大阪市の焼却場など公的な用地があり、そのまちづくりをプロジェクトとして立ち上げるべき。そうすることによって売却する森ノ宮の土地の価値も上がる。JRの両駅もあり、地下鉄も2本あり、阪神高速もランプあり、非常に利便性が高いところ。この大手前で民間のアイデアを求めるなら森ノ宮でアイデアを求めるべき。
・大阪市自身が桜島線の件も含めて構想をもっていたはずなのに、今回出てきていないのは残念。ぜひともやってほしい。
・また、大阪城の周辺のまちづくりを考えるときに、難波宮の跡地に公園がある。その公園にNTTのビルがあるが、それを咲洲に移転してもらい、農林会館も含め、その土地を大阪市が買い上げて公園にするなど、みどりのエリアにすべき。そういったノウハウは大阪市が持っているはず。そうしたアイデアが出てきていないのがおかしい。この大手前のまちづくりだけではなく、周辺全体のまちづくりをすれば、OBPから大阪城周辺のまちづくりがよくなるはず。こうした取組みを進めることによって皆さんに納得してもらえるはずなのでお願いしたい。

【木村副知事】
・前回と基本的に変わったのは、前は夢から入ったが、今回はWTCの移転案が庁舎問題を抜本的に解決できる唯一の選択肢だとシンプルに位置付けた点。絶対に条例を可決していただくという意味においては、議会の先生方のご理解をいただくために、こういう形で整理することは非常にいいことだと思う。
・もう一つは、府民の皆様にぜひとも後押ししていただくという意味においては、前回、府民意見を伺ったが、そのアプローチが中途半端のような気がした。今回、府民の皆さんに理解を深めていただくとともに、ご意見を伺うという点について、どんなアプローチを考えているのか。

【総務部】
・前回、府民意見を求めるという形でアプローチを行ったが、仕組み上、一定の制約があると考えている。価格の問題やまちの変化など、一通りのご意見をいただいており、今回、改めてアプローチするということは考えていない。

【木村副知事】
・基本的には、議会の先生方との議論を通じて民意を反映させるというアプローチという理解でよいか。もちろん、一般的に府庁に寄せられるご意見については、通常のルールで集約しオープンするのか。

【総務部】
・そのとおり。今でも行っている。

【総務部長】
・本日の資料、この資料を説明するための基礎資料、防災面の市との検討資料などがあるので、これら資料については、府のホームページで府民の方にご覧にいただける状態にして、ご意見が寄せられれば、そのご意見については十分受け止めたい。基本は議会と十分議論する中で府民の声を議会にお寄せいただき、結論を導いていただきたい。

【政策企画部長】
・この後、成人病センターの移転について議論いただくが、センターの議論と庁舎の議論の関係があるのか、ないのか、簡単に説明していただきたい。それから成人病センターの移転を想定する位置を、資料1-1の25頁のシミュレーションで、3案それぞれで少しずつ位置を変えているが、どういった考え方でこうなっているのか簡単に説明してほしい。

【総務部長】
・府庁本館がWTCへ移転する場合、本館耐震補強の場合、いずれにしても大手前の低未活用地をどうするかが大きな課題。一方で成人病センター建替えが課題であり、ぜひとも大手前を活用していただきたいと思っている。今後、大手前のまちづくりを検討・協議を進めていく場でも、成人病センターを核としてどのような絵がかけるのかを議論をいただきたいと思っている。

【総務部】
・25頁の下の3つの案は、左がWTC移転案で、谷町四丁目駅のアプローチをいかして新別館の間を通ってアクセスする案、耐震補強案では、本館と別館が残るので、駐車場確保の点から成人病センターの位置が横長から縦長に変わっている。建て替え案では、新庁舎が南地区の真ん中にあるので、成人病センターはその奥の来庁者駐車場に隣接するものになる。選択肢としては、活用できる時期が24年と29年と記載しているが、府庁別館が建っているところでは早期整備ができないので、上町筋側に行かざるを得ないということから、それぞれのプランにおいてどこが相応しいかということからこうした違う形になっている。

【政策企画部長】
・以前の議論では出ていなかった危機管理面でのバックアップセンターはどのようなオペレーションをするのか、また阿倍野にある大阪市の防災センターとの関係について説明してほしい。

【危機管理監】
・基本的には想定範囲内での防災対応は、咲洲において万全の体制をとることとしているが、本庁舎がどこにあろうと想定を超える事象や、何らかの形で本拠地が使えなくなる場合に備えるべく、 バックアップ施設が要るだろうという考えのもと、この機会に基本的な考え方と整備の方向性を示させていただいた。
・バックアップ施設では情報受発信、災害対策本部としての機能を備えた予備センターとしての施設を整備する。
・大阪市の阿倍野防災センターについては、備蓄機能も兼ね備えたセンターとして、市のバックアップ機能は十分持つが、府庁が使えないときに職員が張り付けるマンパワー、他の防災機関と連携するときの位置取り等も考えた結果、新別館北館に整備するこの案としている。

【総務部長】
・12頁では、WTC移転後も新別館の北館、南館は存置する考えであり、そこにバックアップ施設を持ってくる。残りのスペースに市内の3府税事務所と現在城東庁舎にある自動車税事務所を集約することについて税務室で検討している。

【知事】
・バックアップ機能は庁舎を移転しない場合ではどうなるのか。新別館に作ってもバックアップにならないのか。

【小河副知事】
・どこか別に必要となる。

【知事】
・財政シミュレーションでは、庁舎移転しない場合でもバックアップ機能を加算した金額で盛り込んでいるのか。

【総務部】
・結論からいうとWTC移転案にしか入っていない。バックアップ施設改修で9億、これとは別にシステム関係で11億円かかるが、耐震補強案、建替え案では場所を特定できていないので、それにかかる費用を見込めていない。

【知事】
・耐震補強案でも、建替え案でも注釈を入れて、バックアップは必要だという組織判断をするならば加算しなければいけない。

【総務部長】
・場所の仮定を置いて想定で数字を入れるか、想定できなければ、文言でバックアップ分の費用がさらに必要かかるという注釈をいれる。

【知事】
・いずれにしても庁舎移転に関わらず、防災面からバックアップ施設は必要ということは、従前から議論されていたはず。
・説明の仕方でこだわりのある部分として、庁舎移転したことにより住民サービスが低下するのではないかという事への対応策は項目として、どこかで触れて欲しい。

【総務部長】
・移転することにより府民から見れば蛸足状態が解消され、WTCに行けば必ず自分の行きたいところがあるという利便性があることと、1階のフェスパを最大限活用して利便性を高める。ただ遠くなるという問題はある。

【知事】
・出先機関を活用するという考え方はないか。

【総務部長】
・19頁に記載のとおり、情報プラザを100平米ほど設置し、府民の一義的な相談には対応できるようにしたい。その中身については、検討中。

【知事】
・圏域ごとにあるセンターではなくて、新別館でやるということか。

【総務部長】
・今それぞれの府税事務所に大阪市域以外なら既にこういう相談コーナーがある。ここはパスポートセンターも残るので府民が来られる場所だろうということで新たに情報プラザを設置する。

【知事】
・単なる相談ではなくて申請業務をIT化するなど、各圏域で受付できるような方策はめざせないか。

【総務部長】
・電子申請を増やすことにより、府庁・出先も含めて出向く必要がないといった対応ができないか検討しているが、実態としてはまだあまり利用されていない状況なので、その改善も含めて考えていきたい。

【知事】
・いきなり電子申請までいかなくても各圏域にある出先機関で、本庁まで来なくてもそこでやれることはないのか。

【綛山副知事】
・府庁の仕事で府民が府庁へ出向くのは、パスポート申請とか、税の証明・納税、建設業者や宅建業者さんなど。視点としては7つの出先機関があるので、そこで受け付けられるならば受け付ける、あるいは電子申請で済ませる等、事務処理として検討している。

【知事】
・「府民はあまり来ない」と言っても、議会ではそこを突かれて「業者も含めて府民」と言われた。業者も含めて最終的には電子申請となればいいが、その前段階として、顧客満足をスローガンとしてめざすのであれば、業者さんも含めて本庁者まで来ていただかなくても、近くの府民センターで対応できるようにならないか。

【総務部長】
・本庁の各部に来られている府民の方がどういう用務で来られているのかお聞きした上でどういう対応が可能か、早急に整理したい。

【知事】
・このような検討は庁舎移転がなくてもやればいいに越したことはないが、この問題と絡めて、できる限り住民の近くでサービスを展開するというCSの観点から、顧客サービス、住民サービスというサービス業の観点で、「本庁まで来てもらうのが当たり前」ということにならないように徹底した検討をしてもらいたい。

【木村副知事】
・今までもそういう議論はされているようであるが、どうしてもフェイス・トゥ・フェイスの部分が残るということを聞いている。これを機に今までの議論を深めるということではないか。

【知事】
・19頁の情報プラザの部分については、注釈で「住民サービスをここできちんと対応する」ということをしっかりと示してもらいたい。
・業務の効率化で職員に対するメッセージとしては、11頁も重要だと思っており、僕に職員から意見をいただいており、「通勤時間など自分にとっては不都合と思っている面もあるが、業務効率があがるのであれば、その分残業も減るのでは」などといったいろいろな意見もある。この部分はファシリティマネジメントとしてコクヨさんやイトーキさんが、来てもらえればやってもらえるのかもしれないが、府の執務状況をこういう形で改善すると、「今かかっている業務の効率性が、何%効果が上がる」ということが定量的に出るらしい。職員に抽象的なものではなく、ファシリティマネジメントによって、「今のこういう状況が、こういうふうに配置し、こういうふうなことをやればどれくらい業務効率があがる、生産性があがる」ということを数字として出す必要があると思う。これは議会に対する説得性を増すことにもなるし、職員の方でも通勤時間との関係で比較することができる。
・執務環境を整えるためにコストをかける場合、「生産性が何%上がるのか」ということを必ず数字を出さないと、ふつう決裁が通らないということになっている。執務環境を整える業者は、その数字を出してくれると思う。規模が大きいのでどこまでやってくれるかわからないが、しっかりと数字を出してもらいたい。
・小河副知事の話で、桜島線もそうだが、まちづくりでそういう話もしていかなければならない。都市戦略をちょっと付け焼刃的に勉強したが、アクセスとシンボル性というのが絶対に都市戦略において必要で、アクセス面を「桜島線の延伸」というのはものすごくヒットの案だと思う。アクセスとシンボル性というのが都市戦略では、肝心でそこからスタートをかけるということがまちづくりの政治的な決定の原理原則らしい。それを考えた場合に、咲洲、夢洲地区のポテンシャルについては企画室に頼んだ、20頁の「6.咲洲のまちづくり」の部分で、大阪市内の情報が整理されている。以前作っていた国際比較では、大阪から南港は遠いと言っているのが有名な都市と比較して見れば、ものすごくポテンシャルが高い。アジアを見据えた他都市との比較をやれば、はっきりと浮かび上がってくる。アクセスやシンボル性の問題について、資料は作っていると思うが、時間などに関して他都市との比較をしてほしい。この資料だけでは、「まだ遠いのではないか」という人がいると思うので、比較してもらいたい。

【政策企画部長】
・以前、知事から指示を受けて、関西全体を圏域に見たときに、この地域の強み、弱みを分析して、こういうところであるから、「積極的に活用しましょう」という議論をしたことがある。この資料ではページ数の関係もあり圧縮しているが、そこはまた、協議の場でも説明させもらうとか、別途の資料を用意するなどして説明していきたい。

【知事】
・これが表に出るのではないのか。戦略本部の会議資料としてだけなのか。

【総務部長】
・これが表に出る資料。

【知事】
・議会などに出す資料だとすると、説得の仕方として咲洲、夢洲地区のポテンシャルのところは、きっちりと説明してほしい。特に、他都市と比較してアクセス、シンボル性の2点に重点を置いてほしい。上海、ソウル、今回はタイに出張してきたが咲洲、夢洲地区はポテンシャルが高いということが海外に行くと、俄然はっきりしてくる。他のアジア以外の都市も含めてこの地区のポテンシャルの高さは、議会、府民の皆さんに認識してもらいたい。別途資料でもいいが、アクセス、シンボル性の面でこの部分は厚くしてほしい。ファシリティマネジメントの部分もしっかりと数字を出すということでお願いする。
・大阪市との防災計画については、チームでの検討はうまくいっているのか。

【総務部】
・いま最終のまとめをしており調整中。近々、まとめる。

【知事】
・職員への説明は、今後どのように考えているのか。

【総務部長】
・いま、各部局で議論をして頂いており、その結果が届くようになっている。先日、次長会議で説明したときに現地を見ていない職員もいるので「企画してほしい」との話があったので、一度に行けないので、何回かに分けて現地にいくということもしようと思っている。

【知事】
・繰り返しになるが業務の効率性ということを数字ではっきりと説明できるようにしてほしい。
・私の感覚と職員の感覚について、意見を聞きたい。勤務時間の問題について、職員から意見をよく聞く。「子育てしている関係で・・・」ということをよく聞く。私の感覚からすれば、それはそうなのだが庁舎移転すれば、新規の職員はそれを見越して居所を決めていく。そう考えたときに、現在の職員がいま困っているということはそうかもしれないが、トータルで考えれば「庁舎が移転すれば通勤時間はバランスがとれてくるのではないか」という考え方は、現実に働いている職員にはなってもらえないか。

【総務部長】
・そんなことはないと思うが、これから入ってくる方は、府庁の位置がどこにあるかということで、当然、「自分の住まいを決める」ということがあろうと思う。実際、勤務している職員にとってみれば、庁舎が変わって直ちに引越しするわけにはいかないので、そうなると正直なところ、通勤時間が延びるということはある。

【知事】
・そこは十分対話していかなければならないとは思うが、今の段階で庁舎問題にケリをつけて、後輩、府庁に入ってくる人たちに「ひきずらせない」ということは明確なメッセージ。これで意思統一する。通勤時間はぎりぎりのところまで対応するにしても、そこで不具合が多少生じたとしても、「この問題は、次にひきずらせない」という意思統一が重要だと思う。

【綛山副知事】
・部長会議でも何回か同じ話をしているが、平成元年から約20年間の挫折の上にたって、いまの現在があって、さらにこれを引きずらない。
・今後、対応が必要なものとして、約8,900億という数字がでている。7,160億ということを言っていたが、減債基金を戻して本来あるべき財政収支に戻していくために、約8,900億を平成34年まで対応が必要。このボリューム感を職員が共有したいと思っている。それをやるためには、単年度あたり1,000億強、維新プログラム以上のさらなる節減、収支の均衡が必要。維新プログラムで職員の給与を残念ながら9.5%カットしました。これによって、単年度450億。「1,000億というボリュームがどんなものなのか」ということが職員も含めて認識した上で、今後10年、20年を見通してこんな財政状況で庁舎ができるのか、できないのか。
・これから先、地方分権を進め、財源も府として用意しなければならないし、府民サービスの関係でやらなければならないことは一杯ある。庁舎というのは「一番遅れてしまう、あるいは、10年、20年オーダーでできない」ということをわれわれ自身が認識した上で今回の選択を議会にお願いする。しかも12月25日に会社更生の手続きが終わるので、それを過ごしてしまうとどうにもならなくなる。そういう大きな岐路にきているということを職員も含め、みんなが共有して議会対応し、議員の方々に理解していただくように取り組んでいかなければならないのではないかと私は思う。

【知事】
・現実に働いている、現実の生活を完全に無視するわけにはもちろんいかないと思うが、ひとつの大きな価値観の共有としては、「新しい時代を迎える大阪府庁にとってプラスになることを」ということで。現実の生活の対応はぎりぎりのところまでしなければならないけれども、「次の世代や今後の新しい府庁のために」というところをしっかりと意思統一してもらいたい。

【総務部長】
・知事がおっしゃる点がこれまで十分伝わっていなかった。執務環境がこうなる、数字でということを指摘いただき、新たに作っていくが、そういうことが十分伝わらない中で、通勤時間のことしか職員の頭に思い浮かばないような状態であったのではないか。そこは総務部として深く反省しているところ。こういう資料もでき次第、ただちに職員に届くようにしたいと思っている。

【小河副知事】
・もし府がWTCを買わなければ、大阪市は87億円を余計に支出しなければならないということか。

【総務部長】
・大阪市はこのビルに対して損失補償をされているので、損失全体の補償額から買取額を除いた部分を損失補償しなければならない。全く買い手がつかなかったとすれば、丸々損失補償の対象になる。

【小河副知事】
・私はまちづくりにこだわっているが、大阪市には、府の買取額の一部でもまちづくりに投資してほしいと思っている。たとえば、大阪府の農林会館は難波宮跡地の公園として市に買ってもらうことになっているが、財政的に厳しいから止まっており、この際、その話も進めてほしい。鉄道のなにわ筋線についても、府市とJR、経済界が協力し、できるだけ国からお金を持ってこようとしているが、その際の必要な支出に充ててもらうなど、具体的に話が動くように、あわせてよろしく。

【知事】
・府市共同ということで、大阪市も大阪府も関係なくお互いにお金を出しあって助けるということであれば、そういう話はしっかりとまちづくりで展開してほしい

【政策企画部長】
・それでは、WTCに庁舎移転するということで対応することとし、庁舎移転条例案、予算案について9月議会でご議論いただくこととする。

議題2:成人病センター等の整備

※ 健康医療部から資料をもとに説明。

【知事】
・総務部と健康医療部で縦割りになっている気がする。移転に係る収支をはじくときは、土地を売った分の費用は差し引かないといけないのではないか。

【総務部長】
・大手前の用地取得費116億円は病院から支出し、府の一般会計からは収入、つまり、売れたという形をとっている。

【知事】
・森ノ宮の土地はどうなっているのか。

【健康医療部】
・それは病院が売却するという形をとっている。病院の収入になるということ。

【総務部長】
・森ノ宮の土地については既に病院機構のものになっている。

【知事】
・森ノ宮の土地を売ることで成人病センターに利益が出るのはおかしい感じがするが。

【健康医療部】
・移転のため、成人病センターは大手前の土地を買わないといけなくなる。その財源として森ノ宮の土地の売却益を充てるということ。大手前の土地代の方が高い。

【小河副知事】
・建替えと移転の面積は同じか。

【健康医療部】
・成人病センターの面積は23,000平米。大手前は11,000平米。約1万平米ほど少ない。

【小河副知事】
・森ノ宮は今のままではなく、周辺を一体的に整理して値打ちを上げれば、土地の単価は上がるのではないか。庁舎移転に絡めて大手前、森ノ宮地区全体の開発を考えることが重要。値打ちをあげるためにはどうするのか考えないといけない。
・そのためには、がん予防検診センター北側のJRの基地や大阪市の森ノ宮電車区(地下鉄車庫)、ごみ焼却場を大きく位置づけて値打ちを上げるべき。きちんと整備すれば非常に便利が良く、大手前より値打ちがあるような大きなポテンシャルを持った地域。そうすればトータルの単価差も変わってくる。

【知事】
・成人病センターはもともと府の土地だったのか。独立行政法人化するときに、病院機構が買い上げたのか。

【健康医療部】
・もともと府の土地。独立行政法人に移行する際、不必要な土地は府に返還してもらい、病院事業を営むうえで必要な土地は府が現物出資したもの。

【知事】
・現状で森ノ宮の土地を売れば、どれぐらいになるのか。

【健康医療部】
・平成18年の鑑定結果であるが、70億円余りの金額。

【知事】
・大手前用地取得費116億円の半分を一般会計で支出するとなると58億円になる。森ノ宮の売却益70億円として、その差額は、B/S(バランスシート)から病院会計のP/L(損益計算書)に切り替わって、収益にあがることになる。これはおかしい。70億円で売ったのであれば全額土地の取得費用に充ててもらわないとおかしいということにならないか。もともと府民の財産であったもので、病院機構は府から現金で買い上げたわけでもない。府民の出資持分はどうなっているのか。株式会社の場合は株式を持つことになるが、独立行政法人化の場合はどうなるのか。

【健康医療部】
・現物で出資しているということ。

【知事】
・タダで渡したということか。
・ルールでいくと、移転に要する土地取得費用の半分は税金投入するということだが、森ノ宮の土地については、病院機構がお金を入れて買ったわけではないのに、売却益70数億円が病院機構に入ることになる。一方、病院機構が大手前の土地取得に際して現金を出すのは58億円。タダで出資された70数億円の土地を換金して、10何億円のキャッシュを病院機構が持つことになる。

【綛山副知事】
・森ノ宮の2万平米を35万円/平米で売ったら70億円。現実問題として、そのうち売却するのは7000から8000平米ぐらいではないのか。健康科学センターなどの敷地は除かないといけないはずだが。

【健康医療部】
・それは除いている。

【知事】
・単純に現物出資で渡したB/Sの資産分がキャッシュで病院機構に入るのは会計上おかしい話。
・B/Sで府民の財産として渡したものが、キャッシュに転換して病院機構に入るのはおかしい。府民の財産はどうなるのかとなる。

【健康医療部】
・過去の経緯は確認するが、おそらく、病院事業会計を使って病院が財産を取得したもの。

【知事】
・病院事業会計も府の会計ではないか。独立行政法人化したときに現物出資を受けたのであれば、その売却益は出資者に渡さないといけないし、新たに土地を買うのであれば、収益の中で買わないといけない。独立行政法人化した病院側がキャッシュを持つということは、府民が何十億円を病院機構に渡したことになる。

【健康医療部長】
・事業自体が病院事業ということなので、キャッシュがあったとしても、病院事業という形で府民に還元するという役割がある。他のことに使うわけではない。

【知事】
・金に色はついていないので、人件費を含めて全部病院の収益になる。人件費、職員の給与もこれで賄えるということになる。

【健康医療部長】
・それでもって医療を提供し、府民に還元しているということ。

【知事】
・腑に落ちない。

【綛山副知事】
・一般的に独立行政法人を作るときは、それまで行政がやってきた運営形態を独立行政法人という新しい形に変えていこうということを踏まえ、必要な資産については、行政が法人に出資することによって、従前の運営をそのまま継続できるようやってきたところ。健康医療部長が言うように、形としては独立行政法人という形をとっているが、これまで病院として大阪府が運営してきたときと変わらず、府民に医療を提供しているということ。

【知事】
・B/SとP/Lが混在している。赤字になっても病院事業として公が介入しないといけないということであれば、府が現金を渡さないといけないと思うが、B/Sの問題は別だと思う。キャッシュが浮いた分は一旦出資者に戻してもらわないといけない。
・病院事業で得た黒字ではなく、あくまでも土地の売却利益。キャッシュ転換して利益が出たら戻してもらう。もし、お金が足りないというのであれば、これだけ補填してくれということになるのではないかと思う。この件はちょっと腑に落ちない。土地は別問題。土地取得に充てるのであれば、土地取得費用に70億円全額を入れてほしい。府民として納得できない。

【総務部長】
・知事の論理でいけば、用地取得費116億円から森ノ宮売却益70億円を差し引き、その1/2が一般会計負担ということになる。

【知事】
・病院分野で足りないのであれば、今の議論をしてもらえれば。

【府立病院機構】
・我々もこの問題は認識。決して土地問題で儲けようといったことは考えていない。減資や増資というやり方でやるのか、売ったときに差額が出れば府に返還するという形は考えられる。やり方として、知事がおっしゃった内容を十分わきまえながら、差額はキャッシュで府にお返しするということはあり得ると思っている。

【知事】
・森ノ宮の土地の売却代金は全部、大手前の土地取得費用に充ててもらって、大手前の土地を現物出資した形にする。現地建替えと移転案の比較になったときに、現地建替えを推す府議会の先生たちもいらっしゃると思う。どちらにしても、整備期間は短縮し、早く最新のセンターを作らないといけないというのが私の思い。移転案の整備費309億円と現地建替案の整備費255億円は病院にとってマイナスにならない形でできるだけ縮めないといけない。だからこそ、売却益差額分も含めて土地取得費用に充ててもらった試算を出してもらいたいと思う。

【総務部長】
・そういう方向で検討させてもらう。

【知事】
・資料に、「移転案のメリット」として「約20億円安価」となっているが、これはミスリードするのではないか。上物はそうかもしれないが。ここを強調すると違うのではないかとなる。これは出すべきではない。

【綛山副知事】
・どう説明するかが重要。

【政策企画部長】
・昨年度「将来ビジョン・大阪」を策定。その中で、「医療先進都市オンリー1」として「最先端の医療技術や新薬によってがんをはじめ成人病をしっかりと治療できる」という目標を設定した。先般、「医療先端都市といえば大阪と思っている府民の割合」についてインターネットアンケート調査を実施したところ、21年度は2.9%という非常に低い数字。一方、「子育てして良かったと思う府民の割合」は49%。両者を比べると、医療についての府民の評価が非常に低かった。こういうことを改善するために、最先端の施設を整備して建替えすることは非常に重要。
・がん医療の中でも抗体薬、BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)というホウ素を使った治療について、大阪が先端医療のトップランナーを果たしている分野がある。こういう分野で実用化に向けて研究を支援する体制を作っていこうとしており、成人病センターにおいても集患体制や治療の実現性について、一定の役割を果たしていただきたいと思っている。この点はどうか。

【健康医療部長】
・BNCTを含め、どういう最先端医療を成人病センターで行っていくかということについて内部でも議論していきたい。
・ 先端医療でも、重粒子線などいろいろとある。成人病センターは難治性の患者さんがたくさん来られるので、こうした新しい医療技術のPRはしっかりとできると思う。そのあたりは精査していきたいと思う。

【木村副知事】
・私はこの話を聞くまで成人病センターをよく知らなかった。有名な病院ほど、ちょっと病気になっても順番待ちなどでなかなか入院できないということが多いと思う。成人病センターはどういう状況か。
・また、外から車で来られる患者さんが多いと思うが、移転後も駐車場のスペースは確保できるのか。

【府立病院機構】
・成人病センターに来られる患者さんは、手術される方が多いので、どうしても外来から2〜3週間は待っていただかないといけないが、この間に検査を実施している。昔は、入院してから毎日ぽつぽつ検査を実施し、その後に手術を行っていたため、無駄な時間も多かったが、今や検査は通院しながらやるべき時代。今の2〜3週間という期間を「待つ期間」と考えるのか、「有効利用」というべきかを考え直さないと、時代遅れになると思う。

【木村副知事】
・府民と他府県の患者さんへの差。たとえば、府民優先などはあるのか。「成人病センターで治療を受けたい」という患者さんについては全員、サービスを受けられるという理解でいいのか。

【府立病院機構】
・府民優先などはない。
・現在、受入患者数のキャパシティは明らかに超えている状態。手術できる数には限界があり、患者さんを受け入れても手術を捌ききれないというのが現実。受入れを頼まれたら何とかして患者さんを受け入れているという時代もあったが、それは患者さんにとってもマイナス。最近は、近隣の信頼できる病院に入院していただいているというケースもある。府民から見ると、「よそに行かされたと」として悪い印象をもたれているかもしれないが。

【木村副知事】
・いずれにせよ、整備するとすれば、大きな財源を投入するのであるから、サービスレベルを上げていくようないろいろな工夫がされることが必要。

【府立病院機構】
・府民のメリットとして、検査待ちや手術待ちを早く解消していきたいと思っている。

【総務部長】
・駐車場に関するご質問について。庁舎移転構想案(資料1-1、18頁)に記載しているが、駐車場を整備予定。新別館を引き続き活用する予定で、両方で利用できる駐車場を考えている。

【綛山副知事】
・府立病院機構に2点お願い。50億円もの高度な検査機器を整備されるのであるから、これを有効活用して検査や治療につなげていただきたい。また、高価な機器なので、できるだけ回転をよくしていただいて、土日や夜間も検査を実施するなどの工夫をしていただければ。
・もう1点は府立大学のPR。府大では、BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)という先端的な研究を実施している。こういった分野で府大とも連携をしていただきながら、大阪を挙げて研究を行い、治療効果を上げていただくようにお願い。

【政策企画部長】
・BNCTに関する説明の補足だが、今、熊取町にある京都大学の原子炉実験所で府立大学も参画した研究を行っており、間もなく治験も始まる。小型の加速器を使ってがんの治療をするというもの。この中で成人病センターにも一定の役割を果たしていただいている。また、JST(科学技術振興機構)の「地域産学官共同研究拠点事業」について、大阪大学の吹田キャンパスにおいて実用化に向けた研究を行うということで提案の手を挙げている。まさに先端医療のトップランナーとしての取組みが進められているので、是非、基本構想の中でしっかり取組んでいただきたい。

【府立病院機構】
・これからの最先端医療は、患者さんにできるだけ負担のかからないような治療をめざしていかなければならない。がん治療もそうで、現在、放射線療法、化学療法、さらには粒子線治療、ホウ素を使った中性子療法など、さまざまな研究が進められているところ。話のあったホウ素を使った中性子療法は非常に期待の高い治療法であるが、実用化にはまだ時間がかかる。これが早く実用化に向かい、機器が小型のものになれば、われわれとしても是非導入したいという気持ち。先日、知事が視察にこられた際、「将来の拡張用地も含め、是非念頭に入れてお願いしたい」と申し上げたのは、そういう期待も含めてのもの。

【小河副知事】
・成人病センターについては、従来からずっと議論があったが、早くやるべきということで、今回こういう形で整備を進めるということについては賛成である。
・また、土地の値打ちを上げるためには、府の関連施設の土地や北側の土地もきれいにすべきであるし、それは病院側ではなく府側で検討すべき。健康科学センターについても隣接したあの場所に置いておくのがよいのか、きちんと考えなければならない。個人的には、土地の値打ちを上げるのであれば、そこもあわせて絵を描けないかと思っている。

【健康医療部長】
・健康科学センターは、将来、成人病全体の予防・早期発見の拠点として活用していきたい。また、もし成人病センターの研究所が移転できれば、そこに公衆衛生研究所をセットで持って行き、がん予防医学や感染症対策の拠点として活用したいと考えている。それ以外の施設については、きちんと整備して、他に活用できるようにする。

【小河副知事】
・考え方はわかるが、本当にその場所でなければならないか検討すべきではないか。現在の健康科学センターの場所以外で「こちらに来てほしい」という声があれば,それも検討してはどうか。たとえば、公衆衛生研究所を府立大学獣医学部のあるりんくうタウンへ移転することなども視野に入れるなど、さまざまなシミュレーションをすべきではないか。

【健康医療部長】
・まず今年度は内部でしっかり議論していきたい。

【知事】
・成人病センターの移転は前向きな話として何とか実現したいので、ぜひ進めてほしいが、先ほど、庁舎のWTC移転のところでも話が出た「大手前のまちづくり」の視点が重要。成人病センターの移転問題だけではなく、そういった「まちづくり」の視点を強く念頭において検討を進めてほしい。
・土地の問題については、森ノ宮の土地の売却費用は全部、土地の取得費用に当て込むという大原則にしてもらいたい。大手前の土地を現物出資したという形に振り替える方がすっきりする。

【総務部長】
・そこは総務部も入って調整する。

【政策企画部長】
・それでは、数字は少し整理するとして、成人病センターの整備については大手前への移転案で対応することとして、基本構想の策定にかかる予算を9月議会でご議論いただく。なお、犬管理指導所など他の府有施設の移転については引き続き検討ということでお願いしたい。

このページの作成所属
政策企画部 企画室政策課 政策グループ

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