平成21年度第8回大阪府戦略本部会議 議事概要

更新日:2015年8月5日

  • と き 平成21年5月11日(月曜日) 10時25分から12時10分
  • ところ 特別会議室(大)
  • 出席者 知事、副知事、政策企画部長、総務部長、関係部局等

新型インフルエンザの現状について

【知事】
・新型インフルエンザの対応について、担当部局が24時間体制でよく頑張ってくれている。しかし、このままで息切れしないか。

【健康医療部】
・交代制でやっている。現段階では大丈夫。ただ、現場(保健所)の方が、健康観察の件数があるため、ちょっと疲弊している。

【知事】
・毒性判断は国が出すまで、それを待つしかないのか。

【健康医療部】
・我々も公衆衛生研究所の専門家等々から情報収集しているが、やはり両論あるので、国から症例定義やどういう毒性があるのか、きっちりと示してもらうことが大事。

【知事】
・メディア対応が大変だと聞いている。メディア側も理由があって速報性を重視。しかし、協力願うような形でもう少し効率化が図れるよう、メディアと協議してほしい。

【健康医療部】
・現状ではメディアに配慮してもらっている。今後、対応が非常にしんどいようなら報道長に相談させてもらう。

【知事】
・今は、水際で止めることに100%、力を注いでいくという方向でこのまま進めていくのか。

【健康医療部】
・現在の我々の対策も健康観察が中心。今回、患者(高校生、教員)と飛行機に同乗した方の健康観察に重点を置いている。

【知事】
・私も、24時間体制で現状報告を受けている。ただ、このままいくと現場が疲弊するのではないかと思っているので、今後、体制を考えてほしい。

 

議題1:総務部長マニフェスト案について

※ 総務部から資料をもとに説明。

【木村副知事】
・1つ目の重点課題「財政健全化を進め大阪が元気になる財政運営」と2つ目の重点課題「財政再建の着実な推進と評価システムの確立による府政改革の推進」は、だぶっている感じがする。2つ目の「(1)戦略課題の目標(大阪府財政の健全化)」は1つ目と同じ。ダブリ感がある。

【総務部長】
・その部分は気になったところ。1つ目の重点課題の「(1)戦略課題の目標(財政の健全化)」は、財政指標の達成と収入に重きを置き、2つ目の重点課題の「(1)戦略課題の目標(財政の健全化(再掲))」では、トータルの行政改革の達成に重きを置いた。本当は1つ目と2つ目の重点課題をドッキングできればいいのだが、今回は、それぞれ方向設定を行い、この中で役割分担をさせた。

【木村副知事】
・「(4)アウトカムの数値目標」では、「府の推進する施策を評価する府民の割合」を「6割」と設定している。この数字は低い感じがする。志が低いのではないか。

【総務部長】
・設定はなかなか悩ましいが、実際、この部分について、マーケティング・リサーチをしてもらわないといけない。マーケティング・リサーチをしてもらった結果、その数字が出てきたとき、これではだめということになれば見直すが、今、そのベースの数字がないので。半分(5割)ではいけないかなと思って6割と設定。

【木村副知事】
・総務部長のマニフェストは、府政に対する総合評価になるのか。

【総務部長】
・どうしても総務部はそうなってしまうが、府民の要望が予算反映されているかどうかなども勘案すると、かなり厳しい意見が出てくるのではないか。6割も取れないかもしれない。

【総務部】
・今、経済状況が悪化している中、6割という数字について、志は低くはないかと思う。

【木村副知事】
・組織論、人事制度についてだが、今、民間からいろいろと来てもらっているが、自己責任、自ら責任を持って物事を進めるという仕事のやり方ができていないのではないかと思う。もっと個々人が自分の責任で仕事を進めていくことができる環境、それを評価できるような視点もいるのかなと思う。

【総務部長】
・今、府でも数年前から、チャレンジシートを作り、組織管理しており、従来のようなことはないと思う。民間もそうだと思うが、府庁の仕事は、個室主義ではなく、どちらかというと大部屋主義、すなわち、組織で一定の任務が与えられている。この任務については、誰かが休んでもちゃんとフォローできるような仕事のやり方となっている。一方、欧米のように、仕事を全て個人に分配して、その人が休んでしまったら、その仕事が止まってしまうという仕組みにはなっていない。民間が、どれくらいまで欧米的・個室主義的な仕事に近づいているかは我々も研究できていないが。

【木村副知事】
・民間から来られた方は、総じて、今の府庁は、大部屋主義というか、全体で進めていくことによって、責任感が希薄になっており所在が不明確であるという意見を持っている。もちろん、民間も、個人が全てを発案し、最後まで責任を持って全うするというわけではない。しかし、もう少し、そういう部分が府庁にあれば、誰が発案し、誰が責任をもっているのかという、ある種、違和感というものを外から来た人たちが感じることはないのかもしれない。どちらがいいのかは価値観の問題。
・ただ、知事レクなどをみても、職員10人ぐらいが押し寄せる。結局、どういう責任を持って皆さんが来ているのかわからない。こういうことは、普通ではないと思う。2人から3人できっちりと仕事を進めていく中で、責任感が生まれてくると三輪前副知事も言っていた。人事評価の話から逸れてしまったが、仕事を進めていく中で、こういうことも考えていくことが必要ではないか。

【総務部長】
・そういうことも意識していきたい。

【木村副知事】
・人事評価の仕組みについて、山中参与と一緒に進めていただいており、仕上げの段階なので、こういった指摘も活かしていただきたい。

【政策企画部長】
・「(3)アウトプットの数値目標」について、今までの戦略本部会議でも議論してきたが、今回も不明確な点がある。たとえば3つ目の重点課題の「(3)アウトプットの数値目標」中の、「職員の能力、意欲の向上」では、「庁内FA制度を7名から20名にする」、「出先機関との交流率を9.7%から15%にする」などと記載されている。しかし、これは、アウトプットの数値目標ではなく、インプットの数値目標。アウトプットとは、その結果、職場改善提案が倍増したとか、小集団活動が倍増したということであり、これらを、アウトプットの数値目標として入れるべきではないか。今年度は無理でも、22年度からは入れた方がいいと思う。

【総務部長】
・庁内FAの数字は、これがアウトプット。これだけ意欲のある職員が出てきて、手を挙げたということ。出先機関との交流の件は、我々の人事管理で行うことなので、インプットかもしれない。ただ、これについても、今までやっていなかったことなので、今年は、アウトプットとして、主査・補佐級で一度人事交流をすることを掲げさせてほしい。

【政策企画部長】
・また、重点課題2の「(3)アウトプットの数値目標」中、「市場化テスト実施を8業務」としている。しかし、アウトプットの数値目標としては、これで委託料を3割減らすということを掲げるべき。8に増やすだけでは、何の効果も表れていない。委託料や総経費が何割減るということに意味がある。

【総務部】
・全体コストが市場化等によっていくら減るのかということだと思うので、再考する。

【政策企画部長】
・重点課題4「住民に最も身近な基礎自治体の強化・充実」について、ここでは、豊中市中核市移行について、アウトプットとして「平成24年4月移行」と記載。さらに、河内長野市・千早赤阪村における平成22年3月合併についてもアウトプットで記載しているが、これらはアウトプットではない。たとえば、合併について、「これだけ合併の動きが出てきた」ということがアウトプットになるのではないかと思う。

【総務部長】
・おっしゃるとおりだが、当面言えるのはこの2つ(豊中市中核市移行年月と合併の移行年月)。

【木村副知事】
・政策企画部長のおっしゃるとおり。結果責任を問わないということであるが、「(3)アウトプットの数値目標」に記載している内容を、「(2)施策推進上の目標」に記載した方がいいと思う。

【知事】
・合併などについて、国では、強制的な合併をやらない中で、府から施策目標を設定していいのか。

【政策企画部長】
・機運の醸成が我々の責務ではないか。

【総務部長】
・基礎自治体の強化という観点からいくと、昨年度策定した「地方分権ビジョン」が全ての基本。
・特例市並みの権限については、アウトプット指標として記載させてもらっている。

【知事】
・総務部は内容も重いのでしっかりとお願い。ところで、公の施設のPDCAサイクル導入は22施設となっているが、公の施設は全部で22か。

【総務部長】
・いや、全部で82施設。

【知事】
・分母(全施設数)は示してほしい。

【総務部長】
・了解。

【知事】
・公の施設は、全施設に経営評価を導入するということで、21年度は22施設導入か。

【総務部】
・3年間にわたって、全施設で評価を行おうと思っている。しかし、画一的なやり方がなじまないところもあり、別のやり方でやらざるを得ないところもある。21年度、点検した施設は55ぐらいあり、とりあえずこれをやる。今後、点検していない施設でも導入して80数施設。とにかく、3年間でやりきる。
・やり方について、公営住宅は、住宅政策の中で本来、もう一度議論すべき中身。また、公立学校も公の施設だが、これらを入れると膨大な数になるため、公私教育のあり方の中で議論されるべき。こういうものは除外する。アンケート調査の中で、なじまないものもあり、そういうものは若干、やり方を変えてやろうと考えており、今、議論しているところ。公の施設は出来るだけ全部カバーしようと考えている。

【知事】
・これまでもある程度の評価の仕組みはあったはず。私自身、展示系の施設を全部見ているわけではないが行政に慣れていない、全く違う人間がポンと入ってきて展示系の施設をみると気づくことはたくさんある。行政に慣れていない人間を入れて、現場を見てもらうことがものすごく重要。

【総務部長】
・一定の評価指標を作成して、そこを超えた部分については、外部委員に現場を見てもらうということを考えており、存廃議論に近い見直しとなるだろう。また、別途議論させてもらう。

【知事】
・展示系施設について、府民が見ておかしいということは、単純に外の人間が感覚的に感じることと同じだと思う。

【総務部長】
・この部分は、戦略本部会議で改めて議論していただく。

【綛山副知事】
・公の施設マニフェストのようなもの。

【総務部長】
・政策企画部長からご指摘のあった経営評価の確立については、また議論。

【知事】
・重点課題4「住民に最も身近な基礎自治体の強化・充実」の「(4)アウトカムの数値目標」は「自分たちの住んでいるまちが良くなっている」というより、「住民の自治体への参加意識」や「自分の思いが施策に反映されている自治体になっているのか」等という目標にしてほしい。
・重点課題2の「(1)戦略課題の目標」に記載されている「外形的公正性」は府民の皆さんにわかりにくい。もう少し平易な言葉で記載してほしい。

【総務部長】
・今、「外形的公正性」については、定義を作成中。

【知事】
・組織について私が今、一番意識している点が、出資法人への府OBの再就職。国の制度が変わらないことにはなかなか新しい方針を出しにくいかも知れないが、一度、公務員のキャリアデザインをきちんと考える必要があると思う。府の組織の皆さんからすれば、雇用を守るという観点があり、民間にも子会社への出向(子会社の役員就任)があるが、公もそれと同じように考えるわけにはいかないし、その点については世間の支持は得られないと思う。ただ、何でもかんでも切ってしまって、年金が出るまでの間は知らないというわけにもいかないと思うので、国が何らの制度改正を示さないのであれば、府が先んじて検討を進めていく必要があるのではないか。
・政治家の立場として「天下り禁止」を言い続けるので、そうなったら「府はどうなんだ」ということを必ず問われる。これは非常に重い問題であるが、総務部にぜひ頑張ってもらいたい。

【総務部長】
・府は、この問題には早くから取組んできており、府OBが外郭団体に就職した場合には退職金を廃止、職責に応じた報酬とするなどの大きな改善を図ってきた。ただ、知事のおっしゃるのは、もっとトータルに府OBのキャリアデザインをどうするかと視点ではないかと思う。それに加えて団体側の視点も必要であり、団体を運営していくために府OBのノウハウを活用していく必要もある。そういうことを含め、全体としてどういう絵を描けるのか今後検討していく。

【知事】
・退職金の額を減らすかどうかということよりも、仕組みや構造をどうしていくかだと思う。

【総務部長】
・これまでは処遇を下げ、出資法人の廃止も含めたポスト縮減を行ってきたが、今後は知事の指摘のように、仕組みそのものの改善も必要だと思う。

【知事】
・もし、今の仕組みを維持してやっていくのであれば、そのOBがなぜその法人に行ったのかをきちんと説明できるようにしなければならない。私が国に対して「天下り禁止」を求めていくこととの整合性もあるので、難しい問題ではあるが、そのあたりの整理をぜひお願いしたい。

【小河副知事】
・マニフェストの冒頭で「各部局に必要な酸素と栄養(財源と人材)を供給し、しっかり支えます」と書いてもらっており、この点はぜひよろしくお願いしたい。
・「概ね全員が現場を経験」については、私がずっと必要性を訴えてきたところ。どんどん進めていってほしい。
・「職場対話の実施」についても、職場内に限定せず、例えば、庁内食堂を一般の方にも開放する形で安く食事等を提供できないか、そんなアイデアを検討してもらってはどうか。

【綛山副知事】
・財政再建の議論の中で、税源培養や国からの財源移譲とか、細かく言えば交付税制度のありようなどはどこで議論するのか。部局長マニフェストの内容とは少し違うか。

【総務部長】
・税源培養となると、商工労働部や環境農林水産部の施策なども含むトータルの話になるので、今回のこのマニフェストではそこまで盛り込んでいない。

【綛山副知事】
・本庁と出先機関の人事交流も重要であるが、府の出先機関は今後どういう役割を果たしていくのか、出先機関のありようそのものを考えていく時期に来ているのではないか。

【総務部長】
・府域が狭いということもあり、従前、府では出先機関は縮小して本庁に集約化するという方向で進めてきたが、現時点では本当にそれでいいのかという思いがある。今後、市町村への権限移譲を進めていけば、そのサポート体制が必要となってくるが、本庁に居ながら果たしてそれができるのかという疑問もある。副知事がおっしゃるように原点に立ち返って議論すべき時期にきていると思う。

【知事】
・繰返しになるが、先ほどのキャリアデザインの件は、「組織・人事戦略の構築」の項目の「施策推進上の目標」の箇所に盛り込んでほしい。

【総務部長】
・盛り込むことにする。

【知事】
・今回も府OBの出資法人の役員就任をいくつか行うが、僕が人物を把握してOkしたもの以外についてもきちんと対外的に説明できるようにしておいてほしい。

【綛山副知事】
・天下りと言われないような方策については、一時、民間の観点を入れて検討したこともあるが、少し中途半端な形になっている。

【総務部長】
・当該ポストに府OBが必要かどうかという点については、外部の目も入れて検討頂いているが、「必要です」ということになったら、そのあとの人選は府が行っている。

【木村副知事】
・個々の人物の選別まで外の方にしてもらうわけにはいかないし、難しい問題。

【綛山副知事】
・現実の問題として、この給料・条件では来てくれる人がない、という議論もしたことがあったが。

【木村副知事】
・条件とプロセスを明示して、「このポストには府OBで良い」ということをきちんと位置づけるしかないのではないか。

【知事】
・今、専門家会議(「大阪府指定出資法人に関する専門家会議・役員派遣のあり方検討部会」)では、当該ポストは府OBでなければならない理由をきちんとオープンにしているのか。もししていないのであれば、それを先に明示すべき。そのうえで、府民がその理由を納得してくれて第一段階がクリアされるのであれば、今度は、なぜその人物なのかという理由をきちんと説明すべきだ。もはや、部長や三役になったからこの法人ポストに数年間就任できる、というような時代ではない。

【総務部長】
・当該ポストに府OBが適切かどうかという点は説明できるが、知事がおっしゃるような「Aという府OBは適任でBという府OBは適任でない」というところまでの説明はなかなか難しいのではないか。

【木村副知事】
・重要なのは、就任した先での仕事の中味だと思う。府での行政経験を発揮し、役割を精一杯果たしているかどうかがポイント。

【知事】
・理由をこれまでオープンしてこなかったのは、そこまでの意識が不足していたからではないか。
・また、部長など幹部になるような人以外の一般職員のキャリアデザインは、再任用ぐらいしかないのか。他に何か考えるべきでは。

【総務部長】
・再任用以外の制度としては、民間からのオファーに対する人材バンクがあり、すでに機能している。

【知事】
・では、トータルのデザインをしっかりと出してほしい。
・先ほど指摘した「そのポストになぜ府OBが必要なのか」という理由については、早急に開示してほしい。また、その理由についても、専門家会議に任せきりではなく、府としてきちんとした手続きで決定・承認しておかないといけないと思う。

【政策企画部長】
・それでは、組織・人事戦略の項目にキャリアデザインを盛込んでいただくとともに、指摘のあった数値目標の箇所について具体的な記載を検討いただきたい。
・府OBを指定出資法人のポストに配置する必要性を開示する手続きについては、至急調整する。

議題2:商工労働部長マニフェスト案について

※ 商工労働部から資料をもとに説明。

【小河副知事】
・重点課題3の新エネルギーの検討については、モデル地域など決めて集中的・重点的にやってほしい。

【商工労働部長】
・大阪府内でメッシュ状に20箇所で太陽光発電併設急速充電器を設置し、大阪府内ではどこでも安心・大丈夫な形で、充電器が配備される形にもっていく。レンタカーやタクシーなどが電気自動車を使って、たとえばベイエリアを周るとか観光的なことも含めて魅力的なシーンを作れる事業者を公募して助成していく。

【小河副知事】
・効果が薄まらないように工夫を。

【木村副知事】
・大阪に来たら無料で充電できるというプランもあるそうだが、そういったものはどうか。

【商工労働部長】
・今の目標では、事業に参加する車を登録し、登録のシールがはっている車は無料で充電できるようなことを考えている。

【綛山副知事】
・スーパーマーケット等が充電装置を増やしている。行政がモデル的にやらなくても社会全体がそのような仕組みになっていくのでは。

【商工労働部長】
・20基のうち7基は民間での実施を想定。ただし、無料での充電はそれだけの装置が必要だが、機器自体に助成するのではない。残りの13基は補正予算のフレームができているのでそれに乗る。

【木村副知事】
・急速充電器であれば、機器代入れて約700万円かかる。そのためにはモデル実施も必要。

【小河副知事】
・今の段階では行政が引っ張っていくことが必要。

【知事】
・「(2)施策推進上の目標」に「3年間で電気自動車導入1000台」とあるが、小型自動車は大阪府域内でどれくらい走っているか。

【商工労働部】
・全国の登録台数のうち、大阪の登録の割合は4.7%ぐらい。

【知事】
・1000台というとどんなイメージか。まちを走っている車のどれくらいの割合になるのか。

【商工労働部長】
・まだ非常に厳しい。350万台のうちせいぜい1千台というようなもの。

【政策企画部長】
・大阪駅など露出できるところに置くべきでは。

【木村副知事】
・タクシー会社やレンタカー会社などとうまく連携して、大阪に着いて大阪駅前に行ったら電気自動車のタクシーがあるとか、大阪のレンタカー会社では電気自動車が借りられて、大阪府内では無料で走れるとか、面白い見せ方が必要。

【商工労働部】
・大阪駅前はそういう話で進みそう。

【知事】
・神奈川県や京都市など新エネルギーに力を入れているところは、3年間でどれくらいの導入目標を掲げているのか。

【商工労働部長】
・数値目標自体はそれほど高くなかったと思う。

【木村副知事】
・神奈川県はメーカーと行政がタイアップしてかなり時間をかけて詰めてきている。

【商工労働部】
・時点が違うが、神奈川県は5年後で3000台の目標を掲げている。京都市は充電器の設置目標だけ。

【知事】
・目標設定にあたっては他の自治体も意識してほしい。

【商工労働部長】
・神奈川県では国に上乗せして、導入そのものに助成がある。

【木村副知事】
・全体の話として、中小企業にお金回すことが緊急で大切な課題。マニフェストとは別に資金供給について対応をお願いしたい。

【商工労働部長】
・金融は着実にという点で非常に重要。やることは沢山ある。現在、玉出しをしている最中。

【政策企画部長】
・府民に見えやすい数値目標を示すということで、新エネルギーについて、「10年後には関連業種の製造品出荷額を10%増やす」という目標を立てられないか。ものづくり業の振興という趣旨からすればそのような目標が本来だ。

【木村副知事】
・大阪は新エネ・ものづくりのメッカだというようなイメージを打ち出す。メイドイン大阪の電気自動車ができるというのはどうか。

【商工労働部長】
・それはとりあえず目標にしたい。電気自動車は中小企業でも作れるので大阪においてもそのような取組みをしたい気持ちはある。

【政策企画部長】
・重点課題2のバイオについても、「10億円のバイオファンドを組成する」というだけではわからない。どれだけ大阪にバイオベンチャーが集積するか、上場はどれくらいを目指すかを入れてほしい。

【総務部長】
・以前作ったビジョンにそのような数値目標を掲げている。それを議論した上で目標を精査しようとするのがバイオ戦略会議を設けた趣旨。今回出ていないのは残念。もう一つは、商工労働部のバイオで彩都が出てこないのは問題。彩都にどれだけ集約していくかがバイオクラスターの最大の課題であるはず。彩都への集約を掲げないとバイオ戦略が抽象的なものにとどまってしまう。

【商工労働部】
・それぞれの目標値が5年後、10年後というのはあるが、この1年かけてもう少し精査する。バイオ戦略の明確化の中で議論していくので時間をいただきたい。

【総務部長】
・バイオ戦略会議を作った際に、そこで目標を掲げようと言っていたはず。これから1年かけてというのはいかがなものか。

【商工労働部長】
・ご指摘のとおりと思っているが、担当部長として、バイオについては目標を明確に絞っていかなければならないと思っている。どういうステップで世界トップクラスのバイオクラスターになるかというころが十分詰まっていない。例えば、バイオファンド10億円をどれだけうまく活用するか。しっかり明確に言わないといけない。現時点ではこんな価値があるということを明確に言えていない。

【木村副知事】
・大学の先生、医薬品会社、ベンチャー企業、キャピタルがそれぞれ違う思いがあり、ベクトルを合わせていく時期。先のことを早急に固めるのはしんどいのはわかるが。

【総務部長】
・今月策定する「バイオ戦略2009」には数値目標は入ってこないのか。

【商工労働部長】
・どちらかというと「(2)施策推進上の目標」に記載しているようなことが中心。

【商工労働部】
・どんな形で進捗しているかを測る。その指標として世界のバイオクラスターと比べたらどういう状況かという点については、これまでの7つの指標で出す。1年後、2年後に何社までというのは、時間をほしい。

【総務部長】
・数字は無理でも彩都というのは入らないか。住宅まちづくり部が面的開発をしているので、一昨年までは企業誘致も住宅まちづくり部がやっていた。住宅まちづくり部とか商工労働部とか言っていてはダメ、商工労働部が引っ張ってほしい。
・基盤整備は違うが、千里ライフサイエンスセンターにバイオの部隊を置いたのであるから、そこは商工労働部の仕事では。いい機会だから住宅まちづくり部との関係をすっきりさせたらいい。

【小河副知事】
・住宅まちづくり部は、今は支える側になっている。

【商工労働部】
・企業誘致については地権者であるURや阪急との関係があり、住宅まちづくり部と業務を分担している。ベンチャーの振興は商工労働部が中心。

【政策企画部長】
・商工労働部はバイオ関連の知見や業界との関係においてはプロ。面的整備以外は商工労働部主体でやるべき。

【小河副知事】
・彩都の誘致は、彩都建設推進協議会が主体的に実施。協議会の母体が住宅まちづくり部なので遠慮しているのかも知れないが、商工労働部も協議会の一員なので堂々と取り組めば良い。

【知事】
・実務は住宅まちづくり部がやっているのか。

【小河副知事】
・実務は彩都建設推進協議会が行っているが、その事務局に住宅まちづくり部から職員が派遣されている。実質的にはみんなやってくれているので問題ない。

【政策企画部長】
・商工労働部、住宅まちづくり部とも部長が新しく替わったので、今後は商工労働部が主体的に取組むことでいいのではないか。

【知事】
・彩都の件は商工労働部が統一してやっていただきたい。

【総務部長】
・トップクラスのバイオクラスターを目標として掲げているのであれば、その拠点である彩都が触れられていないのはおかしい。

【小河副知事】
・アンケートで、企業が中部地区に進出する意向があるかどうか聞いているが、その目的は、基盤整備の必要性・確立を求めるために問うているものであり、バイオという切り口で聞いているわけではない。

【知事】
・住宅まちづくり部自身が企業の誘致までをするのか。

【政策企画部長】
・現在は住宅まちづくり部が誘致も行っている。

【総務部長】
・住宅まちづくり部が地権者として企業誘致をやればいいと思うが、企業を大阪に誘致するという全体の戦略は商工労働部が描き、バイオの拠点が彩都と位置付けて誘致すべき。そういった事例は他にもある。たとえば堺浜は地権者が新日鉄だが、商工労働部は戦略を掲げてやってきた。
・それに関連して組織整理をしてほしいと言うのであれば、整理するので言ってほしい。

【商工労働部長】
・バイオクラスターは彩都も含んだ地域としてみている。

【政策企画部長】
・マニフェストの中に、「大阪」という表現だけでなく、「北大阪・彩都」の記述を是非してほしい。

【知事】
・商工労働部として記述しにくい事情があるのか。住宅まちづくり部への配慮からか。

【商工労働部】
・それがあるのも事実。

【綛山副知事】
・その配慮は無用。

【木村副知事】
・このマニフェストで住宅まちづくり部がいない場で、組織をさわる話をしていいものか。

【小河副知事】
・組織をさわらなくても十分対応が可能。考え方の整理だけの話。現時点では、基盤整備が大事だから住宅まちづくり部がやっているが、「企業誘致」という仕事であれば、まさに商工労働部が一緒になってやるべき。現に一緒にやっている。

【知事】
・方向性としては、彩都の企業誘致は商工労働部が率いるということでよろしく。

【綛山副知事】
・重点課題4について、9月議会に提案予定の障がい者雇用促進のための条例については、メッセージをきちんと発信した上で、実効性のあるものにしてほしい。
・「(3)アウトプットの数値目標」の「企業への働きかけ件数600社」、「特例子会社の設立、設置のための企業への働きかけ件数10社」という働きかけ件数でいいのか。たとえば、1万人の雇用を創出するという目標を掲げるなど、目に見える形で出してもらいたい。昨年度、たまがわ支援学校では2,000社に働きかけを実施したことを考えれば、600社という数字は極めて小さい。こういった数字よりも法定雇用率達成企業割合50%を達成するというのであれば、実際に企業がこれだけの雇用をするといった目標を掲げてもらいたい。教育委員会とも関係するので、議論願いたい。

【商工労働部】
・今回は、府と取引関係のある事業主に対し、「速やかに法定雇用率を達成すべき。達成しない場合にはペナルティー」といった内容のもので、その全てである600社に働きかけをしようとするもの。条例との関係で記載しているだけ。意見のあった将来的な障がい者雇用については、600社ではなくあらゆる企業に働きかけていく必要がある。まずは、取引関係のある全ての企業に働きかけを行い、その状況を見て次年度以降具体的な取組みについて整理したい。

【綛山副知事】
・取引関係先という意味はわかるがそれだけではない。障がい者の方々の「社会参加をしたい、自己実現をしたい」という思いを行政としてどれだけ支援できるかということ。もう少し議論してもらいたい。

【政策企画部長】
・同じ観点で、「(4)アウトカムの数値目標」の「法定雇用率達成を約した企業数50社」は目標として低いのではないか。

【商工労働部】
・9月議会で条例が制定され、部としてはできるだけたくさんの企業と約束を取り付けたいと思っている。ただ平成21年度は年度途中の雇用となるので、50社についてはできるだけ約束を取り付けたいということ。

【政策企画部長】
・「約した企業数」なので、実際の雇用まで間があくのは仕方がない。「約した企業数」ということでは、もっと目標を高く設定すべき。

【商工労働部】
・9月議会で条例が制定され、PRもかねて企業への働きかけをやっていきたい。その中でどれだけ約束を取り付けられるかだと思っている。

【政策企画部長】
・たとえば、H24年度であれば、600社のうち約した企業がいくらになっているかなど、わかりやすく記載してほしい。

【商工労働部長】
・それは50%で、400社から500社というのがイメージ。

【政策企画部長】
・そのイメージがわかるように記載してほしい。将来的な目標を記載するほうが府民にとってどう伸びていくかわかりやすい。

【知事】
・今までの議論を聞くと、若干、数値目標が甘いのではないか。

【商工労働部】
・最大限設定したいと思っているが、弱気な部分で言えば、経済情勢が悪い中で、現に障がい者雇用が非常に厳しい状況となっているのも事実。その状況の中でなお障がい者雇用をプラスに転じさせながら確約をとっていきたいと思っているので、決して数値目標が低いとは思っていない。まずは、全企業に働きかけたい。どういう分野にどういう人を採用すれば、どういう効果があるか、国の支援制度等どういうインセンティブがあるかなど、非常に手厚くしていかないと、「約束したからすぐどうぞ」にはならない。気持ちとしては1割から2割の企業と約したいと思っている。

【知事】
・重点課題3の「(3)アウトプットの数値目標」では、グリーン電力証書の額で目標を出せないのか。

【商工労働部長】
・現時点では額まで考えていない。私からすれば、まず100社訪問することが重要であると思っている。そこでしっかりとしたニーズが把握できて、イメージができてくれば、目標はいくらでも出せると思うが、そのイメージがない段階では無責任な数字になってしまう。ある程度は実現できる目標にしたい。

【知事】
・今回は全体として、調査やニーズ把握が多いのか。全体の将来像は今年度のマニフェストでもわかるように示すのか。

【政策企画部長】
・示してほしい。調査するなら、調査をどういう形で具体的にやるのかを示す。効果が21年度に出ないならば、次年度以降にはこうするというようなことを示してほしい。

【知事】
・他の部局長マニフェストとのバランスはどうか。ニーズ把握というところまでで、効果が分からないものは止めてもよいということでいいか。

【政策企画部長】
・次年度以降で数値目標を設定するという部局もあった。

【小河副知事】
・新たに取り組むものの中には書きにくいものもある。

【商工労働部長】
・ここに掲げている課題は、必ずしも我々が主体となって直接実施していけるものではない。顧客のニーズを把握して、対応、効果のステップを踏まないといけない分野。我々は、施策を利用していただくという立場にある。その点をご理解いただきたい。

【小河副知事】
・重点課題2のものづくりの分野では、たとえば、公共事業に府内中小企業者の製品を使えないかという取組みを行っているが、どういう製品がどれだけあるかといった情報が乏しい。できるだけ公共事業でも使っていけるようマッチングについても意識してほしい。

【商工労働部長】
・これまで商工労働部にそういう情報がなかった。しっかりデータを管理し、双方向で情報の受発信ができるようにするといろいろなことができる。そこがまず重要。それなくして議論は成り立たないと思っている。今まではメニューだけ出して良しとしてきたが、これからは一歩踏み込んで、どうやって利用されるかを考えたい。

【政策企画部長】
・全体の記載について、もう一度事務局と整理させていただきたい。

議題3:会計管理者マニフェスト案について

※ 会計管理者から資料をもとに説明。

【知事】
・非常に地道な作業になると思うが、府民からの信頼の基礎中の基礎だと思うので、「不適正会計の発生ゼロ」は非常に心強い。期待しているので頑張って下さい。

議題4:水道企業管理者マニフェスト案について

※ 水道企業管理者から資料をもとに説明。

【知事】
・「第○四半期」という言い方は普通あまり使わない。府民へのわかりやすさの観点から表現を見直してほしい。

【総務部長】
・マニフェストそのものの議論ではないが、現在、水道事業の府市統合で指定管理者制度の話が出ている中で、重点課題2の「受水市町村との連携強化、広域化」はうまく達成できるのか。

【水道企業管理者】
・確かに、受水市町村からは、今回の大阪市からの提案が広域化の進展につながるのかという懸念が示されている。重点課題2は大阪市との協議の中での1の課題でもあると認識。府からの質問に対して大阪市からは一定の回答をもらっているが、受水市町村の意向が大事。受水市町村も状況は千差万別だが、小規模な市町村ほど人材の問題、施設更新の問題などを抱えており、今後、エリアごとに引き続きウォッチングし、フォローしていく必要があると考えている。

【知事】
・コンセッション方式は広域化に向けたプロセスであるということを明確にしなければならない。

【水道企業管理者】
・広域化のプロセスではあると認識。ただし、事実上、水道事業は半恒久的なもの。今回の大阪市の提案は、府の組織としての水道部は廃止することになるものだと受け止めている。コンセッションという形で委託をするにしても、府内市町村の円滑な問題解決にどうつなげるか、一工夫いると思っている。

【綛山副事】
・指定管理制度は、それを継続していくということではなく、通過ポイントとしての選択肢の一つ。精神的には、広域化をして一元化をめざすことと理解。

【水道企業管理者】
・今回の大阪市の提案は、大阪市が水道法上の「水道用水供給事業者」になるということであり、長期的、半ば恒久的な提案だと理解。受水市町村の悩みにどうこたえていくかということは継続的な課題だが、今から取り組んでいかなければならない重要な要素も含んでいる。ただし、各市町村の思惑も必ずしも一点に収斂してきているわけではないので、具体的に受水市町村の意見を聞いてやっていく。

【小河副知事】
・重点課題2の「(2)施策推進上の目標」に掲げている「あんしん給水栓」や耐震化など、安心・安全にかかわることについては、府市バラバラにするのではなく、府内トータルで議論して対応すべき。

【水道部】
・応援体制をきちんと整備していかなければならないと認識。

【知事】
・現場同士は連携をとれそうか。

【水道企業管理者】
・大阪市との調整では政策企画部にも入っていただき、十分連携はとっている。昨年来の経過は、どちらかというと「案の競い合い」といった側面があったが、今後、大阪市からの提案を受けて作業を進めるにあたっては、公式な「質問状」と「回答文」の往復ではなく、実務的な相談をかなり密度濃く進めていく必要があり、そういう仕組みを政策企画部と協力してつくっていきたい。

【知事】
・昨年のような「批判合戦」は終わりにして、21年度は「構築」できるようにお願いする。

【政策企画部長】
・表現については、わかりやすいものになるよう事務局と調整していただきたい。今日の会議コストは、1時間45分で39万4,018円。

このページの作成所属
政策企画部 企画室政策課 政策グループ

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