平成21年度第4回大阪府戦略本部会議 議事概要

更新日:2015年8月5日

  • と き 平成21年4月22日(水曜日) 10時5分から11時15分
  • ところ 特別会議室(大)
  • 出席者 知事、副知事、政策企画部長、総務部長等

資料1:大阪府戦略本部会議設置要綱の改正について

※ 政策企画部から資料をもとに説明。

【木村副知事】
・資料、議事録の公表は、メディアのためだけでなく、職員の情報共有、府民に早く内容をお知らせするということ。議事録の公表は、会議が公開・非公開を問わず速やかにすべき。

【企画室長】
・修文する。

【総務部長】
・会議では率直な意見交換をして府政の方針をしっかり立てていくのが第一目標。会議を全て公開すると出席者がテレビ向けの発言になるのでは。現在の要綱では原則非公開だが、詳細な会議録を公表することで、2つの要請を調和させてきたのではないか。原則非公開という考え方は変えず、府政全般に関わるような、意思形成過程の透明性を強く求められる議題の場合は公開というようにすべきでは。

【木村副知事】
・印象の問題と思うが、情報公開は府政の最大のエンジン。戦略本部会議は府民からお預かりしたお金をどう使うかという議論が多いので、さらに一歩進めて、メディアの方に取材の機会を増やして情報発信の材料にしていただくのは大きな方向としてはいいと思う。
・公開によって議論の底が浅くなり、結果としてミスジャッジとなることは絶対にいけないということを参加者は意識すべき。
・メディアの皆さんには、こういう機会を提供するのであるから、我々が特に府民に発信したい積極的な価値をぜひ見つけていただきたい。原則公開という意味がそこにあるので、参加者も取材いただく方も意識をもってやっていただきたい。原則公開でいいと思う。

【綛山副知事】
・原則公開という大阪府の姿勢を持った上で、どうしても公開すれば他への影響が大きいものは非公開とすればよい。オープンの中で責任ある発言をしていきたい。

【小河副知事】
・相手側との取引きや、やりとりの中で戦略を練る必要があるものがある。手の内を全て出してしまっては相手と交渉できないケースもあり、それ以外は原則公開でよい。

【知事】
・国土交通省と協議した際も、非公開にする理由は誰も答えられなかった。大阪府から原則公開なんだという流れを作るためにも原則公開で。非公開の場合は、府民が納得できるような理由がある場合だけということを徹底して、日本の行政全般に原則公開の流れを作っていくべき。大阪府から頑張っていこう。

資料2:変革と挑戦〜「部局長マニフェスト」のスタートにあたって〜
資料3:戦略本部会議「部局長マニフェスト意見交換」の進め方

※ 政策企画部から資料をもとに説明。

政策企画部長マニフェスト案について

※ 政策企画部から資料をもとに説明。

【総務部長】
・「重点課題:意思決定プロセスの改革」について。「(1)戦略課題の目標」が「戦略本部体制の確立」となっているが、これは目標ではなく手段ではないか。手段を通じて何を達成するのかをここに設定すべき。手段と目的の関係は悩むところであるが、アウトカムを意識すると、ここの目標はどういうふうに考えればよいか。これを例にとって議論したい。

【木村副知事】
・「意思決定プロセスの改革」は非常に大事なこと。その手段として、「戦略本部体制の確立」以外のイメージは何があるのか。

【政策企画部長】
・大きな方針を打ち立てて、それに従って部局が動くという仕組みをつくるためには、この戦略本部体制をきちんと運営していくことが、まず目標であると認識。

【総務部長】
・課題として「意思決定プロセスの改革」をあげていることからすると、意思決定プロセスについて、どういう課題があって、どういう方向へ改革していこうとしているのか、というのがあるべきではないか。

【政策企画部長】
・アウトカムのところと重複するが、府民から見て本当に大阪府の施策がよくなっているのかというのを一番重視すべきで、そのため、この本部会議の運営をきちっと行っていくことが我々の肝と考えている。

【綛山副知事】
・戦略本部体制を確立して何をめざすのか。府民との関係において透明性を高めていくとか、意思決定を迅速化していくとか、限られた資源の有効活用を図るとか、そういうことではないか。

【総務部長】
・意思決定の迅速化や全庁的視点での決定など、方法や内容の議論をここに付け加えるべきではないか。また、手段として戦略本部体制というのは主要なツールであると思うが、それ以外のツールも考えるべきという議論も出てくるのでは。

【木村副知事】
・組織強化という言葉を使ったが、それに対する認識はどうか。

【政策企画部長】
・戦略本部会議だけではなく、様々なツールで組織強化を図っていくべき。たとえば、各部局の仕事の99%を占める日常業務を、どう円滑かつ効率的に動かしていくかということも、組織強化の大きなポイント。その中でこれを特出しするというのは、全庁的な課題と重要な課題について組織強化の一環としてここで議論していくもので、大きな組織強化の一つであると認識。

【企画室長】
・この部分については、重点課題として組織強化を大きく掲げるというのもあるかと思う。その中で、特に今年度ということに限定していうと、戦略本部体制の確立が初めてのことであるので、「戦略課題の目標」として設定した。戦略本部体制という場が定着してくれば、たとえば部局からは出しにくい政策課題であっても、戦略本部で積極的に議論できるよう設定していくのが大きな目標であると考えている。

【総務部長】
・本部体制の確立というが、何をもって確立したとみるのか。目標設定するのであれば、そこを明確にしておくべきでは。

【綛山副知事】
・もう少しわかりやすく、府民に伝わっていくように。戦略本部会議という体制をつくった結果、何をしようとしているのか。そこをいれてわかりやすくしたほうが良い。その結果、アウトカムとして府民の親しみやすさが増したといったことがでてくるのでは。

【小河副知事】
・政策企画部として何をすべきか。部長の「私の思い」の中で「つなぐ」と表現しているが、政策企画部は「つなぐ」だけではダメ。各部、各施策をつないで新たなものを生み出すべき。関空にしても、政策企画部としては、全体の物流など、大きく関西まで見据えて組み立てるべき。教育にしても、「公私の高校教育のあり方」だけではなく、教育全体の話もある。全庁の意見を聞きながら組み立てていくのが政策企画部の仕事。

【政策企画部長】
・「教育日本一」というテーマでは様々な課題が山積。その中で、重点課題として今年は何をとりあげるかということで「公私の高校教育のあり方」を取り上げた。

【綛山副知事】
・「つなぐ」は手段。つないだ結果、何をめざしていくのか。先ほどから議論になっている戦略目標の設定の話になるのではないか。

【政策企画部長】
・まずは、PDCAの「P」から始めるということで「つなぐ」という言葉を用いたが、その先が大きな課題であることはご指摘のとおり。

【綛山副知事】
・重点課題にあげている「公私の高校教育のあり方」でいうと、今の段階では「あり方検討を本格的にスタート」としか言えないのはわかるが、その上で何をめざすのか。「大阪の教育力日本一」なのか、「子どもたちの進路希望100%実現をめざす」のか。そういった目標をたてた上で、政策企画部としてはそれらを「つなぐ」ということで、「私の思い」や目標設定の部分を整理すればわかりやすくなる。政策企画部は各部との連携が仕事なので書きにくい。他部局では単体で議論できるが。

【木村副知事】
・マニフェストなので、1年やった後に評価があり、最終的には人事までつなげるというようなもの。よって、管理できる目標値を掲げないとダメ。関空に関しては、国、他の自治体、関空会社、利用者がいる中で、府の立ち位置が非常に不明確。部長は目標値に対して責任を取れるのか。どこまで自分の守備範囲として目標設定するのか。

【政策企画部長】
・「関西国際空港の機能向上」の項目については、アウトプット、アウトカムが非常に難しい。大阪府として何ができるかというところからスタートしなければならないが、国に求めていくという問題を避けて通ると、いつまでも国家戦略がないままになってしまう。府として問題発信をしたいということで、この目標を設定した。

【総務部長】
・数値目標については、各部長共通の悩み。明確な数値目標を示すことが点検の際に重要になるが、行政だけで達成できないものもかなりある。具体的に関空で見てみると、「長距離国際旅客便の就航都市数の増加」とあるが、具体的に数値を入れるのか入れないのか。入れるとなると、大阪府だけで達成できるのかとなる。「有利子負債残高のさらなる減少」についても、「半減」を目標として掲げるべきか。それは国がやるべきことなので勝手に設定できないので「さらなる減少」でとどめるべきか。今日の議論は各部局長にとって非常に参考になる。

【木村副知事】
・制度として始まったばかりなので、試行錯誤しながら部長としてのチャレンジングな目標設定をすればいいと思うが、評価指数でないと意味がない。きつい言い方だが、大きな流れとして、目標は、意識強化という意味で部長が「やります」と宣言し、できなければ別の部長に替わっていただくというようなもの。そうでなければ、部長マニフェストのアウトカム目標として意味がない。

【総務部長】
・具体的に就航都市数の拡大についての指標として、関空会社や促進協議会の議論の中で、何か数値が出ているのか。

【政策企画部】
・そういう数字はない。1つでも増やしていこうとういところまでがコンセンサス。このマニフェストでは、単年度で何をインプットして何をアウトプットするのかという文脈。世界的不況の中で航空需要は冷え込んでいる。現状では自己完結的に数値目標を設定するのは非常に困難であるが、悩んだ結果、決意も込めて「増加させる」という目標設定をした。

【知事】
・もともと、なぜ私が戦略本部体制にこだわったか、皆さんはどう受け止めているのか。そこの理解がないと、こういう風な整理で終わってしまう。
・私がこだわったのは、価値観の共有。府庁の中で、選挙で選ばれたのは私一人。申し訳ないが私にはアドバンテージがあり、その感覚というものを組織に浸透させたい。
・皆さんは公務員であり、目標を達成できなかったからといって「クビです」というわけにはいかない。しかし私は政治家なので、「就航都市数の増加」「有利子負債残高の更なる減少」という目標設定では、府民は納得しない。私なら関空と協議して「○○便増加」といった具体的な数字を出す。そういった感覚を共有したいがために戦略本部体制をつくった。部局長にも政治家的な価値観をもってもらいたいというのがスタート。
・また、これまでの効果検証についても、私には、はっきりしていなかった。政治家なら効果が出なければ終わり。みなさんに「効果検証はどうなっているのか」と尋ねると、「PDCAサイクルがうまく機能していなかった」とのことだったので、そこを見える形で示したかった。
・さらに、これまでは、私自身が全て部局と個別にやりとりするなど、マネジメントはどうなっているのかという思いがあった。そこで、今回からは、副知事にも政策立案を含めて参画していただき、組織的な責任をはっきりさせ、この戦略本部会議の場で物事を立案し、決めていってもらいたいと思っている。
・繰り返すが、(1)政治的価値観の共有、(2)部局横断でバラバラ感をなくす、(3)効果検証きちんとしてマネジメントをしてもらいたい、といった3点が私の頭の中にある。
・いきなり数値目標を部局長の人事と直結させると大変だと思うので、今回は政治価値の共有ということでよいのではないか。

【総務部長】
・行政評価においてもアウトカム、アウトプットの目標設定はしている。そこでも議論になっているのは、その目標が行政だけで達成できないということ。民間の取組みが必要などの要因で直ちに達成できないからといってクビというのではなく、そこはきちんと要因分析をすればよい。
・行政だけで達成できないから目標設定しないというのではなく、数値として目標設定し、行政としてもそれをめざして頑張る。結果については、きっちりと原因を分析し、次につなげていけばよいと思う。数値化して目標を掲げるべき。

【知事】
・私は言い訳できない。単なる行政評価ではなく、部局長には、私と同じ感覚でやってほしい。
・対外的な要素があるので数字は出せないないというのとは、少し違うような気がする。ある意味、部局長にも政治家的な感覚に立ってやっていただきたい。

【政策企画部】
・空港政策に限ったことではないが、職員としてこれまでの自己批判も踏まえ、今までの「これだけ頑張りました」というような定性的なことでなく、今回のマニフェストでは少しでも定量的に表現したいとの思いから、「さらなる減少」と踏み込んだ表現をしたつもりだが、知事のお考えもよく理解できたので、さらにもう一歩踏み込んで、知事の趣旨を踏まえ検討したい。

【知事】
・関空の件は、政策企画部ではここまでしか書けないのか。部局横断ということで、たとえば鉄道の話などは書けるのでは。

【小河副知事】
・空港戦略室としては書けなくとも、政策企画部としては違う。企画室が全庁を集約してやっていくべき。政策企画部には、部局からも知恵を出してもらい、つなぐだけでなく作っていく。全体を見て政策を立案していくという意識をもってもらいたい。

【政策企画部】
・部内ではそういった議論もあったが、目標をはっきりさせるということが今回のメインテーマだったので、こういう記載とした。

【綛山副知事】
・関空の「(2)施策推進上の目標」に、「促進協の奨励一時金制度の拡充」や「プロモーションの実施」という項目が掲げられているが、そんな議論ではないような気がする。全庁的な視野を持ちつつ、アクセスの問題もそうだし、空港戦略を確立するといったことを書くべき。

【小河副知事】
・先日、鉄道の会議がキックオフしたので、これからどう取り組み、絡めていくか。費用負担の話で終わってしまってはいけないので、全体の大きな議論の中で。

【知事】
・今までの行政評価とは違う形でやりたい。部局長の人事評価には結び付けない。私の政治価値を共有してもらいたい。

【木村副知事】
・基本的に部局長マニフェストではあるが、知事マニフェストの実施部隊。特に、目標については知事と同じ価値観で同じ目線でというのが今までの私たちの議論と違うところ。
・知事の意向を受けて、同じ価値観で目標を作っていくなら、全庁統一的にすべき。今日の議論を水平展開して、今後の議論に反映させていくべき。

【政策企画部長】
・21年度のマニフェストなので、その期間に達成できる目標ということで、若干矮小化されている。たとえば、関空の有利子負債残高を半減させるといった話であれば、もっと年次的な段階を経なければならない。

【知事】
・大きな方向として、部局長は私と同じ感覚で、同じこだわりをもって目標設定と効果検証を行い、戦略本部で検証してもらいたい。政治的価値の共有となると、達成しなかったからといって、人事や評価と切り離さないと難しくなる。

【綛山副知事】
・この会議は各部長から知事に了解を求める場ではなく、より高めて議論をする場。数値目標を置くとか、より大きな視野とするとか、ここで議論して確立し、最終的な絵姿は部長が知事と約束するものであるから、部局としては責任をもって遂行する。「ハードルが高いので達成できる、できないは政治的メッセージとして考える」と言ってしまうと、最終的に部局が本気でそれを達成しようとするか。最初からタガを外して何でもいいから高い目標を掲げよというのは少し抵抗がある。目標を設定した上で、努力する姿勢は残したほうがいい。

【知事】
・かえって「政治的に」というと責任があいまいになってしまうか。

【綛山副知事】
・だからここで知事は政治的メッセージ、部局はこれまでやってきた基盤とで議論して、それで決める。それがこの場。今日の議論をベースに各部に情報提供して進めていってはどうか。

【総務部長】
・政治的な目標設定、メッセージにすべき。今日の議論を全庁的に統一して情報提供し、それに沿ったものを考えてこいとアナウンス。その上で、戦略本部会議の場で部の思いをぶつけて議論するということでよいか。

【企画室長】
・事務局から整理して伝える。

【知事】
・副知事の位置づけも、今までのように部局から意見を出すだけでなく、副知事によるマネジメントを。副知事も立案に関与して。

【綛山副知事】
・教育などは、教育委員会、私学、大学も併せた形でマニフェストを設計して、私も関与した形で出す。

【政策企画部長】
・知事の「政治的価値の共有」という重いテーマを踏まえて、できるだけ数値目標を具体的に出すよう検討していきたい。

【企画室長】
・今日の会議コストは、1時間10分で23万6950円。

このページの作成所属
政策企画部 企画室政策課 政策グループ

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