2001年度【平成13年度】
激甚な産業型公害は克服!
大気中の二酸化硫黄(So2)や河川・海域(大阪湾) のシアン、カドミウム等は環境基準を達成できており、 克服できたものと考えます
公害の態様の変化により、都市生活型公害の解消が課題
自動車排出ガスが主な原因とされる大気中の二酸化窒素(No2)や浮遊粒子状物質 (Spm)、また、生活排水が主な原因とされる河川や海域の有機物汚染(Bod・Cod)は、いずれも改善 の傾向にあるものの、環境基準を達成できていない地域が残っています
その他にも府域には解決しなければならないさまざまな環境問題があります
廃棄物の不法投棄や野積みなどの不適正処理、地球温暖化や都市部のヒートアイランド現象、さらにダイオキシン類や環境ホルモンによる人や生態系への影響など、解決していかなければならないさまざまな問題を抱えています
おおさかの環境をより良くするために、わたしたちのおおさかをもっと住みやすくするために、さまざまな環境問題を一つひとつ改善していく必要があります
大阪府では、平成14年3月に新しい環境総合計画である 「大阪21世紀の環境総合計画」を策定しました |
キーワードは循環型社会をめざした環境都市づくり 今後の方向は
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産業廃棄物の排出量は年々減少傾向にあり、これに対して再生利用(リサイクル)率は上昇傾向にあります。しかしながら、平成12年度の産業廃棄物の排出量1,768万トンのうち、リサイクルや減量化された残りの147万トンが最終処分されており、最終処分場の残容量を圧迫する状況にあります。
また、府内には、不法投棄や野積みなどの産業廃棄物の不適正処理が依然として増加の傾向にあり、特に行政の監視が手薄になる夜間や早朝、休日に、きわめて短期間に行われるなど、その手口が悪質・巧妙化しています。
一般廃棄物の排出量も、年々減少傾向にありますが、1人1日あたりの排出量は1.3kgで、全国の1.1kgに比べると多く、また、リサイクル率は上昇傾向(大阪府8.3%)にありますが、これも全国(13.1%)に比べるとまだまだ低いのが現状です。
産業廃棄物不適正処理を防止するための監視パトロール隊による出発
大阪府廃棄物処理計画に基づき、廃棄物の最終処分量を平成22年度までに概ね半減させることをめざして、廃棄物の発生抑制(Reduce)、再使用(Reuse)、再生利用(Recycle)(3Rといいます)を、さらに推進します。
また、大阪都市圏における循環型社会の構築を図るため、廃棄物の最終処分場跡地等を活用し、民間事業者を主体としたリサイクル施設の整備や自然とふれあう場「共生の森」を創造する「大阪エコエリア構想」を策定します。
川の汚れ具合を示すBod濃度は、改善の傾向がみられます。大阪市内でもっとも汚いと言わ れてきた寝屋川に、ギンブナやモツゴなどの魚が戻ってきたとの報告もあります(大阪市生息状況調査)。
海(大阪湾)の汚れ具合を示すCod濃度の改善は依然として進んでおらず、環境基準の達成率は 50%に満たないのが現状です(47%)。主な原因は、生活排水対策の遅れに加えて、海底のヘドロの堆積にあると考えられます
平成12年度の汚水処理率は81.2%で、旧計画の目標である100%を達成できませんでした。
このため、新しい環境総合計画では、新たに地域の実情に応じた実施計画を策定し、平成22年度までに生活排水の100%処理をめざします。
平成11年度の二酸化炭素の排出量は、電力や鉄鋼業の稼動が低下したことにより、産業部門からの排出量が減り、京都議定書の基準年度である平成2年よりも0.8%削減されています。しかしながら、運輸、民生部門の排出量は、増えており、京都議定書の約束達成のためには、これをどう減らしていくかが大きな課題となっています
温室効果ガスを平成22年度までに基準年度である平成2年度から9%削減させることをめざして、新エネルギーの導入や省エネルギー化の推進のほか、各主体の自主的な取り組みの促進に努めます。
大気中の二酸化窒素の年平均濃度は横ばいの状況ですが、環境基準の達成率はここ数年、改善の傾向にあります。
一般大気環境測定局 | 96% |
自動車排出ガス測定局 | 68% |
浮遊粒子状物質については、年平均濃度は改善の傾向にありますが、環境基準の達成率はかんばしくありませんでした。(高濃度が2日続いたことによる)
一般大気環境測定局 | 44% |
自動車排出ガス測定局 | 32% |
平成22年度末までに二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境基準の概ね達成をめざして、「大阪府自動車排出窒素酸化物及び粒子状物質総量削減計画」を策定し、低公害な車の導入やディーゼル車対策等を推進します。
Prtr(Pollutant Release and Transfer Register)は、有害性のある化学物質が、どのような発生源から、どれくらい環境中に排出されたか、あるいは、廃棄物等に含まれて事業所外に運び出されたかというデータを事業者自らが把握し、集計し、公表する仕組みのことです。
おおさかには緑が少ないと言われますが、府域は「天与のグリーンベルト」と言われる北摂山系、金剛生駒山系及び和泉葛城山系の3山系に囲まれ、豊かな自然・歴史・文化に恵まれています。
府域には1万種を超える生物が生息・生育していると予想され、中には、北摂山系に棲む特別天然記念物のオオサンショウウオや淀川のわんどに棲む天然記念物のイタセンパラなどもいます。
イタセンパラ
淀川には、多様な水生生物の生息や繁殖地となっているわんどがあります。しかしながら、わんどの数は500個程度ありましたが、現在は50個程度に減少しており、密漁等に対するパトロール等の保護活動を行っています。
淀川のわんど
都市部のみどり空間は少なく、都市公園の整備を進めていますが、府民1人あたりの公園面積は4.8m2と全国平均の約半分となっています。また、この10年で、都市公園面積は860ha増加しましたが、逆に森林面積は840ha、農地面積は2,800ha減少しています。
信太山湿地保全事業
このページの作成所属
環境農林水産部 脱炭素・エネルギー政策課 府民共創グループ
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