DVを切り口に力関係を考える(めやす90分)
4 まとめ
動き(プログラムの流れ) | ポイント |
(5分) ★これまで考えてきて、DVへの見方、理解の仕方が変化した方、何か気づいたことのある方はおられますか?
● 2 から 3人の声を聞く。
★このようにDVとは、単に身体的暴力があるかないかなどの問題ではなく、力関係、つまり言えなく/行動できなくさせるような「力」が働いていて、対等でない関係が固定化していることがあり、それが、その人がその人として生きることを脅かすものです。ウォーミングアップで話した「家族のイメージ」とも照らし合わせて、身近な問題として考えてもらえれば、と思います。 | • 終了後、当事者や当事者の周囲の人などが、個人的に相談をしてこられることがある。その場合は、自分がこの場で話を聴くことが無責任になってしまうことを説明し、担当者に引き継ぐか、相談窓口などの情報提供をする。 |
ファシリテーターのための参考資料
夫から妻への犯罪の検挙状況の推移警察庁資料より | |
2001年に配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(通称DV防止法)が制定され、2004年と2007年に一部改定された。改定ごとに傷害による検挙数が増え、2009年は殺人数が減少した。
DVは2001年に法律が制定されるまでは、配偶者からの暴力は夫婦喧嘩として片付けられ、被害者は援助の手立てから隔離され、被害者自身もそれを犯罪として認識できなかった。社会構造上の弱者に向けられる、暴力の連鎖の典型であるといえる。
妻に暴力を振るっている夫は、子どもにも暴力を振るう傾向が高く、父親が母親に暴力を振るう様子を見せられている子供は、そのことで心理的な暴力を受けており、支援の手が届きにくい ことが問題にあげられる。 | |
配偶者間(内縁を含む)における犯罪(殺人、傷害、暴行)の被害者(検挙件数の割合)(2009年) 警察庁資料より | |
2009年に男性が被害者となった殺人件数は、53件であった。 それだけを取り上げると、女性が加害者となるケースが増えたように見える。しかし、傷害と暴行の95%近くは男性が加害者であり被害者は妻たちであった。暴力の連鎖による加害行為は、こういう形でも起こっている。 | |
出典『一人ひとりの大切なこころとからだ』
調査報告「小学生が考える女の子と男の子」&子どもをエンパワメントする授業の効果
発行:特定非営利活動法人SEAN 教育部門「G-Free」
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府民文化部 人権局人権企画課 教育・啓発グループ