施設コンフリクト(資料2)

更新日:2023年2月2日

2 「ノーマライゼーションの実現に向けて・・・精神障害者が地域で普通に生活していくために・・・」
(1996 平成8年1月 総務庁行政監察局 編)〔抜粋〕
第2 3 社会復帰対策の推進 (2)社会復帰施設等の充実等
   ア 社会復帰施設等の整備の促進

(勧 告)
 精神障害者の社会復帰の促進及び自立と社会経済活動への参加の促進を図ることを目的とした社会復帰施設は、精神保健福祉法第50条に基づき、都道府県、市町村、社会福祉法人その他の者が設置することができるとされており、国は、精神保健福祉法第51条に基づき、社会復帰施設の設置者に対し(ただし、都道府県以外の者が設置者の場合は都道府県を通じて)、その設置及び運営に係る費用の一部を補助することができるとされている。社会復帰施設の種類は、精神保健福祉法第50条の2において、(1)家庭において日常生活を営むのに支障がある精神障害者が日常生活に適応することができるように、居室その他の設備を利用させ、必要な訓練及び指導を行う精神障害者生活訓練施設( 以下「生活訓練施設」という。)、(2)雇用されることが困難な精神障害者が自活するこ とができるように、必要な訓練を行い、及び職業を与える精神障害者授産施設(以下「授産施設」という。)、(3)現に住居を求めている精神障害者に対し、居室その他の設備を利用させるとともに、日常生活に必要な便宜を供与する精神障害者福祉ホーム(以下 「福祉ホーム」という。)、(4)通常の事業所に雇用されることが困難な精神障害者を雇用し、及び社会生活への適応のために必要な指導を行う精神障害者福祉工場(以下「福祉工場」という。)の4種類に区分されている。
 また、グループホーム事業は、精神保健福祉法第50条の3に基づき、精神障害者の社会復帰の促進及び自立の促進を図るため、地域において共同生活を営むのに支障のない精神障害者につき、これらの者が共同生活を営むべき住居において食事の提供、相談その他日常生活上の援助を行う事業であり、都道府県、市町村、社会福祉法人その他の者が当該事業を行うことができるとされており、国は、精神保健福祉法第51条に基づき、当該事業を行う者に対し(ただし、都道府県以外の者が事業主体の場合は都道府県を通じて)、当該事業に要する費用の一部を補助することができるとされている(以下、グ ループホーム事業の対象となる共同生活を営むべき住居を「グループホーム」という。 )
 社会復帰施設及びグループホーム(以下「社会復帰施設等」という。)の設置状況をみると、平成6年10月1日現在、社会復帰施設については、42都道府県に合計181 施 設(生活訓練施設が34都道府県に合計62施設、授産施設が31都道府県に合計59施設(通所型のものが29都道府県に合計55施設、入所型のものが4都道府県に合計4施設)、福祉ホームが28都道府県に合計60施設、福祉工場は未設置)、グループホームについては 、42都道府県に合計152 施設が設置されているが、社会復帰施設、グループホームともそれぞれ5都道府県で未設置となっている。また、前述の公衆衛生審議会答申「今後に おける精神保健対策について」において、社会復帰施設の整備は、他の障害者の施設と比べ十分に促進されていない旨が指摘されており、平成5年度における社会復帰施設の設置数を他の障害者の施設の設置数と比較すると、例えば、身体障害者更生援護施設に対しては13.2パーセント、知的障害者援護施設に対しては7.7 パーセントの整備率にとどまっている。
 なお、社会復帰施設等の設置者別の内訳をみると、医療法人、社会福祉法人等の民間団体が設置者であるものが、社会復帰施設については163施設(90.1パーセント)、グ ループホームについては150 施設(98.7パーセント)を占めている。
 今回、20県における社会復帰施設等の整備計画の策定状況及び設置状況を調査した結果、以下のような状況がみられた。
(1)社会復帰施設等の整備計画の策定状況をみると、9県では中長期における施設整備計画を有しているが、このうち8県におけるその内容は精神障害者等に対するニーズ把握の結果によるなどの具体的根拠に基づくものとなっていない。一方、他の11県においては、利用者の把握が困難であることから施設整備の目標を設定する手法がないこと、社会福祉法人等の民間団体に整備を依存していることなどの理由から整備計画を有していない。このように、調査した県においては、管内における必要な施設の種類及び数を把握していない上に施設の整備を民間団体等に依存していることから、生活訓練施設、授産施設等各種の社会復帰施設が精神障害者の利用目的に沿って合理的に整備されることが重要であるが、生活訓練施設あるいは授産施設のみの設置となっているもの(9県)、設置地域の偏り、立地条件等から利用の低調な施設があるものがある(1県1施設)。
(2)地元住民の反対から、設置が計画されたものの設置を中止したもの(2県2施設)、工事が未着工となっているもの(1県1施設)、開所予定時期を延期したもの(1県1施設)及び設置地域を数回変更したもの(1県3施設)がある。
 したがって、厚生省は、社会復帰施設等の整備の促進を図る観点から、社会復帰施設等の適切な整備について、(1)都道府県に対し、整備すべき施設の数値目標等を含んだ整備計画を策定するための指針を示すなどの支援措置を講ずるとともに、(2)都道府県及び市町村に対し、地元住民の理解を得るための啓発及び広報を積極的に実施するなどの環境整備に努めるよう指導する必要がある。

* 精神薄弱者は知的障害者に書き換えています。

このページの作成所属
府民文化部 人権局人権擁護課 擁護G

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