人権問題に関する府民意識調査報告書(分析編) 「逆差別」意識の構造と教育・啓発の課題 4.調査結果の活用のために 4-1この調査へのコメント

更新日:2012年3月28日

人権問題に関する府民意識調査検討会委員
大阪府立大学人間社会学部准教授 西田芳正

4.調査結果の活用のために

4-1この調査へのコメント

 自由記述欄には、この調査そのものに対するコメントも書き込まれた。そのうちの11ケースが批判的な内容である。同和問題は「ずっと前の事だと思っていた。…今さら何でかと」、「税金をこういうことに使わないでほしいです」など「調査自体がムダだ」とする内容が4ケース、「同和問題を言い過ぎ。気にしていなかった人まで気にさせている。このアンケートもしかり」と、同和問題を主題にした調査を実施することが「差別意識を助長している」という内容の書き込みが5ケース見られた。これらのコメントは、先に検討してきた「逆差別」意識の延長上にあると解釈できる面もあるだろう。
 対照的に、「同和問題について忘れかけていましたが、アンケートにこたえて、改めて考え直す機会となった」、「このアンケートで、改めて難しい問題であり日本国民の大きな課題であると感じました」といった記述も7ケースあった。
 また、「こういう調査は結果を受けてどう活かしていくかが大切だと思います。『とりあえずやった』というようなことにならないように、対策を講じていく必要があると思います。分析結果とともに、検証、施策などを追及していくことを継続していただきたいと思います」〔30歳代男性〕という指摘(同様の記述がもう1ケースあった)に対しては、調査の実施側として真摯に応えていくことが求められる。
 なお、調査対象者が同和地区住民でないことを前提とした設問となっていると問題視し、差別問題解消のためには「同和地区や在日の人も含めて考えていかなければならないと思う」〔年齢不明女性〕という指摘や、「『人権問題に関する府民の意識調査』としながら、この調査は同和問題に関してばかりのものであり、国や大阪府は人権問題の全てが同和問題からきているものだとする見解で取り組んでいるのだということがはっきりとわかりました。残念でなりません」〔40歳代女性〕という記述があった。この調査は同和問題に関する意識にテーマを限ったものではなく、「差別問題・人権課題=同和問題」と行政側が認識しているわけでは決してないが、行政の取組みがどのように受け止められているのかについての手がかりとして重要である。



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このページの作成所属
府民文化部 人権局人権企画課 教育・啓発グループ

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