第2 校長等の給与制度改正に関する教育委員会の検討案

更新日:2014年2月10日

第2 校長等の給与制度改正に関する教育委員会の検討案

  上記のように、管理職の給与のあり方が本府の教育行政における重要な検討課題となっているため、教育委員会としては、この間、職員構成の状況や職務給の原則の徹底などを踏まえ、具体的な改正案の検討を行ってきた。また、これを実現するべく、所要の条例改正等を進めるため勧告等の措置を講じることについて、教育委員会から本委員会に対する要請が行われた。

 この教育委員会による改正案(以下、「教育委員会案」という。)の概要は、以下のとおりである。

 1 校長等の給与制度改正の必要性

 校長等の給与を改正する必要性に関し、教育委員会は、将来の学校管理 職の担い手不足の問題を挙げている。

 具体的には、まず、教員(※)の年齢構成の点である。教育委員会は、教員の年齢構成が、校種を問わず50歳台と20歳台に偏っている状況から、「今後、50歳台の管理職員が退職していくと、管理職適齢の40歳台の層が薄くなっている結果、適正な競争環境のもとで、管理職を選抜していくことが困難」になるとしている。

 (※)「教員」は学校教育法上、教諭等の他、教頭も含まれるが、本稿においては便宜上教頭を含まないこととして用いている。

 次に、校長等の職務が困難性を増している中で、教育委員会は、昨今における教員のキャリア志向としての「現場を離れたくないとの思い」があることや、「服務管理や事務業務などが多い」管理職業務の内容も担い手不足の一因であり、加えて、現行給与制度が役職相互の金額の重なりが多く、「ベテラン教員の給与が教頭の給与」を上回る場合や「ベテラン教頭の給与が校長の給与」を上回る場合が「珍しいことではない」ことをもその要因の一つに挙げている。

 こうした課題認識のもと、教育委員会は、職務給の原則を「推進するとともに、意欲ある若年層が管理職を目指すための仕組みづくり(処遇面の魅力、管理職の多忙化解消)が不可欠となっている」という見解を示している。

2 校長等の「給料」の見直し

 以上を基本認識として、教育委員会は、校長及び教頭の給料を職務・職責に見合ったものへと引上げ、職務給の原則を推進するとともに、若年層から学校管理職を目指すインセンティブを構築する必要があるとしている。具体的には、教頭(3級)と首席・指導教諭(特2級)の年間給与の重なりを解消し、教頭の年収の下限を、首席・指導教諭の年収の上限に合わせるとしている。これにより、教員の給与が教頭の給与を上回らないようにするとともに、その結果、若手教頭給与が増額されることから、その財源として、教頭の上位の「号給」を引き下げることとしている。同様に校長(4級)と教頭(3級)の年間給与の重なりを解消し、校長の年収の下限を、教頭の年収の上限に合わせるとしている。これにより、教頭の給与が校長の給与を上回らないようにするとともに、その結果、若手校長給与が増額されることから、その財源として、校長の上位の「号給」を引き下げることとしている。

 また、その金額設定については、級間の重なりを縮小させる観点から、「高校等給料表」の校長(4級)の下位の「号給」にあっては、初号422,500円から23号給462,900円までを削除し、24号給464,800円を新たに初号とし、上位の「号給」にあっては、49号給496,200円から最高号給である57号給504,300円までを削除し、48号給495,100円を新たに最高号給とし、これにより現行4級の57号給を25号給へと縮小させる。
「高校等給料表」の教頭(3級)の下位の「号給」にあっては、同様に初号331,300円から32号給395,700円までを削除し、33号給397,500円を新たに初号とし、上位の「号給」にあっては、86号給472,700円から最高号給である93号給479,300円までを削除し、85号給471,700円を新たに最高号給とし、これにより現行3級の93号給を53号給へと縮小させる。

 次に「小中学校給料表」の校長(4級)の下位の「号給」にあっては、初号412,200円から11号給427,100円までを削除し、12号給428,500円を新たに初号とし、上位の「号給」にあっては、50号給470,900円から最高号給である53号給473,600円までを削除し、49号給470,000円を新たに最高号給とし、これにより現行4級の53号給を38号給へと縮小させる。

 「小中学校給料表」の教頭(3級)の下位の「号給」にあっては、同様に初号286,300円から40号給376,800円までを削除し、41号給378,300円を新たに初号とし、上位の「号給」にあっては、93号給435,300円から最高号給である113号給448,100円までを削除し、92号給434,900円を新たに最高号給とし、これにより現行3級の113号給を52号給へと縮小させる。

 なお、教育委員会は、人材確保及び学校管理職のモチベーションの維持向上の観点から、職務給の原則をより一層推進するため、可及的速やかに実施するとして、当該給与制度の見直しを平成26年度当初から実施したい旨の考え方を示している。

 また、教育委員会は、今回の制度改正に伴い、給料月額が引下げとなる場合には、経過措置が必要であり、平成23年度に実施した「大阪府版公務員制度改革」と同様の経過措置とする考え方を示している。具体的には、切替前の給料月額に満たない場合は、制度上の給料月額になるまで、切替日前日の給料月額の2%を毎年引き下げながら段階的に引き下げるための所要の措置を講じる考え方も併せて示している。

このページの作成所属
人事委員会事務局 人事委員会事務局給与課 給与グループ

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