アレルギーの発症は、人がアレルゲンに暴露されることによって起こります。そのためには、アレルゲンがどのような形で存在し、それがどのような動きをするのかを知っていることが大切です。
アトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギー性疾患には食物やハウスダスト(ダニの死骸やフン等)など様々な原因物質があります。
ここではダニとアレルギーの深い結びつきを考えてみましょう。家屋内に生息しているダニは30から40種といわれ、そのうちチリダニ(ヒョウヒダニ)が90%以上を占めています。
このチリダニ(死骸やフン等も含む)がダニアレルギーの犯人だといわれています。チリダニは体長0.3から0.5 mmで肉眼で確認するのはとても難しいです。 成虫の寿命は2ケ月ほどで、メスは生涯に200から300個の産卵をするそうです。またフケやアカ、カビ、植物繊維が大好物で、温度20から30℃、湿度60から80%の環境で繁殖します。
ダニアレルギー対策としては、ダニを駆除するだけではなくダニをホコリごと除去することが必要です。では、家の中でダニアレルゲンは、どんなところに多いのでしょうか。じゅうたんが圧倒的に量が多く、以下たたみ、板の順です。意外に多いのは、寝具です。布団を敷き放しにしていたりすると、布団1枚当たり400匹以上に増え、多い場合は40,000匹も見つかることがあります。つまり、チリダニは、人が長くいる場所に多くいるのです。
ホコリの中のアレルゲン量はダニが増殖すれば増加します。一般に6から8月にダニの数が最も多くなります。一方、ダニアレルゲン量は、これより約2カ月遅れて8から10月にピークとなります。しかし、冬期でも暖房のよく効いた部屋でダニは発生しています。
布団の上げ下ろしをするときには、室内の空中のダニアレルゲン濃度は通常の1,000倍に達することもあります。
睡眠中の空中のアレルゲン量は居間の空中濃度の10倍程度になるという報告もあります。人は、眠っているときにも寝返りをうつため、布団からアレルゲンが舞い上がるためです。
したがって、ダニアレルゲン暴露をできるだけ少なくするには、次の方法をおすすめします。
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健康医療部 茨木保健所 衛生課
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