大阪のてっぺんで始まるスマート農業 その2
能勢町天王地区は、大阪府の“てっぺん(最北端)”に位置し、棚田での水稲栽培や標高500mの気候を活かしたトマト栽培などが行われています。
農家の高齢化や担い手の減少は全国的な課題となっていますが、当地区においても例外ではありません。
そのような中、地元有志の集まり『天王ナチュラルファーム』が中心となって、若い世代や都市住民の方々も一緒に将来の担い手として活躍できるように、ドローンやラジコン草刈り機等の最新機器を導入した“面白い農業”の検討を重ねてきました。
その結果、国の「スマート農業加速化実証プロジェクト」に採択され、令和2年6月からスマート農業の実証が始まりました。その1(農業用ドローンによる水稲直播が行われました)はこちら
現地検討会と都市住民等との意見交換会が行われました。
令和2年7月4日に同地区で行われた現地検討会と、6月に農業用ドローンにより水稲直播した水田のその後の様子をご紹介します。
現地検討会(水田の様子とLPWA、水田用モニタリング装置等)の様子 天王ナチュラルファーム副会長から、6月に実施したドローンによる直播の様子について説明がありました。 直播用の種もみ(鉄コーティング種子)は、黒くなるのが特徴です。
水田用常時モニタリング装置が設置されています。水温、気温、湿度や水位を記録します。
直播から2週間後、水を抜いて発芽を促しました。まだまだ若い苗です。
速やかに排水を行うため、溝を切っています。 水田地表面の高低差をドローンが測定し、スマホに送ります。
溝がハッキリとわかります。LPWAの基地局の一つです。
全6基の基地局でカバーします。LPWAにより、携帯電話圏外の山間部でも、データ送信等ができるようになり、リモートによる生育診断や鳥獣害の捕獲、緊急時の連絡などが可能になります。 ※LPWAとは、低消費電力広域通信ネットワークの規格の一つです。
また午後からは、都市農村交流に興味を持つ方々と「どうしたら天王地区に人が集まってくるか」をテーマに活発な意見交換が行われました。
都市住民等との意見交換会の様子 都市住民の方を招いた意見交換会。
今後の交流活動のヒントとなるご意見をたくさんいただき、有意義な交流会でした。交流イベントを計画しているマコモダケほ場の整備風景が紹介されました。
都市住民も活躍されました。今後遊休地で使用予定のラジコン草刈り機が紹介されました。
都市から来られた方からは、「単なる田舎ではなく、いつでも迎えてもらえる我々のふるさとであってほしい」などのご意見に対し、地元側から「来られた方と一緒にお酒を飲みながら過ごしてみたい」という希望が寄せられたが、宴席の場で一方的に話し続けられるとだんだん苦手になってしまう。それよりも「我々に興味を持ち、話を聞いてもらえるといつでも参加したくなる」といった、今後の交流を進めるうえでのヒントをいただきました。
また、地元では当たり前の「広い家」、「広い庭」、「自然」などは、「都市住民から見たら宝の山、高嶺の花」という発言に農業者は自信を深められました。当事務所では、今後もプロジェクトをすすめていくコンソーシアムの一員として農機メーカーやICT(情報通信技術)の専門家などの意見を参考に、活動の助言や実証成果の普及を行っていきます。
本実証課題は、農林水産省「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト(課題番号:水2F07、課題名:スマート農業による中山間地農業振興と関係人口・交流人口の増加)」.(事業主体:国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)の支援により実施されました。
「スマート農業加速化実証プロジェクト」等について(農水省HP)
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/index.htmlこのページについてのご意見やお問い合わせは
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環境農林水産部 北部農と緑の総合事務所 農の普及課
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