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登録無形文化財の登録について

報道提供日時

2024年10月18日

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内容

10月18日(金曜日)に開催された国の文化審議会において、下記のとおり、大阪府内の登録無形文化財の登録及び保持団体の認定について文部科学大臣に答申されました。これにより大阪府内初の登録無形文化財が登録されることとなります。

(1)登録無形文化財の登録について

1.名称
 華道(かどう)

2.登録無形文化財の概要
 華道は、草木や花などの花材(かざい)を伝統的な技法と様式をもって花器(かき)にいけて、花等の生命をもって自然観を表現する行為である。
 歴史的には、古来より我が国では、草木や花を賞翫(しょうがん)の対象として捉えてきた。また、日本に仏教が伝来して以降は、草木や花を花瓶(けびょう)に立てて仏前を荘厳(しょうごん)する供華(くげ)が寺院において行われるようになった。室町時代以降、七夕法楽等の行事や公家や武家が邸宅内を飾る際に、「たて花(ばな)」による供華やしつらいが行われるようになり、草花の構成や花器に立てる際の配置を工夫したり、花材の枝を撓(た)めたり、葉を透(す)かしたりする技法が次第に発展していった。そして、江戸時代前期にはたて花を立てるための技法や様式が整理され、立花(りっか)と呼ばれる様式が整えられた。一方、抛入花(なげいればな)と呼ばれる草花をなるべく自然な姿や形で花器にいける方式への関心も高まっていき、江戸時代中期から後期にかけて、花材の撓め方や留め方等の技法の工夫が重ねられ生花(せいか・しょうか)と呼ばれる様式が整えられた。
 明治時代以降、西洋文化の影響を受け伝統文化に対する認識が変化していく中、華道の各流派は技法や様式の継承を目的に各様式の持つ役枝(やくえだ)・規矩(きく)の整理や見直し等を図っていった。また、伝統的ないけばなの見直しが図られる過程で盛花(もりばな)や花型法(かけいほう)等の様式も整えられていった。
 このように、華道は様々な花器に草木や花をいける技術と方法を洗練させていく中で多様ないけばなの様式を生み出し、我が国特有の表現を構築してきたのみならず、時代が下るにつれて人々の生活の中に受容され浸透していった。また、各流派では伝統的な様式について繰り返し稽古を行うことで、精神性を追究し、伝統的な技法とその様式の持つ美意識の修得・継承を図っており、花展等で見られる作品には伝統的な様式と技法、美意識に基づく表現が見られる。
 以上のとおり、華道は、生活文化に係る歴史上の意義を有するとともに、芸術上の価値が高いものである。

(2)保持団体の認定について

1.保持団体の名称
 日本いけばな伝統文化協会

2.保持団体の概要
 日本いけばな伝統文化協会は、いけばな・華道の伝統的な技法や様式を受け継ぎ、未来へ継承していくために、それらの技の保存と時代(生活様式)に応じた様式の向上を図ることを目的に、華道における伝統的な技術や様式を継承する立場にある者を正会員(令和6年8月20日現在、118名)として、令和6年6月に設立された団体である。
 日本いけばな伝統文化協会は、華道の各流派の家元をはじめとして、いけばな・華道における流派の技術を継承する立場にある者が上記の目的に賛同し、主たる構成員となって結成された。同会は、それぞれの華道流派が個々に取り組む活動の枠を超えて事業を行うことによって、華道の保護と発展に貢献することを期待されて設立された華道の横断的団体である。
 同会は、これまでの各流派の活動の枠を越えて事業を行うことにより、華道の保護と発展に貢献することとしており、同会の規約には、いけばな・華道の伝統的な技の保存に関すること、いけばな・華道芸術文化振興のための展覧会、講習会、研究会等の開催、いけばな・華道芸術文化の後継者育成に関すること等を、目的を達成するための事業として位置づけ、活動に取り組んでいる。
 以上のように、同会は、登録無形文化財の保持団体として適切な団体である。


※登録無形文化財の登録制度及び保持者等の認定制度
重要無形文化財以外の無形文化財(地方指定を除く。)のうち、その文化財としての価値に鑑み保存及び活用のための措置が特に必要とされるものを文化財登録原簿に登録することができる。また、登録にあたっては、当該登録をする無形文化財の保持者又は保持団体を認定しなければならない。

 

【問い合わせ先】
・教育庁文化財保護課文化財企画グループ
 電話番号:06-6210-9900
 ファクシミリ番号:06-6210-9903

・文化庁参事官(生活文化創造担当)
 電話番号:075-451-4111(代表)

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